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穏
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おだやか
ふりがな文庫
“
穏
(
おだやか
)” の例文
旧字:
穩
お嬢さんの感情を傷付けないように——彼女といえども商売があり、食って行かなければならないのだから、——私は充分
穏
(
おだやか
)
に云った。
奥さんの家出
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
薄暗い
扉
(
ドア
)
に紙を
貼
(
は
)
って、
昨日
(
きのう
)
の日づけで、診療の都合により面会を謝絶いたし候——医局、とぴたりと貼ってある。いよいよ
穏
(
おだやか
)
でない。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
○かくて
産後
(
さんご
)
日を
歴
(
へ
)
てのち、
連日
(
れんじつ
)
の雪も
降止
(
ふりやみ
)
天気
穏
(
おだやか
)
なる日、
娵
(
よめ
)
夫
(
をつと
)
にむかひ、
今日
(
けふ
)
は
親里
(
おやざと
)
へ
行
(
ゆか
)
んとおもふ、いかにやせんといふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
その語調は平常よりも
却
(
かえ
)
って
穏
(
おだやか
)
な位であった。代助は
膝
(
ひざ
)
の上に手を置きながら、兄が
真面目
(
まじめ
)
な顔をして、自分を
担
(
かつ
)
いだんじゃなかろうかと考えた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
譬えば海岸へ出て海の水の
穏
(
おだやか
)
で広々した処を見ると誰でも
好
(
い
)
い
心持
(
こころもち
)
になって海の
真中
(
まんなか
)
へ出てみたいような気がします。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
あの目の血走っているのも、事によったら酒と色とに夜を
更
(
ふ
)
かした為めではなくて、深い物思に夜を
穏
(
おだやか
)
に眠ることの出来なかった為めではあるまいか。
百物語
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
荒模様であった空は、夜が明けると少し
穏
(
おだやか
)
になって、風は強いが雨脚は
疎
(
まばら
)
になった。七月二十四日の朝である。
秩父宮殿下に侍して槍ヶ岳へ
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
浅草寺
(
あさくさでら
)
の
巨鐘
(
きょしょう
)
の声はいかにも
厳
(
おごそ
)
かにまたいかにも
穏
(
おだやか
)
に寝静まる大江戸の夜の空から空へと響き渡るのであった。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それは実によく晴れわたった、
穏
(
おだやか
)
な夏の夕だった。眼のまえの屏風岩のギザギザした
鋸歯
(
きょし
)
のようなグラートのうえにはまだ、夕雲はかがやかに
彩
(
いろど
)
られていた。
涸沢の岩小屋のある夜のこと
(新字新仮名)
/
大島亮吉
(著)
これも又似たることにていかなる
境界
(
きょうがい
)
にありても平気にて、出来る
丈
(
だけ
)
の事は決して廃せず、一日は一日丈進み行くやう心掛くるときは、心も
穏
(
おだやか
)
になり
申者
(
もうすもの
)
に候。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
「だめだ! まだあの高慢
狂気
(
きちがい
)
が
治
(
なお
)
らない。梅子さんこそ
可
(
い
)
い
面
(
つら
)
の皮だ、フン人を馬鹿にしておる」と薄暗い
田甫道
(
たんぼみち
)
を
辿
(
たど
)
りながら
呟
(
つぶ
)
やいたが胸の中は余り
穏
(
おだやか
)
でなかった。
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
外国政治上の報告を聞けば、近来はなはだ
穏
(
おだやか
)
ならず、欧洲各国の形勢云々なるのみならず、近く隣国の支那において、大臣某氏が政権をとりて、その政略はかくの如し
学問の独立
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
幸福といわずして幸福を楽んでいたころは家内全体に
生温
(
なまぬる
)
い春風が吹渡ッたように、総て
穏
(
おだやか
)
に、和いで、
沈着
(
おちつ
)
いて、見る事聞く事が
尽
(
ことごと
)
く自然に
適
(
かな
)
ッていたように思われた。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
