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裏手
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うらて
ふりがな文庫
“
裏手
(
うらて
)” の例文
と
聞
(
き
)
きました。
坊
(
ぼう
)
さんはこわごわ
立
(
た
)
って、
戸
(
と
)
をあけて、
裏手
(
うらて
)
をながめますと、そこに
深
(
ふか
)
い
田
(
た
)
が
出来
(
でき
)
ていて、
水
(
みず
)
がいっぱいあふれていました。
人馬
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
方角は
家
(
いへ
)
の
裏手
(
うらて
)
の様にも思へるが、遠いので
確
(
しつ
)
かりとは
分
(
わか
)
らなかつた。また方角を聞き
分
(
わ
)
ける
暇
(
ひま
)
もないうちに
済
(
す
)
んで仕舞つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
惡者共は七八人
裏手
(
うらて
)
へ廻り立
挾
(
はさ
)
み前後より追迫るにぞ半四郎は
彌々
(
いよ/\
)
絶體絶命
(
ぜつたいぜつめい
)
畑
(
はた
)
の
縁
(
ふち
)
なる
榛
(
はん
)
の木をヤツと聲かけ
根限
(
ねこぎ
)
になしサア來れと身構へたり之を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
町の
裏手
(
うらて
)
に山がありまして、その山の
奥
(
おく
)
に、
淋
(
さび
)
しい
神社
(
おみや
)
が一つありました。甚兵衛は毎日、そこにお
詣
(
まい
)
りをしました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
火
(
ひ
)
の
氣
(
け
)
を
考
(
かんが
)
へ、
考
(
かんが
)
へつゝ、
雨戸
(
あまど
)
を
繰
(
く
)
つて、
衝
(
つ
)
と
裏窓
(
うらまど
)
をあけると、
裏手
(
うらて
)
の
某邸
(
ぼうてい
)
の
廣
(
ひろ
)
い
地尻
(
ぢじり
)
から、ドス
黒
(
ぐろ
)
いけむりが
渦
(
うづ
)
を
卷
(
ま
)
いて、もう/\と
立
(
た
)
ちのぼる。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
午頃
(
ひるごろ
)
まで
長吉
(
ちやうきち
)
は
東照宮
(
とうせうぐう
)
の
裏手
(
うらて
)
の森の中で、
捨石
(
すていし
)
の上に
横
(
よこた
)
はりながら、こんな事を考へつゞけた
後
(
あと
)
は、
包
(
つゝみ
)
の中にかくした小説本を
取出
(
とりだ
)
して読み
耽
(
ふけ
)
つた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
と
太
(
ふと
)
い
息
(
いき
)
をついたが、ふと気がついてみると、そこは
奉行
(
ぶぎょう
)
小屋の
裏手
(
うらて
)
らしく、すぐ向こうから十
数間
(
すうけん
)
のあいだには、ズッと
鯨幕
(
くじらまく
)
がはりめぐらしてあって
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それから、小屋の
裏手
(
うらて
)
の小さなテントの中で、何十人という曲馬
団員
(
だんいん
)
の
御飯
(
ごはん
)
のしたくをしなければなりません。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
おじいさんは、うろうろしているうちに、またさびしいところへ
出
(
で
)
てしまいました。そこは、
先刻
(
さっき
)
その
入
(
い
)
り
口
(
ぐち
)
の
前
(
まえ
)
を
過
(
す
)
ぎた、
同
(
おな
)
じ
公園
(
こうえん
)
の
裏手
(
うらて
)
になっていました。
雪の上のおじいさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そこいらにはもう
誰
(
だれ
)
も
人
(
ひと
)
の
居
(
ゐ
)
ない
頃
(
ころ
)
で、
木戸
(
きど
)
に
近
(
ちか
)
いお
稻荷
(
いなり
)
さまの
小
(
ちひ
)
さな
社
(
やしろ
)
から、お
家
(
うち
)
の
裏手
(
うらて
)
にある
深
(
ふか
)
い
竹籔
(
たけやぶ
)
の
方
(
はう
)
へかけて、
何
(
なに
)
もかも、ひつそりとして
居
(
ゐ
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
吃
(
ども
)
りながら話すのを聞くと、
甚右衛門店
(
じんえもんだな
)
裏手
(
うらて
)
の井戸に若い女が身を投げているのを今顔を洗いに行って
発見
(
みつけ
)
たが、長屋じゅうまだ寝ているからとりあえず迎えに来たのだという。
早耳三次捕物聞書:01 霙橋辻斬夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
今日
(
けふ
)
は
天氣
(
てんき
)
が
快
(
い
)
いからとて、
幻花子
(
げんくわし
)
が
先導
(
せんだう
)
で、
狹衣
(
さごろも
)
、
活東
(
くわつとう
)
、
望蜀
(
ばうしよく
)
の三
子
(
し
)
が、
鍬
(
くわ
)
を
擔
(
かつ
)
いで
權現臺
(
ごんげんだい
)
に
先發
(
せんぱつ
)
した。
後
(
あと
)
から
余
(
よ
)
も
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
ると、
養鷄所
(
やうけいじよ
)
の
裏手
(
うらて
)
の
萱原
(
かやはら
)
の
中
(
なか
)
を、四
人
(
にん
)
て
連
(
しき
)
りに
掘散
(
ほりち
)
らして
居
(
ゐ
)
る。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
瓦屋根
(
かはらやね
)
の高く
聳
(
そび
)
えて
居
(
ゐ
)
るのは
古寺
(
ふるでら
)
であつた。
古寺
(
ふるでら
)
は
大概
(
たいがい
)
荒れ果てゝ、
破
(
やぶ
)
れた
塀
(
へい
)
から
