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仕上
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しあ
ふりがな文庫
“
仕上
(
しあ
)” の例文
おつぎはそれから
村内
(
そんない
)
へ
近所
(
きんじよ
)
の
娘
(
むすめ
)
と
共
(
とも
)
に
通
(
かよ
)
つた。おつぎは
與吉
(
よきち
)
の
小
(
ちひ
)
さな
單衣
(
ひとへもの
)
を
仕上
(
しあ
)
げた
時
(
とき
)
其
(
そ
)
の
風呂敷包
(
ふろしきづゝみ
)
を
抱
(
かゝ
)
へていそ/\と
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
処
(
ところ
)
で、
一刻
(
いつこく
)
も
疾
(
はや
)
く
仕上
(
しあ
)
げにしやうと
思
(
おも
)
ふから、
飯
(
めし
)
も
手掴
(
てづか
)
みで、
水
(
みづ
)
で
嚥下
(
のみおろ
)
す
勢
(
いきほひ
)
、
目
(
め
)
を
据
(
す
)
えて
働
(
はたら
)
くので、
日
(
ひ
)
も
時間
(
じかん
)
も、
殆
(
ほと
)
んど
昼夜
(
ちうや
)
の
見境
(
みさかひ
)
はない。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それゆえせめての
心
(
こころ
)
から、あたしがいつも
夢
(
ゆめ
)
に
見
(
み
)
るお
前
(
まえ
)
のお七を、
由斎
(
ゆうさい
)
さんに
仕上
(
しあ
)
げてもらって、ここまで
内緒
(
ないしょ
)
で
運
(
はこ
)
んだ
始末
(
しまつ
)
。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
……わたしはこの温泉
宿
(
やど
)
にもう
一月
(
ひとつき
)
ばかり
滞在
(
たいざい
)
しています。が、
肝腎
(
かんじん
)
の「風景」はまだ一枚も
仕上
(
しあ
)
げません。
温泉だより
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「だが、何と言っても、職人は関東さね。江戸一円の、こう、気の荒っぽいやつに限らあね。
土台
(
どだい
)
、
仕上
(
しあ
)
げが違う——何をしてるッ! 早く行かねえかッ!」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
それは
差支
(
さしつかえ
)
ない。そなたを
爰
(
ここ
)
まで
仕上
(
しあ
)
げるのには、
守護霊
(
しゅごれい
)
さんの
方
(
ほう
)
でも
蔭
(
かげ
)
で一と
方
(
かた
)
ならぬ
骨折
(
ほねおり
)
じゃった。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
この
店
(
みせ
)
の
主人
(
しゅじん
)
は、やはり
小僧
(
こぞう
)
から
今
(
いま
)
の
身代
(
しんだい
)
に
仕上
(
しあ
)
げた
人
(
ひと
)
だけあって、
奉公人
(
ほうこうにん
)
に
対
(
たい
)
しても
同情
(
どうじょう
)
が
深
(
ふか
)
かったのでした。
信吉
(
しんきち
)
が
病気
(
びょうき
)
にかかると、さっそく
医者
(
いしゃ
)
に
見
(
み
)
せてくれました。
風雨の晩の小僧さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
机の上を見ると、落第と云ふ字が美事に
彫
(
ほ
)
つてある。余程
閑
(
ひま
)
に
任
(
まか
)
せて
仕上
(
しあ
)
げたものと見えて、堅い
樫
(
かし
)
の板を奇麗に
切
(
き
)
り込んだ手際は
素人
(
しらうと
)
とは思はれない。深刻の出来である。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
この邊りには彼等のやうな人達は今もゐないが、これ迄にもなかつたさうで、彼等は三人乍ら、未だ口もまはらない内から本に親しみ、また彼等はいつもみんな獨學で
仕上
(
しあ
)
げたのであつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
且つ
堀
(
ほ
)
り且つ
運
(
はこ
)
び多くの
勞力
(
ろうりよく
)
を費して
仕上
(
しあ
)
げたるものならん。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
塞
(
ふさ
)
げない事になつて
何
(
な
)
にも
彼
(
か
)
にも
免
(
まぬか
)
れぬ
弊風
(
へいふう
)
といふのが
時世
(
ときよ
)
なりけりで今では
極点
(
きよくてん
)
に
達
(
たつ
)
したのだ
髪
(
かみ
)
だけは
曰
(
いは
)
く
有
(
あ
)
つて
奇麗
(
きれい
)
にする
年紀
(
としごろ
)
の娘がせつせと
内職
(
ないしよく
)
に
夜
(
よ
)
の目も合はさぬ時は
算筆
(
さんぴつ
)
なり
裁縫
(
さいほう
)
なり第一は
起居
(
たちゐ
)
なりに
習熟
(
しうじよく
)
すべき時は五十
仕上
(
しあ
)
げた
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
勘次
(
かんじ
)
はお
品
(
しな
)
がどうにか
始末
(
しまつ
)
をして
置
(
お
)
いた
麥藁俵
(
むぎわらだはら
)
を
明
(
あ
)
けて
仕上
(
しあ
)
