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察
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さっ
ふりがな文庫
“
察
(
さっ
)” の例文
色
(
いろ
)
よい
返事
(
へんじ
)
を
認
(
したた
)
めたおせんの
文
(
ふみ
)
を、
見
(
み
)
せろ
見
(
み
)
せないのいさかいに、しばし
心
(
こころ
)
を
乱
(
みだ
)
していたが、この
上
(
うえ
)
の
争
(
あらそ
)
いは
無駄
(
むだ
)
と
察
(
さっ
)
したのであろう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
眠
(
ねむ
)
るようにできているのですから、
不承
(
ふしょう
)
もなりますが、けしさんや、
河骨
(
こうほね
)
さんなどには、この
生活
(
せいかつ
)
は、さぞ
苦
(
くる
)
しいことだとお
察
(
さっ
)
しします。
ガラス窓の河骨
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ここに立ったふたりのようすから
察
(
さっ
)
すると、いつか伊那丸もかれを
了解
(
りょうかい
)
しているし、龍太郎も主君のごとく
敬
(
うやま
)
っているようだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
カピはおそらくわたしの意中を
察
(
さっ
)
したのであろう。それでかれはその大きなりこうそうな目を、じつとわたしの日の上にすえてすわっていた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
そのようすから
察
(
さっ
)
すると、そのひとは、いかめしいよろいかぶとを身につけた、
戦場
(
せんじょう
)
の
武士
(
ぶし
)
のように思われました。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
▼ もっと見る
同じ車に乗っている他の人たちの中には、空気服を着はじめた者もあるから、正吉は、ははあと
察
(
さっ
)
したのである。
三十年後の世界
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
皆さん、その夜、まあどんなにヒンドバッドのおかみさんや、子供たちがよろこんだか、お
察
(
さっ
)
しください。
アラビヤンナイト:04 四、船乗シンドバッド
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
けれどもガドルフは、その風の
微光
(
びこう
)
の中で、一本の百合が、多分とうとう
華奢
(
きゃしゃ
)
なその
幹
(
みき
)
を
折
(
お
)
られて、花が
鋭
(
するど
)
く地面に
曲
(
まが
)
ってとどいてしまったことを
察
(
さっ
)
しました。
ガドルフの百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
老人
(
ろうじん
)
は、なにごとものみこんでいるから、お政の
心中
(
しんちゅう
)
を
察
(
さっ
)
し、
涙
(
なみだ
)
を
浮
(
う
)
かべてむすめをさとすのである。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
おとうさんのそんな
心持
(
こころも
)
ちを
察
(
さっ
)
しない
世間
(
せけん
)
の人たちは、
姫
(
ひい
)
さんがへんな
姿
(
すがた
)
になったのをおもしろがって、「
鉢
(
はち
)
かつぎ、
鉢
(
はち
)
かつぎ。」と、あだ
名
(
な
)
を
呼
(
よ
)
んであざ
笑
(
わら
)
いました。
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
戦争中国内の
有様
(
ありさま
)
を
察
(
さっ
)
すれば
所在
(
しょざい
)
の
不平士族
(
ふへいしぞく
)
は日夜、
剣
(
けん
)
を
撫
(
ぶ
)
して官軍の
勢
(
いきおい
)
、利ならずと見るときは
蹶起
(
けっき
)
直
(
ただち
)
に政府に
抗
(
こう
)
せんとし、すでにその
用意
(
ようい
)
に
着手
(
ちゃくしゅ
)
したるものもあり。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
私
(
わたくし
)
は
决
(
けっ
)
して
君
(
きみ
)
に
対
(
たい
)
して
立腹
(
りっぷく
)
は
致
(
いた
)
さんので、
病気
(
びょうき
)
なれば
拠無
(
よんどころな
)
いのです、お
察
(
さっ
)
し
申
(
もう
)
すですよ。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
兎に角篠原良平の死と「寄生木」とが、
寂
(
さび
)
しい将軍の晩年に於てまた一の
慰藉
(
いしゃ
)
となったことは、
察
(
さっ
)
するに難からぬ。篠原良平が「寄生木」を
遺
(
のこ
)
した目的の一は達せられたのである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
もはや
赦
(
ゆる
)
されて家へ戻ったことでござろうが、それを思えば、お
察
(
さっ
)
し下され、右近殿。喬之助、
断腸
(
だんちょう
