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終日
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しゅうじつ
ふりがな文庫
“
終日
(
しゅうじつ
)” の例文
夏
(
なつ
)
になるとそれらが、
赤
(
あか
)
・
黄
(
き
)
・
緑
(
みどり
)
、さまざまの
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
いて
美
(
うつく
)
しかったのです。ちょうや、はちは、
終日
(
しゅうじつ
)
花
(
はな
)
の
上
(
うえ
)
を
飛
(
と
)
びまわっていました。
青いランプ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
殊
(
こと
)
に、その前々日は
終日
(
しゅうじつ
)
家にいて床についていたし、その前日は、
炬燵
(
こたつ
)
の中で終日、日米関係の本を読んでいた始末であった。
三重宙返りの記
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
死んだ
黒
(
くろ
)
の
兄
(
あに
)
が矢張黒と云った。遊びに来ると、
白
(
しろ
)
が烈しく
妬
(
ねた
)
んだ。主人等が黒に愛想をすると、白は思わせぶりに
終日
(
しゅうじつ
)
影を見せぬことがあった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
桜井の家は
蓮正寺
(
れんしょうじ
)
の近所で、お
詣
(
まい
)
りの
鰐口
(
わにぐち
)
の音が
終日
(
しゅうじつ
)
聞こえる。清三は熊谷に行くと、きっとこの二人を訪問した。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
寒暖計の水銀は
零
(
れい
)
点下三十度にくだる日が少なくなかった。少年らは
終日
(
しゅうじつ
)
室内から一歩も出ることはできない。かれらは喜んで富士男の
指揮
(
しき
)
にしたがった。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
▼ もっと見る
そこでも
彼
(
かれ
)
は
宿
(
やど
)
から
出
(
で
)
ずに、
終日
(
しゅうじつ
)
相変
(
あいかわ
)
らず
長椅子
(
ながいす
)
の
上
(
うえ
)
に
転
(
ころ
)
がり、
相変
(
あいかわ
)
らず
友
(
とも
)
の
挙動
(
きょどう
)
に
愛想
(
あいそう
)
を
尽
(
つ
)
かしている。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
船長は午後の約三十分、後甲板へ出てくる以外は、
終日
(
しゅうじつ
)
自分の部屋にとじこもっていた。
世界怪談名作集:09 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
谷川の水に
終日
(
しゅうじつ
)
首までつかっていたり、重い荷を背負って山道を上がり下りしたり、むずかしい書物を何千回も写し直したり、一月の間も無言でいたり、いろんな辛いことがありました。
手品師
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
ゆえに
雨天
(
うてん
)
の日は
終日
(
しゅうじつ
)
開かなく、また夜中もむろん
閉
(
と
)
じている。閉じるとその形が
筆
(
ふで
)
の
頴
(
ほ
)
の形をしていて
捩
(
ねじ
)
れたたんでいる。色は
藍紫色
(
らんししょく
)
で外は往々
褐紫色
(
かっししょく
)
を
呈
(
てい
)
しているが、まれに白花のものがある。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
机の前におりながら、
終日
(
しゅうじつ
)
木枯
(
こがらし
)
に
吹
(
ふ
)
き
曝
(
さら
)
されたかのごとくに見える。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その日のヘルマンは
終日
(
しゅうじつ
)
、不思議に興奮していた。
世界怪談名作集:03 スペードの女王
(新字新仮名)
/
アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキン
(著)
終日
(
しゅうじつ
)
語
(
かた
)
って一
語
(
ご
)
も
語
(
かた
)
らず。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
そして、一
時
(
じ
)
のように、
重
(
おも
)
いものを
持
(
も
)
ったり、
終日
(
しゅうじつ
)
働
(
はたら
)
きつづけるというようなことは、いまでは
困難
(
こんなん
)
を
感
(
かん
)
じられたのであります。
老工夫と電灯:――大人の童話――
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
博士自身も、この研究所に
自
(
みずか
)
ら一分科を担任して、
終日
(
しゅうじつ
)
試験管やレトルトの
側
(
そば
)
をはなれない。その研究題目は「化学による生物の人造法」というのである。
国際殺人団の崩壊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
雨は
終日
(
しゅうじつ
)
やまなかった。
硬
(
こわ
)
