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決
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き
ふりがな文庫
“
決
(
き
)” の例文
『お前も
決
(
き
)
めたら、一緒に行くのす。』と言つて、お八重は輕く笑つたが、『そだつけ、大變だお定さん、急がねえばならねえす。』
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
激しかつた私の空腹は、十分でない迄も、この仙人の食物で薄らいだ。食事が濟むと夜のお祈りをした。そして私の寢場所を
決
(
き
)
めた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「お気の毒でした。ようやくすっかり
決
(
き
)
まりました。なかなかめんどうでしてな……昨夜の相談でもいろいろの話が出ましてな」
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
滝人は、そうして勝利の確信を
決
(
き
)
め、眼前に動けなくなった獲物があるのを見ると、それを
弄
(
もてあそ
)
びたいような快感がつのってきた。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「じゃ、親父さんを探したらいいでしょう。またお
決
(
き
)
まりの
茶飯
(
ちゃめし
)
屋へでも行って、勝手な大たくらを吹いているに違いない」
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
そなたが
何
(
なん
)
と
言
(
い
)
おうと、
神界
(
しんかい
)
ではすでに
人民
(
じんみん
)
の
願
(
ねが
)
いを
容
(
い
)
れ、
小桜神社
(
こざくらじんじゃ
)
を
建
(
た
)
てさせることに
決
(
き
)
めた。そなたの
器量
(
ちから
)
は
神界
(
しんかい
)
で
何
(
なに
)
もかも
御存
(
ごぞん
)
じじゃ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
僕が
決
(
き
)
めてやらう。(二つを
交
(
かは
)
る
交
(
がは
)
るに指で指し)ド ツ チ ニ シ ヨ ウ カ ナ……。こつちだ。(道代に渡す)
ママ先生とその夫
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
己
(
おれ
)
ばかりはけっして
眠
(
ねむ
)
くなったとて、
我慢
(
がまん
)
をして
眠
(
ねむ
)
りはしないと
心
(
こころ
)
に
決
(
き
)
めて、
好奇心
(
こうきしん
)
の
誘
(
さそ
)
うままに、その「
眠
(
ねむ
)
い
町
(
まち
)
」の
方
(
ほう
)
を
指
(
さ
)
して
歩
(
ある
)
いてきました。
眠い町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「篠田さん、
最早
(
もう
)
決して弱き心は持ちませぬ」と梅子も今は心
決
(
き
)
めつ「何時と云ふ
限
(
かぎり
)
も御座いませぬから、是れでお別れ致します、只今の御一言を ...
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「お前の趣味は、一体なんだ」と、ルピック氏は
尋
(
たず
)
ねる——「もうそろそろ食って行く道を
決
(
き
)
めにゃならん年だ、お前も……。なにをやるつもりだい?」
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
それにしても、これぢやああんまり
体裁
(
ていさい
)
が悪いから、もう少し何とか
店附
(
みせつき
)
を
好
(
よ
)
くしようと云つてゐるんですが、例の区画整理がまだ本当に
決
(
き
)
まらないんでね。
赤い杭
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
松岡は
決
(
き
)
っと時計を持っているくせにそう言って、ことりことりと長い階段を上って行くのだった。
三階の家
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
ただ
素人
(
しろうと
)
の一友人が「二千から三千がよい」と勧めた。バアトンも迷つた末、一千部に
決
(
き
)
めた。
リチャード・バートン訳「一千一夜物語」に就いて
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
男女の間の情愛は肉をとおして後に開かれるのだと、今までの経験からも
決
(
き
)
めている渡瀬には、これほど
嵩
(
こう
)
じてきた恐ろしい衝動を
堰
(
せ
)
きとめる力はもうなくなりかけていた。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
結局
(
けっきょく
)
洪積
紀
(
き
)
は地形図の百四十
米
(
メートル
)
の線
以下
(
いか
)
という大体の見当も附けてあとは先生が云ったように木の
育
(
そだ
)
ち
工合
(
ぐあい
)
や何かを
参照
(
さんしょう
)
して
決
(
き
)
めた。ぼくは土性の調査よりも
地質
(
ちしつ
)
の方が
面白
(
おもしろ
)
い。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
故に悪い事の出来ないような風に初めから制度を
決
(
き
)
めて置くことが実に必要である。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
「そうお
決
(
き
)
めになったらどうです。そうすれば荷物を取りにやりますから」
挿話
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
この瞬間とも刹那とも言いようのない、迅速な変化に、
呆
(
あき
)
れ返って、写生の手を丸ッきり休めてしまった、そうしてひょいと私と顔を見合せて、両方で
決
(
き
)
まりの悪いような、話の
解
(
