“頸許”の読み方と例文
読み方割合
えりもと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と云って、欣七郎はお桂ちゃんの雪の頸許えりもとに、くすぐったそうな目をった。が、夫人は振向きもしなかった。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小春時こはるどき一枚小袖いちまいこそであゐこん小辨慶こべんけい黒繻子くろじゆすおびに、また扱帶しごき……まげ水色みづいろしぼりの手絡てがらつやしづくのしたゝるびんに、ほんのりとしたみゝのあたり、頸許えりもとうつくしさ。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
頸許えりもとがふと気になると、尾をいて、ばらばらと玉が走る。窓の硝子をすかして、しずくのその、ひやりと冷たく身に染むのを知っても、雨とは思わぬほど、実際うわの空でいたのであった。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)