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みんな
ふりがな文庫
“
皆
(
みんな
)” の例文
という
鄭重
(
ていちょう
)
な辞令に接した。しまったと思ったが、もう追っ着かない。親しい同僚は
皆
(
みんな
)
同情して、その代表者が見舞いに来てくれた。
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それは春のことで。夏になると
納涼
(
すずみ
)
だといって人が出る。秋は
蕈狩
(
たけがり
)
に出懸けて来る、
遊山
(
ゆさん
)
をするのが、
皆
(
みんな
)
内の橋を通らねばならない。
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
萬一
(
まさか
)
の
時
(
とき
)
が
心配
(
しんぺえ
)
だからねえ、
後
(
あと
)
の
者
(
もの
)
の
厄介
(
やくけえ
)
に
成
(
な
)
りてえつちな
皆
(
みんな
)
おんなじだんべぢやねえか、ねえこつちのおとつゝあんさうでがせう
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
どうも大変なことになったもんだが、一体、どうすれば好いのか、まあ、そのつもりで
皆
(
みんな
)
で注意するだけは注意しなくちゃなりませんね
幕末維新懐古談:19 上野戦争当時のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
何故
(
なぜ
)
と言ッて見給え、局員四十有余名と言やア大層のようだけれども、
皆
(
みんな
)
腰の曲ッた
老爺
(
じいさん
)
に
非
(
あら
)
ざれば気の
利
(
き
)
かない
奴
(
やつ
)
ばかりだろう。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
俺にも餘程天理教の有難え事が解つて來た樣だな。耶蘇は西洋、佛樣は天竺、
皆
(
みんな
)
渡來物
(
わたりもの
)
だが、天理樣は日本で出來た神樣だなッす?
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「今度は
私
(
あたし
)
が人間で三人犬にならないか。私がお菓子や何かを投げてやるから、
皆
(
みんな
)
四つ這いになって其れを喰べるのさ。ね、いゝだろ」
少年
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「急には雇えません。二十四時間以内の
積込
(
つみこ
)
みですからね。
明日
(
あした
)
の
間
(
ま
)
になら合うかも知れませんが……
皆
(
みんな
)
モウ……ヘトヘトなんで……」
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
皆
(
みんな
)
血走
(
ちはし
)
ツてゐるか、
困憊
(
つかれ
)
きツた
連中
(
れんぢう
)
ばかりで、
忍諸
(
まご/″\
)
してゐたら
腮
(
あご
)
が
干
(
ひ
)
上がらうといふもんだから、
各自
(
てん/″\
)
に
油斷
(
ゆだん
)
も何もありやしない。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
元々行李も書き附けも
皆
(
みんな
)
お前の物なんだから取って悪いというじゃないが、何故欲しいなら欲しいといって俺に明かせてくれなかった。
大鵬のゆくえ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
政「長さん、珍しく今夜は御機嫌だねえ…お前さんの居る所が知れないと云って、お
父
(
とっ
)
さんや
皆
(
みんな
)
が
何様
(
どんな
)
に心配をしていたか知れないよ」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
だから、希臘人といふ希臘人は
皆
(
みんな
)
垢
(
あか
)
まみれで、
側
(
そば
)
へ寄つてみると、(考古学者だつて、
偶
(
たま
)
には
活
(
い
)
きた人間の側に寄らないとも限らない)
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
日暮方に、南町へ電話をかけて置いて、帰ろうとしたら、清が「今夜
皆
(
みんな
)
で
金春館
(
こんぱるかん
)
へ行こうって云うんですがね。一しょに
行
(
い
)
きませんか。」
田端日記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そして、ひよいと其處に湧いた空虚の感じと、寂しさの意識が、
皆
(
みんな
)
の奧底にある果敢ない氣持を起させたことだらうと思ひます。
S中尉の話
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「部屋は密閉しているものですから、少し位の物音は聞えないのです。
皆
(
みんな
)
に尋ねて見ましたが誰も気のついたものはない様です」
五階の窓:01 合作の一(発端)
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
忙しがる小野を無理に都合させて、
好
(
す
)
かぬ人込へわざわざ出掛けるのも
皆
(
みんな
)
自分が可愛いからである。済まぬ事には人込は自分も嫌である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「宗教なんてものに
碌
(
ろく
)
なものは無い、そんなものを信じる奴は馬鹿ばかりだ、天理教だの
日蓮
(
にちれん
)
宗だの
耶蘇
(
やそ
)
教だの
皆
(
みんな
)
きちがいのやることだ」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「いや。……」と私は頭に手をやり乍ら、それでも晴々した気持になつて、
揃
(
そろ
)
つてゐる
皆
(
みんな
)
の顔を見渡し乍ら、
嬉
(