わか
)
ったような
日本山岳景の特色
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
『戦国策』に人あり
係蹄
(
わな
)
を置きて虎を得たるに、虎怒りて
蹯
(
あしのうら
)
を
決
(
き
)
って去る、虎の情その蹯を愛せざるにあらざれど、
環寸
(
わずか
)
の蹯を以て七尺の躯を害せざる者は権なりとあって虎の決断を
褒
(
ほ
)
め居る。
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
少しわきの
方
(
ほう
)
には、
讃美歌
(
さんびか
)
を
器用
(
きよう
)
にこなす子供たちが
並
(
なら
)
んでいて、その
中
(
なか
)
の一人はいつも
歌
(
うた
)
い
出
(
だ
)
す前に、そっといろいろな声で
唸
(
うな
)
るような
真似
(
まね
)
をする——これを
称
(
しょう
)
して、
調子
(
ちょうし
)
を
決
(
き
)
めるというのだ。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
彼
(
かれ
)
は
其覺悟
(
そのかくご
)
を
決
(
き
)
めながらなほ、
躊躇
(
ためら
)
うて
居
(
ゐ
)
たのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
ロミオ それは
此劍
(
これ
)
が
決
(
き
)
めるわ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「
未
(
ま
)
だ
決
(
き
)
めてありません」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
申
(
もう
)
すまでもなく、
生
(
うま
)
れる
人間
(
にんげん
)
には
必
(
かな
)
らず
一人
(
ひとり
)
の
守護霊
(
しゅごれい
)
が
附
(
つ
)
けられますが、これも
皆
(
みな
)
上
(
うえ
)
の
神界
(
しんかい
)
からのお
指図
(
さしず
)
で
決
(
き
)
められるように
承
(
うけたまわ
)
って
居
(
お
)
ります。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「今
決
(
き
)
めることが出來ますか?」と傳道者は
訊
(
たづ
)
ねた。その問ひは
優
(
やさ
)
しい調子であつた。彼は出來るだけ
優
(
やさ
)
しく私を引よせた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「
遠駆
(
とおが
)
けの一
番
(
ばん
)
試合
(
じあい
)
で、
勝敗
(
しょうはい
)
を
決
(
き
)
めることは
当方
(
とうほう
)
で、
望
(
のぞ
)
むところ、たしかに
承知
(
しょうち
)
した。さらば、すぐそちらでもおしたくを」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、
前
(
まえ
)
に
汽車
(
きしゃ
)
の
窓
(
まど
)
から、
顔
(
かお
)
を
出
(
だ
)
している
若
(
わか
)
い
女
(
おんな
)
の
人
(
ひと
)
を、あの
女
(
おんな
)
の
人
(
ひと
)
の
妹
(
いもうと
)
さんであると
心
(
こころ
)
に
決
(
き
)
めてしまいました。
窓の下を通った男
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
昨夜
(
ゆうべ
)
も
阿父
(
おとつさん
)
と
阿母
(
おつかさん
)
と話して
在
(
いら
)
しつたんですよ、早く
其様
(
さう
)
決
(
き
)
めて松島様の方へ
挨拶
(
あいさつ
)
しなければ、
此方
(
こちら
)
も困まるし、
大洞
(
おほほら
)
の伯父さんも仲に立つて困まるからつて
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
ルピック氏が、時計を眺めて、
決
(
き
)
めただけの時間を計っている間、この中でじっとしてい、この中で動きまわらなければならない。にんじんは、
顫
(
ふる
)
えあがる。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
『さうぢや無いんですけど。』と繰返して、『
怎
(
どう
)
せ
貴兄
(
あなた
)
の居る間に、何とか
決
(
き
)
めなけやならない事よ。』
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「内々は知ってるでしょうけれど……表向きはまだ発表してないんです。二三日のうちにはすっかり村会で
決
(
き
)
めてしまうつもりですから、来週からは出ていただけると思いますが……」
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
この
剪定鋏
(
せんていばさみ
)
はひどく
捩
(
ねじ
)
れておりますから
鍛冶
(
かじ
)
に一ぺんおかけなさらないと直りません。こちらのほうはみんな出来ます。はじめにお
値段
(
ねだん
)
を
決
(
き
)
めておいてよろしかったらお
研
(
と
)
ぎいたしましょう。
チュウリップの幻術
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
どうせ会ふ日は
決
(
き
)
められないんだし、不意に来て、一日か二日、そばにゐられるつていふだけで、あたしは満足だつたんだから……。今から考へると、よく、あんな風で、これまで続いたと思ふわ。
モノロオグ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
が、
想像
(
さうざう
)
は
矢張
(
やはり
)
悪
(
わる
)
い
方
(
はう
)
へばかり
走
(
はし
)
らうとする。
如何
(
どう
)
かすると、
恋人
(
こひゞと
)
の
有
(
あ
)
つたことを、
既
(
すで
)
に
動
(
うごか
)
すべからざる
事実
(
じゞつ
)
と
決
(
き
)
めて
了
(
しま
)
