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承
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うけたまわ
ふりがな文庫
“
承
(
うけたまわ
)” の例文
大納言殿も来年は更に齢を加えられ、いよ/\
八十路
(
やそじ
)
に近くなられると
承
(
うけたまわ
)
るにつけても、縁につながるわれ/\共は慶賀に堪えない。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「恐れ……
恐多
(
おそれおお
)
い事——
承
(
うけたまわ
)
りまするも恐多い。
陪臣
(
ばいしん
)
の
分
(
ぶん
)
を
仕
(
つかまつ
)
つて、御先祖様お名をかたります如き、
血反吐
(
ちへど
)
を
吐
(
は
)
いて即死をします。」
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ついては、御親類様方御一統の思召しを
承
(
うけたまわ
)
り、御異存がなければ明日にも公儀に届出の上、改めて世間へも披露いたしたいと存じます。
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「われわれの旗下に加盟するからには、即ち、われわれの奉じる軍律に服さねばならん。今、それを読み聞かすゆえ、謹んで
承
(
うけたまわ
)
れ」
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其事の始末は、鬼の為に誘はれ、近く候山々経歴し
見候
(
みそうろう
)
。
此外
(
このほか
)
二三人失せし者をも
承
(
うけたまわ
)
り候へ
共
(
ども
)
、それらは某見候者にも無く候。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
が、やがて話が終ると、甚太夫はもう
喘
(
あえ
)
ぎながら、「身ども
今生
(
こんじょう
)
の思い出には、兵衛の
容態
(
ようだい
)
が
承
(
うけたまわ
)
りとうござる。兵衛はまだ存命でござるか。」
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
お旅立と
承
(
うけたまわ
)
りながら、何かととりまぎれお留守お見舞もいたしませず、しかしお
恙
(
つつが
)
なくお戻りなされて、喜ばしゅう存じます
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「信用するとか、しないとかいう問題ではありません。人の子の親として、一度、直接お会いして
承
(
うけたまわ
)
っておきたいのです。」
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
半熟卵とトーストパンとを保温箱から取出して卓上の定めの位置に置いていた白服のおきみは、わたくし達の注文を
恭
(
うやうや
)
しく
承
(
うけたまわ
)
って去りました。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
呉一郎殿が
真
(
まこと
)
の狂気か
佯
(
いつわ
)
りかが
相判
(
あいわか
)
りますることが、罪人となられるか、なられぬかの境い目と
承
(
うけたまわ
)
りますれば、何をお隠し申しましょう……。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
申
(
もう
)
すまでもなく、
生
(
うま
)
れる
人間
(
にんげん
)
には
必
(
かな
)
らず
一人
(
ひとり
)
の
守護霊
(
しゅごれい
)
が
附
(
つ
)
けられますが、これも
皆
(
みな
)
上
(
うえ
)
の
神界
(
しんかい
)
からのお
指図
(
さしず
)
で
決
(
き
)
められるように
承
(
うけたまわ
)
って
居
(
お
)
ります。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「大奥様、お便りは有難うございました。私はもううれしくて仕様がないのでございますよ、旦那様がお帰りだと
承
(
うけたまわ
)
りましたものですから……」
故郷
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
経たりしに突然福地家の執事
榎本破笠
(
えのもとはりゅう
)
子より
予
(
かね
)
て先生への御用談一応小生より
承
(
うけたまわ
)
り
置
(
おく
)
べしとの事につき御来車ありたしとの書面に接し即刻番地を
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「
承
(
うけたまわ
)
るのはいいですが、だいぶ多人数の意見を載せるつもりですから、かえってあとから
削除
(
さくじょ
)
すると失礼になりますから」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
頼政
(
よりまさ
)
は
仰
(
おお
)
せを
承
(
うけたまわ
)
りますと、さっそく
鎧胴
(
よろいどう
)
の上に
直垂
(
ひたたれ
)
を
着
(
き
)
、
烏帽子
(
えぼうし
)
を
被
(
かぶ
)
って、
丁七唱
(
ちょうしちとなう
)
、
猪早太
(
いのはやた
)
という
二人
(
ふたり
)
の
家来
(
けらい
)
をつれて、
御所
(
ごしょ
)
のお
庭
(
にわ
)
につめました。
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
御趣意の程、よく
承
(
うけたまわ
)
りました。承ってみますると、私はそういうことを承らない方が仕合せであったという感じしか致さないのが残念でございます。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「冗談じゃないぜ」と熊城は思わず呆れ顔になって、「これが即死でないのなら、一つ君の説明を
