-
トップ
>
-
玉依姫様
玉依姫様は一々
首肯きながら
私の
物語に
熱心に
耳を
傾けてくだされ、
最後に
私が
独りさびしく
無念の
涙に
暮れながら
若くて
歿ったことを
申上げますと
こんな
真面目なお
話をなさる
時には、
玉依姫様のあの
美しいお
顔がきりりと
引きしまって、まともに
拝むことができないほど
神々しく
見えるのでした。
あれ、
又しても
話が
側路へそれて
先走って
了いました。これから
後へ
戻って、
私が
初めて
玉依姫様にお
目にかかった
時の
概況を
申上げることに
致しましょう。