“けらい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
家来76.4%
家來6.6%
家隷5.7%
臣下3.8%
2.8%
家従0.9%
家臣0.9%
家郎0.9%
臣僕0.9%
資人0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこで信田しのだもりへ大ぜい家来けらいれて狐狩きつねがりにたのでした。けれども運悪うんわるく、一にちもりの中をまわっても一ぴき獲物えものもありません。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そこで天皇てんのう大勢おほぜい家來けらいたちをおつれになりそのながい/\丸木橋まるきばしうへをおわたりになつたといふことが、日本書紀につぽんしよきといふほんてゐます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
橋谷はついて来ていた家隷けらいに、外へ出て何時なんどきか聞いて来いと言った。家隷は帰って、「しまいの四つだけは聞きましたが、総体の桴数ばちかずはわかりません」
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「……一番部屋係り京二郎。二番部屋係り咲二郎。何んだこれは、臣下けらいどもではないか」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
けらいは手燭を高くあげながら監物の傍へ寄って来た。監物は刀を隻手に持ち代えてそれで指し示した。不動の木像を乗せた台が倒れて木像のみは依然として立っていた。
不動像の行方 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
其筋の人に頼んでも何故なにゆえか分らず、われほかに子なければ年老としおいいよいよ恋しく信州にのみ三人も家従けらいをやってさがさせたるに、からくも田原が探しいだして七蔵しちぞうという悪者よりそなたもらい受けんとしたるに
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
すかし申しこの婚姻相延あいのべ申候よう決行致し候なおまた近日参上つかまつり入りこみたる御話し委細申上もうしあぐべく心得に候えども差当り先日七蔵に渡され候金百円及び御礼の印までに金百円進上しおき候あいだ御受納下されたく不悉ふしつ 亀屋吉兵衛様へ岩沼子爵家従けらい田原栄作たはらえいさくとありて末書に珠運様とやらにも此旨このむね鶴声かくせい相伝あいつたえられたく候と筆を
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
言うに事をかいて、源さまのお身に変事などとは! 源様も、そちのような家臣けらいをもたれて、さぞおよろこびなされることでしょう。ひろい日本中に、源三郎さまに刃の立つ者が、一人でもいますか。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
召抱えられて見れば池田家の家郎けらい。池田家の家来となって見れば、主命に依って切腹仰付けられ、となって見る日になって見ると、お受けをしない訳にも行くまいから。諦めろッ
備前天一坊 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
「此の事なんぢにありしにる、またなんぢわが契約をわが爾に命じたる法憲のりを守らざりしによりて、我必ず爾より国を裂きはなして、これを爾の臣僕けらいに与ふべし。」
崇峻紀に物部守屋の資人けらいである捕鳥部万ととりべのよろずが官軍に抗し、自ら頸を刺して敗死したが、朝廷ではその屍体を八段に斬り、八ヶ国に散梟さんきょうしたと載せている。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)