上等じょうとう)” の例文
それをかる薄手うすで上等じょうとうなものとしてあり、それを使つかわなければならぬということは、なんといううるさいばかげたことかとおもわれました。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
三州瓦等名が聞えていますが、しかし磨きをかけて銀光りにした上等じょうとうなものは、むしろ瓦味を殺して金属に近づき、冷たい感じを受けます。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
「いえ……その……金魚きんぎょですよ。こいつは三びきともかなり上等じょうとうのランチュウです。んでしまつているから、どうもしいことしたとおもいまして」
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
(牛の肉の中で一番上等じょうとうの舌だというのは可笑おかしい。よだれで粘々ねばねばしてる。おまけに黒い斑々ぶちぶちがある。歩け。こら。)
種山ヶ原 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
あとでぺろり舌を出されるとは知りながら、上等のをいやごく上等じょうとうのをと気前を見せて言いでさっさと買って来る様な子供らしいこともついしたくなる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「じゃあおれたち、ここをひきはらって、もっと先まで行ってみようや。どうもこの宿は上等じょうとうとはいかないから。」
やわらかいぞやわらかいぞ、お大名だいみょう寝床ねどこだって、こんなに上等じょうとうじゃああるまいなあ、などとまきをとかれた山羊やぎみたいに、ワザとごろごろころがってみた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なるべく上等じょうとうなやつをいろいろまぜて、これだけかごにつめてくれ。ていさいよくのしをつけて。」
水菓子屋の要吉 (新字新仮名) / 木内高音(著)
昨日、洋服をきてきたので、だいぶハイカラさんだとは思っていたが、自転車にのってくるとは思わなんだ。困ったな。なんで今年ことしにかぎって、こんな上等じょうとうみさきへよこしたんだろう。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
天狗てんぐなかのごくごく上等じょうとうのもののみが人間にんげんちか姿すがたをしてりますようで……。
といって、しろ上等じょうとうぬの三反さんたんして
一本のわら (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
林檎りんごのフライ上等じょうとう 夏 第百四十一 肉料理
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「ご隠居いんきょさん、ここには上等じょうとうのお菓子かしはありません。あめチョコならありますが、いかがですか。」と、菓子屋かしやのおかみさんはこたえました。
飴チョコの天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その盤面ダイアルは青じろくて、ツルツル光って、いかにも舶来はくらい上等じょうとうらしく、どこでも見たことのないようなものでした。
耕耘部の時計 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
上等じょうとうな品で、きれいな品を持ってきました。いろいろかわったしめひもがあります。」といって、いろいろな色の絹糸きぬいとであんだひもを、一つ取りだしました。白雪姫は
利息りそくの一としてなるつたけ上等じょうとう金魚きんぎょをもつてこいつて、いやがるんです。わたしは、しゃくだから、三びきでせいぜい五千円せんえんというランチュウを、三万円まんえんだとふつかけてつてつたんですが……
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
林檎りんごフライの上等じょうとう 春 第十五 昨夜の夢
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「なるほど、これは上等じょうとうしなだ。なかなかいいおとがする。」といって、お役人やくにんは、ちゃわんをうえせて、つめではじいてていました。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
カイロ男爵だんしゃくだって早く上等じょうとうきぬのフロックをて明るいとこへびだすがいいでしょう。
イーハトーボ農学校の春 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
するとマリちゃんは、自分じぶん箪笥たんすって、一ばんした抽斗ひきだしから、一ばん上等じょうとうきぬ手巾はんけちしてて、食卓テーブルしたほねを、一つのこらずひろげて、手巾はんけちつつみ、きながら、戸外おもてってきました。
ぶた上等じょうとう刺身さしみ 春 第九 豚料理
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「この時計とけいこそっているのだ。上等じょうとう機械きかいで、まち時計とけいにちゃんとわしてきたのだ。」と、金持かねもちがいいました。
時計のない村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「先生ぁ、ずいぶん足ぁ早ぃな。」富手とみてかな、菅木すがきかな、あんなことをっている。足が早いというのは道をあるくときの話だ。ここもたいらで上等じょうとうの歩道なのだ。ただ水があるばかり。
台川 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
