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恁
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かゝ
ふりがな文庫
“
恁
(
かゝ
)” の例文
然
(
しか
)
も
猶
(
なほ
)
これは
眞直
(
まつすぐ
)
に
眞四角
(
ましかく
)
に
切
(
きつ
)
たもので、およそ
恁
(
かゝ
)
る
角
(
かく
)
の
材木
(
ざいもく
)
を
得
(
え
)
ようといふには、
杣
(
そま
)
が八
人
(
にん
)
五日
(
いつか
)
あまりも
懸
(
かゝ
)
らねばならぬと
聞
(
き
)
く。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
恁
(
かゝ
)
る田舍の習慣で、若い男は、忍んで行く女の數の多いのを誇りにし、娘共も亦、口に出していふ事は無いけれ共、通つて來る男の多きを喜ぶ。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
アンドレイ、エヒミチは
院長
(
ゐんちやう
)
として
其職
(
そのしよく
)
に
就
(
つ
)
いた
後
(
のち
)
恁
(
かゝ
)
る
亂脈
(
らんみやく
)
に
對
(
たい
)
して、
果
(
はた
)
して
是
(
これ
)
を
如何樣
(
いかやう
)
に
所置
(
しよち
)
したらう、
敏捷
(
てきぱき
)
と
院内
(
ゐんない
)
の
秩序
(
ちつじよ
)
を
改革
(
かいかく
)
したらうか。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
恁
(
かゝ
)
る事は
円朝
(
わたくし
)
も
薩張
(
さつぱり
)
存
(
ぞん
)
ぜずに
居
(
を
)
りましたが、
彼
(
か
)
の
談洲楼焉馬
(
だんしゆうろうえんば
)
が
認
(
したゝ
)
めた文に
依
(
よつ
)
て
承知
(
しようち
)
いたしました。
其文
(
そのぶん
)
に
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しばらくして
又
(
また
)
ばさりと
障
(
さは
)
つた、
恁
(
かゝ
)
る
時
(
とき
)
、
恁
(
かゝ
)
る
山家
(
やまが
)
に
雪
(
ゆき
)
の
夜半
(
よは
)
、
此
(
こ
)
の
音
(
おと
)
に
恐氣
(
おぢけ
)
だつた、
婦人氣
(
をんなぎ
)
はどんなであらう。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
恁
(
かゝ
)
る
議論
(
ぎろん
)
に
全然
(
まるで
)
心
(
こゝろ
)
を
壓
(
あつ
)
しられたアンドレイ、エヒミチは
遂
(
つひ
)
に
匙
(
さじ
)
を
投
(
な
)
げて、
病院
(
びやうゐん
)
にも
毎日
(
まいにち
)
は
通
(
かよ
)
はなくなるに
至
(
いた
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
此
(
こ
)
の
峰
(
みね
)
、
此
(
こ
)
の
谷
(
たに
)
、
恁
(
かゝ
)
る
思
(
おもひ
)
。
紅
(
くれなゐ
)
の
梢
(
こずゑ
)
を
行
(
ゆ
)
く
汽車
(
きしや
)
さへ、
轟
(
とゞろ
)
きさへ、
音
(
おと
)
なき
煙
(
けむり
)
の、
雪
(
ゆき
)
なす
瀧
(
たき
)
をさかのぼつて、
輕
(
かる
)
い
群青
(
ぐんじやう
)
の
雲
(
くも
)
に
響
(
ひゞ
)
く、
幽
(
かすか
)
なる、
微妙
(
びめう
)
なる
音樂
(
おんがく
)
であつた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
かれ
)
は
又
(
また
)
恁
(
かゝ
)
る
位置
(
ゐち
)
になつてからも、
人
(
ひと
)
が
自分
(
じぶん
)
を
抛棄
(
うつちや
)
つては
置
(
お
)
いて
呉
(
く
)
れぬのが、
却
(
かへ
)
つて
迷惑
(
めいわく
)
で
殘念
(
ざんねん
)
で
有
(
あ
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
其
(
そ
)
の
穿物
(
はきもの
)
が
重
(
おも
)
いために、
細君
(
さいくん
)
の
足
(
あし
)
の
運
(
はこ
)
び
敏活
(
びんくわつ
)
ならず。が
其
(
それ
)
の
所爲
(
せゐ
)
で
散策
(
さんさく
)
に
恁
(
かゝ
)
る
長時間
(
ちやうじかん
)
を
費
(
つひや
)
したのではない。
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
恁
(
かゝ
)
る
趣
(
おもむき
)
を
知
(
し
)
つたため、
私
(
わたし
)
は
一頃
(
ひところ
)
は
小遣錢
(
こづかひ
)
があると、
東京
(
とうきやう
)
