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極
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ご
ふりがな文庫
“
極
(
ご
)” の例文
それに、野村と二川とは性格が正反対といっていゝほどで野村は
極
(
ご
)
く陽気な
性質
(
たち
)
だったし、二川は煮え切らない引込思案の男だった。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
私は乱暴書生ではない。
極
(
ご
)
く気の小さい大人しい者である。杉浦さんに出会ってどうしたと思います。私は急に下駄から飛び降りた。
模倣と独立
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あっても、
極
(
ご
)
く僅かしかない。濁って、
生
(
なま
)
でのめるようなしろものじゃなかった。のんだら、胃と腸が、雷のように鳴り出すだろう。
武装せる市街
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
お宅は
下根岸
(
しもねぎし
)
もズッと末の方で
極
(
ご
)
く閑静な処、屋敷の
周囲
(
まわり
)
は
矮
(
ひく
)
い生垣になって居まして、其の外は
田甫
(
たんぼ
)
、其の
向
(
むこう
)
に
道灌山
(
どうかんやま
)
が見える。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それは
極
(
ご
)
く上等の純白の模造紙にペンで書いたもので(○ツエイ ハ ヨ○八時三十分 ヨリ行ウ ○ショップ ○ンセン同伴ス)
危し‼ 潜水艦の秘密
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
「大将、ちょっとちょっと、
他人
(
ひと
)
にいっちゃあいけませんよ、
極
(
ご
)
く
内
(
ない
)
ですよ、これです、素敵に面白いのです、五十銭奮発して下さい」
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
極
(
ご
)
く沈んだ憂えを帯んだ額に八の字を寄せて、
蓬
(
よもぎ
)
のように
蓬々
(
ほうほう
)
とした半白の頭を両手でむしるように
悶
(
もだ
)
えることもあるかと思えば
点
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
もって、
極
(
ご
)
く最近のことですが、大学の理科主任教授
里見
(
さとみ
)
先生
立会
(
たちあい
)
の上、例の容疑者三名について興奮曲線を取り直してみたのです
キド効果
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「へい。一時二時のこともございます。今晩なぞも、もう一段お始めになりますと、
極
(
ご
)
く早く仕舞っても二時でございましょうな」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
『もう
爲
(
し
)
ないから、
萬望
(
どうぞ
)
話
(
はな
)
して
頂戴
(
ちやうだい
)
な』と
愛
(
あい
)
ちやんは
極
(
ご
)
く
謙遜
(
けんそん
)
して、『二
度
(
ど
)
と
喙
(
くち
)
を
容
(
い
)
れないわ。
屹度
(
きつと
)
そんな
井戸
(
ゐど
)
が
一
(
ひと
)
つ
位
(
くらゐ
)
あつてよ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
『
是
(
これ
)
はまあ
極
(
ご
)
く/\秘密なんだが——君だから話すが——』と青年は声を低くして、『君の学校に居る瀬川先生は調里ださうだねえ。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
山へ登るのも
極
(
ご
)
くいいことであります。
深山
(
しんざん
)
に入り、高山、
嶮山
(
けんざん
)
なんぞへ登るということになると、一種の神秘的な興味も多いことです。
幻談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それよりももっと重大なことは、この霜柱が、寒地の土木工学上大切な問題として、
極
(
ご
)
く最近に、低温科学の表面に浮き出たことである。
寺田先生の追憶:――大学卒業前後の思い出――
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
ブリスケを買う時は
脂身
(
あぶらみ
)
の附いている処でないと
美味
(
おい
)
しくありません。それを二斤も買って
極
(
ご
)
く強い塩水へ一晩漬けておきます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
かの子 ここの所
一寸
(
ちょっと
)
そういう
風
(
ふう
)
な状態ですね。
極
(
ご
)
く
繊細
(
せんさい
)
な感覚的な
拾物
(
ひろいもの
)
程度のものは一部の人の中に入って来てはいるけど。
新時代女性問答
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
それは十年も前からの友人に、ふと道で
往
(
ゆ
)
きあった時のような、
極
(
ご
)
く自然な言葉であった。
尠
(
すくな
)
くとも、私にはそう感じられた。
腐った蜉蝣
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
極
(
ご
)
く少量の、アルコールを交ぜて使っても、サラサラとして描きやすいのです、絵具はガラス面で直ちに固定し、すぐ乾燥してしまいます。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
手紙の初めにも申上げたよう私の
家
(
うち
)
は
市
(
いち
)
ヶ