い
田舎
(
いなか
)
の豚肉も二人を
淡
(
あわ
)
く酔わせるには十分であった。二人は高等師範のことやら、旧友のことやら、戦争のことやらをあかず語った。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
田圃の小川では、
葭切
(
よしきり
)
が口やかましく
終日
(
しゅうじつ
)
騒
(
さわ
)
いで居る。
杜鵑
(
ほととぎす
)
が
啼
(
な
)
いて行く夜もある。
梟
(
ふくろう
)
が鳴く日もある。
水鶏
(
くいな
)
がコト/\たゝく
宵
(
よい
)
もある。螢が出る。
蝉
(
せみ
)
が鳴く。蛙が鳴く。蚊が出る。ブヨが出る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ただ地理学教授法を訳して露命を
繋
(
つな
)
いでいるようでは馬車馬が
秣
(
まぐさ
)
を食って
終日
(
しゅうじつ
)
馳
(
か
)
けあるくと変りはなさそうだ。おれにはおれがある。このおれを出さないでぶらぶらと死んでしまうのはもったいない。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そのはずで、いくら、
木々
(
きぎ
)
のつぼみはふくらんできましても、この
垣根
(
かきね
)
の
内側
(
うちがわ
)
には、
暖
(
あたた
)
かな
太陽
(
たいよう
)
が
終日
(
しゅうじつ
)
照
(
て
)
らすことがなかったからであります。
小さな草と太陽
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
店
(
みせ
)
は、
想像
(
そうぞう
)
したほど
大
(
おお
)
きくなかったが、
各種
(
かくしゅ
)
の
蓄音機
(
ちくおんき
)
や、
新型
(
しんがた
)
の
電蓄
(
でんちく
)
がならべてあり、レコードは、
終日
(
しゅうじつ
)
回転
(
かいてん
)
していました。
しいたげられた天才
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こうして
二人
(
ふたり
)
のものは、
終日
(
しゅうじつ
)
この
町
(
まち
)
の
中
(
なか
)
をむなしく
歩
(
ある
)
きまわって、
疲
(
つか
)
れて空腹を
感
(
かん
)
じて、
日暮
(
ひぐ
)
れ
方
(
がた
)
になると、どこへともなく
帰
(
かえ
)
ってゆくのでした。
黒い旗物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして、
終日
(
しゅうじつ
)
、そこで
笛
(
ふえ
)
を
吹
(
ふ
)
き、
唄
(
うた
)
をうたって、
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れるころになると、どこへか、
二人
(
ふたり
)
は
帰
(
かえ
)
ってゆきました。
港に着いた黒んぼ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
太陽
(
たいよう
)
は
終日
(
しゅうじつ
)
、
花
(
はな
)
の
上
(
うえ
)
を
明
(
あか
)
るく
照
(
て
)
らして、みつばちは、
朝
(
あさ
)
から
日
(
ひ
)
の
暮
(
く
)
れるまで、
花
(
はな
)
の
中
(
なか
)
をうなりつづけていました。
牛女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
路
(
みち
)
の
上
(
うえ
)
には、
重
(
おも
)
い
荷
(
に
)
を
載
(
の
)
せて
停車場
(
ていしゃじょう
)
にゆく
車
(
くるま
)
がつづいていました。また、
停車場
(
ていしゃじょう
)
からほかへ
運
(
はこ
)
んでゆく
車
(
くるま
)
などで、
終日
(
しゅうじつ
)
織
(
お
)
るがように
見
(
み
)
られたのであります。
くわの怒った話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
川
(
かわ
)
のふちに、あざみがつつましやかに
咲
(
さ
)
いていました。
終日
(
しゅうじつ
)
だれと
話
(
はなし
)
をするものもなく
咲
(
さ
)
いていたのです。
なまずとあざみの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
また
暮
(
く
)
らしにも
困
(
こま
)
らずに、
終日
(
しゅうじつ
)
、
日
(
ひ
)
のよく
当
(
あ
)
たるところに
出
(
で
)
て、ひなたぼっこをしていました。
ものぐさじじいの来世
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
太陽
(
たいよう
)
が、だんだん
方向
(
ほうこう
)
を
変
(
か
)
えて、レールの
上
(
うえ
)
がかげり、
地
(
ち
)
の
上
(
うえ
)
が
冷
(
つめ
)
たくなって、
下
(
した
)
の
枝
(
えだ
)
には
終日
(
しゅうじつ
)
、
日
(
ひ
)
の
当
(
あ
)
たらないことがあるようになってから、
彼
(
かれ
)
は、
高
(
たか
)
い
枝
(
えだ
)
にからんだ
雪くる前の高原の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
子供
(
こども
)
たちのするままになって、
終日
(
しゅうじつ
)
外
(
そと
)
へほうり
