朝早あさはや)” の例文
ひたすらにただひたすらに牛馬のように働いているよりなかった、朝早あさはやの買出しの手伝いに、店の細々こまごまとした出入りに。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
そうして、正雄まさおは、また明日あすから朝早あさはやきていっしょに散歩さんぽをし、学校がっこうからかえってきてもいっしょに散歩さんぽすることのできるのをよろこんだのであります。
おじいさんの家 (新字新仮名) / 小川未明(著)
朝早あさはやく、いそ投釣なげづりをしてゐるひとがありました。なかなかかゝらないので、もうやめよう、もうやめようとおもつてゐました。と一ぴきおほきなやつがかかりました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
んで、ト引返ひきかへした、鳥打とりうちかぶつたをとこは、高足駄たかあしだで、ステツキいためうあつらへ。みちかわいたのに、爪皮つまかはどろでもれる、あめあがりの朝早あさはや泥濘ぬかるみなかたらしい。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そこでそのくる日は、朝早あさはやくからきて、また川へ出てみますと、まあどうでしょう、じつにりっぱなはしが、何丈なんじょうというたかさに、みず渦巻うずま逆巻さかまながれている大川おおかわの上に
鬼六 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
まへにもう一遍様子を見て、それから東京をやうと云ふ気が起つた。グラツドストーンは今夜中こんやぢうに始末をけて、明日あす朝早あさはやげてかれる様にして置けば構はない事になつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ゆき朝早あさはやくなので、まだ参詣の人影もない。やって来たのは、その娘ひとり。
平賀源内捕物帳:萩寺の女 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
みちはたゞやまばかり、さかあり、たにあり、溪流けいりうあり、ふちあり、たきあり、村落そんらくあり、兒童じどうあり、はやしあり、もりあり、寄宿舍きしゆくしやもん朝早あさはやくれうちくまでのあひだ自分じぶん此等これらかたちいろひかり
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
その翌日よくじつになると、日出雄少年ひでをせうねんは、稻妻いなづまといふよき朋友ともだち出來できたので、最早もはやわたくしそばにのみはらず、朝早あさはやくから戸外こぐわいでゝ、なみあをく、すなしろ海岸かいがんへんに、いぬ脊中せなかまたがつたり、くび抱着いだきついたりして
晩方ばんがたから、わりそうにえたそらは、夜中よなかから、ついに、はげしいしぐれとなりました。かれは、朝早あさはやきて、学校がっこうなかのそうじをきれいにすましました。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
づこれからたうげかゝらうといふの、朝早あさはやく、もつとせんとまりはものゝ三ぐらゐにはつてたので、すゞしうちに六ばかり、茶屋ちやゝまでのしたのぢやが、朝晴あさばれでぢり/\あついわ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おじいさんは三ばかりへだたった、海岸かいがんむら用事ようじがあって、その朝早あさはやいえていったのでした。
大きなかに (新字新仮名) / 小川未明(著)
朝早あさはやくから、日暮ひぐがたまで、まどしたや、ごみなどをあさって、やかましくきたてていました。
温泉へ出かけたすずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうど、国境こっきょうのところには、だれがえたということもなく、一株ひとかぶばらがしげっていました。そのはなには、朝早あさはやくからみつばちがんできてあつまっていました。
野ばら (新字新仮名) / 小川未明(著)
正直しょうじきな百しょうが、いつものように、朝早あさはやく、野良のら仕事しごとにいこうと、くわをかついでいえたのであります。まだ、つちがしめっていて、あまりひととおったようすもありません。
武ちゃんと昔話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なに、たいして、あるかなくても、すぐやまたにのあるそばまで、いけるのだよ。バスと電車でんしゃりさえすれば、朝早あさはやかければ、らくにばんがたまでに、かえってこられるのだ。
雲のわくころ (新字新仮名) / 小川未明(著)
その翌日あくるひもいい天気てんきでした。このもんのところには、朝早あさはやくからたっていたのです。
日の当たる門 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なかには、おも病気びょうきにかかって、はや息子むすこかえるのをっている年取としとったおやたちもあります。それらの旅人たびびと元気げんきづけるために、こころよ朝早あさはやをさまさせるために、わたしくのです。
王さまの感心された話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
信吉しんきちは、朝早あさはやますと、昨夜さくやからのあめは、まだやまずにりつづけていました。
風雨の晩の小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
寺男てらおとこは、また、朝早あさはやきて、かねつきどうへいって、かねをつきました。このてらかねは、このあたりにはきこえたほどのおおきなかねでありました。百しょうは、このかねるとをさましました。
娘と大きな鐘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
朝早あさはやきたせい一は、いつになくいそがしそうでした。かいこが、いよいよがりかけたのです。学校がっこうへいってしまったあとで、おかあさんがおへやへはいってみると、手紙てがみいてありました。
芽は伸びる (新字新仮名) / 小川未明(著)
このりこうなとりは、どのいえが、朝早あさはやきて、けるか、またどのいえには、どんな性質せいしつひとんでいるか、また、このいえは、規律きりつただしいかどうかということを、よくぬいていました。
南方物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)