)
の思いでござる。妻にも会えば色いろと話もあるものをと、ま、これは愚痴じゃ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「ハハハ……、やっとおわかりになったようですね。ご安心なさい。ぼくは、あなたのむすこの壮一君じゃありません。お
察
(
さっ
)
しのとおり、あなた方が二十面相と呼んでいる盗賊です。」
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
問『まあそれはお
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
なお
身
(
み
)
の
上
(
うえ
)
……
私
(
わたくし
)
の
身
(
み
)
に
引
(
ひ
)
きくらべて、
心
(
こころ
)
からお
察
(
さっ
)
し
致
(
いた
)
します……。それにしても二十五
歳
(
さい
)
で
歿
(
なく
)
なられたとの
事
(
こと
)
でございますが、それまでずっとお
独身
(
ひとりみ
)
で……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
動物を見てもすみやかに天意のどこにあるやは
察
(
さっ
)
しられる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
だが、岸本監督はすぐに様子を
察
(
さっ
)
して皆を制した。
秋空晴れて
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
「
僕
(
ぼく
)
は、ほかで
頭
(
あたま
)
を
刈
(
か
)
って
遊
(
あそ
)
びにゆくと、なんだか
気
(
き
)
がすまんのだもの。」といいました。するとお
母
(
かあ
)
さんは、その
心持
(
こころも
)
ちをお
察
(
さっ
)
しになって
すいれんは咲いたが
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
お
前
(
まえ
)
さんが、どこまで
出来
(
でき
)
たか
見
(
み
)
たいという。その
心持
(
こころもち
)
ァ、
腹
(
はら
)
の
底
(
そこ
)
から
察
(
さっ
)
してるが、ならねえ、あっしゃァ、いま、
人形
(
にんぎょう
)
を
塗
(
ぬ
)
ってるんじゃァねえ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
その声で
察
(
さっ
)
すると、その女たちは、この
高貴
(
こうき
)
なおやしきの、
召使
(
めしつか
)
いであることがわかりました。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
ものはいわなかったけれど、目つきでもって、村人はおたがいにいいたいことを
察
(
さっ
)
した。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その
頬
(
ほお
)
の
紅色
(
べにいろ
)
や、
瘠方
(
やせかた
)
で
察
(
さっ
)
するに
彼
(
かれ
)
にはもう
肺病
(
はいびょう
)
の
初期
(
しょき
)
が
萌
(
き
)
ざしているのであろう。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ちっとはおれの苦しい心も
察
(
さっ
)
して、気のどくに思うがいい。だからこれから
泣
(
な
)
き
声
(
ごえ
)
を立てるたんびによけいに一つむちをくれることにするからそう思え。これもきさまらが悪いのだ。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
相当
(
そうとう
)
長
(
なが
)
い
間
(
あいだ
)
こちらの
世界
(
せかい
)
に
住
(
す
)
んで
居
(
い
)
る
私達
(
わたくしたち
)
ですらそう
感
(
かん
)
ずるのでございますから、
現世
(
げんせ
)
の
方々
(
かたがた
)
としては
尚更
(
なおさら
)
のことで、
容易
(
ようい
)
に
竜神
(
りゅうじん
)
の
存在
(
そんざい
)
が
信
(
しん
)
じられない
筈
(
はず
)
だとお
察
(
さっ
)
しすることができます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
いや、なにごとも
時世時節
(
ときよじせつ
)
……こうおあきらめがかんじんじゃ。あのような水音にさえ、はッと心をおくお身の上、さだめしおつらかろうとお
察
(
さっ
)
し申すが、またいつか天運のお
恵
(
めぐ
)
みもあろうでな。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いやお
察
(
さっ
)
し申しあげます、いかにもそりゃ……まことにお
気
(
き
)
のどくな、しかし糟谷さんあまり
無分別
(
むふんべつ
)
なことをやってしまっては
取
(
と
)
りかえしがつきませんよ、奥さんはよほど
興奮
(
こうふん
)
していらっしゃるから
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
先刻
(
さっき
)
から、おしょうさんが、なんで
立
(
た
)
ち
寄
(
よ
)
ったろうかと
思
(
おも
)
ったのが、ほぼ
察
(
さっ
)
せられると、
地主
(
じぬし
)
は、
先手
(
せんて
)
を
打
(
う
