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艷
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つや
ふりがな文庫
“
艷
(
つや
)” の例文
新字:
艶
艷
(
つや
)
の消された水色と、灰色がかって爽やかな緑で調和している風景は、車窓から眺めている伸子にシャヷンヌの色調を思い出させた。
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
惟
(
おも
)
ふに、
描
(
ゑが
)
ける
美人
(
びじん
)
は、
活
(
い
)
ける
醜女
(
しうぢよ
)
よりも
可
(
か
)
也
(
なり
)
。
傳
(
つた
)
へ
聞
(
き
)
く、
漢
(
かん
)
の
武帝
(
ぶてい
)
の
宮人
(
きうじん
)
麗娟
(
りけん
)
、
年
(
とし
)
はじめて十四。
玉
(
たま
)
の
膚
(
はだへ
)
艷
(
つや
)
やかにして
皓
(
しろ
)
く、
且
(
か
)
つ
澤
(
うるほ
)
ふ。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
無論
(
むろん
)
小六
(
ころく
)
よりも
御米
(
およね
)
の
方
(
はう
)
が
年上
(
としうへ
)
であるし、
又
(
また
)
從來
(
じゆうらい
)
の
關係
(
くわんけい
)
から
云
(
い
)
つても、
兩性
(
りやうせい
)
を
絡
(
から
)
み
付
(
つ
)
ける
艷
(
つや
)
つぽい
空氣
(
くうき
)
は、
箝束的
(
けんそくてき
)
な
初期
(
しよき
)
に
於
(
おい
)
てすら、
二人
(
ふたり
)
の
間
(
あひだ
)
に
起
(
おこ
)
り
得
(
う
)
べき
筈
(
はず
)
のものではなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
眞黒
(
まつくろ
)
な
艷
(
つや
)
の
佳
(
い
)
い
洋犬
(
かめ
)
が一
匹
(
ぴき
)
、
腮
(
あご
)
を
地
(
ぢ
)
に
着
(
つ
)
けて
臥
(
ねそ
)
べつて、
耳
(
みゝ
)
を
埀
(
た
)
れたまゝ
是
(
こ
)
れ
亦
(
また
)
尾
(
を
)
をすら
動
(
うご
)
かさず、
廣庭
(
ひろには
)
の
仲間
(
なかま
)
に
加
(
くは
)
はつて
居
(
ゐ
)
た。そして
母屋
(
おもや
)
の
入口
(
いりくち
)
の
軒陰
(
のきかげ
)
から
燕
(
つばめ
)
が
出
(
で
)
たり
入
(
はひ
)
つたりして
居
(
ゐ
)
る。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
この
面影
(
おもかげ
)
が、ぬれ
色
(
いろ
)
の
圓髷
(
まるまげ
)
の
艷
(
つや
)
、
櫛
(
くし
)
の
照
(
てり
)
とともに、
柳
(
やなぎ
)
をすべつて、
紫陽花
(
あぢさゐ
)
の
露
(
つゆ
)
とともに、
流
(
ながれ
)
にしたゝらうといふ
寸法
(
すんぱふ
)
であつたらしい。……
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
吉之助、なかなか、いいねと素子が云ったとき、伸子は素子の眼や頬がいつもとちがった
艷
(
つや
)
やかさをたたえているのを感じた。
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
嫁
(
よめ
)
はお
艷
(
つや
)
と
云
(
い
)
つて、
同國
(
どうこく
)
一
(
いち
)
ノ
宮
(
みや
)
の
百姓
(
ひやくしやう
)
喜兵衞
(
きへゑ
)
の
娘
(
むすめ
)
で、
兄
(
あに
)
元太郎
(
もとたらう
)
の
此
(
これ
)
が
女房
(
にようばう
)
。
束
(
たば
)
ね
髮
(
がみ
)
で、かぶつては
居
(
ゐ
)
るけれども、
色白
(
いろじろ
)
で
眉容
(
きりやう
)
の
美
(
うつく
)
しいだけに
身體
(
からだ
)
が
弱
(
よわ
)
い。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
顔のよこにたらしている
艷
(
つや
)
のない栗色の捲髪をときどき手で払いながら、テーブルに片肱をかけ、鼻にかかる声を一層ひっぱってできるだけ大人の女のように蜂谷と話している。
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
お
艷
(
つや
)
は
死
(
しに
)
ものぐるひな、
小助
(
こすけ
)
を
突飛
(
つきと
)
ばしたなり、
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
へ
逃
(
に
)
げた。が、
壁
(
かべ
)
の
隅
(
すみ
)
へばつたり
倒
(
たふ
)
れたまゝ
突臥
(
つツぷ
)
して、
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
つてもたゞさめ/″\と
泣
(
な
)
