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無念
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むねん
ふりがな文庫
“
無念
(
むねん
)” の例文
うつくしき
顏
(
かほ
)
に
似合
(
にあは
)
ぬは
心
(
こゝろ
)
小學校通
(
せうがくかうがよ
)
ひに
紫袱紗
(
むらさきふくさ
)
對
(
つゐ
)
にせし
頃
(
ころ
)
年上
(
としうへ
)
の
生徒
(
せいと
)
に
喧嘩
(
いさかひ
)
まけて
無念
(
むねん
)
の
拳
(
こぶし
)
を
我
(
わ
)
れ
握
(
にぎ
)
る
時
(
とき
)
同
(
おな
)
じやうに
涙
(
なみだ
)
を
目
(
め
)
に
持
(
も
)
ちて
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
しかし何せよ、
慓悍無比
(
ひょうかんむひ
)
な命しらずである。ただでさえ
精
(
せい
)
のおとろえている伊那丸は、
無念
(
むねん
)
や、ジリジリ追われ勝ちになってきた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
時分
(
じぶん
)
の
不安
(
ふあん
)
、
焦燥
(
しょうそう
)
、
無念
(
むねん
)
、
痛心
(
つうしん
)
……
今
(
いま
)
でこそすっかり
精神
(
こころ
)
の
平静
(
へいせい
)
を
取
(
と
)
り
戻
(
もど
)
し、
別
(
べつ
)
にくやしいとも、
悲
(
かな
)
しいとも
思
(
おも
)
わなくなりましたが
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
經
(
へ
)
し今日
露顯
(
ろけん
)
に及ばんとする事
衆怨
(
しうゑん
)
の歸する所にして
就中
(
なかんづく
)
道十郎が
無念
(
むねん
)
の
魂魄
(
こんぱく
)
とお光が
貞心
(
ていしん
)
を神佛の助け給ふ所ならん恐るべし
愼
(
つゝし
)
むべし。
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その
紺
(
こん
)
の
水干
(
すゐかん
)
を
着
(
き
)
た
男
(
をとこ
)
は、わたしを
手
(
て
)
ごめにしてしまふと、
縛
(
しば
)
られた
夫
(
をつと
)
を
眺
(
なが
)
めながら、
嘲
(
あざけ
)
るやうに
笑
(
わら
)
ひました。
夫
(
をつと
)
はどんなに
無念
(
むねん
)
だつたでせう。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
一つの作にも我執を慎む教旨や、
無念
(
むねん
)
を念とする禅意や、どうして
衆生
(
しゅじょう
)
が救われるかのあの他力観が具体的な形において説かれているのである。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は
眼中
(
がんちう
)
に
無念
(
むねん
)
の
涙
(
なみだ
)
を
浮
(
うか
)
べて、
今
(
いま
)
も
猶
(
な
)
ほ
多少
(
たせう
)
仇浪
(
あだなみ
)
の
立騷
(
たちさわ
)
いで
居
(
を
)
る
海面
(
かいめん
)
を
睨
(
にら
)
んで
居
(
を
)
る。
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
はいと/\
悲
(
かな
)
し
相
(
さう
)
に
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
海岸に、はいまわっているかにで、そのこうらが、いかにもうらみをのんだ
無念
(
むねん
)
そうなひとの顔の形をしたものが、ぞろぞろとでるようになりました。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
人の噂に
味方
(
みかた
)
の
敗北
(
はいぼく
)
を聞く
毎
(
ごと
)
に、
無念
(
むねん
)
さ、もどかしさに耐へ得ず、雙の腕を
扼
(
やく
)
して
法體
(
ほつたい
)
の今更變へ難きを恨むのみ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
だから
其所
(
そこ
)
に
云
(
い
)
ふに
忍
(
しの
)
びない
苦痛
(
くつう
)
があつた。
彼等
(
かれら
)
は
殘酷
(
ざんこく
)
な
運命
(
うんめい
)
が
氣紛
(
きまぐれ
)
に
罪
(
つみ
)
もない
二人
(
ふたり
)
の
不意
(
ふい
)
を
打
(
う
)
つて、
面白
(
おもしろ
)
半分
(
はんぶん
)
穽
(
おとしあな
)
の
中
(
なか
)
に
突
(
つ
)
き
落
(
おと
)
したのを
無念
(
むねん
)
に
思
(
おも
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「いえ、
昨日
(
きのう
)
も
旅
(
たび
)
の
珍
(
めずら
)
しい
鳥
(
とり
)
が、ここへやってきましたが、
私
(
わたし
)
へは
止
(
と
)
まらなかったので、
私
(
わたし
)
は、
悲
(
かな
)
しくてなりませんでした。」と、とちのきは、さも
無念
(
むねん
)
そうに
谷間のしじゅうから
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
頬
(
ほゝ
)
の
肉
(
にく
)
を
引掴
(
ひツつか
)
んで、
口惜涙
(
くやしなみだ
)
、
無念
(
むねん
)
の
涙
(
なみだ
)
、
慚愧
(
ざんき
)
の
涙
(
なみだ
)
も
詮
(
せん
)
ずれば、たゞ/\
最惜
(
いとを
)
しさの
涙
(
なみだ
)
の
果
(
はて
)
は、おなじ
思
(
おも
)
ひを
一所
(
いつしよ
)
にしようと、
私
(
われら
)
これ
又
(
また
)
此
(
こ
)
の
通
(
とほ
)
り、
兩眼
(
りやうがん
)
を
我
(
われ
)
と
我手
(
わがて
)
に
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