出
(
だ
)
されているようなこともありました。
あるまりの一生
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
男
(
おとこ
)
は
頭
(
あたま
)
の
髪
(
かみ
)
が
半分
(
はんぶん
)
白
(
しろ
)
くなりました。
鳥
(
とり
)
も
年
(
とし
)
をとってしまいました。
男
(
おとこ
)
は、
鳥
(
とり
)
の
焼
(
や
)
き
画
(
え
)
を
描
(
か
)
くことや、
象眼
(
ぞうがん
)
をすることが
上手
(
じょうず
)
でありました。
終日
(
しゅうじつ
)
、二
階
(
かい
)
の
一間
(
ひとま
)
で
仕事
(
しごと
)
をしていました。
あほう鳥の鳴く日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
波
(
なみ
)
の
音
(
おと
)
は、
無心
(
むしん
)
に、
終日
(
しゅうじつ
)
岸
(
きし
)
の
岩角
(
いわかど
)
にぶつかって、
砕
(
くだ
)
けて、しぶきをあげていました。
海のかなた
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この
騒
(
さわ
)
ぎに、あほう
鳥
(
どり
)
の
行方
(
ゆくえ
)
が、わからなくなりました。
男
(
おとこ
)
はどんなにか、そのことを
悲
(
かな
)
しんだでしょう。
彼
(
かれ
)
は、
焼
(
や
)
け
跡
(
あと
)
に
立
(
た
)
って、
終日
(
しゅうじつ
)
、あほう
鳥
(
どり
)
の
帰
(
かえ
)
ってくるのを
待
(
ま
)
っていました。
あほう鳥の鳴く日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
終日
(
しゅうじつ
)
、
風
(
かぜ
)
の
音
(
おと
)
と、
雨
(
あめ
)
の
音
(
おと
)
と、まれに
鳥
(
とり
)
の
声
(
こえ
)
しかしなかった
平原
(
へいげん
)
が、たちまちの
間
(
あいだ
)
に、
草
(
くさ
)
の
木
(
き
)
も
根
(
ね
)
こそぎにされて、
寸々
(
すんずん
)
にちぎられ、
空
(
そら
)
へ
吹
(
ふ
)
き
飛
(
と
)
ばされるような
大事件
(
だいじけん
)
が
持
(
も
)
ち
上
(
あ
)
がりました。
戦友
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
冬
(
ふゆ
)
の
間
(
あいだ
)
じゅう、二
匹
(
ひき
)
のねこは、このあたりの
屋根
(
やね
)
をすみかとし、
終日
(
しゅうじつ
)
、
日当
(
ひあ
)
たりをさがして、
歩
(
ある
)
いていました。そのうち、
春
(
はる
)
となるころには、
子
(
こ
)
ねこは、もうだいぶ
大
(
おお
)
きくなっていました。
どこかに生きながら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
峠
(
とうげ
)
に
立
(
た
)
つと
山
(
やま
)
の
奥
(
おく
)
にも
山
(
やま
)
が
重
(
かさ
)
なり
返
(
かえ
)
っていました。それらの
山々
(
やまやま
)
は、まだ
冬
(
ふゆ
)
の
眠
(
ねむ
)
りから
醒
(
さ
)
めずにいます。この
辺
(
へん
)
は
終日
(
しゅうじつ
)
人
(
ひと
)
の
影
(
かげ
)
を
見
(
み
)
ないところでした。ただ、
友
(
とも
)
を
呼
(
よ
)
ぶ、うぐいすの
声
(
こえ
)
がしました。
らんの花
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ちょうは、じっとして、
終日
(
しゅうじつ
)
、その
花
(
はな
)
の
上
(
うえ
)
に
止
(
と
)
まっていました。もとの
野原
(
のはら
)
へ
帰
(
かえ
)
ろうと
思
(
おも
)
っても、いまは
方角
(
ほうがく
)
すらわからないばかりか、
遠
(
とお
)
くて、
傷
(
きず
)
ついた
身
(
み
)
には、それすらできないことでありました。
ちょうと怒濤
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
日
(
ひ
)
は、
終日
(
しゅうじつ
)
がんたちは、
湖上
(
こじょう
)
に
悲
(
かな
)
しみ
泣
(
な
)
き
叫
(
さけ
)
んでいました。
がん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼
(
かれ
)
は、
終日
(
しゅうじつ
)
、
昨夜
(
ゆうべ
)
の
夢
(
ゆめ
)
を
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
して
考
(
かんが
)
え
込
(
こ
)
んでいました。
塩を載せた船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“終日”の意味
《名詞, 形容動詞》
終 日 (しゅうじつ, 以下熟字訓:ひすがら, ひねもす, ひめもす, ひもすがら)
一日の初めから終わりまで。朝から夜まで。
(出典:Wiktionary)
終
常用漢字
小3
部首:⽷
11画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“終”で始まる語句
終
終焉
終夜
終局
終熄
終始
終生
終末
終曲
終了