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差置
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さしお
ふりがな文庫
“
差置
(
さしお
)” の例文
外国交際又は内国の憲法政治などに
就
(
つい
)
て
其
(
そ
)
れ
是
(
こ
)
れと云う議論は政治家の事として
差置
(
さしお
)
き、私の生涯の中に
出来
(
でか
)
して見たいと思う所は
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
花を
枕頭
(
まくらもと
)
に
差置
(
さしお
)
くと、その時も絶え入っていた母は、
呼吸
(
いき
)
を返して、それから
日増
(
ひまし
)
に
快
(
よ
)
くなって、五年経ってから亡くなりました。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大「勘弁
罷
(
まか
)
りならん、神原殿がお頼みによって、其の方に
申聞
(
もうしき
)
けた、だが今になって
違背
(
いはい
)
されては此の儘に
差置
(
さしお
)
けんから、只今手討に致す」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
刧
(
おび
)
やかし味方に付る時は
江戸表
(
えどおもて
)
へ
名乘
(
なのり
)
出
(
いづ
)
るに必ず
便利
(
べんり
)
なるべしと不敵にも思案を定め彼奧座敷に至り
燭臺
(
しよくだい
)
に
灯
(
あか
)
りを
點
(
とも
)
し
茵
(
しとね
)
の上に
欣然
(
きんぜん
)
と座を
占
(
し
)
め
胴卷
(
どうまき
)
の金子は
脇
(
わき
)
の臺に
差置
(
さしお
)
き所持の二品を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と、いった口調は、返答によっては、
差置
(
さしお
)
かぬぞ、という鋭さが含まれていた。
大岡越前の独立
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
▼ もっと見る
従類
(
じうるゐ
)
眷属
(
けんぞく
)
寄
(
よ
)
りたかつて、
上
(
あ
)
げつ
下
(
お
)
ろしつ
為
(
し
)
て
責
(
せ
)
め
苛
(
さいな
)
む、
笞
(
しもと
)
の
呵責
(
かしやく
)
は
魔界
(
まかい
)
の
清涼剤
(
きつけ
)
ぢや、
静
(
しづか
)
に
差置
(
さしお
)
けば
人間
(
にんげん
)
は
気病
(
きやみ
)
で
死
(
し
)
ぬとな……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
既
(
すで
)
に前年の政変も
孰
(
いづ
)
れが是か非かソレは
差置
(
さしお
)
き、双方主義の相違で喧嘩をしたことである。政治上に喧嘩が起れば経済商売上にも同様の事が起らねばならぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
連
(
つれ
)
て丁字屋へ出かけしが先兩三日は
目見
(
めみ
)
えに
差置
(
さしお
)
く樣にとの事なれば其まゝに差置て長庵は歸りける丁字屋にてはお文が
容子
(
ようす
)
誰
(
たれ
)
有
(
あつ
)
て
田舍娘
(
ゐなかむすめ
)
と見る者なく
傍輩
(
はうばい
)
娼妓
(
しやうぎ
)
も
恥
(
はづ
)
るばかりなれば
流石
(
さすが
)
に長庵が
骨折
(
ほねをり
)
の
顯
(
あら
)
はれし所にて在所に在し其時とは親の十兵衞さへも
見違
(
みちが
)
へる程なれば主人半藏方にても十分氣に
入
(
いり
)
お文へ何故に身を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
言合
(
いひあ
)
はせたやうに、
一張
(
ひとはり
)
差置
(
さしお
)
いた、
眞
(
しん
)
の
細
(
ほそ
)
い、
乏
(
とぼ
)
しい
提灯
(
ちやうちん
)
に、
頭
(
あたま
)
と
顏
(
かほ
)
をひしと
押着
(
おツつ
)
けた
處
(
ところ
)
は、
人間
(
にんげん
)
唯
(
たゞ
)
髯
(
ひげ
)
のないだけで、
秋
(
あき
)
の
蟲
(
むし
)
と
餘
(
あま
)
りかはりない。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
就中
(
なかんずく
)
彼らは
耶蘇
(
ヤソ
)
教の人なるが故に、己れの宗旨に同じからざる者を見れば、千百の吟味
詮索
(
せんさく
)
は
差置
(
さしお
)
き、一概にこれを
外教人
(
がいきょうじん
)
と称して、何となく嫌悪の情を含み
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
私を
負
(
おぶ
)
った男は、村を離れ、川を越して、
遙
(
はるか
)
に
鈴見
(
すずみ
)
の橋の
袂
(
たもと
)
に
差置
(
さしお
)
いて帰りましたが、この男は
唖
(
おうし
)
と見えて、長い
途
(
みち
)
に一言も物を言やしません。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
是
(
こ
)
れは
此方
(
こっち
)
の血気の熱心であるとして
姑
(
しばら
)
く
差置
(
さしお
)
き、
扨
(
さて
)
この日本を開いて外国交際をドウするかと云うことになっては、
如何
(
どう
)
も見て居られない、と云うのは私は若い時から洋書を
読
(
よん
)
で
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
あはれ、殊勝な法師や、
捨身
(
しゃしん
)
の
水行
(
すいぎょう
)
を
修
(
しゅ
)
すると思へば、
蘆
(
あし
)
の
折伏
(
おれふ
)
す
枯草
(
かれくさ
)
の中に
籠
(
かご
)
を
一個
(
ひとつ
)
差置
(
さしお
)
いた。が、
鯉
(
こい
)
を
遁
(
にが
)
した
畚
(
びく
)
でもなく、草を
刈
(
か
)
る
代
(
しろ
)
でもない。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
