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車
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ぐるま
ふりがな文庫
“
車
(
ぐるま
)” の例文
かみさんや娘は、
油煙
(
ゆえん
)
立つランプの
傍
(
はた
)
でぼろつぎ。兵隊に出て居る
自家
(
うち
)
の兼公の噂も出よう。東京帰りに兄が見て来た都の
嫁入
(
よめいり
)
車
(
ぐるま
)
の話もあろう。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ある時にはそのさびしい坂道の上下から、立派な馬車や
抱
(
かか
)
え
車
(
ぐるま
)
が続々坂の中段を目ざして集まるのにあう事があった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「それなら、わたしの美しい花よめには、もうこれからは、けっしてつむぎ
車
(
ぐるま
)
に手をふれさせないことにする。」
三人の糸くり女
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
A
大隈侯
(
おほくまこう
)
が
前
(
まへ
)
の
正月
(
しやうぐわつ
)
に
受取
(
うけと
)
つた
年始
(
ねんし
)
の
葉書
(
はがき
)
は
無慮
(
むりよ
)
十八
萬
(
まん
)
五千九十九
枚
(
まい
)
で、
毎日々々
(
まいにち/\
)
郵便局
(
いうびんきよく
)
から
大
(
だい
)
八
車
(
ぐるま
)
で
運
(
はこ
)
びこんだと
云
(
い
)
ふが、
隨分
(
ずゐぶん
)
君
(
きみ
)
エライもんぢやないか。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
そいつは、ちょっと立ちどまって、右左を見まわしていましたが、小林君の自動車が、あき
車
(
ぐるま
)
であることをたしかめると、いきなり、こちらへ走って来ました。
虎の牙
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
そうじ
人
(
にん
)
は、ごみための
箱
(
はこ
)
の
中
(
なか
)
のごみをあけてしまうと、
空
(
あ
)
き
車
(
ぐるま
)
を
引
(
ひ
)
いて、あちらへ
帰
(
かえ
)
ってゆきました。
風の寒い世の中へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
車上
(
しやじやう
)
の
人
(
ひと
)
は
肩掛
(
かたかけ
)
深
(
ふか
)
く
引
(
ひき
)
あげて
人目
(
ひとめ
)
に
見
(
み
)
ゆるは
頭巾
(
づきん
)
の
色
(
いろ
)
と
肩掛
(
かたかけ
)
の
派手模樣
(
はでもやう
)
のみ、
車
(
くるま
)
は
如法
(
によほふ
)
の
破
(
や
)
れ
車
(
ぐるま
)
なり
母衣
(
ほろ
)
は
雪
(
ゆき
)
を
防
(
ふせ
)
ぐに
足
(
た
)
らねば、
洋傘
(
かうもり
)
に
辛
(
から
)
く
前面
(
ぜんめん
)
を
掩
(
おほ
)
ひて
行
(
ゆ
)
くこと
幾町
(
いくちやう
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
しかし子供ごころに、オッペケペッポの川上はさほど
傑
(
えら
)
い人だと思っていなかった。それよりも芳町の奴の方が
遥
(
はる
)
かに——芸妓でも
抱
(
かか
)
え
車
(
ぐるま
)
のある——傑い女だと思っていた。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
大きな
野犬
(
やけん
)
運ぱん用のはこ
車
(
ぐるま
)
をつくり、それを馬にひかせて、飼主のわからない犬を見つけると、片はしからつかまえてつんでいき、きまった
撲殺場
(
ぼくさつじょう
)
へもってって殺しました。
やどなし犬
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
鞍山站
(
あんざんてん
)
まで酒を運んだちゃん
車
(
ぐるま
)
の
主
(
ぬし
)
を縛り上げて、道で拾った針金を
懐
(
ふところ
)
に
捩
(
ね
)
じ込んで、軍用電信を切った嫌疑者にして、正直な憲兵を
騙
(
だま
)
して引き渡してしまうなんと云う
為組
(
しくみ
)
は
鼠坂