うれ
)
しさうに
其処
(
そこ
)
の座についた。
良友悪友
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
「お餅も貰って来ておるが、朝
皆
(
みんな
)
が起きた時にいっしょにやる、私と赤ちゃんとは奥の
室
(
へや
)
へ往って寝るから、お前たちは此処で寝るが好い」
白い花赤い茎
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
お島は母親を威圧するように、今日も
皆
(
みんな
)
が
揃
(
そろ
)
っている前で言ったが、小野田はそれを裏切らないように、口裏を合せることを忘れなかった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「兎に角、お店へ行つて、
皆
(
みんな
)
に引き合せて貰ひませう。その上間取りの具合でも見たら、また何か氣が付くかも知れません」
銭形平次捕物控:060 蝉丸の香爐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ごまかせるものじゃねえよ。そこで
皆
(
みんな
)
して、彼奴が松尾から手に入れた金を捲き上げてやるか、彼奴をひっ
叩
(
ぱた
)
いてやるか、まあどっちかだね。
神棚
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
第一の童子 この寺の
方丈様
(
はうぢやうさま
)
は、おらはまだ見ないが、
皆
(
みんな
)
のいふて居ることにや、髪の毛が鼠の毛で、手の爪が熊の爪ぢや。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
一人が先ず始めて
皆
(
みんな
)
がそれにつれられて働き出した「喧嘩」は一人がいやになると皆もいつとはなしにする気がなくなって仕舞うものである。
農村
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
五百年
(
ごひやくねん
)
も
千年
(
せんねん
)
も
前
(
まへ
)
の
歌
(
うた
)
の
方
(
ほう
)
が、
自分
(
じぶん
)
たちのものより
遙
(
はる
)
かに
新
(
あたら
)
しく、もつと/\
熱情
(
ねつじよう
)
が
籠
(
こも
)
つてゐるといふことに、
皆
(
みんな
)
が
心
(
こゝろ
)
づくようになりました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
ピツコロ 「よけいなことを言ふな。だけど
皆
(
みんな
)
が
俺
(
おれ
)
の顔をみて笑つてる。少し恥かしいな。では、横丁へいつて泣かう。」
〈ピツコロさん〉
(新字旧仮名)
/
村山籌子
(著)
ともかくも歌の言葉があまりに古風なものだから、
何処
(
どこ
)
でもそれを知っていた女たちは
皆
(
みんな
)
いなくなって、近年の採集にはもれたものと思われる。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
王様を始め
皆
(
みんな
)
は、鶉が来たので大変およろこびになりましたが、その声が、いかにも悲しさうなので、不審に思ひました。
孝行鶉の話
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
あのときのオリムピック
応援歌
(
おうえんか
)
(
揚
(
あ
)
げよ日の丸、緑の風に、
響
(
ひび
)
け君が代、黒潮越えて)その
繰返し
(
リフレイン
)
で、(光りだ、
栄
(
はえ
)
だ)と歌うべき
処
(
ところ
)
を、
皆
(
みんな
)
は
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
そしてこの天幕の
裡
(
うち
)
を、夢の姿を以て満しましょう。
皆
(
みんな
)
に重い悲哀を
担
(
かつ
)
がせて、よろよろと行き悩ませてやりましょう。
チチアンの死
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
そこで、赤彦君は
皆
(
みんな
)
に茶を饗することを命じた。その間に赤彦君は冷水を音させながら
飲干
(
のみほ
)
して、『実に
旨
(
うま
)
い。これが一等です』などとも云つた。
島木赤彦臨終記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
あの別品さんがそれを
遣
(
や
)
ると云ふのは評判ですよ。
金窪
(
かなくぼ
)
さん、
鷲爪
(
わしづめ
)
さん、それから
芥原
(
あくたはら
)
さん、
皆
(
みんな
)
その話をしてゐましたよ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
さて、わたしも
寛
(
くつ
)
ろがう、
明日
(
あす
)
か
明後日
(
あさつて
)
、早速大磯に移ることにして、それから
皆
(
みんな
)
で真黒に丈夫になる競争をしよう。
愚かな父
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
「大變な手紙ですね」「これ? も一卷あるのですよ。
皆
(
みんな
)
あの人からよこしたのと、こちらからやつたのとですよ」
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
その
側
(
がわ
)
の
皆
(
みんな
)
がトントントンと鎧戸を落とす。硝子戸までガタガタとやる。反対の側のも二、三人は立ち上って来た。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
皆
(
みんな
)
はその家の前で
勢揃
(
せいぞろ
)
いをすると、もと来た道を帰りました。二郎次も、逃げようとすれば
直
(
すぐ
)
にも殺されそうなので、恐る恐る
後
(
あと
)
から附いて帰りました。
三人兄弟
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「老爺さん、こんどこそはひとつモノにして下さい、なにしろ君にいためられた
