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候
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さふら
ふりがな文庫
“
候
(
さふら
)” の例文
二十七日の十時に船はポオト・サイド港に
入
(
い
)
り申し
候
(
さふら
)
ひき。暑気
俄
(
にはか
)
に加はり、薄き
単衣
(
ひとへ
)
となりて
甲板
(
かふばん
)
に
居
(
を
)
り
候
(
さふら
)
へど堪へ難くも
候
(
さふらふ
)
かな。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「さればにて
候
(
さふらふ
)
、
別段
(
べつだん
)
是
(
これ
)
と
申
(
まを
)
して
君
(
きみ
)
に
勸
(
すゝ
)
め
奉
(
たてまつ
)
るほどのものも
候
(
さふら
)
はねど
不圖
(
ふと
)
思附
(
おもひつ
)
きたるは
飼鳥
(
かひどり
)
に
候
(
さふらふ
)
、
彼
(
あれ
)
を
遊
(
あそ
)
ばして
御覽候
(
ごらんさふら
)
へ」といふ。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「お互に数百年来の御鴻恩、私情に於ては忍び難きことに
候
(
さふら
)
へども、天下の大勢かくの如く、全く人力の及ばざるところと存じ候」
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
十萬世界の大地のちりは
知人
(
しるひと
)
もありなん。
法華經
(
ほけきやう
)
一
字
(
じ
)
供養の
功徳
(
くどく
)
は
知
(
しり
)
がたしとこそ
佛
(
ほとけ
)
はとかせ給て
候
(
さふら
)
へ、
此
(
これ
)
をもて御心あるべし。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
思ひの外なる
御驚
(
おんおどろき
)
きに定めて
浮
(
うわ
)
の
空
(
そら
)
とも
思
(
おぼ
)
されんが、此願ひこそは時頼が此座の
出來心
(
できごゝろ
)
にては
露
(
つゆ
)
候
(
さふら
)
はず、斯かる曉にはと
豫
(
かね
)
てより
思決
(
おもひさだ
)
めし事に候。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
▼ もっと見る
われは菊池入道の子、三郎頼隆と申す者、
童名
(
どうみやう
)
菊一とて、
有智山
(
うちやま
)
の
稚子
(
ちご
)
にて
候
(
さふら
)
ひし、人みな知つて候ふ……
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鷸
(
しぎ
)
にありては
百羽掻也
(
もゝはがきなり
)
、僕にありては
百端書也
(
もゝはがきなり
)
月
(
つき
)
や
残
(
のこ
)
んの
寝覚
(
ねざ
)
めの
空
(
そら
)
老
(
おゆ
)
れば人の
洒落
(
しやれ
)
もさびしきものと
存候
(
ぞんじさふらふ
)
、
僕
(
ぼく
)
昨今
(
さくこん
)
の
境遇
(
きやうぐう
)
にては、
御加勢
(
ごかせい
)
と申す程の事もなりかね
候
(
さふら
)
へども
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
(中略)かれを都の
方
(
かた
)
へつれ行き、
勤奉公
(
つとめぼうこう
)
とやらんをさせ、
給銀
(
きふぎん
)
にて
一挊
(
ひとかせぎ
)
して見んと思ふはいかにと尋ぬるにぞ、わらはも
疾
(
と
)
くよりさやうには思ひ
候
(
さふら
)
へ共、(中略)と答へける。
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
元より
御憎悪強
(
おんにくしみつよ
)
き
私
(
わたくし
)
には
候
(
さふら
)
へども、
何卒
(
なにとぞ
)
是
(
これ
)
は前非を悔いて自害いたし候
一箇
(
ひとり
)
の
愍
(
あはれ
)
なる女の、
御前様
(
おんまへさま
)
を
見懸
(
みか
)
けての
遺言
(
ゆいごん
)
とも
思召
(
おぼしめ
)
し、せめて
一通
(
ひととほ
)
り
御判読
(
ごはんどく
)
被下候
(
くだされさふら
)
はば、未来までの
御情
(
おんなさけ
)
と
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
