“家来:けらい” の例文
“家来:けらい”を含む作品の著者(上位)作品数
楠山正雄16
小川未明8
豊島与志雄5
芥川竜之介4
シャルル・ペロー3
“家来:けらい”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語(児童)23.1%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)6.0%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
二人がしきりにすすめますものですから、王様も承知なさいました。そしてすぐに、その用意を家来けらいに言い付けられました。
お月様の唄 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「きみ、校長はこわいぜ。担任たんにんもナカナカきびしい。けれども秋山って先生がいる。やっぱりうち家来けらいだ」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
負惜まけをしみをつたものゝ、家来けらいどもとかほ見合みあはせて、したいたも道理だうり
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
童子どうじはこういって、おおぜいの腰元こしもと家来けらいにいいつけて、さけさかなをはこばせました。
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
こころの中でおもって、家来けらいもつれずたった一人ひとり、どこというあてもなくうんだめしに出かけました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
才八という「家来けらい」と母とが、法事らしいことも出来ないと泣いているのを、風邪でねている若い龍子はしみじみと聴いていた。
婦人と文学 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
うみの中のおさかなというおさかなは、みんな竜王りゅうおう威勢いせいにおそれてその家来けらいになりました。
くらげのお使い (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
保名やすなは五六にん家来けらいれて、信田しのだ明神みょうじん参詣さんけいに出かけました。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ところで、すこしびっくりしたことには、ふとふりかえってみると、家来けらいに、ひとりもついてくるものがないのです。
眠る森のお姫さま (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
小僧こぞう。さあ、来。これから、れの家来けらいだ。来う。この刀はいい刀だな。じつきをよぐかげである。」
種山ヶ原 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
するとそのなか一人ひとり年老としとった家来けらいがありまして、わたくしがまいりますともうました。
不死の薬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
小国より登る山口にも八幡太郎はちまんたろう家来けらい討死うちじにしたるを埋めたりという塚三つばかりあり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
桃太郎はやはり旗を片手に、三匹の家来けらいを従えたまま、平蜘蛛ひらぐものようになった鬼の酋長へおごそかにこういい渡した。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そこで金太郎きんたろう坂田金時さかたのきんとき名乗なのって、頼光らいこう家来けらいになりました。
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
桃太郎はそののち犬のほかにも、やはり黍団子の半分を餌食えじきに、さるきじ家来けらいにした。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
これを見た大手先おおてさきの大小名の家来けらいは、驚破すわ、殿中に椿事ちんじがあったと云うので、立ち騒ぐ事が一通りでない。
忠義 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
正面に丹左衛門尉基康たんざえもんのじょうもとやすその左右に数名の家来けらいやりをたてて侍立じりつす。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
天子てんしさまは家来けらいをおあつめになって、だれかそのくすりってきてくれるものはないかともうされました。
不死の薬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
金太郎きんたろうはこの家来けらいたちをおともれて、一にち山の中をあるきまわりました。
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
桃太郎ももたろうはたくさんの宝物たからものをのこらずんで、三にんの家来けらいといっしょに、またふねりました。
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
享保きょうほうの昔からあったとは、どうもおどろいたもので——この石川左近将監の家来けらい竹田某は、日本におけるウインクの元祖だ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
殿様とのさまこまっておしまいになって、家来けらいたちをあつめて御相談ごそうだんなさいました。
姨捨山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
じょうじきもある大広間には、たくさんの家来けらいがきら星のようにずらりと居流いながれています。
とんまの六兵衛 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
