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稽古
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けいこ
ふりがな文庫
“
稽古
(
けいこ
)” の例文
その日はその翌日から上演されるはずのカルメンの舞台
稽古
(
けいこ
)
があったのです。そして妾はカルメンに
扮
(
ふん
)
することになっていたのです。
華やかな罪過
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
事定りてのち寺に於て
稽古
(
けいこ
)
をはじむ、
技
(
わざ
)
熟
(
じゆく
)
してのち初日をさだめ、
衣裳
(
いしやう
)
髢
(
かつら
)
のるゐは是を
借
(
かす
)
を一ツの
業
(
なりはひ
)
とするものありて
物
(
もの
)
の
不足
(
たらざる
)
なし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
非常な晴れな場合と思ってその人たちは
稽古
(
けいこ
)
を励むために師匠になる専門家たちは、舞のほうのも楽のほうのも繁忙をきわめていた。
源氏物語:35 若菜(下)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
長吉は蘿月の伯父さんのいったように、あの時分から三味線を
稽古
(
けいこ
)
したなら、今頃はとにかく
一人前
(
いちにんまえ
)
の芸人になっていたに違いない。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
三年ばかりの間、毎朝の礼拝だエロキュウションの
稽古
(
けいこ
)
だあるいは土曜の晩の文学会だと言って、捨吉達が昇降したのもその階段だ。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
私はもし何か、
長唄
(
ながうた
)
とか
清元
(
きよもと
)
、
歌沢
(
うたざわ
)
のお
稽古
(
けいこ
)
でも出来るようなのんきな時間があったとしたら、私はこのラッパの稽古がして見たい。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
お勢は
近属
(
ちかごろ
)
早朝より
駿河台辺
(
するがだいへん
)
へ英語の
稽古
(
けいこ
)
に参るようになッたことゆえ、さては今日ももう出かけたのかと
恐々
(
おそるおそる
)
座舗
(
ざしき
)
へ
這入
(
はい
)
ッて来る。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
病牀で絵の写生の
稽古
(
けいこ
)
するには、モデルにする者はそこらにある小い器か、さうでなければいけ花か盆栽の花か位で外に仕方がない。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
わたしは日本橋区の
通油町
(
とおりあぶらちょう
)
というところから神田
小川町
(
おがわまち
)
の
竹柏園
(
ちくはくえん
)
へ
稽古
(
けいこ
)
に通うのに、この静な通りを歩いて、この黒い門を見て過ぎた。
江木欣々女史
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
自転車の
稽古
(
けいこ
)
をして、少し乗れるようになってからいっしょに市外へ遠乗りに行って、帰りに
亮
(
りょう
)
が落ちて前歯を一本折った事もあった。
亮の追憶
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
そして
三条西実隆
(
さんじょうにしさねたか
)
や
花山院
(
かざんいん
)
右大臣に愛されて、ますます国学和歌を学ぶ一方、華道や、庭園の作法などまで
稽古
(
けいこ
)
するようになった。
蒲生鶴千代
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
クリストフはそれにすがりついた。いつ推薦状をもらって、その家へやって行き、
稽古
(
けいこ
)
を始めることができるか、それを知りたがった。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
……ぴたぴたと
行
(
や
)
るうちに、
草臥
(
くたび
)
れるから、
稽古
(
けいこ
)
の時になまけるのに、催促をされない稽古棒を持出して、
息杖
(
いきづえ
)
につくのだそうで。
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
物食べる時かて、唇に触らんように箸で口の真ん中へ持って行かんならんよってに、
舞妓
(
まいこ
)
の時分から
高野豆腐
(
こうやどうふ
)
で食べ方の
稽古
(
けいこ
)
するねん。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
大きい
袂
(
たもと
)
の
袖口
(
そでぐち
)
を
荒掴
(
あらづか
)
みにして
尋常科
(
じんじょうか
)
の女生徒の運針の
稽古
(
けいこ
)
のようなことをしながら考え
廻
(
めぐ
)
らしていたらしいが、次にこれだけ言った。
雛妓
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
