“さしお”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
差置36.0%
30.0%
差措26.0%
4.0%
2.0%
2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
花を枕頭まくらもと差置さしおくと、その時も絶え入っていた母は、呼吸いきを返して、それから日増ひましくなって、五年経ってから亡くなりました。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
書きたい事に切りがありませんが、其は他日の機会に譲って、読者諸君の健康を祝しつつここに一先ひとまず此手紙の筆をさしおきます。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
物価が高くなつて箪笥の値段は三割方張るかも知れないが、道徳的だと思へば我慢の出来ない事もない、先づ何を差措さしおいても結婚する事だ。
桃太郎猿蟹合戦さるかにかっせんたぐいも珍らしからざるべく、また『韓非子かんぴし』『荘子そうじ』などにでたるも珍らしからざるべければ、日本支那のはしばらさしおきて印度の古話をあつつづ
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
森田にしてあやまらざる限は、里恵は山陽が眼鏡を著けて政記を刪定し、筆をさしおき、眼鏡をば脱せずして逝いたと云ふことを否認してゐたやうである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
前に引いた所の嘉永癸丑に向島に遊んだ記もこれに似て、真の終結に至らずして筆をさしおいたものである。次年丙辰に富岡とみがをかに遊んだ記も亦さうである。これに反して小説二篇は完璧である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
鼓瑟ことのてしばしとだえ鏗爾こうじとしてしつさしおきてち、対えて曰く、三子者さんししゃよきに異なり。子曰く、何ぞいたまん、またおのおのその志をいうなり。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)