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ぬす
半年ばかり
經と
何者とも知れず、
墓を
發いて石を
盜み
去たものがある。子は
手掛がないので
追ふことも出來ず其まゝにして二三日
經た。
小賊肯かずして、
則ち
刀を
執つて
其の
指を
切つて
珠を
盜むや、
指より
紅の
血衝と
絲の
如く
迸りぬ。
頭領面を
背けて
曰く、
於戲痛哉。
聞糺し
若出所明らかなれば夫までの事萬一
胡亂の申口ならば見世に
在し百兩の金を文右衞門が
盜み
取しと
云懸て同人が所持の金子を
嘗つてユーゴのミゼレハル、
銀器を
盜む
一條を
讀みし
時に
其精緻に
驚きし
事ありしが、この
書載するところ
恐らく
彼の
倫にあらざるべし。
「
盜んだつち
譯ぢやねえが、
蓋とつて
見た
處なんだよ」さういつて
婆さん
等は
風呂敷の
四隅を
掴んで
圍爐裏の
側へ
持つて
來た。
その
風雪の一
握りのつぶては、
時々毛のやうな
欄間の
隙や
戸障子の
仲を
盜み
入つて、
目に
見えぬ
冷たいものをハラ/\と
私の
寢顏にふりかけてゆく。
いつも
眞赤になってゐる……
其姫の
脣から
永劫死なぬ
天福を
窃と
盜むことも
出來る、ロミオにはそれが
能はぬ。
『
地方自治に
錢を
渡したら、
其れこそ
彼等は
皆盜んで
了ひませう。』と、ブロンヂンのドクトルは
笑ひ
出す。
『
盜んだナ!』と
王樣は
陪審官を
顧みながら
叫ばれました、
陪審官は
絶えず
事實の
備忘録を
作つてゐました。
逃げもせず
隱られもせず、
欲かしらねど
盜みましたと
白状はしましよ、
伯父樣同腹で
無きだけを
何處までも
陳べて、
聞かれずば
甲斐なし
其塲で
舌かみ
切つて
死んだなら
その
私を
可哀さうに
思つて、
親狐は
私の
言ふなりに
育てゝ
呉れましたとか。
私は
他の
言ふことなぞを
聞かないで、
自分のしたい
事をしました。
鷄が
食べたければ、
鷄を
盜んで
來ました。
倒し我が子を夫婦となせし上自分も共に
樂まんと
櫛を
盜ませ金を
騙り取らせしならんと云ふに與惣次
打點頭成程お專が言ふ如く毒ある花は人を
其の
以前から
勘次は
秋になれば
掛稻を
盜むとかいふ
蔭口を
利かれて
巡査の
手帖にも
載つて
居るのだといふやうなことがいはれて
居たのであつた。
こいつ
彼の
老爺が
盜んだと
急に
追かけて行くと老人
悠々として
歩いて居るので
直ぐ
追着くことが出來た。
可くお
聽きなさい、
私は
未だ
何にも
盜んだ
事もなし、
貴方に
何も
致したことは
無いのです。
女もまた
鉤より
戀の
甘餌を
盜む
怖しさ。
其方儀
主人庄三郎養子又七
妻熊と密通致し
其上通り
油町伊勢屋三郎兵衞方にて
夜盜相働き金五百兩
盜み取り候段
重々不屆に
付町中引廻しの上
淺草に於て
獄門申付くる
其の
夜勘次の
家には
突然一
同を
驚愕せしめた
事件が
起つた。それは
事もなく
濟んでさうして
餘りに
滑稽な
分子を
交へて
居た。
與吉は
其の
日の
夕方、
紙へ
包んだ
食鹽を
一つ
盜んだ。
枕の
下や、
寐臺の
何處かに、
何かをそツと
隱して
置く、
其れは
盜まれるとか、
奪はれるとか、
云ふ
氣遣の
爲めではなく
人に
見られるのが
恥かしいのでさうして
隱して
置く
物がある。