午後からは折り紙のお
稽古
(
けいこ
)
があった。例の少女のところでは、小間使いが一緒になって、大きな
鶴
(
つる
)
をいく羽もいく羽も折っていた。
幼年時代
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
けれどもそれはすべての歌が二十二歳までに出来たものであることを考えれば、すべて素描の
稽古
(
けいこ
)
時代の歌なのだから無理はない。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
龍造寺主計は、剣術の
稽古
(
けいこ
)
か何かに、思いきり気もちよく一本やられたときのように、かえってうれしそうに、にこにこしていた。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
と投出すやうに謂ツて
湯呑
(
ゆのみ
)
を取上げ、冷めた
澁茶
(
しぶちや
)
をグイと飮む。
途端
(
とたん
)
に
稽古
(
けいこ
)
に來る
小娘
(
こむすめ
)
が二三人
連立
(
つれだ
)
ツて格子を啓けて入ツて來た。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
ちょうど
山姥
(
やまうば
)
がもう少しで上がるところで、銀子はざっと
稽古
(
けいこ
)
をしてもらい、
三味線
(
しゃみせん
)
を
傍
(
そば
)
へおくかおかぬに、いきなり切り出してみた。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ことに「ワタル」という音で止めて居るが、そういうところにいろいろ留意しつつ味うと、作歌
稽古
(
けいこ
)
上にも有益を覚えるのである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
せしが縁と成て其後
毎夜
(
まいよ
)
呼込では
揉
(
もま
)
せけるに
最
(
いと
)
上手なれば政太夫も
至極
(
しごく
)
に歡び療治をさせける處城富は
稽古
(
けいこ
)
を聞感に
妙
(
たへ
)
て居る樣子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
吉宗は平服、それも例の素服、旗本たちは
稽古
(
けいこ
)
着を下にのぞかせ、いずれも、的場の弓からこっちへ立ち寄った様子に察しられる。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
からすさん、
私
(
わたし
)
は、三
年
(
ねん
)
の
間
(
あいだ
)
、
空
(
そら
)
の
上
(
うえ
)
へ
飛
(
と
)
んでゆく
稽古
(
けいこ
)
をしました。そして、いまは、
雨
(
あめ
)
にも
風
(
かぜ
)
にもひるまぬ
修業
(
しゅぎょう
)
を
積
(
つ
)
みました。
紅すずめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「小唄を
稽古
(
けいこ
)
して居ります。そりや良いお聲で、若い方にしては珍らしく
錆
(
さび
)
のある、——斯うふんはりとした
柔
(
やはら
)
か味のある——」
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
松住町
(
まつずみちょう
)
じゃねえぜ。
朝
(
あさ
)
っぱらから、
素人芝居
(
しろうとしばい
)
の
稽古
(
けいこ
)
でもなかろう。いい
若
(
わけ
)
え
者
(
もの
)
がひとり
言
(
ごと
)
をいってるなんざ、みっともねえじゃねえか」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
彼は
暗
(
あん
)
にこの老先生の
用向
(
ようむき
)
と自分の用向とを
見較
(
みくら
)
べた。無事に苦しんで義太夫の
稽古
(
けいこ
)
をするという浜の二人をさらにその
傍
(
かたわら
)
に並べて見た。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこで賃仕事の
片手間
(
かたてま
)
に
一中節
(
いつちうぶし
)
の
稽古
(
けいこ
)
をし、もし上達するものとすれば
師匠
(
ししやう
)
になるのも善いと思ひ出した。しかし一中節はむづかしかつた。
素描三題
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
小刀がどうやら研げるようになると、地紋の
稽古
(
けいこ
)
をやらされた。地紋は仏師の方の伝統で仏師屋では実際にそれが必要なのだ。
回想録
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
キャラコさんは、ルビンシュタイン先生のところへピアノの
稽古
(
けいこ
)
に行っている
同級
(
クラス
)
の友達から保羅の噂をきいたことがあった。
キャラコさん:05 鴎
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
その
上
(
うへ
)
に
趣味
(
しゆみ
)
が
廣
(
ひろ
)
く——
例
(
たと
)
へば
最近
(
さいきん
)
、その
三上
(
みかみ
)
を
對手
(
あひて
)
として、いい
齡
(
とし
)
をしながら(
失言
(
しつげん
)
?)