皆
(
みんな
)
が浮かばないよ。こっちの
家
(
うち
)
だって、なんだかんだって大変だあね。」
旧聞日本橋:08 木魚の顔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「ねえ
皆
(
みんな
)
喜んでおくれ、いよいよお正月の下席から青山久保本で私の真打だ。多分もうハッキリと
定
(
き
)
まるだろう」
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
皆
(
みんな
)
学問は出来ないのがおおいというと。御同前の田へ水を引くようだ。アハハハ。それだから葦男さんも。官員なんぞという文字は脳中にないようにして。
藪の鶯
(新字新仮名)
/
三宅花圃
(著)
頭痛がするで遅くなりましたと
皆
(
みんな
)
に
怠惰
(
なまけ
)
られるは必定、其時自分が休んで居れば何と一言云ひ様なく、仕事が雨垂拍子になつて出来べきものも仕損ふ道理
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
まづ始には
女目付
(
をんなめつけ
)
のバルバラが
呟
(
つぶや
)
くやう、あのピエロオの拔作め、氣の
利
(
き
)
かないのも程がある、カサンドル樣の
假髮
(
かづら
)
の箱を
落
(
おと
)
して、
白粉
(
おしろい
)
を
皆
(
みんな
)
播
(
ま
)
いて了つたぞ。
胡弓
(旧字旧仮名)
/
ルイ・ベルトラン
(著)
男
(
をとこ
)
は
皆
(
みんな
)
あんな
物
(
もの
)
、
氣
(
き
)
が
多
(
おほ
)
いからとお
福
(
ふく
)
の
笑
(
わら
)
ひ
出
(
だ
)
すに、
惡
(
わる
)
く
當
(
あて
)
つ
擦
(
こす
)
りなさる、
耳
(
みゝ
)
が
痛
(
いた
)
いでは
無
(
な
)
いか、
己
(
お
)
れは
斯
(
か
)
う
見
(
み
)
えても
不義理
(
ふぎり
)
と
土用干
(
どようぼし
)
は
仕
(
し
)
た
事
(
こと
)
の
無
(
な
)
い
人間
(
にんげん
)
だ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ロミオ
予
(
わし
)
は
又
(
また
)
いつまでも
斯
(
か
)
うして
此處
(
こゝ
)
に
立
(
た
)
ってゐよう、
卿
(
そもじ
)
にも
忘
(
わす
)
れさせ、
自分
(
じぶん
)
も
此家
(
こゝ
)
の
事
(
こと
)
の
外
(
ほか
)
は
皆
(
みんな
)
忘
(
わす
)
れて。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
室内
(
しつない
)
には
螺旋
(
ねぢ
)
で
床
(
ゆか
)
に
止
(
と
)
められた
寐臺
(
ねだい
)
が
數脚
(
すうきやく
)
。
其上
(
そのうへ
)
には
青
(
あを
)
い
病院服
(
びやうゐんふく
)
を
着
(
き
)
て、
昔風
(
むかしふう
)
に
頭巾
(
づきん
)
を
被
(
かぶ
)
つてゐる
患者等
(
くわんじやら
)
が
坐
(
すわ
)
つたり、
寐
(
ね
)
たりして、
是
(
これ
)
は
皆
(
みんな
)
瘋癲患者
(
ふうてんくわんじや
)
なのである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「あれで中々女が好きでね、女なんかゞ一人で物を持って往ってやるといけないって、
皆
(
みんな
)
が云ってました」
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
母
(
かア
)
さんが生きてれば家へ帰って堅気で暮すんだけれど、わたし、あんたも知ってる通り、父さんも母さんも
皆
(
みんな
)
死んでしまって、今じゃほんとの
一人
(
ひとり
)
ぼっちだからさ。
吾妻橋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ちょっと見た娘の一目は
儼然
(
げんぜん
)
として言われた父の厳命より剛勢だ、自分は娘の意に従いすぐに室を出たが、それでも今室へはいッた時ちらりと
皆
(
みんな
)
の風が目に止ッた。
初恋
(新字新仮名)
/
矢崎嵯峨の舎
(著)
これは父祖代々五代に
亙
(
わた
)
って受け継いで来た長い歴史のために破損したのであって、ここに彫り込まれた三人目の漁夫は、大祖父によく似ていると
皆
(
みんな
)
が評判すること。
ノンシャラン道中記:01 八人の小悪魔
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
手にした折詰を見ると、こは
如何
(
いか
)
に、底は
何時
(
いつ
)
しかとれて、内はからんからん、
遂
(
つい
)
に大笑いをして、それからまた師匠の
家
(
うち
)
へ帰っても、
盛
(
さかん
)
に
皆
(
みんな
)
から笑われたとの事だ。
今戸狐
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
出稼ぎして諸方を
彷徨
(
うろつ
)
いてゐた方が、ひもじい
想
(
おもひ
)
をしない、
寝泊
(
ねどま
)
りする処にも困らない。生れた村には
食物
(
くひもの
)
が
欠乏
(
たりな
)
くて
皆
(
みんな
)
が
難渋
(
なんじふ
)
してゐるけれど、
余処
(
よそ
)
は
其程
(
それほど
)
でもない。
椋のミハイロ
(新字旧仮名)
/
ボレスワフ・プルス
(著)
“皆”の意味
《名詞》
(みな、みんな)そこに居る人全て。
(みな、みんな)そこに有る物全て。
《代名詞》
(みな、みんな)そこに居る全ての人。
(出典:Wiktionary)
皆
常用漢字
中学
部首:⽩
9画
“皆”を含む語句
悉皆
皆々
皆目
皆様
皆無
皆暮
皆朱
皆樣
衆皆
悉皆成仏
皆鶴姫
一切我今皆懺悔
皆様方
皆伝
皆済
悉皆屋
皆人
皆身
皆矢
和泉屋皆吉
...