)
つつもりで
子供は悲しみを知らず
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
どうか
察
(
さっ
)
しておやンなすって。おせんにして
見
(
み
)
りゃ、
自分
(
じぶん
)
から
文
(
ふみ
)
を
書
(
か
)
いたな
始
(
はじ
)
めての、いわば
初恋
(
はつこい
)
とでも
申
(
もう
)
しやしょうか。はずかしい
上
(
うえ
)
にもはずかしいのが
人情
(
にんじょう
)
でげしょう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
あなたの
現在
(
げんざい
)
のお
身上
(
みのうえ
)
もお
察
(
さっ
)
し
致
(
いた
)
しますが、
少
(
すこ
)
しは
私
(
わたくし
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うえ
)
も
察
(
さっ
)
してくださいませ。
私
(
わたくし
)
は
一
(
ひと
)
つの
生
(
い
)
きた
屍
(
しかばね
)
、ただ
一人
(
ひとり
)
の
可愛
(
かわい
)
い
子供
(
こども
)
があるばかりに、やっとこの
世
(
よ
)
に
生
(
い
)
きていられるのです。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
お
察
(
さっ
)
しあれ——といったのでは、よく分らないかもしれないが、早くいえば、余は只今、ロイヤル・オーク号上に居るのではなく、スカパフロー軍港附属の地下病院の一室に横わっているのである。
沈没男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
赤
(
あか
)
ちゃんから
見
(
み
)
れば、あなたは、やはりお
姉
(
ねえ
)
さんでしょう。」と、お
母
(
かあ
)
さんは、これにはなにか
理由
(
りゆう
)
があると、
察
(
さっ
)
せられて、やさしく、いわれました。
お姉ちゃんといわれて
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
けっきょく、わりあい財産があって、のんきに暮らしている人ではあるまいかと
察
(
さっ
)
せられた。そして東京の人ではなく、地方から上野駅でおりたばかりのところを、やられたのであろうと思われた。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「おかあさんからなの?」といって、
彼
(
かれ
)
の
胸
(
むね
)
の
中
(
なか
)
の
喜
(
よろこ
)
びを
察
(
さっ
)
するごとく、
自分
(
じぶん
)
までうれしそうにはしゃぎました。
さか立ち小僧さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
返してしまわなければならないんですもの。ちょいと
察
(
さっ
)
してよ
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
村
(
むら
)
の
人々
(
ひとびと
)
は、
牛女
(
うしおんな
)
をかわいそうに
思
(
おも
)
いました。どんなに
置
(
お
)
いていった
子供
(
こども
)
のことに
心
(
こころ
)
を
取
(
と
)
らたろうと、だれしも
深
(
ふか
)
く
察
(
さっ
)
して、
牛女
(
うしおんな
)
をあわれまぬものはなかったのであります。
牛女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
かんざしを
取
(
と
)
りかえた
奴
(
やつ
)
は、それと
察
(
さっ
)
したものか、とっとっと
道
(
みち
)
を
急
(
いそ
)
いで、その
姿
(
すがた
)
は、
野原
(
のはら
)
のはてにかすんで、
小
(
ちい
)
さく
見
(
み
)
えました。
二人
(
ふたり
)
は、けんめいになって
走
(
はし
)
ったのです。
お母さんのかんざし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
すると、まちがいなくお
姫
(
ひめ
)
さまでありました。
小鳥
(
ことり
)
はすぐに、お
姫
(
ひめ
)
さまが
国
(
くに
)
へ
帰
(
かえ
)
りたいと
思
(
おも
)
っても、その
方角
(
ほうがく
)
も、また
道
(
みち
)
もわからなくて、
困
(
こま
)
っていられるのを
察
(
さっ
)
したのでありました。
お姫さまと乞食の女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
子
(
こ
)
は、
母親
(
ははおや
)
と
方々
(
ほうぼう
)
を
転々
(
てんてん
)
したというから、これまでの
生活
(
せいかつ
)
が、
察
(
さっ
)
しられますが、ほかにも
子供
(
こども
)
どうしで、あの
木
(
き
)
の
芽
(
め
)
はたべられそうだとか、あの
草
(
くさ
)
を
煮
(
に
)
てたべたら、おいしかろうとか
子供は悲しみを知らず
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
察
常用漢字
小4
部首:⼧
14画
“察”を含む語句
洞察
警察
推察
診察
観察
觀察
按察
諒察
検察官
御察
偵察
按察使
洞察力
省察
視察
検察
御諒察
警察署
警察署長
立合診察
...