藪
(
やぶ
)
から棒に
候
(
さふら
)
へども、いつぞや御話しいたし候ひし小生あの夜の実験以来、驚きと喜びとの余勢、一種のインスピレーションやうのもの存続いたし
候
(
さふらひ
)
て、躰にも多少の影響なきを得ず候ひき。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
畫人武清上州
桐生
(
きりふ
)
に
遊候時
(
あそびそろとき
)
、桐生の
何某
(
なにがし
)
申候には、數年
玉池
(
ぎよくち
)
へ詩を直してもらひに
遣
(
つかは
)
し
候
(
さふら
)
へ
共
(
ども
)
、
兎角
(
とかく
)
斧正
(
ふせい
)
麤漏
(
そろう
)
にて、時として同字などある時もありてこまり申候、これよりは五山へ
願可申候間
(
ねがひまうすべくそろあひだ
)
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
されば
一度
(
ひとたび
)
ニユーヨークに着して以来到る処燈火ならざるはなき此の新大陸の大都の
夜
(
よ
)
が、如何に余を喜ばし
候
(
さふら
)
ふかは
今更
(
いまさら
)
申上
(
まをしあぐ
)
るまでもなき事と存じ候。あゝ
紐育
(
ニユーヨーク
)
は実に驚くべき不夜城に御座侯。
夜あるき
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
うたたねの御枕あまた
候
(
さふら
)
ふなりかひなも
伽羅
(
きやら
)
の箱も鼓も
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
いくばくの
御書
(
おんふみ
)
を
遊
(
あそ
)
ばされ
候
(
さふら
)
ふとも
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
十二時に近き頃より波の
起伏
(
おきふ
)
しの
忙
(
せは
)
しくおどろしくなり申し
候
(
さふら
)
ひしか、食事に参るとて安達夫人私の手をとりて
甲板
(
かふばん
)
をお
下
(
おろ
)
し下され
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
ものの
數
(
かず
)
ならぬ
某
(
それがし
)
に
然
(
さ
)
る
大役
(
たいやく
)
を
命
(
おほ
)
せつけ
下
(
くだ
)
され
候
(
さふらふ
)
こと、
一世
(
いつせい
)
の
面目
(
めんぼく
)
に
候
(
さふら
)
へども、
暗愚斗筲
(
あんぐとせう
)
の
某
(
それがし
)
、
得
(
え
)
て
何事
(
なにごと
)
をか
仕出
(
しい
)
だし
候
(
さふらふ
)
べき
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
山はふかく、みちしげければ、ふみわくる
人
(
ひと
)
も
候
(
さふら
)
はぬに、ほととぎすにつけての
御
(
おん
)
ひとこゑ、ありがたし、ありがたし——
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
猶々
(
なほなほ
)
此のやうの
苦
(
くるし
)
き思を
致候
(
いたしさふらふ
)
て、惜むに足らぬ命の早く
形付
(
かたづ
)
き
不申
(
まをさざ
)
るやうにも候はば、いつそ自害致候てなりと、潔く相果て候が、
逈
(
はるか
)
に
愈
(
まし
)
と
存付
(
ぞんじつ
)
き
候
(
さふら
)
へば、万一の場合には、
然
(
さ
)
やうの事にも
可致
(
いたすべく
)
と
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
閧
(
とき
)
の
聲
(
こゑ
)
あげてかこみ
候
(
さふら
)
ふとも
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
この日も終日私は船室を
出
(
い
)
でず、
夕飯
(
ゆふはん
)
の時
辛
(
から
)
うじて食堂に参り
候
(
さふら
)
ひしが、何ばかりの物も取らず人目醜きことと恥しく思ひ申し
候
(
さふら
)
ひき。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「おほせまでも
候
(
さふら
)
はず、
江戸表
(
えどおもて
)
にて
將軍
(
しやうぐん
)
御手飼
(
おてがひ
)
の
鳥籠
(
とりかご
)
たりとも
此上
(
このうへ
)
に
何
(
なん
