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同胞
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はらから
ふりがな文庫
“
同胞
(
はらから
)” の例文
髯
(
ひげ
)
ある者、
腕車
(
くるま
)
を走らす者、
外套
(
がいとう
)
を着たものなどを、
同一
(
おなじ
)
世に住むとは思わず、
同胞
(
はらから
)
であることなどは忘れてしまって、憂きことを
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
未知の
同胞
(
はらから
)
を探していると公表したけれど、こう後から後へと妾によく似た人物が出て来たのでは、気味がわるくて仕方がない。
三人の双生児
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
のちに
同胞
(
はらから
)
を捜しに出た、山椒大夫一家の討手が、この坂の下の沼の
端
(
はた
)
で、小さい
藁履
(
わらぐつ
)
を一
足
(
そく
)
拾った。それは安寿の
履
(
くつ
)
であった。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
故院がこの御
同胞
(
はらから
)
がたを懇切にお扱いになったことによって、今もそうした方々と源氏には親しい交際が残っているのである。
源氏物語:20 朝顔
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
たくさんの
同胞
(
はらから
)
たち、お
許
(
もと
)
の身にかかり候ては、朝夕は楽しかるびょうとも、何ぞにつけ、御奉公の足でまといにこそ候わめ。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
愛する
同胞
(
はらから
)
の顔——あまりに年若くてなめた労苦や心労のために
蒼
(
あお
)
ざめてるその顔——が輝き出すのを見て楽しかった。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
母の
同胞
(
はらから
)
の西班牙の磴にあるを訪はざるならん。そちも我手に接吻せしことあり。そちも我宿の一束の藁を敷寢せしことあり。昔をわすれなせそ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
若しや此の婆が虎井夫人の母では有るまいか、猶能く考えると穴川甚蔵も此の婆の子で夫人と
同胞
(
はらから
)
ではあるまいか
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
そこでいよいよマハツブの話になるが、昔の昔の大昔、
酸漿
(
ほおずき
)
とマハツブとは姉と妹、二人の
同胞
(
はらから
)
であったという。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
姉
(
あね
)
に
妹
(
いもと
)
に
數多
(
かずおほ
)
き
同胞
(
はらから
)
をこして
肩
(
かた
)
ぬひ
揚
(
あ
)
げの
幼
(
をさ
)
なだちより、いで
若紫
(
わかむらさき
)
ゆく
末
(
すゑ
)
はと
寄
(
よ
)
する
心
(
こヽろ
)
の
人々
(
ひと/″\
)
も
多
(
おほ
)
かりしが、
空
(
むな
)
しく二八の
春
(
はる
)
もすぎて
今歳
(
ことし
)
廿
(
はたち
)
のいたづら
臥
(
ぶし
)
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さあれ日は過ぎ月は逝き、なれ等血もなく涙なく、よくぞ鬩めげる数千年、さても殺生はての死の、よくぞ好きなる、おゝ永遠の闘争よ、おゝ恩怨の
同胞
(
はらから
)
よ!
海の詩:――人と海――
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
重二郎の姉おまきを嫁に
遣
(
や
)
って、鉄砲洲新湊町へ材木
店
(
みせ
)
を
開
(
ひら
)
かせ、両家ともに富み栄え、目出たい事のみ
打続
(
うちつゞ
)
きましたが、是というも重二郎
同胞
(
はらから
)
が孝行の徳により
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その日の彼等は又
同胞
(
はらから
)
にも得べからざる
親
(
したしみ
)
を
以
(
も
)
て、
膝
(
ひざ
)
をも
交
(
まじ
)
へ心をも語りしにあらずや。その日の彼等は多少の転変を覚悟せし一生の中に、今日の奇遇を
算
(
かぞ
)
へざりしなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
太夫
(
だゆう
)
姿に仕立てたのを見てもわかるであろうが、それとても、そもじが
愛
(
いと
)
おしく、
同胞
(
はらから
)
とはいえ
妬
(
ねた
)
ましく、私の小娘のようにもだえ、またあるときは、鬼神のような
形相
(
ぎょうそう
)
にもなって
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
地上の罪の
同胞
(
はらから
)
に、代る犠牲の小羊と、神の
御前
(
みまへ
)
に献げたる、堅き
誓
(
ちかひ
)
の我なるを
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
ふと眼を
啓
(
ひら
)
くと、肌の温みに氷河の衣がいつか
釈
(
と
)
けている、また一瞬間、葛城、金剛、生駒、信貴山などいう大和河内あたりの
同胞
(
はらから
)
が、人間に早く知られる、汚される、
夭死
(
わかじに
)
をしてしまう
梓川の上流