みなさん、この学校がっこうのオルガンは、上等じょうとうしなで、だれでも、このをきいて、愉快ゆかいにならないものはありません。
楽器の生命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それにいまならぼくたちのひざはまるで上等じょうとうのばねのようです。
イーハトーボ農学校の春 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そして、おちついてさかなをとって、それをばまたまちって生活せいかつをしたときには、まったくむかしにもまさる貧乏びんぼうになって、上等じょうとうあみやぶれめができたときです。
一本の釣りざお (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ええ、このエステルは上等じょうとうです。とても合成ごうせいできません。」
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それは、かるい、薄手うすで上等じょうとうちゃわんでありました。ちゃわんのしろで、すきとおるようでございました。そして、それに殿とのさまの御紋ごもんがついていました。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
「この時計、上等じょうとうだな。巴里製パリせいだ。はりがゆるんだんだ。」
耕耘部の時計 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
わたしかんがえますのに、三げんが、おなじく八せんにすれば、やはりおなじことです。わたしは、いままでどおり拾銭じっせんにして、仕事しごとをていねいにして、あぶら香水こうすい上等じょうとう使つかいます。
五銭のあたま (新字新仮名) / 小川未明(著)
羅紗ラシャ上等じょうとう、ゴゴンゴーゴー
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
わたしは、利助りすけさくがたまらなくきだ。まあ、この藍色あいいろえていてみごとなこと。金粉きんぷんいろもその時分じぶんとすこしもわらない。上等じょうとうのものを使つかっていたとみえる。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もしおれにこのおつ上等じょうとううまたしたなら、このうまより幾倍いくばいよくらすかしれない。だいいちりっぱなうまで、どこへしてもずかしくないだろうとかんがえました。
駄馬と百姓 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「どんないろでも、そろっている上等じょうとうのクレヨンを、おう。」と、正吉しょうきちはすぐに、こころをきめたのでした。
空にわく金色の雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「みなさんは、この上等じょうとうのオルガンに歩調ほちょうわせて愉快ゆかい体操たいそうをすることもできれば、また、うたうこともできます。」と、先生せんせいは、生徒せいとらにかっていいました。
楽器の生命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
正吉しょうきち、この金紗きんしゃ羽織はおりは、仕損しそんじぬよう、ねんれてしなよ。」というように、主人しゅじんは、注意ちゅういしながらも、上等じょうとうのむつかしいしなをばえらんで、かれあつかわせるようにしました。
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
この教会きょうかいからもらったクレオンは、品質ひんしつ上等じょうとうとみえて、あかいろはまったく鮮紅せんこうだったし、むらさきいろも、いつかともだちのいえ孔雀くじゃくはねのようにひかっているし、そしてあおいろ
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
かねはいると、こうは、いままでのようにじっとしていることができませんでした。上等じょうとうあみいました。また、いい着物きものをみんながいました。また、まち見物けんぶつあるきました。
一本の釣りざお (新字新仮名) / 小川未明(著)
「うちのむすこは、まだこんな上等じょうとうのところをらないだろう。」と、おもいました。
かざぐるま (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、はいているくつも、上等じょうとうのものとみえて、つるつるひかっていました、また、洋服姿ようふくすがたおんなひとも、一こうにまじっていました。そのひとゆびには、ダイヤモンドが、かがやいていました。
托児所のある村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おれ、一しょうに一でいいから、あんなぴかぴかしたあたまになってみたいとおもってきただ。途中とちゅうで、いちばん上等じょうとう鬢付びんつあぶらたか金出かねだしてってきたから、これをおれあたまにみなってもらうべえ。
てかてか頭の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おくさん、まだおわかいのに、こんなむかしふうのものをおさしになっては、おかしゅうございます。ここにこんな上等じょうとうなさんごじゅがあります。あしきんでございます。これとおえになってはいかがですか。
お母さんのかんざし (新字新仮名) / 小川未明(著)
おうさまのお言葉ことばで、みんなに、上等じょうとうさけがふるまわれました。
珍しい酒もり (新字新仮名) / 小川未明(著)
上等じょうとうの二輪車りんしゃってあげても。」
僕がかわいがるから (新字新仮名) / 小川未明(著)