-
トップ
>
-
さしおく
◎
伊賀の
上野は旧
藤堂侯の領分だが藩政の頃
犯状明かならず、
去迚放還も為し難き、俗に
行悩みの
咎人ある時は、
本城伊勢の
安濃津へ
差送ると
号し
聞て所の
代官首藤源兵衞より
公儀御代官二
股の
陣屋大草太郎左衞門殿へ差出し一通り吟味の上駿府へ
差送りに相なり石川安五郎は
揚り屋入申付られ其後同所町奉行
桑山下野守殿
種々吟味ありしかど重五郎を
相願はれ候
如何計ひ申さんといふに天一坊は
許すと計り言葉少なに言放せば大膳は
鍵取出し二品を取出し
三寶に
載持出伊豆守殿の前に
差置にぞ伊豆守殿初め重役の面々各々
手水して先御墨附を