こう思ったから、佐渡守は、その仔細を尋ねると同時に、本家からの
附人
(
つけびと
)
にどう云う間違いが起っても、親類中へ相談なり、知らせなりしないのは、
穏
(
おだやか
)
でない旨を忠告した。
忠義
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
犠牲となって
穏
(
おだやか
)
に家庭に死ぬることが出来なかっただろう乎、あまりに
我強
(
がづよ
)
い先生であると。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「まあ、余り
穏
(
おだやか
)
でないから、それだけは思ひ
止
(
とま
)
り給へ。今間も話を付けると言つたから」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
然
(
しか
)
るに幕府の
始末
(
しまつ
)
はこれに反し、
穏
(
おだやか
)
に政府を
解散
(
かいさん
)
して
流血
(
りゅうけつ
)
の
禍
(
わざわい
)
を
避
(
さ
)
け、
無辜
(
むこ
)
の人を殺さず、
無用
(
むよう
)
の
財
(
ざい
)
を散ぜず、一方には徳川家の
祀
(
まつり
)
を存し、一方には維新政府の
成立
(
せいりつ
)
を
容易
(
ようい
)
ならしめたるは
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
始
(
はじめ
)
には越後の
諸勝
(
しよしよう
)
を
尽
(
つく
)
さんと思ひしが、
越地
(
ゑつち
)
に入し
後
(
のち
)
、
年
(
とし
)
稍
(
やゝ
)
侵
(
しん
)
して
穀価
(
こくか
)
貴踊
(
きよう
)
し人心
穏
(
おだやか
)
ならず、ゆゑに越地を
践
(
ふむ
)
こと
僅
(
わづか
)
に十が一なり。しかれども
旅中
(
りよちゆう
)
に於て
耳目
(
じもく
)
を
新
(
あらた
)
にせし事を
挙
(
あげ
)
て此書に
増修
(
そうしう
)
す。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
道中はどうだったな。信州の山々は今はちょうど青々と茂り合っていて、さぞ気持がいい事だったろう。……新聞でみると浅間山がこの頃だいぶ
穏
(
おだやか
)
でないように書いてあるが、よっぽどさかんに煙を
田舎医師の子
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
すこぶる
高尚
(
こうしょう
)
なる意味をふくましむることの出来るのは、ちょうど社会主義なる言葉の内にも必ずしもおそるべく
憎
(
にく
)
むべき
破壊的
(
はかいてき
)
なる思想をふくますべきものでなく、
穏
(
おだやか
)
な高尚な建設的なる内容を
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「私は
穏
(
おだやか
)
な方法でその絵をとり戻そうと思ったからです。」
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
世は
穏
(
おだやか
)
に
野口雨情民謡叢書 第一篇
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
と小村さんが優しい
穏
(
おだやか
)
な声を掛けて、がたがたがたと入ったが、向うの
対手
(
あいて
)
より土間の
足許
(
あしもと
)
を
俯向
(
うつむ
)
いて
視
(
み
)
つつ、横にとぼとぼと
歩行
(
ある
)
いた。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
日蓮上人、
為兼卿
(
ためかねきやう
)
、遊女
初君
(
はつきみ
)
等
(
とう
)
の
古跡
(
こせき
)
もたづねばやとおもひしに、越後に入りてのち
気運
(
きうん
)
順
(
じゆん
)
を
失
(
うしな
)
ひ、
年
(
とし
)
稍
(
やゝ
)
倹
(
けん
)
して
穀
(
こく
)
の
価
(
ねだん
)
日々に
躍
(
あがり
)
、
人気
(
じんき
)
穏
(
おだやか
)
ならず。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
南アルプスの黒部川ともいう可き大井川は、西を赤石、東を
白峰
(
しらね
)
という一万尺以上の高峰を有する二大山脈に限られて、万山の奥を思いの外
穏
(
おだやか
)
に流れています。
日本アルプスの五仙境
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
「
来
(
き
)
たか」と云つた。其語調は平常よりも却つて
穏
(
おだやか
)
な位であつた。代助は
膝
(
ひざ
)
の
上
(
うへ
)
に手を置きながら、
兄
(
あに
)
が
真面目
(
まじめ
)
な顔をして、自分を
担
(
かつ
)
いたんぢやなからうかと考へた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