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
みじめっぽく小さい
同胞
(
はらから
)
たちがごたついている小さい貧相なわが家なんかを友達に見せたくない職場の娘さんたちは、いろいろうるさい家のそとで友達と会っている他の社会層の娘さんたちと
若い娘の倫理
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
必ず救ひまゐらすべしとて、あるじと
計
(
はか
)
りて、薬をえらみ、
一七
自
(
みづか
)
ら
方
(
はう
)
を案じ、みづから
一八
煮てあたへつも、
猶
(
なほ
)
粥
(
かゆ
)
をすすめて、病を
看
(
み
)
ること
同胞
(
はらから
)
のごとく、まことに捨てがたきありさまなり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
どんな見すぼらしい初対面の人にでも、
同胞
(
はらから
)
のような気持を
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
ジョホールの
宮殿
(
きゆうでん
)
のまへに佇みしわれ等
同胞
(
はらから
)
十人
(
とたり
)
あまりは
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
パリスの
同胞
(
はらから
)
に、類のない体刑を加えたのを、もう
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
誰かまた思ひあがりて、
同胞
(
はらから
)
を凌ぎえせむや。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
すべて死したる
同胞
(
はらから
)
の
緑の種子
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
水の都の
同胞
(
はらから
)
は
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ことに家出をした妾たちの母が曲馬団の舞台にいる真一に声をかけたらしいことから考えると、真一も
亦
(
また
)
、真実に妾の
同胞
(
はらから
)
らしい気がした。
三人の双生児
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それに四十ぐらいの女中が一人ついて、くたびれた
同胞
(
はらから
)
二人を、「もうじきにお宿にお着きなさいます」と言って励まして歩かせようとする。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
ひとつ
同胞
(
はらから
)
、あらそいなき世を
創
(
つく
)
らせ給え。ふたたびこの国の山野にあえなき無数の白骨を
哭
(
な
)
かしめ給うことなかれと
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さる程に友なるおうなみまかり、その
同胞
(
はらから
)
も續きてあらずなり、私は形影相
弔
(
てう
)
すとも申すべき身となり候ひぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
是
(
こ
)
れにても
同胞
(
はらから
)
かと
思
(
おも
)
ふばかりの
相違
(
さうゐ
)
なるに、
怪
(
あや
)
しきは
母君
(
はヽぎみ
)
の
仕向
(
しむけ
)
にて、
流石
(
さすが
)
かるがるしき
下々
(
しも/″\
)
の
目
(
め
)
に
立
(
たち
)
し
分
(
わ
)
け
隔
(
へだ
)
ては
無
(
な
)
けれども、
同
(
おな
)
じ
物言
(
ものい
)
ひの
何處
(
どこ
)
やら
苦
(
に
)
がく
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
同胞
(
はらから
)
もあらず、
情夫
(
つきもの
)
とてもあらざれば、
一切
(
いっさい
)
の収入はことごとくこれをわが身ひとつに費やすべく、加うるに、
豁達豪放
(
かったつごうほう
)
の気は、この余裕あるがためにますます
膨張
(
ぼうちょう
)
して
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
よしさりとも、
一
(
ひと
)
たび
同胞
(
はらから
)
と
睦合
(
むつみあ
)
へりし身の、
弊衣
(
へいい
)
を
飄
(
ひるがへ
)
して道に
酔
(
ゑ
)
ひ、流車を駆りて富に
驕
(
おご
)
れる
高下
(
こうげ
)
の
差別
(
しやべつ
)
の
自
(
おのづか
)
ら
種
(
しゆ
)
有りて
作
(
な
)
せるに似たる
如此
(
かくのごと
)
きを、彼等は更に更に
夢
(
ゆめみ
)
ざりしなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
まづ
一〇四
信頼
(
のぶより
)
が高き
位
(
くらゐ
)
を望む
驕慢
(
おごり
)
の心をさそうて
一〇五
義朝
(
よしとも
)
をかたらはしむ。かの義朝こそ
悪
(
にく
)
き
敵
(
あた
)
なれ。父の
一〇六
為義
(
ためよし
)
をはじめ、
同胞
(
はらから
)
の
武士
(
もののべ
)
は皆
朕
(
わ
)
がために
命
(
いのち
)
を捨てしに、
他一人
(
かれひとり
)
朕
(
われ
)
に弓を
挽
(
ひ
)
く。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
誰かまた思ひあがりて、
同胞
(
はらから
)
を
凌
(
しの
)
ぎえせむや。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
おゝ、恩怨の
同胞
(
はらから
)
よ! 恩怨の同胞よ!