申上
(
まをしあ
)
げたて。……なれども
唯
(
たゞ
)
差置
(
さしお
)
いたばかりでは
鷺
(
さぎ
)
が
翼
(
つばさ
)
を
開
(
ひら
)
かぬで、
人
(
ひと
)
が
一人
(
ひとり
)
乗
(
の
)
る
重量
(
おもみ
)
で、
自然
(
おのづ
)
から
漕
(
こ
)
いで
出
(
で
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
持つて下りた
行燈
(
あんどう
)
は
階子段
(
はしごだん
)
の下に
差置
(
さしお
)
いた。下の
縁
(
えん
)
の、ずつと奥の
一室
(
ひとま
)
から、ほのかに
灯
(
ひ
)
の影がさしたのである。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
然
(
しか
)
も
燃
(
も
)
え
立
(
た
)
つばかりの
緋
(
ひ
)
の
扱帯
(
しごき
)
は、
今
(
いま
)
しも
其
(
そ
)
の
腰
(
こし
)
のあたりをする/\と
辷
(
すべ
)
つた
如
(
ごと
)
く、
足許
(
あしもと
)
に
差置
(
さしお
)
かるゝ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
で、木彫の、小さな、
護謨細工
(
ゴムざいく
)
のやうに柔かに
襞襀
(
ひだ
)
の入つた、靴をも取つて籠の前に
差置
(
さしお
)
いて
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
で、
木彫
(
きぼり
)
の、
小
(
ちひ
)
さな、
護謨細工
(
ゴムざいく
)
のやうに
柔
(
やはら
)
かに
襞襀
(
ひだ
)
の
入
(
はひ
)
つた、
靴
(
くつ
)
をも
取
(
と
)
つて
籠
(
かご
)
の
前
(
まへ
)
に
差置
(
さしお
)
いて
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、こなたは
何時
(
いつ
)
か、もう
御堂
(
おどう
)
の畳に、にじり
上
(
あが
)
っていた。よしありげな物語を聞くのに、
懐
(
ふところ
)
が
窮屈
(
きゅうくつ
)
だったから、
懐中
(
かいちゅう
)
に
押込
(
おしこ
)
んであった、
鳥打帽
(
とりうちぼう
)
を引出して、
傍
(
かたわら
)
に
差置
(
さしお
)
いた。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
股引
(
ももひき
)
ようのものを
穿
(
は
)
いている、
草色
(
くさいろ
)
の太い
胡坐
(
あぐら
)
かいた膝の脇に、
差置
(
さしお
)
いた、
拍子木
(
ひょうしぎ
)
を取って、カチカチと鳴らしたそうで、その音が何者か歯を
噛合
(
かみあ
)
わせるように響いたと言います。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
都鳥もし
蘇生
(
よみがえ
)
らず、白妙なきものと成らば、大島守を其のまゝに
差置
(
さしお
)
かぬぞ、と
確
(
しか
)
と申せ。いや/\待て、必ず誓つて人には
洩
(
もら
)
すな。——拙道の手に働かせたれば、
最早
(
もは
)
や
汝
(
そち
)
は
差許
(
さしゆる
)
す。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
否
(
いや
)
、
追
(
おつ
)
てのことにせむ、
先
(
ま
)
づ
其
(
その
)
まゝに
差置
(
さしお
)
け、」とて
急
(
いそ
)
がせたまふ
氣色
(
けしき
)
無
(
な
)
し。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
如何
(
いか
)
なることがあらうも
知
(
し
)
れずと、
目
(
め
)
を
瞑
(
ねむ
)
つて、
行燈
(
あんどう
)
をうしろに
差置
(
さしお
)
き、わなゝき/\
柄杓
(
ひしやく
)
を
取
(
と
)
つて、
埋
(
う
)
もれた
雪
(
ゆき
)
を
拂
(
はら
)
ひながら、カチリとあたる
水
(
みづ
)
を
灌
(
そゝ
)
いで、
投
(
な
)
げるやうに
放
(
はな
)
したトタン
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
顔容
(
かおかたち
)
勝
(
すぐ
)
れて清らかな少年で、
土間
(
どま
)
へ
草鞋穿
(
わらじばき
)
の
脚
(
あし
)
を投げて、英国政府が王冠章の
刻印
(
ごくいん
)
打つたる、ポネヒル二連発銃の、銃身は月の如く、
銃孔
(
じゅうこう
)
は星の如きを、
斜
(
ななめ
)
に
古畳
(
ふるだたみ
)
の上に
差置
(
さしお
)
いたが、
恁
(
こ
)
う聞く
中
(
うち
)
に
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
唯今
(
たゞいま
)
、
寢
(
ね
)
おびれた
幼
(
をさない
)
のの、
熟
(
じつ
)
と
視
(
み
)
たものに
目
(
め
)
を
遣
(
や
)
ると、
狼
(
おほかみ
)
とも、
虎
(
とら
)
とも、
鬼
(
おに
)
とも、
魔
(
ま
)
とも
分
(
わか
)
らない、
凄
(
すさま
)
じい
面
(
つら
)
が、ずらりと
並
(
なら
)
んだ。……いづれも
差置
(
さしお
)
いた
荷
(
に
)
の
恰好
(
かつかう
)
が
異類
(
いるゐ
)
異形
(
いぎやう
)
の
相
(
さう
)
を
顯
(
あらは
)
したのである。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
母親もやがて茶碗の中で、さら/\と洗つて
塗箸
(
ぬりばし
)
を
差置
(
さしお
)
いた。
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
が、
爰
(
ここ
)
に
差置
(
さしお
)
いた
即是
(
すなわちこれ
)
。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
差
常用漢字
小4
部首:⼯
10画
置
常用漢字
小4
部首:⽹
13画
“差置”で始まる語句
差置難