自転車じてんしゃ)” の例文
旧字:自轉車
さびしい田舎道いなかみちほうまで、自転車じてんしゃはしらせて、二人ふたりは、散歩さんぽしました。徳蔵とくぞうさんは、たつ一にとって、じつにいさんのようながしました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのころ自転車じてんしゃ日本にっぽんにはいってたばかりのじぶんで、自転車じてんしゃっているひとは、田舎いなかでは旦那衆だんなしゅうにきまっていました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
人をふきとばしそうなサイレンをならしている自動車じどうしゃ往来おうらいいっぱいになってがたがたはしってくる乗合自動車のりあいじどうしゃ、うるさくベルをならしながらとびまわる自転車じてんしゃなどで
あたまでっかち (新字新仮名) / 下村千秋(著)
朝のうちに、店の仕事がかたづくと、要吉は、自転車じてんしゃにのって、方々の家へ御用聞ごようききにでかけなければなりません。それはたいてい、大きな門がまえのおやしきばかりでした。
水菓子屋の要吉 (新字新仮名) / 木内高音(著)
きよちゃん、自転車じてんしゃはしりっこをしようか。」と、とくちゃんがいいました。二人ふたりおなじようなかたの、あか自転車じてんしゃっていました。
父親と自転車 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二人ふたりが、うしをつないだ椿つばきると、それは自転車じてんしゃをもった地主じぬしがいったとおりでありました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
見るとそれはしろ公ではありませんか。おとっつあんは自転車じてんしゃから飛びおり
あたまでっかち (新字新仮名) / 下村千秋(著)
ふだんなら、ここを自転車じてんしゃや、自動車じどうしゃとおって、ゆめにもこんなあそびがされるとはおもわれなかったのです。まったく台風たいふうのおかげでした。
台風の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二人ふたり椿つばきのところへもどってると、そこに自転車じてんしゃをとめて、一人ひとりおとこひとっていました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
おとなは自転車じてんしゃで一日に往復おうふくしましたが、やっと十一さいの林太郎が、それも小さな足でぽつぽつ歩いて、まだ一度も歩いたことのない道をいこうというのですから、それはずいぶんの冒険ぼうけんでした。
あたまでっかち (新字新仮名) / 下村千秋(著)
このいぬは、よくひとにほえました。また、自転車じてんしゃったひといかけました。だから、いつ、自分じぶんにも、ほえつくかもしれないからです。
僕の通るみち (新字新仮名) / 小川未明(著)
工場こうじょうだね。」と、友吉ともきちが、ぎてから、いいました。いつしか、二人ふたり自転車じてんしゃは、青々あおあおとした、麦畑むぎばたけあいだみちはしっています。
僕が大きくなるまで (新字新仮名) / 小川未明(著)
かえらぬことをおもっていると、チリチリチンとすずおとがして、八百屋やおや小僧こぞうさんが、やさいをせて、自転車じてんしゃはしらせてきました。
はととりんご (新字新仮名) / 小川未明(著)
さぶちゃんが、病気びょうきになってきてているよ。あさ自転車じてんしゃはしっているうちに、気分きぶんがわるくなって、たおれたんだって。」
波荒くとも (新字新仮名) / 小川未明(著)
「だって、かわいそうじゃないか。」と、賢吉けんきちは、おとうさんに、おこりました。そして、その場所ばしょをきくと、すぐ自転車じてんしゃってはしりました。
宿題 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それから、また自転車じてんしゃはしらせて、きたときのみちをもどるころには、そらは、くもって、村々むらむら新緑しんりょくが、いちだんと銀色ぎんいろひかってかすんでいました。
僕が大きくなるまで (新字新仮名) / 小川未明(著)
労働者ろうどうしゃは、少年しょうねんっているお菓子かしはいっているはこを、つとにんは、自転車じてんしゃを、そして、巡査おまわりさんは、小僧こぞうをだくようにして、つれていきました。
波荒くとも (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼく自転車じてんしゃにのせて、このはらっぱをはしってくれたことがあったなあ。」と、いろんなことが、こころかんでくるのです。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
「こんな、つみになるものをていられん。」と、小僧こぞうさんが、きゅう自転車じてんしゃってチリン、チリンとはししました。
すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、その自転車じてんしゃってもらったというはなしをきかなかったから、こうが三つとれなかったのだろうとおもいました。
中学へ上がった日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある自転車屋じてんしゃやまえへいってみると、その自転車じてんしゃえなかった。たつ一は、びっくりして、おじさんにきいてみると、昨日きのうれたというのです。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじさんは、とりいのところへ自転車じてんしゃをおいて、みんなのくるのをまっていました。みっちゃんととみさんは、いしのさくによりかかっていました。
赤土へくる子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
おばあさんは、ほんとうにこまってしまいました。ちょうど、そのとき、だれもとおらない往来おうらいを、あちらから、おとこが、自転車じてんしゃってやってきました。
泣きんぼうの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ばかめ、自転車じてんしゃあとをおっかけるなんて、二、三にちしたら自転車じてんしゃってやるぞ。」と、その父親ちちおやは、吉坊よしぼうの、あたまをなでながら、いいました。
父親と自転車 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かぜの、まどたるおとがしたと同時どうじでした。ベルのチリンとおとがして、自転車じてんしゃいえまえまるけはいがしました。
火事 (新字新仮名) / 小川未明(著)
吉坊よしぼうは、そとると、ともだちが自転車じてんしゃって、愉快ゆかいそうにはしっているのを、うらやましそうにながめていました。