つてゐる。
而
(
さう
)
して、
其事実
(
そのじゞつ
)
のうへに、
色々
(
いろ/\
)
の
不幸
(
ふかう
)
な
事実
(
じゞつ
)
をさへ
築
(
きづき
)
あげてゐる。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「こよいこそは」と、五千の鋤鍬部隊は、墨のような夜をひそかに出て、涪江の堤に接近し、無二無三堤を
決
(
き
)
って、濁水を地にみなぎらせんと働いた。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これを
聞
(
き
)
いた
龍雄
(
たつお
)
の
親
(
おや
)
たちはたいそう
喜
(
よろこ
)
びました。そして、さっそく
龍雄
(
たつお
)
をその
家
(
うち
)
へやることに
決
(
き
)
めました。
海へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして子爵とはブロニュの森で會合することを取り
決
(
き
)
めたのです。次の朝私は彼と決鬪をする喜びを持つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
『何と申して可いか……ナンですけれども、お
決
(
き
)
めになつてあるのだば爲方がない譯でごあんす。』
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
みんなは
僕
(
ぼく
)
だの
斉藤君
(
さいとうくん
)
だの行かないので旅行が
不成立
(
ふせいりつ
)
になると
云
(
い
)
ってしきりに
責
(
せ
)
めた。
武田
(
たけだ
)
先生まで何だか
変
(
へん
)
な顔をして僕に行けと云う。僕はほんとうにつらい。
明后日
(
みょうごにち
)
までにすっかり
決
(
き
)
まるのだ。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
人に
決
(
き
)
めてもらつた人物になるんでもなく、人の書いた
台詞
(
せりふ
)
を云ふんでもない、今日のやうな場合でも、自分が何処へ行くのかわからず、
一言
(
ひとこと
)
喋舌
(
しやべ
)
つた後で、何をしでかすかわからないんですもの。
職業(教訓劇)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
六がけで話が
決
(
き
)
まって、小使がそこに
桶
(
おけ
)
と
摺
(
す
)
り
鉢
(
ばち
)
とを運んで来た。ピンとするほどはかりをまけた鮒はヒクヒクと
鰓
(
あぎと
)
を動かしている。
爺
(
おやじ
)
はやがて
銭
(
ぜに
)
を受け取って軽くなった
笭箵
(
びく
)
をかついで帰って行く。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
そこが
私達
(
わたくしたち
)
夫婦
(
ふうふ
)
の
会合
(
かいごう
)
の
場所
(
ばしょ
)
と
決
(
き
)
められました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
バスの
停留場
(
ていりゅうじょう
)
が、この
家
(
いえ
)
の
前
(
まえ
)
にでも
着
(
つ
)
くことに
決
(
き
)
まったものなら、この
店
(
みせ
)
はいくら
繁昌
(
はんじょう
)
するかしれないぜ。
とうげの茶屋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「ウむ。そうありたいもの。……さしずめまた若御料のお住居も、こう御家来がふえては、いまの別当房では、どうにもなるまい。それから
決
(
き
)
めよう。
誰
(
た
)
ぞ、義助をよんでまいれ」
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
製本屋 話を
決
(
き
)
めて頂きたいんですがね。
雅俗貧困譜
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
『
決
(
き
)
めたす、お八重さん。』
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
彼
(
かれ
)
らは、たがいに
前
(
まえ
)
の
日
(
ひ
)
のことをいい
争
(
あらそ
)
いましたが、ついに、もうこれからは、かならずいっしょになって、
太郎
(
たろう
)
を
敵
(
てき
)
として
戦
(
たたか
)
わなければならぬということに
決
(
き
)
めました。
雪の国と太郎
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
さすがに新九郎もやや
決
(
き
)
まりが悪そう。そこにいたのは彼一人であったが、部屋の隅には、女柄の湯上がり着がしどけなく脱ぎ捨ててある。それを見ると、二人の方がちょっとてれて
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今日
(
きょう
)
じゅうに、これだけ
耕
(
たがや
)
してしまおうと
心
(
こころ
)
で
決
(
き
)
めると、たとえ
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れかかっても、
休
(
やす
)
まずに
仕事
(
しごと
)
に
精
(
せい
)
を
入
(
い
)
れるという
性質
(
せいしつ
)
でしたから、
村
(
むら
)
の
人
(
ひと
)
たちからも
信用
(
しんよう
)
されていました。
僕はこれからだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「神慮にまかすという
意味
(
いみ
)
は、
神籤
(
みくじ
)
でも引いて
決
(
き
)
めようということであるか」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
決
常用漢字
小3
部首:⽔
7画
“決”を含む語句
決定
決然
解決
決心
決闘
決断
裁決
決定的
決着
決潰
未決監
決行
決口
決死
石決明貝
決而
決定性
決勝点
一決
安心決定
...