裏手
(
うらて
)
の
乱塔場
(
らんたふば
)
がすつかり見える。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
あちらで、しきりに
犬
(
いぬ
)
の
遠
(
とお
)
ぼえをする
声
(
こえ
)
がしていました。
犬殺
(
いぬころ
)
しが
近
(
ちか
)
づいてきたのを
警戒
(
けいかい
)
して、
仲間
(
なかま
)
に
知
(
し
)
らせているのです。
幸吉
(
こうきち
)
は、すぐに
裏手
(
うらて
)
へまわりました。
花の咲く前
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ハイ外に
證據
(
しようこ
)
とても御座りませねど
吾儕
(
わたくし
)
が
營業
(
あきなひ
)
よりの歸り
途
(
みち
)
元益方の
裏手
(
うらて
)
を
通
(
とほ
)
ると箇樣々々の話しをば。
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
小広い平地があって、
竹林
(
ちくりん
)
のしげった
隅
(
すみ
)
に、一
軒
(
けん
)
の
茅葺屋根
(
かやぶきやね
)
がみえ、
裏手
(
うらて
)
をながるる水勢のしぶきのうちに、ゴットン、ゴットン……
水車
(
みずぐるま
)
の
悠長
(
ゆうちょう
)
な
諧調
(
かいちょう
)
がきこえる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宗助
(
そうすけ
)
が
文庫
(
ぶんこ
)
を
屆
(
とゞ
)
けた
日
(
ひ
)
の
午後
(
ごご
)
に、
坂井
(
さかゐ
)
の
云
(
い
)
つた
通
(
とほ
)
り、
刑事
(
けいじ
)
が
宗助
(
そうすけ
)
の
家
(
いへ
)
の
裏手
(
うらて
)
から
崖下
(
がけした
)
を
檢
(
しら
)
べに
來
(
き
)
たが、
其時
(
そのとき
)
坂井
(
さかゐ
)
も
一所
(
いつしよ
)
だつたので、
御米
(
およね
)
は
始
(
はじ
)
めて
噂
(
うはさ
)
に
聞
(
き
)
いた
家主
(
やぬし
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
林太郎の家の
裏手
(
うらて
)
の
丘
(
おか
)
から北の方を見ると、霞ガ浦が
入江
(
いりえ
)
になっていて、そのむこうに一つの村があり、その村におっかさんのお
里
(
さと
)
があるので、それで「むこうの家」といっているのでした。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
社
(
やしろ
)
の
裏手
(
うらて
)
の
方
(
ほう
)
へ、
用水池
(
ようすいいけ
)
がつくられたのは、この
後
(
のち
)
、二百
年
(
ねん
)
くらいも、たってからのことでした。
うずめられた鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そのほかお
小姓
(
こしょう
)
とんぼの
連中
(
れんじゅう
)
までが、
総立
(
そうだ
)
ちになって、
裏手
(
うらて
)
へまわってきそうな
気
(
け
)
ぶり。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
このあたりで
女達
(
をんなたち
)
の
客引
(
きやくひき
)
に
出
(
で
)
る
場所
(
ばしよ
)
は、
目下
(
もくか
)
足場
(
あしば
)
の
掛
(
かゝ
)
つてゐる
観音堂
(
くわんおんだう
)
の
裏手
(
うらて
)
から三
社権現
(
じやごんげん
)
の
前
(
まへ
)
の
空地
(
あきち
)
、二
天門
(
てんもん
)
の
辺
(
あたり
)
から
鐘撞堂
(
かねつきだう
)
のある
辨天山
(
べんてんやま
)
の
下
(
した
)
で、こゝは
昼間
(
ひるま
)
から
客引
(
きやくひき
)
に
出
(
で
)
る
女
(
をんな
)
がゐる。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
致させ
裏手
(
うらて
)
の
明
(
あき
)
長屋
(
ながや
)
へ入られ
凡
(
およ
)
そ
二時
(
ふたとき
)
餘
(
あま
)
り過て又
白洲
(
しらす
)
へ呼出されいまだ考へ出ずば又明日出よ尤も其方の
宅
(
たく
)
は終日客も入來り
騷々
(
さう/″\
)
しからんにより日々奉行所へ
出
(
いで
)
明長屋にて思ひ出す
迄
(
まで
)
考
(
かんが
)
ふべしと申
渡
(
わた
)
され一同
下
(
さげ
)
られしかば三郎兵衞は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ふたたびどこからともなくからすが
集
(
あつ
)
まってきて、おばあさんの
家
(
いえ
)
の
裏手
(
うらて
)
の、いつか
黒
(
くろ
)
ねこが
犬
(
いぬ
)
に
追
(
お
)
われて、
逃
(
に
)
げてきて
上
(
あ
)
がった、
高
(
たか
)
いすぎの
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
に
巣
(
す
)
を
造
(
つく
)
りはじめたのでした。
おばあさんと黒ねこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
歩いて
行
(
ゆ
)
く
中
(
うち
)
いつか浅草公園の
裏手
(
うらて
)
へ出た。細い
通
(
とほ
)
りの
片側
(
かたがは
)
には深い
溝
(
どぶ
)
があつて、それを越した
鉄柵
(
てつさく
)
の
向
(
むか
)
うには、
処々
(
ところ/″\
)
の
冬枯
(
ふゆが
)
れして立つ
大木
(
たいぼく
)
の
下
(
した
)
に、
五区
(
ごく
)
の
揚弓店
(
やうきゆうてん
)
の
汚
(
きたな
)
らしい
裏手
(
うらて
)
がつゞいて見える。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
裏
常用漢字
小6
部首:⾐
13画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
“裏”で始まる語句
裏
裏店
裏梯子
裏面
裏口
裏庭
裏門
裏通
裏表
裏漉