谷
(
や
)
監獄署の裏手で
御在
(
ござ
)
います。五、六年前私が旅立する
時分
(
じぶん
)
にはこの辺は
極
(
ご
)
く閑静な田舎でした。
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
たまたま季題が役に立つ場合があるかも知れないがそれは
極
(
ご
)
く
少
(
すくな
)
い。季題に
頓着
(
とんじゃく
)
なく詠う方が深刻でかつ自由であろうと思う。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
『
例
(
たと
)
へば
隅
(
すみ
)
の
別室
(
べつしつ
)
を
藥局
(
やくきよく
)
に
當
(
あ
)
てやうと
云
(
い
)
ふには、
私
(
わたくし
)
の
考
(
かんがへ
)
では、
極
(
ご
)
く
少額
(
せうがく
)
に
見積
(
みつも
)
つても五百
圓
(
ゑん
)
は
入
(
い
)
りませう、
然
(
しか
)
し
餘
(
あま
)
り
不生産的
(
ふせいさんてき
)
な
費用
(
ひよう
)
です。』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「いえ、ちょいと帯を直しただけ、なんにもなさいません。
平常
(
ふだん
)
から綺麗すぎるほど綺麗なお嬢さんで、お化粧も
極
(
ご
)
く手軽な方でしたが——」
銭形平次捕物控:067 欄干の死骸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「術」の字を冠するに足る画は、
極
(
ご
)
く
極
(
ご
)
く少数に過ぎないのであります。仮りにここに職工的な画の的があったとします。
芸術的な書と非芸術的な書
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
極
(
ご
)
く単純な、好奇的なものではあるが、しかしそれがへんな、醜いことだということを感じつつ、それに注意が向くのだ。
光り合ういのち
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
その時炎の上に
濺
(
そそ
)
がれて居た彼の瞳に、ふと何の関聯もなしに、妻の後姿が、
極
(
ご
)
く小さく——あのフェアリイほど小さく見えるやうな気がした。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
実に著者の悲しむことは、自分の過去のあらゆる詩が——
極
(
ご
)
く少数の作を除いて——一も真の音律的魅力を持たず、朗吟に堪えないことである。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
イヤ、今言つたのは
極
(
ご
)
く些細の例を取つたのだが、萬事がさうだ。どんな事でも皆
失策
(
おちど
)
といつたら細君が背負ふんだぜ。
一家
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
校長先生の御高徳を、
極
(
ご
)
く極く詰まらない事までも一つ一つ挙げて、説明して行かれた時の満場の厳粛でしたこと……。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
さうして、さういふ不快の
原因
(
もと
)
と言へば、いつも、母ならぬ人には毛ほども悟られたくない、
極
(
ご
)
く小さい詰らない事の失望やら怒りやらであつた。——
不穏
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
お前は知らないが、
己
(
おれ
)
は
極
(
ご
)
く
真面目
(
まじめ
)
な話をしたのだ。己はどうしても本当の事を言って
貰
(
もら
)
わなくてはならないといって、ベルナルドさんに迫ったのだ。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
その両方に迫って来ている森の間を、まばゆい春の日光に照らされた川は、
極
(
ご
)
くゆるく
迂
(
うね
)
って流れているのである。
ドナウ源流行
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
それは
至極
(
しごく
)
ありふれた部屋であった。というのは、第一、旅館そのものが、
極
(
ご
)
くありふれたものであったからだ。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
ことに
極
(
ご
)
くおしつまつて、もう
門松
(
かどまつ
)
がたつてゐるさういふ町を歩いてゐると、ちよつと
久保田万太郎
(
くぼたまんたらう
)
君の小説のなかを歩いてゐるやうな気持でいい気持だ。
一番気乗のする時
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
両国の川開きであるなどと、自分は興じて
良人
(
をつと
)
に言つて居た。九時半頃に、それは
極
(
ご
)
く小さい
煙花
(
はなび
)
の一つがノオトル・ダムのお寺の上かと思ふ空に
上
(
あが
)
つた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
あり来たりの色恋をしたってつまらないよ、そんなこたあ、
素人
(
しろうと
)
の箱入さんか、
極
(
ご
)
くましなところで、意気がった
櫓下
(
やぐらした
)
の
羽織衆
(
はおりしゅう
)
にでもまかしておくんだね。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
この点から見ると、私は少年時代の目を、純一無雑な、
極
(
ご
)
く軟らかなものであると思う。どんな
些
(
ちょ
)
っとした物を見ても、その印象が長く記憶に止まっている。
幼い頃の記憶
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この三度の腹下しのうちで、二度は