)
とか
仕
(
つかまつ
)
らむ、
日本一
(
につぽんいち
)
にて
候
(
さふらふ
)
。」と
餘念
(
よねん
)
も
無
(
な
)
き
體
(
てい
)
なり。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
就中
(
なかんづく
)
、夫婦共に
法華
(
ほつけ
)
の
持者
(
ぢしや
)
也
(
なり
)
。法華經
流布
(
るふ
)
あるべきたねをつぐ所の、玉の子出生、目出度覺候ぞ。
色心二法
(
しきしんにほふ
)
をつぐ
人
(
ひと
)
也
(
なり
)
。
爭
(
いかで
)
かをそなはり
候
(
さふらふ
)
べき。とくとくこそ
生
(
うま
)
れ
候
(
さふら
)
はむずれ。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
言上
(
ごんじやう
)
いたして
召
(
め
)
され
候
(
さふら
)
はん
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
申分
(
まうしぶん
)
には
候
(
さふら
)
へども、
類
(
るゐ
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
座頭
(
ざとう
)
申
(
まを
)
すは、
然
(
しか
)
らばしつぺい
張競
(
はりくら
)
を
仕候
(
つかまつりさふら
)
はんまゝ、
我
(
わが
)
天窓
(
あたま
)
を
御張
(
おんは
)
り
候
(
さふら
)
へと
云
(
い
)
ふ。
越中
(
ゑつちう
)
然
(
しか
)
らばうけ
候
(
さふら
)
へとて、
座頭
(
ざとう
)
の
天窓
(
あたま
)
へしたゝかにしつぺいを
張
(
は
)
る。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
然
(
さ
)
りながら、
我
(
わ
)
が
君主
(
との
)
、
無禮
(
なめ
)
なる
儀
(
ぎ
)
には
候
(
さふら
)
へども、
此
(
こ
)
の
姫
(
ひめ
)
、
殿
(
との
)
の
夫人
(
ふじん
)
とならせたまふ
前
(
まへ
)
に、
餘所
(
よそ
)
の
夫
(
をつと
)
の
候
(
さふらふ
)
ぞや。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
袂
(
たもと
)
へ
辷
(
すべ
)
つて
宙
(
ちう
)
に
留
(
と
)
まつた、
大切
(
たいせつ
)
な
路銀
(
ろぎん
)
を、ト
懷中
(
ふところ
)
へ
御直
(
おんなほ
)
り
候
(
さふら
)
へと
据直
(
すゑなほ
)
して、
前褄
(
まへづま
)
をぐい、と
緊
(
し
)
めた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
やあ、
方々
(
かた/″\
)
、
吾
(
わ
)
が
頭
(
かうべ
)
あると
頭
(
かうべ
)
なきと
何
(
いづ
)
れが
佳
(
よ
)
きや。
時
(
とき
)
に
賈雍
(
かよう
)
が
從卒
(
じうそつ
)
、おい/\と
泣
(
な
)
いて
告
(
まを
)
して
曰
(
いは
)
く、
頭
(
かしら
)
あるこそ
佳
(
よ
)
く
候
(
さふら
)
へ。
言
(
い
)
ふに
從
(
したが
)
うて、
將軍
(
しやうぐん
)
の
屍
(
しかばね
)
血
(
ち
)
を
噴
(
ふ
)
いて
馬
(
うま
)
より
墜
(
お
)
つ。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
か
)
の
不開室
(
あかずのま
)
の怪異とばかり想ひなし、
且
(
かつ
)
恐れ且
怪
(
あやし
)
みながら、元来泣声ある時は、
目出度
(
めでた
)
きことの
兆候
(
きざし
)
なり、と
言伝
(
いひつた
)
へたりければ、「いづれも吉兆に
候
(
さふら
)
ひなむ」と主人を祝せしぞ
愚
(
おろか
)
なりける。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“候”の意味
《動詞》
高貴な人のそばに仕える。
(出典:Wiktionary)
“候”の解説
侯
候(コウ、そうろう、グ)
(出典:Wikipedia)
候
常用漢字
小4
部首:⼈
10画
“候”を含む語句
申候
居候
有之候
斥候
徴候
存候
伺候
時候
御座候
仕候
候間
無之候
相成候
致候
候人
被下候
被存候
兆候
被下度候
候処
...