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「あら、
着物
(
きもの
)
なんかいらなくつてよ。——さうね、あたしの今一番
欲
(
ほ
)
しいのは上
等
(
とう
)
の乳母
車
(
ぐるま
)
よ。ほらキルビイさんのお
宅
(
たく
)
にあるやうな。あたし
䴡
(
れい
)
子をあんなのに
乘
(
の
)
せてやりたいわ。」
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
野の
角
(
かど
)
に背を後ろに
日和
(
ひなた
)
ぼっこをして、ブンブン
糸繰
(
いとく
)
り
車
(
ぐるま
)
をくっている猫背の婆さんもあった。
名代
(
なだい
)
の角の
饂飩屋
(
うどんや
)
には二三人客が腰をかけて、そばの大釜からは湯気が白く立っていた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
主の
抱
(
かか
)
え
車
(
ぐるま
)
じゃあるめえし、ふむ、よけいなおせっかいよ、なあ爺さん、向こうから謂わねえたって、この寒いのに股引きはこっちで
穿
(
は
)
きてえや、そこがめいめいの内証で穿けねえから
夜行巡査
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
明させ給へ
且
(
かつ
)
藥
(
くすり
)
も
飮
(
のみ
)
たく何卒湯一ツ賜れと云ども番頭は
盜賊
(
たうぞく
)
ならんと
疑
(
うたが
)
ひて戸を
締切
(
しめきり
)
一向に答もせざれば
僧
(
そう
)
は
詮方
(
せんかた
)
なく此表に
大
(
だい
)
八
車
(
ぐるま
)
のありしを幸ひ
其蔭
(
そのかげ
)
に
風呂敷
(
ふろしき
)
を敷て其上に
坐
(
ざ
)
し
頭陀袋
(
づだぶくろ
)
より
藥
(
くすり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それなのに、英世少年の母が夜業に使ったという貧しい
紡
(
つむ
)
ぎ
車
(
ぐるま
)
だの、焼けコゲのある炉べりの板の間だの、コオロギの啼きそうな荒壁は、教師と少年少女たちのまえに、何かを、無言に語っている。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
父
(
とと
)
が曳く
柴積
(
しばつ
)
み
車
(
ぐるま
)
子が乗りてその頬かぶり寒がり行きぬ
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
其後白と黒との間に
如何
(
どん
)
な黙契が出来たのか、白はあまり黒の
来遊
(
らいゆう
)
を拒まなくなった。白を
貰
(
もら
)
って来てくれた大工が、
牛乳
(
ぎゅうにゅう
)
車
(
ぐるま
)
の空箱を白の寝床に買うて来てくれた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
空
(
あ
)
き
車
(
ぐるま
)
の
上
(
うえ
)
へ
馬子
(
まご
)
が
乗
(
の
)
って、
唄
(
うた
)
などうたい、
浜
(
はま
)
の
方
(
ほう
)
へ
帰
(
かえ
)
る、ガラ、ガラという、
轍
(
わだち
)
の
音
(
おと
)
が、だんだんかすかになると、ぼんやり
立
(
た
)
って、
聞
(
き
)
いている
彼
(
かれ
)
の
耳
(
みみ
)
もとへ、
風
(
かぜ
)
は
風はささやく
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
わたしがまだ
稽古本
(
けいこぼん
)
のはいったつばくろぐちを抱えて、
大門通
(
おおもんどおり
)
を
住吉町
(
すみよしちょう
)
まで歩いて
通
(
かよ
)
っていたころ、芳町には
抱
(
かか
)
え
車
(
ぐるま
)
のある芸妓があるといってみんなが驚いているのを聞いた。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
B
大隈侯
(
おほくまこう
)
のエライのに
異存
(
いぞん
)
はないが、
郵便局
(
いうびんきよく
)
から
大
(
だい
)
八
車
(
ぐるま
)
は
少
(
すこ
)
しをかしいなア。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
何
(
なに
)
も、
破
(
やぶ
)
れ
傘
(
がさ
)
の
化
(
