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喜兵衞
嫁はお
艷と
云つて、
同國一ノ
宮の
百姓喜兵衞の
娘で、
兄元太郎の
此が
女房。
束ね
髮で、かぶつては
居るけれども、
色白で
眉容の
美しいだけに
身體が
弱い。
私しなすは此上もなき
不屆者伊東半右衞門は
揚屋入申付下役二人は留守居へ
預け
遣す
急度戒め置と言渡され傳吉は出牢の上
手當して宿預け言付
下られけり又
極月十日傳吉お專與惣次
喜兵衞勘右衞門等を
其処は濡れて居りまして誠に汚のうございますが、サ、
何うぞ
此方へ入らっしゃいまして……奥の
喜兵衞さんが願って呉れたのだから…誠に有難う存じまして