次第
(
しだい
)
は前にいえるごとく、氏の
尽力
(
じんりょく
)
を以て
穏
(
おだやか
)
に旧政府を
解
(
と
)
き、
由
(
よっ
)
て
以
(
もっ
)
て殺人
散財
(
さんざい
)
の
禍
(
わざわい
)
を
免
(
まぬ
)
かれたるその功は
奇
(
き
)
にして大なりといえども、一方より観察を
下
(
くだ
)
すときは
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
兄がよくその
譬
(
たとえ
)
を人の事に取ってこう申します。それは全く最初の考えようが悪いので海は一年中
平
(
たいら
)
で
穏
(
おだやか
)
なものでない。時あって風も起り波も荒くなるのが海の
持前
(
もちまえ
)
だ。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
暖い
穏
(
おだやか
)
な
午後
(
ひるすぎ
)
の日光が一面にさし込む表の窓の障子には、
折々
(
おりおり
)
軒
(
のき
)
を
掠
(
かす
)
める小鳥の影が
閃
(
ひらめ
)
き、茶の間の隅の薄暗い仏壇の奥までが
明
(
あかる
)
く見え、
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
の梅がもう散りはじめた。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その
凄絶
(
せいぜつ
)
なる可き慟哭にも、同じく涙に
咽
(
むせ
)
ばうとしてゐた乙州は、その中にある一種の誇張に対して、——と云ふのが
穏
(
おだやか
)
でないならば、慟哭を抑制すべき意志力の欠乏に対して
枯野抄
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ある日天気が好くて海が
穏
(
おだやか
)
なので、香以は浜辺に出ていた。そこへ一隻の舟が著いて、中から江戸の相撲が大勢出た。香以が物めずらしさに顔を見ると、小結以上の
知人
(
しるひと
)
もいた。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
例の
狡猾
(
こうかつ
)
な笑顔を作り、妙に
慇懃
(
いんぎん
)
な様子をしながら静々と彼の部屋へやって来たが、芳江姫も市之丞殿も皆
健康
(
たっしゃ
)
で暮らしているから充分安心するがよいと、さも
穏
(
おだやか
)
に云った後から
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
穏
(
おだやか
)
な僕の心は急に
擾乱
(
かきみだ
)
され、僕は
殆
(
ほと
)
んど父の真意を知るに苦しみ、返書を出して責めて今一年、卒業の日まで
此
(
この
)
儘
(
まま
)
に仕て置いて
貰
(
もら
)
おうかと思いましたが、思い返して直ぐ上京しました。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
穏
(
おだやか
)
に死なれる事が何故出来なかったでしょうか? 何故其生の
晩景
(
ばんけい
)
になって
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
もはやこう成ッては
穏
(
おだやか
)
に収まりそうもない。黙ッても
視
(
み
)
ていられなくなッたから、お鍋は一とかたけ
煩張
(
ほおば
)
ッた飯を
鵜呑
(
うのみ
)
にして、「はッ、はッ」と笑ッた。同じ心に文三も「ヘ、ヘ」と笑ッた。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
思うに当時
人心
(
じんしん
)
激昂
(
げきこう
)
の際、敵軍を城下に
引受
(
ひきう
)
けながら一戦にも及ばず、徳川三百年の政府を
穏
(
おだやか
)
に
解散
(
かいさん
)
せんとするは武士道の
変則
(
へんそく
)
古今の
珍事
(
ちんじ
)
にして、これを
断行
(
だんこう
)
するには非常の
勇気
(
ゆうき
)
を要すると共に
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
いつも
穏
(
おだやか
)
おさんだいしよさま
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
人気も
穏
(
おだやか
)
なり、積んだものを見たばかりで、鶴谷様御用、と札の建ったも
同一
(
おなじ
)
じゃで、誰も手の
障
(
さ
)
え
人
(
て
)
はござりませぬで。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
日蓮上人、
為兼卿
(
ためかねきやう
)
、遊女
初君
(
はつきみ
)
等
(
とう
)
の
古跡
(
こせき
)
もたづねばやとおもひしに、越後に入りてのち
気運
(
きうん
)
順
(
じゆん
)
を
失
(
うしな
