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不便
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ふべん
ふりがな文庫
“
不便
(
ふべん
)” の例文
十六ではまだ
針
(
はり
)
を
持
(
も
)
たなくつてもいゝといふのはそれは
無理
(
むり
)
ではない。
然
(
しか
)
し
勘次
(
かんじ
)
の
家
(
いへ
)
でおつぎの一
向
(
かう
)
針
(
はり
)
を
知
(
し
)
らぬことは
不便
(
ふべん
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
私共
(
わたしども
)
今日
(
こんにち
)
の
生活
(
せいかつ
)
から
茶碗
(
ちやわん
)
や
壺
(
つぼ
)
などをなくしてしまつたならば、どれだけ
不便
(
ふべん
)
なことであるかは、
十分
(
じゆうぶん
)
に
想像
(
そう/″\
)
が
出來
(
でき
)
るのであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
彼
(
かれ
)
は
夏休
(
なつやす
)
み
前
(
まへ
)
から、
少
(
すこ
)
し
閑靜
(
かんせい
)
な
町外
(
まちはづ
)
れへ
移
(
うつ
)
つて
勉強
(
べんきやう
)
する
積
(
つもり
)
だとか
云
(
い
)
つて、わざ/\
此
(
この
)
不便
(
ふべん
)
な
村同樣
(
むらどうやう
)
な
田舍
(
ゐなか
)
へ
引込
(
ひつこ
)
んだのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
このへんは、
町
(
まち
)
へ
出
(
で
)
るには
遠
(
とお
)
いし、お
医者
(
いしゃ
)
さまもいない、まことに
不便
(
ふべん
)
なところですから、
万
(
まん
)
一の
場合
(
ばあい
)
に
困
(
こま
)
ってしまいます。
薬売りの少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
当時外国公使はいずれも横浜に
駐剳
(
ちゅうさつ
)
せしに、ロセツは各国人
環視
(
かんし
)
の中にては事を
謀
(
はか
)
るに
不便
(
ふべん
)
なるを認めたることならん、
病
(
やまい
)
と称し
飄然
(
ひょうぜん
)
熱海
(
あたみ
)
に去りて
容易
(
ようい
)
に帰らず
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
▼ もっと見る
ドーもこちらの
世界
(
せかい
)
のお
仕事
(
しごと
)
は、
人霊
(
じんれい
)
のみでは
何彼
(
なにか
)
につけて
不便
(
ふべん
)
があるのではないかと
存
(
ぞん
)
じられます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「よし、それじゃそうしたまえ、だがふたりきりでは
不便
(
ふべん
)
だからいまひとりぐらい増したらどうか」
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
昨年は
宿屋
(
やどや
)
もなく、道路も悪く、旅行に
不便
(
ふべん
)
であったところが、今年は大いに改良され、車も通ずれば旅館もできるという
風
(
ふう
)
で、台湾の旅といえば、難儀とのみ思うが
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
數
(
かず
)
を
知
(
し
)
らざる
無學
(
むがく
)
の
人
(
ひと
)
には、
一時
(
いちじ
)
目
(
め
)
を
驚
(
おどろ
)
かすの
不便
(
ふべん
)
あらん
乎
(
か
)
、
文盲人
(
もんまうじん
)
の
不便
(
ふべん
)
は
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
ながら
顧
(
かへりみ
)
るに
暇
(
いとま
)
あらず。
其便不便
(
そのべんふべん
)
は
暫
(
しばら
)
く
擱
(
さしを
)
き、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
に
日輪
(
にちりん
)
は
本
(
もと
)
なり、
月
(
つき
)
は
附
(
つき
)
ものなり。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
明治
(
めいぢ
)
三十七
年
(
ねん
)
戰爭
(
せんさう
)
起
(
おこ
)
るや、
又一
(
またいち
)
召集
(
せうしふ
)
せられ、
故
(
ゆゑ
)
に
余
(
よ
)
は
代
(
かは
)
りて
此
(
この
)
地
(
ち
)
に
來
(
きた
)
り
留守
(
るす
)
を
監督
(
かんとく
)
する
事
(
こと
)
となれり。
我
(
わが
)
牧塲
(
ぼくぢやう
)
は
事業
(
じげふ
)
漸
(
やうや
)
く
其
(
その
)
緒
(
ちよ
)
に
就
(
つ
)
きしものにて、
創業
(
さうげふ
)
の
困難
(
こんなん
)
に
加
(
くは
)
ふるに
交通
(
かうつう
)
の
不便
(
ふべん
)
あり。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
引留
(
ひきとめ
)
其金にて不足も有ば濱町の堀部彌兵衞片岡源吾右衞門にて廿卅の金は借候べしと申渡し又貴樣の刀は
寸延
(
すんのび
)
と見えたり室内の
働
(
はたら
)
きには
不便
(
ふべん
)
なれば
是
(
これ
)
を
進
(
まゐ
)
らせんと
則光
(
のりみつ
)
の二尺五寸有しを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
場處
(
ばしよ
)
も
小石川
(
こいしかは
)
の
植物園
(
しよくぶつゑん
)
にちかく
物靜
(
ものしづか
)
なれば、
少
(
すこ
)
しの
不便
(
ふべん
)
を
疵
(
きず
)
にして
他
(
ほか
)
には
申
(
まを
)
す
旨
(
むね
)
のなき
貸家
(
かしや
)
ありけり、
門
(
かど
)
の
柱
(
はしら
)
に
札
(
ふだ
)
をはりしより
大凡
(
おほよそ
)
三月
(
みつき
)
ごしにもなりけれど、いまだに
住人
(
すみて
)
