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仰向
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あをむ
ふりがな文庫
“
仰向
(
あをむ
)” の例文
一廻
(
ひとまはり
)
くるりと
環
(
わ
)
にまはつて
前足
(
まへあし
)
をついて、
棒杭
(
ばうぐひ
)
の
上
(
うへ
)
へ
乗
(
の
)
つて、お
天気
(
てんき
)
を
見
(
み
)
るのであらう、
仰向
(
あをむ
)
いて
空
(
そら
)
を
見
(
み
)
た。
晴
(
は
)
れるといまに
行
(
ゆ
)
くよ。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
滝は、椅子におちて
仰向
(
あをむ
)
いてゐた。蜜柑の樹蔭の芝生だつた。滝の椅子の片肘には編物に没頭してゐる細君が凭つてゐた。此方側の肘にはFが凭つて、空を仰いでゐた。
籔のほとり
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
死骸
(
しがい
)
は
縹
(
はなだ
)
の
水干
(
すゐかん
)
に、
都風
(
みやこふう
)
のさび
烏帽子
(
ゑばうし
)
をかぶつた
儘
(
まま
)
、
仰向
(
あをむ
)
けに
倒
(
たふ
)
れて
居
(
を
)
りました。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
平次は
仰向
(
あをむ
)
けに寢たまゝ、面白さうに笑つて居ります。
銭形平次捕物控:113 北冥の魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
仰向
(
あをむ
)
いてゐるときあなたは楽しさうだ
小熊秀雄全集-08:詩集(7)恋愛詩篇
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
▼ もっと見る
按摩
(
あんま
)
は
其
(
その
)
仰向
(
あをむ
)
いて
打傾
(
うちかたむ
)
いた、
耳
(
みゝ
)
の
痒
(
かゆ
)
いのを
掻
(
か
)
きさうな
手
(
て
)
つきで、
右手
(
めて
)
に
持添
(
もちそ
)
へた
杖
(
つゑ
)
の
尖
(
さき
)
を、
輕
(
かる
)
く、コト/\コト/\と
彈
(
はじ
)
きながら
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
鼻筋
(
はなすぢ
)
の
象牙彫
(
ざうげぼり
)
のやうにつんとしたのが
難
(
なん
)
を
言
(
い
)
へば
強過
(
つよす
)
ぎる……かはりには
目
(
め
)
を
恍惚
(
うつとり
)
と、
何
(
なに
)
か
物思
(
ものおも
)
ふ
體
(
てい
)
に
仰向
(
あをむ
)
いた、
細面
(
ほそおも
)
が
引緊
(
ひきしま
)
つて
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
眩
(
まぶ
)
しさうに
仰向
(
あをむ
)
いた。
月
(
つき
)
は
時
(
とき
)
に
川浪
(
かはなみ
)
の
上
(
うへ
)
に
打傾
(
うちかたむ
)
き、
左右
(
さいう
)
に
薄雲
(
うすぐも
)
の
手
(
て
)
を
伸
(
の
)
べては、
思
(
おも
)
ふまゝに
光
(
ひかり
)
を
投
(
な
)
げ、
水
(
みづ
)
を
碎
(
くだ
)
いて、
十日
(
とをか
)
の
影
(
かげ
)
が
澄渡
(
すみわた
)
る。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
沈
(
しづ
)
んで
云
(
い
)
ふ。
果
(
はた
)
せる
哉
(
かな
)
、
殿
(
しんがり
)
の
痩按摩
(
やせあんま
)
で、
恁
(
か
)
う
口
(
くち
)
をきく
時
(
とき
)
、
靄
(
もや
)
を
漕
(
こ
)
ぐ、
杖
(
つゑ
)
を
櫂
(
かい
)
に、
斜
(
なゝ
)
めに
握
(
にぎ
)
つて、
坂
(
さか
)
の二三
歩
(
ぽ
)
低
(
ひく
)
い
處
(
ところ
)
に、
伸上
(
のびあが
)
るらしく
仰向
(
あをむ
)
いて
居
(
ゐ
)
た。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
膚
(
はだ
)
を
蔽
(
おほ
)
うたとも
見
(
み
)
えないで、
美
(
うつくし
)
い
女
(
をんな
)
の
顏
(
かほ
)
がはらはらと
黒髮
(
くろかみ
)
を、
矢張
(
やつぱ
)
り、
同
(
おな
)
じ
絹
(
きぬ
)
の
枕
(
まくら
)
にひつたりと
着
(
つ
)
けて、
此方
(
こちら
)
むきに
少
(
すこ
)
し
仰向
(
あをむ
)
けに
成
(
な
)
つて
寢
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
ます。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
わつといつた
顔
(
かほ
)
へ
一波
(
ひとなみ
)
かぶつて、
呼吸
(
いき
)
をひいて
仰向
(
あをむ
)
けに
沈
(
しづ
)
むだから、
面
(
めん
)
くらつて
立
(
た
)
たうとするとまた
倒
(
たふ
)
れて
眼
(
め
)
がくらむで、アツとまたいきをひいて
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
餘
(
あんま
)
りですから、
主人
(
あるじ
)
が
引返
(
ひつかへ
)
さうとした
時
(
とき
)
