“葭切”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
よしきり71.4%
よしき28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女をらっして竜泉寺あたりの風雅な宿屋へと出かけた(ああ、その頃の台東区竜泉寺には、いまだ美しい蓮田があり、葭切よしきりが鳴き、アベックに好適な水郷だった!)
艶色落語講談鑑賞 (新字新仮名) / 正岡容(著)
城沼、多々良沼など、館林地方の平野の水には、蘆萩ろてきの間に葭切よしきりが鳴いて初夏の釣遊が忘れられぬ。
水の遍路 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
初夏の午後には葭切よしきりの鳴くを聴き、月のあきらかな夜には風露の蕭蕭しょうしょうと音する響を聞いて楽んだ。
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
本所ほんじょ茅場町かやばちょうの先生の家は、もう町はずれの寂しいところであった。庭さきのかきの外にはひろい蓮沼はすぬまがあって、夏ごろはかわずやかましいように鳴いていた。五位鷺ごいさぎ葭切よしきりのなく声などもよく聞いた。
左千夫先生への追憶 (新字新仮名) / 石原純(著)