げた
計
(
ばか
)
りの
藁俵
(
わらだはら
)
へ
米
(
こめ
)
を
量
(
はか
)
り
込
(
こ
)
んだ。
米
(
こめ
)
には
赤
(
あか
)
い
粒
(
つぶ
)
もあつたが
籾
(
あら
)
が
少
(
すこ
)
し
交
(
まじ
)
つて
居
(
ゐ
)
てそれが
目
(
め
)
に
立
(
た
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
少
(
わか
)
いものを
唆
(
そゝの
)
かして、
徒労力
(
むだぼね
)
を
折
(
を
)
らせると
何故
(
あぜ
)
で
言
(
い
)
ふのぢや。
御坊
(
ごばう
)
、
飛騨山
(
ひだやま
)
の
菊松
(
きくまつ
)
が、
烏帽子
(
えばうし
)
を
冠
(
かぶ
)
つて、
向顱巻
(
むかふはちまき
)
を
為
(
し
)
て
手伝
(
てつだ
)
つて、
見事
(
みごと
)
に
仕上
(
しあ
)
げさせたら
何
(
なん
)
とする。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あっしもきょうまで、これぞと
思
(
おも
)
った
人形
(
にんぎょう
)
を、七つや十はこさえて
来
(
き
)
たが、これさえ
仕上
(
しあ
)
げりゃ、
死
(
し
)
んでもいいと
思
(
おも
)
った
程
(
ほど
)
、
精魂
(
せいこん
)
を
打
(
うち
)
込
(
こ
)
んだ
作
(
さく
)
はしたこたァなかった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
海
(
うみ
)
の
修行場
(
しゅぎょうば
)
の
話
(
はなし
)
はこれで
切
(
き
)
り
上
(
あ
)
げますが、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
この
修行場
(
しゅぎょうば
)
は
私
(
わたくし
)
にとりて
最後
(
さいご
)
の
仕上
(
しあ
)
げの
場所
(
ばしょ
)
で、そして
私
(
わたくし
)
はこの
時
(
とき
)
に
神様
(
かみさま
)
から
修行
(
しゅぎょう
)
終了
(
しゅうりょう
)
の
仰
(
おお
)
せを
戴
(
いただ
)
いたのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
虎の皮だとかいふ周囲のものが、自然に一種一定の表情を引き起す様になつて
来
(
き
)
て、其習慣が次第に
他
(
ほか
)
の表情を圧迫する程強くなるから、まあ大抵なら、此
眼付
(
めつき
)
を此儘で
仕上
(
しあ
)
げて
行
(
い
)
けば
好
(
い
)
いんだね。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
だが、
今度
(
こんど
)
の
仕事
(
しごと
)
ばかりァそうじゃァねえ。この
生人形
(
いきにんぎょう
)
さえ
仕上
(
しあ
)
げたら、たとえあすが
日
(
ひ
)
、
血
(
ち
)
へどを
吐
(
は
)
いてたおれても、
決
(
けっ
)
して
未練
(
みれん
)
はねえと、
覚悟
(
かくご
)
をきめての
真剣勝負
(
しんけんしょうぶ
)
だ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
其
(
そ
)
の
賃錢
(
ちんせん
)
によつて
其
(
そ
)
の
土地
(
とち
)
を
深
(
ふか
)
くも
淺
(
あさ
)
くも
速
(
はや
)
くも
遲
(
おそ
)
くも
仕上
(
しあ
)
げることを
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
竹林
(
ちくりん
)
を
開墾
(
かいこん
)
した
時
(
とき
)
彼
(
かれ
)
は
根
(
ね
)
の
閉
(
と
)
ぢた
儘
(
まゝ
)
一
坪
(
つぼ
)
の
大
(
おほ
)
きさを
只
(
たゞ
)
四
(
よ
)
つの
塊
(
かたまり
)
に
掘
(
ほ
)
り
起
(
おこ
)
したことがある。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
イヤ
一人
(
ひとり
)
の
小供
(
こども
)
を
満足
(
まんぞく
)
に
仕上
(
しあ
)
げるにはなかなか
並大抵
(
なみたいてい
)
の
苦心
(
くしん
)
ではござらぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
畏
(
かしこ
)
まりて
何某
(
なにがし
)
より、
鳥籠
(
とりかご
)
の
高
(
たか
)
さ
七尺
(
しちしやく
)
、
長
(
なが
)
さ
二尺
(
にしやく
)
、
幅
(
はゞ
)
六尺
(
ろくしやく
)
に
造
(
つく
)
りて、
溜塗
(
ためぬり
)
になし、
金具
(
かなぐ
)
を
据
(
す
)
ゑ、
立派
(
りつぱ
)
に
仕上
(
しあ
)
ぐるやう
作事奉行
(
さくじぶぎやう
)
に
申渡
(
まをしわた
)
せば、
奉行
(
ぶぎやう
)
其旨
(
そのむね
)
承
(
うけたまは
)
りて、
早速
(
さつそく
)
城下
(
じやうか
)
より
細工人
(
さいくにん
)
の
上手
(
じやうず
)
なるを
召出
(
めしい
)
だし
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
仕
常用漢字
小3
部首:⼈
5画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“仕上”で始まる語句
仕上げ
仕上入倉簿