“安穏寺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あんのんじ50.0%
あんおんじ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夏秋の虫の音の外に、一番嬉しいのは寺のかね。真言宗の安穏寺あんのんじ。其れはずッと西南へ寄って、寺は見えぬが、鐘のは聞こえる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
南のは東覚院とうがくいん宝性寺ほうしょうじ安穏寺あんのんじ、北のは——寺、——寺、東にも、西にも、おのがじし然も申合わせた様に、我君ねむりませ、永久とこしえに眠りませ、と哀音長く鳴り連れて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
例の殺生石せっしょうせきの伝説で名高い、源翁げんおう禅師を開基としている安穏寺あんおんじに預けて置くと、お蝶が見初みそめて、いろいろにして近附いて、最初は容易に聴かなかったのを納得させた。
心中 (新字新仮名) / 森鴎外(著)