承
(
うけたまわ
)
ろうじゃないか」
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
尤もこの方は支那の本だから、私には読む学力もないので、本の名を
承
(
うけたまわ
)
ったというだけで敬遠せざるを得なかった。
魔の退屈
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
この
不幸
(
ふこう
)
なからすだけは、みんなから、ややもすると
後
(
おく
)
れがちでした。けれど、
殿
(
しんがり
)
を
承
(
うけたまわ
)
ったからすは、この
弱
(
よわ
)
い
仲間
(
なかま
)
を、
後方
(
こうほう
)
に
残
(
のこ
)
すことはしなかった。
からす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
先刻も戦争の話を
承
(
うけたまわ
)
って思いましたが、今後また戦が起るかも知れない、その時には奉天旅順の戦争よりも一層危険であろう、一層惨酷であろうと思う。
教育家の教育
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
さてお話し致しますのは、自分が
魚釣
(
うおつり
)
を
楽
(
たのし
)
んでおりました頃、
或
(
ある
)
先輩から
承
(
うけたまわ
)
りました
御話
(
おはなし
)
です。徳川期もまだひどく末にならない時分の事でございます。
幻談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
すると人民は、もう十分にたくわえもできていましたので、お
納物
(
おさめもの
)
をするにも、使い働きにあがるのにも、それこそ楽々とご用を
承
(
うけたまわ
)
ることができました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「昨日も御来訪下すったそうですが、
生憎
(
あいにく
)
で失礼をいたしました。……では御用件というのを
承
(
うけたまわ
)
りましょうか」
空中墳墓
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それは兎も角福田氏の警護を
承
(
うけたまわ
)
った二郎青年と巡査某とは、二階の客用寝室に、ベッドを並べて、横になった。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
けれども今日
承
(
うけたまわ
)
って仏法のありがたい事を知りましたといって
悦
(
よろこ
)
んで居りました。それでチベットの中等以下の僧侶がいかに仏教を知らぬかが分るでしょう。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
承
(
うけたまわ
)
っているうちに、私の老いの五体はわなわなと震え、いや、本当の事でございます、やがて恋を打ち明けられたる処女の如く顔が真赤に燃えるのを覚えまして
男女同権
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
小山も
仔細
(
しさい
)
を知らずして主人に質問し「中川君、今日は正式の御馳走と
承
(
うけたまわ
)
ったが
食卓
(
てーぶる
)
の御様子では西洋料理の御馳走らしい。しかるにこの割箸はどういう訳だね」
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
初めて
承
(
うけたまわ
)
った、侍が犬の供を
召連
(
めしつ
)
れて歩くという法はあるまい、犬同様のものなら手前
申受
(
もうしう
)
けて帰り、
番木鼈
(
まちん
)
でも喰わして
遣
(
や
)
ろう、
何程
(
なにほど
)
詫びても料簡は成りません
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
車で
一緒
(
いっしょ
)
に都を
一巡
(
いちじゅん
)
しながら色々話を
承
(
うけたまわ
)
ろうと云う。孔子は欣んで服を改め直ちに出掛けた。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
将軍家第一の御宝刀は、本庄正宗のお刀と洩れ
承
(
うけたまわ
)
っておりますが、元この刀は酒田の臣、右馬助とやら申す者の佩刀で、この刀で右馬助が上杉の本庄殿へ斬りつけましたもの。
稲生播磨守
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ポルジイはこれを
承
(
うけたまわ
)
って、乱暴にも、「それでは
肥料車
(
こえぐるま
)
の
積載
(
つみおろし
)
の修行をするのですな」
世界漫遊
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ユリウス・ダビット
(著)
実に申し上げにくい事でございますが、先生が理学博士でいらっしゃると
承
(
うけたまわ
)
りまして、お泊りを願うことが出来ましたら、それを伺って見たいと存じておりましたのでございます。
蛇
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
(悲し気に。)それではわたしが
承
(
うけたまわ
)
っていましても、お邪魔にだけは成りませんのね。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
ソコで清水はその挨拶を
承
(
うけたまわ
)
って薩人に報告すると、重野が、
迚
(
とて
)
もこりゃ
六
(
むず
)
かしそうだ、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
に自分達が
自
(
みず
)
から談判して見ようと
云
(
いっ
)
て、
遂
(
つい
)
に薩英談判会を開き、
種々
(
しゅじゅ
)
様々問答の末