のさだまらで
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
(
これ
)
に
就
(
つい
)
て
不便
(
ふべん
)
な事は、
其昔
(
そのむかし
)
朝夕
(
あさいふ
)
に
往来
(
わうらい
)
して文章を見せ合つた仲間の大半は、
始
(
はじめ
)
から文章を
以
(
もつ
)
て身を
立
(
たて
)
る
志
(
こゝろざし
)
の人でなかつたから、
今日
(
こんにち
)
では
実業家
(
じつげふか
)
に
成
(
な
)
つて
居
(
を
)
るのも有れば
工学家
(
こうがくか
)
に
成
(
な
)
つて
居
(
を
)
るのも有る
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
またさうした
博物館
(
はくぶつかん
)
をこしらへるには
非常
(
ひじよう
)
に
大
(
おほ
)
きな
建
(
た
)
て
物
(
もの
)
が
入
(
い
)
る、それを
見
(
み
)
て
廻
(
まは
)
るだけでも
二日
(
ふつか
)
も
三日
(
みつか
)
もかゝり、かへって
不便
(
ふべん
)
になります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
蓮池
(
れんち
)
の
手前
(
てまへ
)
から
横
(
よこ
)
に
切
(
き
)
れる
裏路
(
うらみち
)
もあるが、
此
(
この
)
方
(
はう
)
は
凸凹
(
とつあふ
)
が
多
(
おほ
)
くて、
慣
(
な
)
れない
宗助
(
そうすけ
)
には
近
(
ちか
)
くても
不便
(
ふべん
)
だらうと
云
(
い
)
ふので、
宜道
(
ぎだう
)
はわざ/\
廣
(
ひろ
)
い
方
(
はう
)
を
案内
(
あんない
)
したのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あのさびしい、
不便
(
ふべん
)
な、
田舎
(
いなか
)
がなんでいいことがあろう。ぜひ、
今年
(
ことし
)
の
中
(
うち
)
に、
迎
(
むか
)
えにいってつれてこなければならない。」と、
息子
(
むすこ
)
は
毎日
(
まいにち
)
のように
思
(
おも
)
っていました。
山へ帰りゆく父
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ちょうど
皆
(
みな
)
さんの
學校
(
がつこう
)
でも、あまり
大
(
おほ
)
きい
學校
(
がつこう
)
はかへって
勉強
(
べんきよう
)
に
不便
(
ふべん
)
のことがあるのと
同
(
おな
)
じです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
いくらさしあげたいと
思
(
おも
)
っても、
山国
(
やまぐに
)
の
不便
(
ふべん
)
なところでありましたから、さしあげるものもありませんでしたけれど、
殿
(
との
)
さまは、百
姓
(
しょう
)
の
真心
(
まごころ
)
をうれしく
思
(
おも
)
われ、そして
殿さまの茶わん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「あんなさびしい
山
(
やま
)
の
中
(
なか
)
へ
帰
(
かえ
)
ってもしかたがないではありませんか。どうして、あの
不便
(
ふべん
)
なところがいいのですか?」と、
息子
(
むすこ
)
は、
父親
(
ちちおや
)
の
心
(
こころ
)
をはかりかねて、たずねました。
山へ帰りゆく父
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そんなように、いままでつごうがよく、
便利
(
べんり
)
であったものが、すっかり
狂
(
くる
)
ってしまって、三十
年
(
ねん
)
も四十
年
(
ねん
)
もの
昔
(
むかし
)
に
帰
(
かえ
)
ったように、
不便
(
ふべん
)
なみじめな
有
(
あ
)
り
様
(
さま
)
になったのでありました。
子供と馬の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
けれど、
時計
(
とけい
)
をそんな、
高
(
たか
)
いところに
載
(
の
)
せておくのは、お
母
(
かあ
)
さんにも、
不便
(
ふべん
)
でありました。なぜならお
母
(
かあ
)
さんは、すわっていて、
時間
(
じかん
)
を
見
(
み
)
ることができなかったからであります。
時計とよっちゃん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
石油
(
せきゆ
)
で
火
(
ひ
)
を
点
(
つ
)
ける
時代
(
じだい
)
はすぎて、いまでは、どんな
田舎
(
いなか
)
へいっても、
電燈
(
でんとう
)
をつけるようになりましたが、まれに、
不便
(
ふべん
)
なところでは、まだランプをともしているところもあります。
青いランプ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
俺
(
おれ
)
たちの
村
(
むら
)
ばかり、
毎日
(
まいにち
)
、
火
(
ひ
)
の
消
(
き
)
えたようでは、ほかの
村
(
むら
)
に
対
(
たい
)
しても、こんな
大
(
おお
)
きな
鐘
(
かね
)
を
持
(
も
)
ちながらみっともねえし、だいいち
朝
(
あさ
)
起
(
お
)
きるにも、
仕事
(
しごと
)
を
休
(
やす
)
むにも
不便
(
ふべん
)
で
困
(
こま
)
っちまうだ。
娘と大きな鐘
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
行商人
(
ぎょうしょうにん
)
は、かえって
汽車
(
きしゃ
)
などの
通
(
とお
)
らないところ、
町
(
まち
)
のないところ、
不便
(
ふべん
)
なところほど、
得意
(
とくい
)
を
造
(
つく
)
るのに
都合
(
つごう
)
がいいとされていましたので、
少年
(
しょうねん
)
とて、
不便
(
ふべん
)
やさびしいということは、
覚悟
(
かくご
)
でありました。
薬売りの少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
便
常用漢字
小4
部首:⼈
9画
“不便”で始まる語句
不便利