ほかに、もう一人ひとり家来けらいをやって、よくようすをさぐらせようとおかんがえになったのです。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ひめさまは、これをくと、まえ家来けらいもうしたこととたいそうちがっていますので、びっくりなさいました。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「正三位です。内藤正三位、花岡の家来けらい……家来、家来……って……いうんです」と正三君はしゃくりあげた。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
この使に立ったのは長晟の家来けらい関宗兵衛せきそうべえ寺川左馬助てらかわさまのすけの二人だった。
古千屋 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「どうぞおともにつけて下さいまし。何よりの仕合せでございます。」と言って、すぐに家来けらいになりました。
ぶくぶく長々火の目小僧 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
「だが待てよ……御岳みたけ大講会だいこうえともうすと、なにさま天下の評判ひょうばんごと、秀吉の家来けらいがまけてもこまるな」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
龍王りゅうおう家来けらいたちも、あたまかかえてゆかの上につっしてしまいました。
田原藤太 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
為朝ためともはやがて二十八家来けらいをつれて新院しんいん御所ごしょがりました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
国王は驚きが静まると、「それッ!」と家来けらい達に合図をして、鏡を差し上げながら鳥の方を照らしました。
夢の卵 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
おうさまは、おんないているのをて、家来けらいつかわして、そのいている理由いわれをたずねられました。
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そしてこの土産みやげしな家来けらいかつがせて、龍王りゅうおう瀬田せたはしの下まで見送みおくって行きました。
田原藤太 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
けれど、さすがのつよ大将たいしょうも、今度こんどはやっとったというばかりで、みな家来けらいのものもなくしてしまいました。
強い大将の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それから、幾月いくつきがなかったのであります。やぐらにのぼって見張みはりをしていた家来けらいが、あわててりてきて、
春の日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
飛騨守ひだのかみ家来けらい、あわてて帰っていく玄関への廊下で、入れちがいにはいってきた堀口但馬ほりぐちたじまの臣と、れちがい、
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
おもって、家来けらいにいいつけて摂津国せっつのくにかたくおまもらせになりました。
赤い玉 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「おやいけねえ。いくらしゅ家来けらいでも、あっしにばかり、つみをなするなひどうげしょう」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
最後にその蜂がぶんぶんと飛び出して、殿さまや家来けらいしたので、もうこらえてくれとあやまった、などという笑いの結末にもなっている。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
義朝よしともけて、方々ほうぼうげかくれているうちに、家来けらい長田忠致おさだのただむねというものにころされました。
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「ふん、それはおもしろい。てんぐでもおにでも、そいつをかして家来けらいにしてやろう。」
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
部屋の中には、国王や女王や侍女じじょ達や二三の家来けらいが、ぐるりと寝台を取り囲んでいました。
夢の卵 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「あ、ここが、三方ヶ原でございますか。——なるほど、広いもんだなあ。そして、おじさんたちは、やっぱり徳川とくがわさまのご家来けらいですか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで信田しのだもりへ大ぜい家来けらいれて狐狩きつねがりにたのでした。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ずらりとならんでいる家来けらいたちは、せきばらい一つせず、六兵衛の振舞ふるまいを見ています。
とんまの六兵衛 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
大将たいしょうは、わずかな家来けらいれて、そのみちいそがれました。
強い大将の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
桃太郎ももたろうと、三にんの家来けらいは、さっそく、このふねみました。
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
殿様とのさまはおこまりになって、また家来けらいたちに御相談ごそうだんをなさいました。
姨捨山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
他のすべての家来けらいが皆そむき去っても、有王だけはきっと最後まで守護していてくれるだろう。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
「なんで、せんだってぼくあそぼうといってんだときにこなかったのだい。きみぼく家来けらいになるといったんだろう。」
雪の国と太郎 (新字新仮名) / 小川未明(著)
っている主人しゅじんもおとも家来けらいたちも、さおになりました。