です……
藥賣
(
くすりうり
)
の
坊主
(
ばうず
)
は、
柄
(
え
)
のない
提灯
(
ちやうちん
)
を
高々
(
たか/″\
)
と
擧
(
あ
)
げて、
椎
(
しひ
)
の
樹
(
き
)
の
梢越
(
こずゑご
)
しに、
大屋根
(
おほやね
)
でも
見
(
み
)
るらしく、
仰向
(
あをむ
)
いて
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
言
(
い
)
ふ。
其處
(
そこ
)
へ
花籠
(
はなかご
)
から、
一本
(
ひともと
)
白百合
(
しらゆり
)
がはらりと
仰向
(
あをむ
)
けに
溢
(
こぼ
)
れて
落
(
お
)
ちた……ちよろ/\
流
(
なが
)
れに
影
(
かげ
)
も
宿
(
やど
)
る……
百合
(
ゆり
)
はまた
鹿
(
か
)
の
子
(
こ
)
も、
姫
(
ひめ
)
も、ばら/\と
續
(
つゞ
)
いて
溢
(
こぼ
)
れた。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
そ
)
の
行
(
ゆ
)
く
處
(
ところ
)
、
飛
(
と
)
ぶ
處
(
ところ
)
へ、
人
(
ひと
)
のからだを
持
(
も
)
つて
行
(
い
)
つて、
仰向
(
あをむ
)
けにも、
俯向
(
うつむか
)
せにもたゝきつけるのです。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あ、」と
離
(
はな
)
すと、
爪
(
つめ
)
を
袖口
(
そでくち
)
に
縋
(
すが
)
りながら、
胸毛
(
むなげ
)
を
倒
(
さかさ
)
に
仰向
(
あをむ
)
きかゝつた、
鸚鵡
(
あうむ
)
の
翼
(
つばさ
)
に、
垂々
(
たら/\
)
と
鮮血
(
からくれなゐ
)
。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
それ
)
が
貴方
(
あなた
)
……
變
(
へん
)
な
事
(
こと
)
には、
病室
(
びやうしつ
)
で、
私
(
わたし
)
の
寢臺
(
ねだい
)
の
上
(
うへ
)
に、
然
(
さ
)
うやつて
仰向
(
あをむ
)
けに
寢
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
ますんでせう。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
下
(
した
)
へ
行
(
ゆ
)
くと
學士
(
がくし
)
の
背廣
(
せびろ
)
が
明
(
あかる
)
いくらゐ、
今
(
いま
)
を
盛
(
さかり
)
と
空
(
そら
)
に
咲
(
さ
)
く。
枝
(
えだ
)
も
梢
(
こずゑ
)
も
撓
(
たわゝ
)
に
滿
(
み
)
ちて、
仰向
(
あをむ
)
いて
見上
(
みあ
)
げると
屋根
(
やね
)
よりは
丈
(
たけ
)
伸
(
の
)
びた
樹
(
き
)
が、
對
(
つゐ
)
に
並
(
なら
)
んで
二株
(
ふたかぶ
)
あつた。
李
(
すもゝ
)
の
時節
(
じせつ
)
でなし、
卯木
(
うつぎ
)
に
非
(
あら
)
ず。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
見
(
み
)
まい、
見
(
み
)
まいの
氣
(
き
)
が
逆上
(
うはず
)
つて、ものの
見
(
み
)
えるは
目
(
め
)
のあるため、と
何
(
なん
)
とか
申
(
まを
)
す
藥
(
くすり
)
を、
枕
(
まくら
)
をかいもの、
仰向
(
あをむ
)
けに、
髮
(
かみ
)
を
縛
(
しば
)
つた
目
(
め
)
の
中
(
なか
)
へ
點滴
(
したゝ
)
らして、
其
(
そ
)
の
兩眼
(
りやうがん
)
を、
盲
(
めくら
)
にした、と
云
(
い
)
ふのであります。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
椰子
(
やし
)
、
檳榔子
(
びんらうじ
)
の
生
(
は
)
え
茂
(
しげ
)
つた
山
(
やま
)
に
添
(
そ
)
つて、
城
(
しろ
)
のやうに
築上
(
つきあ
)
げた、
煉瓦造
(
れんぐわづくり
)
がづらりと
並
(
なら
)
んで、
矢間
(
やざま
)
を
切
(
き
)
つた
黒
(
くろ
)
い
窓
(
まど
)
から、
弩
(
いしびや
)
の
口
(
くち
)
がづん、と
出
(
で
)
て、
幾
(
いく
)
つも
幾
(
いく
)
つも
仰向
(
あをむ
)
けに、
星
(
ほし
)
を
呑
(
の
)
まうとして
居
(
ゐ
)
るのよ……
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「あれ! お
聞
(
き
)
き、」と
涙聲
(
なみだごゑ
)
で、
枕
(
まくら
)
も
上
(
あが
)
らぬ
寢床
(
ねどこ
)
の
上
(
うへ
)
の
露草
(
つゆくさ
)
の、がツくりとして
仰向
(
あをむ
)
けの
淋
(
さびし
)
い
素顏
(
すがほ
)
に
紅
(
べに
)
を
含
(
ふく
)
んだ、
白
(
しろ
)
い
頬
(
ほゝ
)
に、
蒼
(
あを
)
みのさした、うつくしい、
妹
(
いもうと
)
の、ばさ/\した
天神髷
(
てんじんまげ
)
の
崩
(
くづ
)
れたのに
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
仰
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
向
常用漢字
小3
部首:⼝
6画
“仰向”で始まる語句
仰向反
仰向様