の
町
(
まち
)
をふら/\と
俥
(
くるま
)
で
歩行
(
ある
)
く
癖
(
くせ
)
があつた。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
人
(
ひと
)
に
血
(
ち
)
を
吸
(
す
)
はれたあはれな
者
(
もの
)
の、
將
(
まさ
)
に
死
(
し
)
なんとする
耳
(
みゝ
)
に、
與吉
(
よきち
)
は
福音
(
ふくいん
)
を
傳
(
つた
)
へたのである、この
與吉
(
よきち
)
のやうなものでなければ、
實際
(
じつさい
)
また
恁
(
かゝ
)
る
福音
(
ふくいん
)
は
傳
(
つた
)
へられなかつたのであらう。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
手
(
て
)
をあげて
黒髪
(
くろかみ
)
をおさへながら
腋
(
わき
)
の
下
(
した
)
を
手拭
(
てぬぐひ
)
でぐいと
拭
(
ふ
)
き、あとを
両手
(
りやうて
)
で
絞
(
しぼ
)
りながら
立
(
た
)
つた
姿
(
すがた
)
、
唯
(
たゞ
)
これ
雪
(
ゆき
)
のやうなのを
恁
(
かゝ
)
る
霊水
(
れいすい
)
で
清
(
きよ
)
めた、
恁云
(
かうい
)
ふ
女
(
をんな
)
の
汗
(
あせ
)
は
薄紅
(
うすくれなゐ
)
になつて
流
(
なが
)
れやう。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
案
(
あん
)
ずるに、
此
(
これ
)
は
修善寺
(
しゆぜんじ
)
の
温泉
(
いでゆ
)
に
於
(
お
)
ける、
河鹿
(
かじか
)
が
吐
(
は
)
く
蜃氣樓
(
しんきろう
)
であるらしい。かた/″\、そんな
事
(
こと
)
はあるまいけれども、
獨鈷
(
とつこ
)
の
湯
(
ゆ
)
の
恁
(
かゝ
)
る
状態
(
じやうたい
)
をあてにして、お
出
(
で
)
かけに
成
(
な
)
つては
不可
(
いけな
)
い。……
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
恁
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
風雲
(
ふううん
)
は、
加能丸
(
かのうまる
)
既往
(
きわう
)
の
航海史上
(
かうかいしじやう
)
珍
(
めづら
)
しからぬ
現象
(
げんしやう
)
なれども、(
一人坊主
(
ひとりばうず
)
)の
前兆
(
ぜんてう
)
に
因
(
よ
)
りて
臆測
(
おくそく
)
せる
乘客
(
じやうかく
)
は、
恁
(
かゝ
)
る
現象
(
げんしやう
)
を
以
(
もつ
)
て
推
(
すゐ
)
すべき、
風雨
(
ふうう
)
の
程度
(
ていど
)
よりも、
寧
(
むし
)
ろ
幾十倍
(
いくじふばい
)
の
恐
(
おそれ
)
を
抱
(
いだ
)
きて
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
如何
(
いかん
)
となれば、
乘客等
(
じようかくら
)
は
爾
(
しか
)
く
身
(
み
)
を
殺
(
ころ
)
して
仁
(
じん
)
を
爲
(
な
)
さむとせし、
此
(
この
)
大聖人
(
だいせいじん
)
の
徳
(
とく
)
の
宏大
(
くわうだい
)
なる、
天
(
てん
)
は
其
(
そ
)
の
報酬
(
はうしう
)
として
渠
(
かれ
)
に
水難
(
すゐなん
)
を
與
(
あた
)
ふべき
理由
(
いはれ
)
のあらざるを
斷
(
だん
)
じ、
恁
(
かゝ
)
る
聖僧
(
せいそう
)
と
與
(
とも
)
にある
者
(
もの
)
は、
此
(
この
)
結縁
(
けちえん
)
に
因
(
よ
)
りて
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
即
(
すなは
)
ち
人
(
ひと
)
と
家
(
いへ
)
とは、
榮
(
さか
)
えるので、
恁
(
かゝ
)
る
景色
(
けしき
)
の
俤
(
おもかげ
)
がなくならうとする、
其
(
そ
)
の
末路
(
まつろ
)
を
示
(
しめ
)
して、
滅亡
(
めつばう
)
の
兆
(
てう
)
を
表
(
あら
)
はすので、
詮
(
せん
)
ずるに、
蛇
(
へび
)
は
進
(
すゝ
)
んで
衣
(
ころも
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎ、
蝉
(
せみ
)
は
榮
(
さか
)
えて
殼
(
から
)
を
棄
(
す
)
てる、
人
(
ひと
)
と
家
(
いへ
)
とが、
皆
(
みな
)
他
(
た
)
の
光榮
(
くわうえい
)
あり
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
恁
漢検1級
部首:⼼
10画
“恁”を含む語句
恁麽
恁許
恁云
恁麼
恁々
恁懸
恁様
恁那
有恁
正当恁麼時