獨
(
とり
)
の
力
(
ちから
)
及
(
およ
)
び
難
(
がた
)
く、
無念
(
むねん
)
を
呑
(
のむ
)
で
瞋恚
(
しんい
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
無念
(
むねん
)
の報告
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
裾野
(
すその
)
の
闇
(
やみ
)
に乗じられて、まんまと、
六部
(
ろくぶ
)
の
龍太郎
(
りゅうたろう
)
のために、大せつな主君を、うばいさられた、かれの
無念
(
むねん
)
さは思いやられる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
十露盤玉
(
そろばんだま
)
と
筆先
(
ふでさき
)
に
帳尻
(
ちやうじり
)
つくろふ
溝鼠
(
どぶねづみ
)
のみなりけん
主家
(
しゆか
)
一大事
(
いちだいじ
)
の
今日
(
こんにち
)
も
申合
(
まをしあは
)
せたるやうに
富士見
(
ふじみ
)
西行
(
さいぎやう
)
きめ
込
(
こ
)
み
見返
(
みかへ
)
るものさへあらざれば
無念
(
むねん
)
の
涙
(
なみだ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
見る事ぞ病氣でさへなき物ならば此邊迄も
見送
(
みおく
)
り
遣
(
やら
)
んに
無念
(
むねん
)
の事を仕てけりと
前後不覺
(
ぜんごふかく
)
に泣沈み
正體
(
しやうたい
)
更
(
さら
)
に
有
(
あら
)
ざれば其有樣を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
玉依姫様
(
たまよりひめさま
)
は一々
首肯
(
うなづ
)
きながら
私
(
わたくし
)
の
物語
(
ものがたり
)
に
熱心
(
ねっしん
)
に
耳
(
みみ
)
を
傾
(
かたむ
)
けてくだされ、
最後
(
さいご
)
に
私
(
わたくし
)
が
独
(
ひと
)
りさびしく
無念
(
むねん
)
の
涙
(
なみだ
)
に
暮
(
く
)
れながら
若
(
わか
)
くて
歿
(
なくな
)
ったことを
申上
(
もうしあ
)
げますと
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
信仰に活くる者は体験したであろう、いかなる意味で宗祖たちが、厚く「
我空
(
がくう
)
」を説き「
無念
(
むねん
)
」を説いたかを。
我執
(
がしゅう
)
と
有想
(
うそう
)
とは信仰にとっての二つの敵であった。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
頭
(
かうべ
)
あるもの
腰
(
こし
)
を
拔
(
ぬ
)
かして、ぺた/\と
成
(
な
)
つて
瞪目
(
たうもく
)
して
之
(
これ
)
を
見
(
み
)
れば、
頭
(
かしら
)
なき
將軍
(
しやうぐん
)
の
胴
(
どう
)
、
屹然
(
きつぜん
)
として
馬上
(
ばじやう
)
にあり。
胸
(
むね
)
の
中
(
なか
)
より
聲
(
こゑ
)
を
放
(
はな
)
つて、
叫
(
さけ
)
んで
曰
(
いは
)
く、
無念
(
むねん
)
なり、
戰
(
いくさ
)
利
(
り
)
あらず、
敵
(
てき
)
のために
傷
(
そこな
)
はれぬ。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
陸
(
りく
)
まで、もう
一息
(
ひといき
)
というところで、
無念
(
むねん
)
にも
弾丸
(
たま
)
を
受
(
う
)
けて、
徳蔵
(
とくぞう
)
さんは
とびよ鳴け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
兵曹
(
へいそう
)
無念
(
むねん
)
の
切齒
(
はがみ
)
をなし
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
と
小幡民部
(
こばたみんぶ
)
も、
無念
(
むねん
)
なていに見えたけれど、
伊那丸
(
いなまる
)
はあえて、もとめよともいわず、かえって、みなが気のつかぬところに注意をあたえた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二度まで來りし市之丞が當時の
住所
(
ぢうしよ
)
名前等も聞置ざりしは全く文右衞門の
無念
(
むねん
)
なり然ば久兵衞其落度に付込み
斯
(
かく
)
難題
(
なんだい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
無念
(
むねん
)
と
残念
(
ざんねん
)
とで、もう
生
(
い
)
きている
心地
(
ここち
)
はなかったのです。
ちょうと怒濤
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と
叱
(
しか
)
りつけられて
我知
(
われし
)
らずあとじさりする
意氣地
(
いくぢ
)
なさまだ
霜
(
しも
)
こほる
夜嵐
(
よあらし
)
に
辻待
(
つじまち
)
の
提燈
(
ちやうちん
)
の
火
(
ひ
)
の
消
(
き
)
えかへる
迄
(
まで
)
案
(
あん
)
じらるゝは
二親
(
ふたおや
)
のことなり
馴
(
な
)
れぬ
貧苦
(
ひんく
)
に
責
(
せ
)
めらるゝと
懷舊
(
くわいきう
)
の
情
(
じやう
)
のやる
方
(
かた
)
なさとが
老體
(
らうたい
)
の
毒
(
どく
)
になりてや
涙
(
なみだ
)
がちに
同
(
おな
)
じやうな
煩
(
わづら
)
ひ
方
(
かた
)
それも
御尤
(
ごもつと
)
もなり
我
(
われ
)
さへ
無念
(
むねん
)
に
膓
(
はらわた
)
の
沸
(
に
)
え
納
(
をさ
)
まらぬものを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
念
常用漢字
小4
部首:⼼
8画
“無念”で始まる語句
無念氣
無念々々
無念無想
無念至極
無念骨髄
無念坊退身