くのである。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
祖母は気の毒なほどいやな顔をして炉の
四辺
(
まわり
)
に
艷
(
つや
)
ぶきんをゆるゆるとかけたり、あっちこっちから来た封筒を二つに割って手拭反古を作ったりして菊太の帰って呉れるのを待って居る。
農村
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
藥
(
くすり
)
を
煎
(
せん
)
じて、
盆
(
ぼん
)
は
兀
(
は
)
げたが、
手
(
て
)
は
白
(
しろ
)
い。お
艷
(
つや
)
が、
納戸
(
なんど
)
へ
持
(
も
)
つて
行
(
ゆ
)
く、と
蒲團
(
ふとん
)
に
寢
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
ながら
手
(
て
)
を
出
(
だ
)
した。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
小春時
(
こはるどき
)
の
一枚小袖
(
いちまいこそで
)
、
藍
(
あゐ
)
と
紺
(
こん
)
の
小辨慶
(
こべんけい
)
、
黒繻子
(
くろじゆす
)
の
帶
(
おび
)
に、
又
(
また
)
緋
(
ひ
)
の
扱帶
(
しごき
)
……
髷
(
まげ
)
に
水色
(
みづいろ
)
の
絞
(
しぼ
)
りの
手絡
(
てがら
)
。
艷
(
つや
)
の
雫
(
しづく
)
のしたゝる
鬢
(
びん
)
に、ほんのりとした
耳
(
みゝ
)
のあたり、
頸許
(
えりもと
)
の
美
(
うつく
)
しさ。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
そ
)
の
背
(
せい
)
の
高
(
たか
)
いのは、
極
(
きは
)
めて、
品
(
ひん
)
の
可
(
よ
)
い
艷
(
つや
)
やかな
圓髷
(
まるまげ
)
で
顯
(
あらは
)
れる。
少
(
わか
)
いのは
時々
(
より/\
)
に
髮
(
かみ
)
が
違
(
ちが
)
ふ、
銀杏返
(
いてふがへ
)
しの
時
(
とき
)
もあつた、
高島田
(
たかしまだ
)
の
時
(
とき
)
もあつた、
三輪
(
みつわ
)
と
云
(
い
)
ふのに
結
(
ゆ
)
つても
居
(
ゐ
)
た。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
組
(
くみ
)
は、しかけた
用
(
よう
)
の
忙
(
せは
)
しい
折
(
をり
)
から、
冬
(
ふゆ
)
の
日
(
ひ
)
は
早
(
は
)
や
暮
(
く
)
れかゝる、ついありあはせた
躾
(
たしなみ
)
の
紅筆
(
べにふで
)
で、
懷紙
(
くわいし
)
へ、
圓髷
(
まるまげ
)
の
鬢
(
びん
)
艷
(
つや
)
やかに、もみぢを
流
(
なが
)
す……うるはしかりし
水莖
(
みづぐき
)
のあと。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
唯
(
ト
)
、
夫人
(
ふじん
)
の
居室
(
ゐま
)
に
當
(
あた
)
る、
甘
(
あま
)
くして
艷
(
つや
)
つぽく、
色
(
いろ
)
の
濃
(
こ
)
い、
唐
(
から
)
の
桐
(
きり
)
の
花
(
はな
)
の
咲
(
さ
)
いた
窓
(
まど
)
の
下
(
した
)
に、
一人
(
ひとり
)
影
(
かげ
)
暖
(
あたゝ
)
かく
彳
(
たゝず
)
んだ、
少年
(
せうねん
)
の
書生
(
しよせい
)
の
姿
(
すがた
)
がある。
其
(
そ
)
の
人
(
ひと
)
、
形容
(
けいよう
)
、
都
(
と
)
にして
麗
(
れい
)
なり、と
書
(
か
)
いてある。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
仙人
(
せんにん
)
が、あの
廣
(
ひろ
)
い
袖
(
そで
)
の
中
(
なか
)
から、
眞紅
(
まつか
)
な、
粘々
(
ねば/\
)
した、
艷
(
つや
)
のある、
蛇
(
へび
)
の
鱗
(
うろこ
)
のやうな
編方
(
あみかた
)
した、
一條
(
ひとすぢ
)
の
紐
(
ひも
)
を
出
(
だ
)
して
絲
(
いと
)
ほどにも、
身
(
み
)
の
動
(
うご
)
きませんほど、
手足
(
てあし
)
を
其
(
そ
)
の
大木
(
たいぼく
)
に
確乎
(
しつかり
)
結
(
いは
)
へて、
綿
(
わた
)
の
丸
(
まる
)
けた
球
(
たま
)
を
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
春着
(
はるぎ
)
につけても、
一
(
ひと
)
つ
艷
(
つや
)
つぽい
處
(
ところ
)
をお
目
(
め
)
に
掛
(
か
)
けよう。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
艷
部首:⾊
24画
“艷”を含む語句
艷麗
艷々
優艷
妖艷無比
色艷
艷冶
艷女
艷書
艷増
艷談
艷色
艷種
艷福
艷氣
濃艷
幽艷
冷艷