一本のわら (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そのあとから、家来けらいたちが、うまのくらやくつわをはずして、ついていきました。
一本のわら (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
家来けらいの一ぴき土間どまへもんどり打って転げ落ちこしってしまった。
鬼退治 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
そして、家来けらいなかから魔法使まほうつかいのじいさんをおびになりました。
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その中で宗任むねとうはそのままみやことどまって、義家よしいえ家来けらいになりたいというので、そばにいて使つかうことにしました。
八幡太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「これが王さまのお城です。ここへはいって家来けらいにしておもらいなさい。」と言いました。ウイリイは、すぐに、王さまのうまやのかしらのところへいって、
黄金鳥 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
おうさまは、あいするおきさき機嫌きげんそんじたとおぼされて、家来けらいめいじて、かねをおらしになりました。
春の日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「わしじゃよ。伊丹兵庫頭いたみひょうごのかみ家来けらい、加藤八弥太じゃよ」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
王子は、それを、家来けらいたちにめいじて、かたにかついではこばせました。
また家来けらい達に言いつけて、大きな日の丸のおうぎをこしらえさせました。
雷神の珠 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「登城を許せば、その方が、一門衆の不興ふきょうをうける事も、修理は、よう存じているが、思うて見い。修理は一門衆はもとより、家来けらいにも見離された乱心者じゃ。」
忠義 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「きっとかい。ぼく家来けらいになったのなら、かえりにっておれ。いっしょにかえるから、うそをいったら、今度こんどひどいめにあわしてやるから。」
雪の国と太郎 (新字新仮名) / 小川未明(著)
つな家来けらいもんのすきまからのぞいてみますと、白髪しらがのおばあさんが、つえをついて、かさをもって、もんそとっていました。
羅生門 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
国王や家来けらいたちは心配しんぱいしまして、もし高いところからちて怪我けがでもされるとたいへんだというので、いろいろいってきかせましたが、王子は平気でした。
強い賢い王様の話 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
うまはもちろんれい若月わかつきで、従者じゅうしゃ一人ひとり腰元こしもとほかに、二三にん家来けらいいてったのでございます。
けれども自分では大層たいそう上手じやうずなつもりで、自慢じまんをして家来けらいに見せますると、国王こくわうのいふ事だから、家来けらいが決してそむきませんで
詩好の王様と棒縛の旅人 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
家来けらいランプをともして持ちきたり、置いて帰りく。
その家来けらい渡辺綱わたなべのつな卜部季武うらべのすえたけ碓井貞光うすいのさだみつ坂田公時さかたのきんときという四にんつよ武士ぶしがいました。
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
老いたる家来けらい島太夫は眼をしばたたきながら云うのであった。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
間もなくおにどもは話を始めた。まず家来けらいの鬼がいった。
鬼退治 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
そうして、王子は、家来けらいたちに、その金の上ぐつを持たせて、王女たちから貴族きぞくのお姫さまたち、それから御殿じゅう、のこらずの足をためさせてみましたが、みんなだめでした。
なんて、力いっぱいからだまで曲げて叫んだりするもんですから、これではとてもいかんというので、プハラの町長さんも仕方なく、家来けらいを六人連れて警察に行って、署長さんに会いました。
毒もみのすきな署長さん (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そのとき義家よしいえ家来けらいたちにかって、
八幡太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
駕籠かごという乗物はもとはおごりであって、中流の家庭では、嫁は家来けらいに負わせてやったが、これには連尺のひつようが大きく、そのために足をのせる木を取りつけたものもあったという。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
かたはらひかへた備中びつちう家来けらい、サソクに南蛮鉄なんばんてつあぶみつて、なかさへぎつてした途端とたんに、ピシリとつた。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「なんでも出世しゅっせをするには、まずだれかえらい人の家来けらいになって、それからだんだんにしげなければならない。これこそいちばんえらい人のお屋敷やしきちがいない。」
一寸法師 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
わたくしはそこで忠実ちゅうじつ家来けらい腰元こしもと相手あいて余生よせいおくり、そしてそこでさびしくこの気息いきったのでございます。
ぼっちゃん、何かご用でございますか。私は、その指輪の家来けらいでございます。ですから、その指輪をはめていらっしゃる方のおっしゃる通りに、しなければならないのでございます。」と、言うのです。