海の詩:――人と海――
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
昔のままの
節博士
(
ふしはかせ
)
で、
同胞
(
はらから
)
の星の群と
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
同胞
(
はらから
)
とは
殆
(
ほとん
)
ど疑はるゝばかり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
かくて
哀
(
かな
)
しき
同胞
(
はらから
)
は
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
まだ聞きたいことが沢山あったがあまり尋ねては
折角
(
せっかく
)
巡逢
(
めぐりあ
)
った
同胞
(
はらから
)
のことを変に疑うようで悪いと思ったので、もう一つだけ重大なことを尋ねた。
三人の双生児
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それは、彼らの潔癖にとって、最も
忌
(
いま
)
わしく感じられることなので、それを是認することは、自分たち
法
(
のり
)
の
同胞
(
はらから
)
の醜悪を認めるような気がするからだった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この二人の
同胞
(
はらから
)
の間に
脩
(
おさむ
)
という人があって、亡くなって、その子が終吉さんである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
ヂドは夫の
遺
(
わす
)
れたる武器を取りて立てり。その歌は沈みてその聲は重く、忽ちにして又激越悲壯なり。
同胞
(
はらから
)
なるアンナアが彼を焚かんとて積み
累
(
かさ
)
ねたる薪は今燃え上れり。幕は下りぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
折ふしは我が家をも訪ひ又下宿にも伴なひて、おもしろき物がたりの中に様々教へを含くめつ、さながら妹の如くもてなし給へば、
同胞
(
はらから
)
なき身の我れも嬉しく、学校にての肩身も広かりしが
雪の日
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
同胞
(
はらから
)
は、セツの
兒等
(
こら
)
、エノスの兒等を
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
ジオスコロイの
同胞
(
はらから
)
の火です。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
御国のためのあなた方の御苦労は、きっときっと、万倍、億倍にもなって、
同胞
(
はらから
)
の上に
燿
(
かがや
)
きましょう。大君もおくみとり下さいましょう。神々もみそなわしましょう。
日本名婦伝:谷干城夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただ一途に、愛すべきたった一人の
同胞
(
はらから
)
であるお里を救うの外、なんの余念もなかった。
雷
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
同胞
(
はらから
)
は、セツの
児等
(
こら
)
、エノスの児等を
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
含
(
ふく
)
む
姿
(
すがた
)
に
高下
(
かうげ
)
なく
心
(
こゝろ
)
に
隔
(
へだ
)
てなく
墻
(
かき
)
にせめぐ
同胞
(
はらから
)
はづかしきまで
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
はるゝ
水
(
みづ
)
と
魚
(
うを
)
の
君
(
きみ
)
さま
無
(
な
)
くは
我
(
わ
)
れ
何
(
なん
)
とせんイヤ
汝
(
われ
)
こそは
大事
(
だいじ
)
なれと
頼
(
たの
)
みにしつ
頼
(
たの
)
まれつ
松
(
まつ
)
の
梢
(
こずゑ
)
の
藤
(
ふぢ
)
の
花房
(
はなぶさ
)
かゝる
主從
(
しゆうじう
)
の
中
(
なか
)
またと
有
(
あ
)
りや
梨本
(
なしもと
)
何某
(
なにがし
)
といふ
富家
(
ふうか
)
の
娘
(
むすめ
)
に
優子
(
いうこ
)
と
呼
(
よ
)
ばるゝ
容貌
(
きりやう
)
よし
色白
(
いろじろ
)
の
細
(
ほそ
)
おもてにして
眉
(
まゆ
)
は
※
(
かすみ
)
の
遠山
(
とほやま
)
がた
花
(
はな
)
といはゞと
比喩
(
たとへ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と、
強
(
た
)
ってわが子を引っ張って、
偏殿
(
へんでん
)
の陰へ伴い、どうか
同胞
(
はらから
)
の情をもって、植の一命は助けてあげておくれと、老いの眼もつぶれんばかり泣き濡れて曹丕へ頼んだ。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と
何
(
なに
)
ぞにつけて
戀
(
こひ
)
しければ
子
(
こ
)
の
身
(
み
)
では
如何
(
いか
)
ばかり
心
(
こゝろ
)
ぼそくも
悲
(
かな
)
しくも
有
(
あ
)
らうなれど
及
(
およ
)
ばずながら
私
(
わた
)
しは
力
(
ちから
)
になる
心
(
こゝろ
)
姉
(
あね
)
と
思
(
おも
)
ふてよと
頼
(
たの
)
むは
可笑
(
をか
)
しけれど
歳上
(
としうへ
)
なれば
其約束
(
そのやくそく
)
ぞ
何時
(
いつ
)
も/\
云
(
い
)
ふことながら
私
(
わた
)
しは
眞實
(
ほん
)
の
同胞
(
はらから
)
と
思
(
おも
)
ひますと
慰
(
なぐさ
)
められて
嬉
(
うれ
)
しげに
御縁
(
ごえん
)
あればこそ
親
(
おや
)
どもばかりか
私
(
わた
)
しまでめぐり
廻
(
めぐ
)
つて
又
(
また
)
の
御恩
(
ごをん
)
海
(
うみ
)
とも
山
(
やま
)
とも
口
(
くち
)
には
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
同
常用漢字
小2
部首:⼝
6画
胞
常用漢字
中学
部首:⾁
9画
“同胞”で始まる語句
同胞達
同胞教会
同胞相剋