ば
)
け
車
(
ぐるま
)
に
骨
(
ほね
)
を
折
(
を
)
らせて
運
(
はこ
)
ばせずと
済
(
す
)
む
事
(
こと
)
よ。
平時
(
いつも
)
なら
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
ぢや、お
剰
(
まけ
)
に
案山子
(
かゝし
)
どもが
声
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
いて、お
迎
(
むか
)
ひ、と
言
(
い
)
ふ
世界
(
せかい
)
なら、
第一
(
だいゝち
)
お
前様
(
めえさま
)
が
其
(
そ
)
の
像
(
ざう
)
を
担
(
かつ
)
いで
出
(
で
)
る
法
(
ほふ
)
はあるめえ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
始終
(
とほし
)
ごたごたして
埓
(
らち
)
は
御座
(
ござ
)
りませぬといふ、
妙
(
めう
)
な
事
(
こと
)
のと
思
(
おも
)
ひしが
掃除
(
さうぢ
)
のすみて
日暮
(
ひぐれ
)
れがたに
引移
(
ひきうつ
)
り
來
(
きた
)
りしは、
合乘
(
あひの
)
りの
幌
(
ほろ
)
かけ
車
(
ぐるま
)
に
姿
(
すがた
)
をつゝみて、
開
(
ひら
)
きたる
門
(
もん
)
を
眞直
(
まつすぐ
)
に
入
(
い
)
りて
玄關
(
げんくわん
)
におろしければ
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「しかし、乳母
車
(
ぐるま
)
なんてお
安
(
やす
)
い
御
(
ご
)
用さ。」
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「貧乏
車
(
ぐるま
)
」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夏
(
なつ
)
の
晩方
(
ばんがた
)
のこと、いなか
町
(
まち
)
を、
馬
(
うま
)
にから
車
(
ぐるま
)
をひかせて、ほおかむりをした
馬子
(
まご
)
たちが、それへ
乗
(
の
)
って、たばこをすったり、うたをうたったりしながら、いく
台
(
だい
)
となくつづきました。
風七題
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
三千四百五十六
萬
(
まん
)
七千八百九十九
枚
(
まい
)
、
若
(
も
)
しくは二千三百四十五
萬
(
まん
)
六千七百八十九
枚
(
まい
)
の
選擧權要求書
(
せんきよけんえうきうしよ
)
が、
毎日々々
(
まいにち/\
)
大
(
だい
)
八
車
(
ぐるま
)
で
衆議院
(
しうぎゐん
)
に
運
(
はこ
)
びこまれるとしたら、
如何
(
いか
)
に
無神經
(
むしんけい
)
でも
堪
(
たま
)
るまいぢやないか。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
屹度
(
きつと
)
車
(
くるま
)
今少
(
いますこ
)
しの
御辛防
(
ごしんばう
)
と
引
(
ひ
)
く
手
(
て
)
も
引
(
ひ
)
かるゝ
手
(
て
)
も
氷
(
こほ
)
りつくやうなり
嬉
(
うれ
)
しやと
近
(
ちか
)
づいて
見
(
み
)
ればさても
破
(
やぶ
)
れ
車
(
ぐるま
)
モシと
聲
(
こゑ
)
はかけしが
後退
(
あとじ
)
さりする
送
(
おく
)
りの
女中
(
ぢよちゆう
)
ソツとお
高
(
たか
)
の
袖引
(
そでひ
)
きてもう
少
(
すこ
)
し
參
(
まゐ
)
りませうあまりといへばと
跡
(
あと
)
は
小聲
(
こごゑ
)
なり
折
(
をり
)
しも
降
(
ふり
)
しきる
雪
(
ゆき
)
にお
高
(
たか
)
洋傘
(
かうもり
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“車”の意味
《名詞》
(くるま)回転運動する円形のもの。
(くるま)語義1がついた運搬具。
(くるま)乗り物
(くるま)自動車
(くるま)タクシー
(出典:Wiktionary)
車
常用漢字
小1
部首:⾞
7画
“車”を含む語句
停車場
自動車
車夫
牛車
車輪
馬車
車室
花車
滑車
人力車
水車
空車
人車
客車
乗合自動車
黄包車
汽車
風車
車前草
車駕
...