)
ひ、
年
(
とし
)
稍
(
やゝ
)
倹
(
けん
)
して
穀
(
こく
)
の
価
(
ねだん
)
日々に
躍
(
あがり
)
、
人気
(
じんき
)
穏
(
おだやか
)
ならず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
大小烏帽子や笠
又
(
また
)
は剣ヶ倉などいう名は多小尖った感じを与えるが、それすら飛騨山脈の同名を冠する諸山に比すれば、お話にならぬほど
穏
(
おだやか
)
な山容を呈している。
利根川水源地の山々
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
ちょうどお話のように理想の海といったら風もなく波もなく一年中
盥
(
たらい
)
の水のように
穏
(
おだやか
)
でそこへ乗出して幸福の岸へ着いたらさぞ楽しいだろうというように考えたものです。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
暖
(
あたゝか
)
い
穏
(
おだやか
)
な
午後
(
ひるすぎ
)
の日光が一面にさし込む
表
(
おもて
)
の窓の
障子
(
しやうじ
)
には、
折々
(
をり/\
)
軒
(
のき
)
を
掠
(
かす
)
める小鳥の影が
閃
(
ひらめ
)
き、茶の
間
(
ま
)
の
隅
(
すみ
)
の
薄暗
(
うすぐら
)
い
仏壇
(
ぶつだん
)
の奥までが
明
(
あかる
)
く見え、
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
の梅がもう散りはじめた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
静かな声は落ついた春の調子を乱さぬほどに
穏
(
おだやか
)
である。幅一尺の
揚板
(
あげいた
)
に、
菱形
(
ひしがた
)
の黒い穴が、
椽
(
えん
)
の下へ抜けているのを
眺
(
なが
)
めながら取次をおとなしく待つ。返事はやがてした。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
俗に云う
鼻掴
(
はなつま
)
みの世の中に、
唯
(
ただ
)
ペルリ渡来の一条が人心を動かして、砲術だけは西洋流儀にしなければならぬと、
云
(
い
)
わば
一線
(
いっせん
)
の
血路
(
けつろ
)
が開けて、ソコで砲術修業の願書で
穏
(
おだやか
)
に事が済んだのです。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
それから博士は
穏
(
おだやか
)
な声で斯う云いました。
人間製造
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
形勢
穏
(
おだやか
)
ならず、源次は
遁足
(
にげあし
)
を踏み、
這身
(
はいみ
)
になって、
掻裂
(
かきさ
)
くような手つきで、ちょいと出し、ちょいと引き、取戻そうとしては
遣損
(
やりそこな
)
い、目色を変えて
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
午後二時頃になって風が幾分か
穏
(
おだやか
)
になった様子であるから、槍の
絶巓
(
ぜってん
)
へお伴申上げることになった。
秩父宮殿下に侍して槍ヶ岳へ
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
橋の下には焼けない釣舟が幾艘となく枯蘆の間に繋がれ、ゆるやかに流れる水を隔てゝ、向岸には茂つた松の木や、こんもりした樹木の立つてゐるのが言ひ知れず
穏
(
おだやか
)
に見えた。
にぎり飯
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
始
(
はじめ
)
には越後の
諸勝
(
しよしよう
)
を
尽
(
つく
)
さんと思ひしが、
越地
(
ゑつち
)
に入し
後
(
のち
)
、
年
(
とし
)
稍
(
やゝ
)
侵
(
しん
)
して
穀価
(
こくか
)
貴踊
(
きよう
)
し人心
穏
(
おだやか
)
ならず、ゆゑに越地を
践
(
ふむ
)
こと
僅
(
わづか
)
に十が一なり。しかれども
旅中
(
りよちゆう
)
に於て
耳目
(
じもく
)
を
新
(
あらた
)
にせし事を
挙
(
あげ
)
て此書に
増修
(
そうしう
)
す。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「ええ
穏
(
おだやか
)
な晩です」と小野さんは靴の
紐
(
ひも
)
を締めつつ
格子
(
こうし
)
から往来を見る。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
穏
常用漢字
中学
部首:⽲
16画
“穏”を含む語句
穏和
穏当
安穏
平穏
穏便
静穏
安穏寺
心穏
不穏
穏健
不穏当
穏田
穏顔
穏便沙汰
穏坊
穏子
穏密方
穏座
穏当人
穏戸
...