父親と自転車 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ああ、きみいえはここか。」ともいわずに、そのままハンドルのよくきかぬ自転車じてんしゃって、いってしまいました。
生きぬく力 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もんそとで、チリリンとらしたベルは、しん一が、物置ものおきから自転車じてんしゃして、いまっていったのでありました。
火事 (新字新仮名) / 小川未明(著)
正吉しょうきちくんは、らないのうしろにって、かたにつかまると、かぜって、かぜのように、その自転車じてんしゃはしりました。
少年と秋の日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ただ、このみちをトラックや、自転車じてんしゃ自動車じどうしゃが、たえず、往来おうらいするだけ、おとこを、いっそういらだたせたのでした。
道の上で見た話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
自転車じてんしゃって、そばをとおりかけた小僧こぞうが、わざわざ自転車じてんしゃめて、子供こどもたちのなかにまじって、おじさんの説明せつめいをきこうとしているのも見受みうけられます。
花の咲く前 (新字新仮名) / 小川未明(著)
うすい、白雲しらくもやぶって、日光にっこうはかっとまち建物たてものらしていました。くるまとおります。自転車じてんしゃはしっていきます。
芽は伸びる (新字新仮名) / 小川未明(著)
友吉ともきちが、自転車じてんしゃってきたので、りょう一も、自分じぶん自転車じてんしゃして、二人ふたりは、散歩さんぽかけたのです。晩春ばんしゅんのやわらかなかぜかれながらはしりました。
僕が大きくなるまで (新字新仮名) / 小川未明(著)
まちへくると、いつものごとく、トラック、自転車じてんしゃ自動車じどうしゃはしっていました。さんさんたる太陽たいようが、あらゆる地上ちじょう物体ぶったいひかりなかにただよわせていました。
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二、三日前にちまえからかぜぎみでさむけがしていたのですけれど、すこしぐらいの病気びょうきでは仕事しごとやすむことができません。かれは、無理むりをして自転車じてんしゃはしらせたのです。
波荒くとも (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじさんは、そういって、自転車じてんしゃについているはこから、あめをしてきて、みんなにけてくれました。
こま (新字新仮名) / 小川未明(著)
こんな冗談じょうだんが、とうとうほんとうになって、ねこは、ある酒屋さかや小僧こぞう自転車じてんしゃせられて、うちからだいぶはなれた、さびしいてら境内けいだいてられました。
小ねこはなにを知ったか (新字新仮名) / 小川未明(著)
したには、とがったとうや、たか建物たてものなどがかさなりって、馬車ばしゃや、自転車じてんしゃなどが往来おうらいうえはしっていました。
山の上の木と雲の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ここで、すこしやすんでゆこう。」と、良吉りょうきちは、自転車じてんしゃめて、さながら、あなのあちらの、ちがった、世界せかいからでもいてくるような、かぜむねれていました。
隣村の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
どこかのにわいているはなが、往来おうらいまでながれてきます。自転車じてんしゃは、ひかりをかがやかしてはしっていきました。はらっぱには、子供こどもがたくさんあそんでいました。
小さな妹をつれて (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、自転車じてんしゃのけいこをしながら、いつかあそんでいる近所きんじょ子供こどもたちと仲良なかよしになりました。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
「さあ、時間じかんがおくれてしまって、たいへんだ。」と、配達夫はいたつふも、また自転車じてんしゃばしていきました。
すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
きた当座とうざは、自転車じてんしゃるけいこを付近ふきんにいって、することにしました。また、電話でんわをかけることをならいました。まだ田舎いなかにいて、経験けいけんがなかったからです。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
「こんど、ぼくいえりにおいでよ。自転車じてんしゃってくれば、わけがないだろう。」といいました。
芽は伸びる (新字新仮名) / 小川未明(著)
電車でんしゃには、乗客じょうきゃくが、すずなりにつかまっているし、トラックは、おもそうなをいっぱいつんではしるし、自転車じてんしゃは、たがいに競争きょうそうするように、前後ぜんごにとんでいるのでした。
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なにをているのだろうか。」と、かれは、はしっていきました。そこには、自転車じてんしゃめた職人しょくにんふうのおとこもいれば、小僧こぞうさんもいました。またちいさなおんなもいました。
真昼のお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのは、あつい、あついでした。そこはおおきなビルディングが、ならんでいて、自動車じどうしゃや、トラックや、また自転車じてんしゃ往来おうらいして、やすむようなところもなかったのです。
隣村の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いったいどこのまち八百屋やおやだろうとおもっていると、あちらから、自転車じてんしゃって、八百屋やおや主人しゅじんらしいおとこが、なにかさけびながら、おけをひろおうとして、いかけてきました。
台風の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼく、こんどの試験しけんこうを三つとれば、おかあさんが、自転車じてんしゃってくれるといったよ。」
中学へ上がった日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
自転車じてんしゃうえちいさなはこ舞台ぶたいなかには、見覚みおぼえのあるあかトラのていました。七、八にん子供こどもがあめをわなければ、おじさんは、説明せつめいをはじめないのがつねでありました。
花の咲く前 (新字新仮名) / 小川未明(著)