將棋
(
しやうぎ
)
を
稽古
(
けいこ
)
しかけたりしてゐる。
長谷川時雨が卅歳若かつたら
(旧字旧仮名)
/
直木三十五
(著)
他
(
ほか
)
の
稽古
(
けいこ
)
の時に絵を
画
(
か
)
いたりしないような、そしてお友達に何を言われても、
好
(
よ
)
いと思ったことを迷わずするような、強い子になって下さい。
先生の顔
(新字新仮名)
/
竹久夢二
(著)
稽古
(
けいこ
)
は
引取
(
ひきと
)
つてからでも
充分
(
じうぶん
)
させられるから
其心配
(
そのしんぱい
)
も
要
(
い
)
らぬ
事
(
こと
)
、
兎角
(
とかく
)
くれさへすれば
大事
(
だいじ
)
にして
置
(
お
)
かうからと
夫
(
それ
)
は
夫
(
それ
)
は
火
(
ひ
)
のつく
樣
(
やう
)
に
催促
(
さいそく
)
して
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
が、騒々しい酒宴の席から、身を
脱
(
のが
)
れた欣びは、
直
(
す
)
ぐ消えてしまって、芸の苦心が再びひしひしと胸に迫って来る。明日からは
稽古
(
けいこ
)
が始まる。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
西洋の婦人はそういう学校で生理上や衛生上の原則から家庭料理を
稽古
(
けいこ
)
するのだから益々料理法の改良進歩も出来る訳だね。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
素直という意味は、たとえば我々のような凡人でも、四十五十になれば事に処して顔色を変えないぐらいの
稽古
(
けいこ
)
はできる。
家康
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
芝居の
稽古
(
けいこ
)
であった。一座を組んで、出しものを用意して、映画館のアトラクションとして売り込もうというのであった。
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
「独学で何年やったって検定試験なんか受けらりゃしないぜ。ほかの学問とは違って語学は多少教師について
稽古
(
けいこ
)
しなければ、役に立たないね」
入江のほとり
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
お師匠をお部屋へお呼びなされて富本のお
稽古
(
けいこ
)
をお始めになられたのも、よほど昔からのことでございましたでしょう。
葉
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
古典派である私なども、現在語ばかりを以てする詩の
稽古
(
けいこ
)
もするが、時としてはそうして出来た作物が、まるで裸虫である様な気のする事がある。
詩語としての日本語
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
其のノートには又彼の読んだ書物の中で「適切な表現」と思われたものが
悉
(
ことごと
)
く書抜いてあった。諸家のスタイルを習得する
稽古
(
けいこ
)
も熱心に行われた。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
その上、御息女さまの、
御他行
(
ごたぎょう
)
さきより、お招きをうけたこともござりましたが、来月
興行
(
こうぎょう
)
の
稽古
(
けいこ
)
等にていそがわしく、おことわりいたしました。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
左樣
(
さやう
)
でござります。
愚老
(
ぐらう
)
の
頭
(
あたま
)
を
草紙
(
さうし
)
にして、
御城代樣
(
ごじやうだいさま
)
のお
月代
(
さかやき
)
をする
稽古
(
けいこ
)
をなさいますので、
成
(
な
)
るたけ
頭
(
あたま
)
を
動
(
うご
)
かしてくれといふことでござりまして。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
退屈しのぎに、昼の間の一時間か二時間浄瑠璃を
稽古
(
けいこ
)
しに行きたいと柳吉は言い出したが、とめる気も起らなかった。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
私は午前中だけ
野良
(
のら
)
に出て百姓の
稽古
(
けいこ
)
をし、午後は講義録を読んだ。私は
頓
(
とみ
)
に積年の重たい肩の荷を降した気がした。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
例
(
たと
)
へば、それが
朝
(
あさ
)
の九
時
(
じ
)
であつたと
假定
(
かてい
)
して、
丁度
(
ちやうど
)
其時
(
そのとき
)
に
稽古
(
けいこ
)
を
初
(
はじ
)
める、
時々
(
とき/″\
)
何時
(
なんじ
)
になつたかと
思
(
おも
)
つて
見
(
み
)
る、
時計
(
とけい
)
の
針
(
はり
)
は
廻
(
めぐ
)
つて
行
(
ゆ
)
く!一
時半
(
じはん
)
に
晝食
(
ちうじき
)
!
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
幸吉、お前も仕事ばかりに精出しているのは
好
(
い
)
いが、何か一つ遊芸といったようなものを
稽古
(
けいこ
)
して見たらどうだい。
幕末維新懐古談:20 遊芸には縁のなかったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
代を譲った
倅
(
せがれ
)
が店を三越まがいにするのに不平である
老舗
(
しにせ
)
の隠居もあれば、横町の師匠の所へ友達が清元の
稽古
(
けいこ
)
に往くのを憤慨している若い衆もある。
余興
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
父は静に私を諭して、つまり
此
(
この
)
ごろの失策が私の
稽古
(
けいこ
)
で、父の
教
(
おしへ
)
より母の諭しより私の
為
(
ため
)
になるのだから、よく心を沈めて考へる
様
(
やう
)
にと申されました。
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
村の若者達は娘を
捜
(
さが
)
すために、二里三里を涼しい夜風に吹かれながら、その
逞
(
たくま
)
しい歩みで歩いた。或る者は、又、村祭の用意に太鼓の
稽古
(
けいこ
)
をして居た。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
“稽古”の意味
《名詞》
稽古(けいこ)
(context、dated)昔の事柄について調べて考えること。
武道や芸能などを練習すること。
(出典:Wiktionary)
“稽古”の解説
稽古(けいこ)とは、広く芸道に共通して使われる主に練習を指す言葉である。
(出典:Wikipedia)
稽
常用漢字
中学
部首:⽲
15画
古
常用漢字
小2
部首:⼝
5画
“稽古”で始まる語句
稽古本
稽古場
稽古事
稽古着
稽古槍
稽古矢
稽古所
稽古屋
稽古三味線
稽古日