くずれようとする幸吉を、長庵がくようにしていた。何事か?——と出て来た数人の家来けらい達に取りまかれて、関取せきとりのように大きな山城守が、スックと立って幸吉を見下ろしていた。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
と、家来けらいにお言いつけになりました。
家来けらいは どくそうに、
羅生門 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
北風きたかぜさん、なんというおいさましいんでしょう。数限かずかぎりないゆき家来けらいがおありなさるほかに、あのおおきながんや、がもまでが、みんなあなたの家来けらいなのです。
風と木 からすときつね (新字新仮名) / 小川未明(著)
君公くんこう賜物たまもののほうをはるかに重しとすべき議論も一通り立つから、僕とてもあながち絶対的に君公くんこう拝領物はいりょうぶつ家来けらいいのちより軽いと一般にいう訳ではないけれども
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「森蘭丸? 森蘭丸というのは、織田信長の家来けらいでしょう。そして、明智光秀が本能寺に夜討ようちをかけたとき、槍をもって奮戦し、そして、信長と一緒に討死うちじにした小姓こしょうかなんかのことでしょう」
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
大勢おおぜい家来けらい達に言いつけて、丈夫じょうぶなわの大きな網をこしらえさせ、これを庭の大木のまわりに張らせ、網につけた綱を一本引けば、網が大木の根下にすっかりかぶさってしまうようにしました。
雷神の珠 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「いやそうでない。家来けらいどもが、毎日まいにちおれ苦痛くつうわすれてはならないという、忠義ちゅうぎこころからあつさをこらえさせるのであろう。」とおもわれたこともあります
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
北風きたかぜは、かつて、ゆき家来けらいにして、野原のはらけていた時分じぶん、一ぽんぼううえに、うぐいすがとまっていて、北風きたかぜて、さも感歎かんたんしながら、
風と木 からすときつね (新字新仮名) / 小川未明(著)
お福さんは鼠が大黒天だいこくてん家来けらいであり、たまには小判を口にくわえてかえってくることもあるかのごとく、思っていた人々の附与した名のようだが、一方の嫁様または嫁がきみは伝来が弘くまた久しい。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
家来けらいとなうが、
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
私等わしらを見て盗賊どろぼうが旅人に掛ったのだと思って、鉄砲を撃って、其の玉が宇之助さんの胸へ当って、現在自分の家来けらいと知らずにあにさんが鉄砲でったと云って、おい/\泣きやんすから、わしも気の毒になって
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それから、宇治うじの山の上に絹の幕を張り、とばりを立てまわして、一人のご家来けらいを、りっぱな皇子のようにしたてて、その姿すがたが山の下からよく見えるように、とばりの一方をあけて、その中のいすにかけさせておおきになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
当時まだ「家来けらい」というものを日常身辺にもって暮していた上流の若い婦人たちが自分たちが坐っている前へおすしを運んで来るような身分の軽い少女に対して、風流の間にもはっきりと身分の差別を感じていたというのは、こわいように思える。
婦人と文学 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
許して下さい。わしが悪かったのです。許して下さい。もう決してごちそうをさらったりなんかしませんから。わしはもとからの悪い天狗ではありません。この姿の通り大天狗で、大勢おおぜいのからす天狗を家来けらいに持って、立派な行いをしていました。
天狗の鼻 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
この外にまだ三右衛門の妹で、小倉新田こくらしんでんの城主小笠原備後守貞謙おがさわらびんごのかみさだよし家来けらい原田某の妻になって、麻布あざぶくぼの小笠原邸にいるのがあるが、それは間に合わないで、酒井邸には来なかった。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
加賀かが宰相さいしょう治修はるなが家来けらい知行ちぎょう六百こく馬廻うままわやくを勤める細井三右衛門ほそいさんえもんと云うさむらいは相役衣笠太兵衛きぬがさたへえの次男数馬かずまと云う若者を打ちはたした。
三右衛門の罪 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
頼政よりまさおおせをうけたまわりますと、さっそく鎧胴よろいどうの上に直垂ひたたれ烏帽子えぼうしかぶって、丁七唱ちょうしちとなう猪早太いのはやたという二人ふたり家来けらいをつれて、御所ごしょのおにわにつめました。
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
先年せんねんあなたのおくに太子たいしあおりゅうくるまって、五百にん家来けらいしたがえて、はるばるひがしほうからくもの上をはしっておいでになって、ふる法華経ほけきょうの一かんっておいでになりました。」
夢殿 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「折角、御隠居さまの御病気に、かならずきき目のあるものを、持って来たというあッしを、かたくなに木戸をつくたあ、こいつあ変妙だ。いやしくも、家来けらい眷属けんぞくというものは、旦那だんなの身に、すこしでもためになることと聴きゃあ、百里をとおしとしねえのが作法——それを、どこまでも、突っ張るなんて——」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
王様は、このさけび声を聞くと、なにごとかとおもって、馬車の窓から首をお出しになりました、見ると、しきりにどなっているのは、これまでに、たびたび狩場かりばから、いろいろと、けっこうなえものを持ってきてくれた猫なので、王様はおそばの家来けらいに、はやく行って、カラバ侯爵こうしゃくをお助け申せ、といいつけました。