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
今や善き人の仰せを
承
(
うけたまわ
)
って十字架を負わずしてこの大願を成就する不思議なる道を示されたとはいえ、われらが真にその道の上に立ちその道を安定して歩むことを得るに至るまでには
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
そういう時は、徳蔵おじは、いつも
畏
(
かしこま
)
って奥様の
仰事
(
おおせごと
)
を
承
(
うけたまわ
)
っているようでした。
忘れ形見
(新字新仮名)
/
若松賤子
(著)
この女は俺の説でも
承
(
うけたまわ
)
ろうとするがいいんだ。そんな抽象論で引きさがるかい。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
お蔭で熊本の話は三輪さんの叔父さんが
神風連
(
じんぷうれん
)
に加わったことまで
承
(
うけたまわ
)
った。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
承
(
うけたまわ
)
りますれば私の大切な八人の小供はフランスの政府にお預けになったとのこと、私はこれからフランスの政府にゆき、談判いたしましてぜひとも子供たちを引き取って来るつもりでございます。
ノンシャラン道中記:08 燕尾服の自殺 ――ブルゴオニュの葡萄祭り――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
片肌
(
かたはだ
)
ぬぎに
團扇
(
うちわ
)
づかひしながら
大盃
(
おほさかづき
)
に
泡盛
(
あはもり
)
をなみ/\と
注
(
つ
)
がせて、さかなは
好物
(
こうぶつ
)
の
蒲燒
(
かばやき
)
を
表町
(
おもてまち
)
のむさし
屋
(
や
)
へあらい
處
(
ところ
)
をとの
誂
(
あつら
)
へ、
承
(
うけたまわ
)
りてゆく
使
(
つか
)
ひ
番
(
ばん
)
は
信如
(
しんによ
)
の
役
(
やく
)
なるに、
其
(
その
)
嫌
(
い
)
やなること
骨
(
ほね
)
にしみて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
若
(
わか
)
さま、さあおっしゃい。
役目
(
やくめ
)
として
承
(
うけたまわ
)
らなければなりません」
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「ええ
承
(
うけたまわ
)
りました。もうよっぽど進んだそうでございますね。」
第二の接吻
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「御病気と
承
(
うけたまわ
)
りましたが、
如何
(
いかが
)
でございますか」
切支丹転び
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「で、どんな夢でしたか。
承
(
うけたまわ
)
りましょう。」
チャアリイは何処にいる
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
それで
私
(
あたし
)
が
専
(
もっぱ
)
ら案内役を
承
(
うけたまわ
)
ったんで、何か御覧になりたいものはって云ったら、阪神間の代表的な奥さんに会わせろって
仰
(
お
)
っしゃるの
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「俊寛法師の
鹿
(
しし
)
ヶ
谷
(
たに
)
山荘にも、ひそかに、
行幸
(
みゆき
)
ましまして、このたびの盟約には、ひとしお、お力を入れているように
承
(
うけたまわ
)
りまする」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……
承
(
うけたまわ
)
りますればその絵巻物は、一郎殿の御乱心の
後
(
のち
)
、
行衛
(
ゆくえ
)
が知れませぬとの事で、これも
亦
(
また
)
、不思議の一つで御座います。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それは、あの
承
(
うけたまわ
)
りますと、昔から御領主の
御禁山
(
おとめやま
)
で、
滅多
(
めった
)
に人をお入れなさらなかった
所為
(
せい
)
なんでございますって。御領主ばかりでもござんせん。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「金だろう。僕に相当の御用なら
承
(
うけたまわ
)
ってもいい。しかしここには一文も持っていない。と云って、また
外套
(
がいとう
)
のように
留守
(
るす
)
へ取りに行かれちゃ困る」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私
(
わたくし
)
は
斯
(
こ
)
ういうものでございますが、
現世
(
げんせ
)
に
居
(
お
)
りました
時
(
とき
)
から
深
(
ふか
)
くあなた
様
(
さま
)
をお
慕
(
した
)
い
申
(
もう
)
し、
殊
(
こと
)
に
先日
(
せんじつ
)
乙姫
(
おとひめ
)
さまから
委細
(
いさい
)
を
承
(
うけたまわ
)
りましてから、
一層
(
いっそう
)
お
懐
(
なつ
)
かしく
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
“承”の意味
《名詞》
承(しょう)
漢詩の起承転結の一つ。承句。
(出典:Wiktionary)
“承”の解説
承(しょう)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
承
常用漢字
小6
部首:⼿
8画
“承”を含む語句
承知
承諾
承引
治承
承合
御承知
承塵
承久
不承無承
不承知
御承引
承認
不承
承香殿
承禎
承応
伝承
承元
不承不精
不承々々
...