ざう)” の例文
あまつさよひじようじて、三人さんにんおの/\、うち三婦人さんふじんざうゆびさし、勝手かつて撰取よりどりに、おのれにはいして、むねで、うでし、みゝく。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのうち上座じやうざざう食事しよくじそなへていて、自分じぶんつて一しよにべてゐるのを見付みつけられましたさうでございます。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
いく丁斑魚めだかでも滿足まんぞくられんなら、哲學てつがくずにはられんでせう。いやしく智慧ちゑある、教育けういくある、自尊じそんある、自由じいうあいする、すなはかみざうたる人間にんげんが。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
是より風流の道大に開け、人麿赤人よりくだつて、西行芭蕉の徒、この詩神と逍遙するが為に、富嶽の周辺を往返して、けいなくざうなき紀念碑を空中に構設しはじめたり。
富嶽の詩神を思ふ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
カピ長 むすめならべてロミオどのゝ黄金こがねざうをもまうそう、たがひの不和ふわ憫然ふびん犧牲いけにえ
くされたる石のあぶらゑがくてふ麻利耶まりやざう
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ひとが、かつ修學旅行しうがくりよかうをしたとき奈良なら尼寺あまでらあまさんに三體さんたいさづけられたとふ。なかから一體いつたいわたしけられた阿羅漢あらかんざうがある。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
賓頭盧尊者びんづるそんじやざうがどれだけたつといものかぞんぜずにいたしたことゝえます。唯今たゞいまではくりや僧共そうども食器しよくきあらはせてをります。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
モン長 いや、こなたよりはまだまゐらするものがおぢゃる。吾等われら純金じゅんきんにてひめざうまうし、このヹローナがおな呼名よびならるゝかぎり、貞節ていせつなヂュリエットどのゝ黄金こがねざうをば上無うへな記念かたみあがめさせん。
おほきざうで、めしときなんぞ、ならんですはる、と七才なゝつとしわたくし芥子坊主けしばうずより、づゝとうへに、かみさがつた島田しまだまげえたんです。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ひろはれてまゐつてから三ねんほどちましたとき食堂しよくだう上座じやうざざうかうげたり、燈明とうみやうげたり、そのほかそなへものをさせたりいたしましたさうでございます。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
おゝ、面魂つらだましひ頼母たのもしい。満更まんざらうそとはおもはん。成程なるほど此方こなたつくつたざうは、またゝかう、歩行あるかう、いやなものにはねもせう。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すくふには、天守てんしゆ主人あるじ満足まんぞくする、自分じぶん身代みがはりにるほどな、木彫きぼりざうを、をつときざんでつくなことで。ほかたすかるすべはない……とあつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
また、安永中あんえいちう続奥ぞくおく細道ほそみちには、——故将堂女体こしやうだうによたい甲胄かつちうたいしたる姿すがた、いとめづらし、ふるざうにて、彩色さいしきげて、下地したぢなる胡粉ごふんしろえたるは。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が、あらず、それも、のちおもへば、ふせがんがために粉骨ふんこつしたまふ、焦身せうしん仁王にわうざうであつた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
みぎ一體いつたい牛頭ごづ馬頭めづの、あの、誰方どなた御存ごぞんじの——たれ御存ごぞんじなものですか——牛頭ごづおにざうがあつたが、砂埃すなほこりまみれたうへへ、かほ半分はんぶん、べたりとしやぼんをながしたやうに
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
唐土たうどむかし咸寧かんねいとき韓伯かんはくなにがしと、王蘊わううんなにがしと、劉耽りうたんなにがしと、いづれ華冑くわちう公子等こうしら一日あるひ相携あひたづさへてきて、土地とちかみ蒋山しやうざんびやうあそぶ、廟中びやうちう数婦人すふじんざうあり、白皙はくせきにしてはなは端正たんせい
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)