極
(
ご
)
く軽微なものでしたからお休みになるほどではなかったようですが、一度は少し重くって一日二日伏せっていらしった。
途上
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
彼は朝
極
(
ご
)
く早く
發
(
た
)
たなくてはならないのであつた。ダイアナとメァリーは彼に接吻をして部屋を出た——思ふに、彼からそつと云はれた言葉に從つてだらう。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
極
(
ご
)
く冷淡に事務に従事する人でも、親切に
愛嬌
(
あいきょう
)
または好意を持つと持たぬので
自
(
おのずか
)
らその務めの
捗
(
はかど
)
りも違う。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
其爲
(
そのため
)
に
亞尼
(
アンニー
)
は
一人
(
ひとり
)
淋
(
さび
)
しく
家
(
いへ
)
に
殘
(
のこ
)
されて、
遂
(
つひ
)
に
私
(
わたくし
)
の
家
(
いへ
)
に
奉公
(
ほうこう
)
に
出
(
で
)
る
樣
(
やう
)
になつたのですが、
御存
(
ごぞん
)
じの
通
(
とう
)
り、
極
(
ご
)
く
正直
(
しやうじき
)
な
女
(
をんな
)
ですから、
私共
(
わたくしども
)
も
目
(
め
)
をかけて
使
(
つか
)
つて
居
(
を
)
る
内
(
うち
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
極
(
ご
)
く
稀
(
まれ
)
に自力で問題が解ける場合に
出遇
(
であ
)
うと、狂喜のあまり不思議な音声を発したりするのである。
吊籠と月光と
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
それを残念さに、私の宅の第三回目というのを
極
(
ご
)
く限られた少数で、
而
(
しか
)
も女ばかりを集めてやった。
怪談
(新字新仮名)
/
平山蘆江
(著)
そんで
極
(
ご
)
く
堅
(
か
)
てえもんだから
他人
(
ひと
)
にも
面倒
(
めんどう
)
見
(
み
)
られて
其
(
そ
)
の
位
(
くれえ
)
だから
錢
(
ぜに
)
も
持
(
も
)
つてんでさ、さうしたら
何處
(
どこ
)
で
聞
(
き
)
いたか
來
(
き
)
て
騙
(
だま
)
して
連
(
つ
)
れてつてね、えゝわしら
等
(
ら
)
※
(
あね
)
せお
内儀
(
かみ
)
さん
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
極
(
ご
)
く内密におはなししたいが、お召使の出入りなきよう、しばらく人を遠ざけていただけまいか」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は頭にはフェルトのきたない帽子を
冠
(
かぶ
)
り、身には一枚の
極
(
ご
)
く薄い綿入れを着て、体はすっかりちゞこまっていた。手には一つの紙包と一本の長い
煙管
(
キセル
)
とを持っていた。
故郷
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
極
(
ご
)
く
鷹揚
(
おうよう
)
な、見た眼にも温良そうな男であるが……変ったのはかれや私の頭髪ばかりではない、それの店の内部も外観も、
殆
(
ほとん
)
ど昔のおもかげを止めない位に変ってしまった。
早稲田神楽坂
(新字新仮名)
/
加能作次郎
(著)
極
(
ご
)
く早いお茶の水の卒業生だった彼女が学校を出て、大丸横町の岡田学校というのへ月俸金四円也で奉職したのは、私なぞの知らないころだったが、わからずやの私の母は
旧聞日本橋:12 チンコッきり
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
出来た当時は、三十銭か四十銭の
極
(
ご
)
く簡単なものであつたが、今日では非常に凝つたものが出来るやうになり、値も張つて二十円や三十円といふ高いものさへあるくらゐである。
駒台の発案者
(新字旧仮名)
/
関根金次郎
(著)
極
(
ご
)
く内輪に見て、一日平均三合宛飲んだとすれば、この歳になるまで一体どの位の量になったろう。かりに三十年間飲んだとして、一万九百五十日、計三十二石八斗五升となる。
酒渇記
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
「大」の字は元より「悟」の字「覚」の字等は青幇から
師爺
(
しや
)
として尊敬される。又昔はやかましかった入幇方法も今は
極
(
ご
)
く
容易
(
たやす
)
く、
僅
(
わず
)
かに一人の紹介者位で入れるようになった。
さまよう町のさまよう家のさまよう人々
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そんなら
遣
(
やっ
)
て見ようかと
云
(
いっ
)
てそろ/\
試
(
こころみ
)
ると、塾中の者が烟草を呉れたり、
烟管
(
キセル
)
を貸したり、中には
是
(
こ
)
れは
極
(
ご
)
く軽い烟草だと云て
態々
(
わざわざ
)
買
(
かっ
)
て来て呉れる者もあると云うような騒ぎは
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
“極”の意味
《名詞》
(きょく)2端のうちの一方。
(ごく)1,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000 = 1048を表す。載の次で恒河沙の前の位。
《形容動詞》
(ごく)程度の大きい様。
(出典:Wiktionary)
極
常用漢字
小4
部首:⽊
12画
“極”を含む語句
京極
極刑
見極
極端
極光
北極
極微
至極
極々
極彩色
取極
極月
極熱
極楽寺
感極
北極星
終極
結極
極限
極付
...