トップ
>
駕
>
が
ふりがな文庫
“
駕
(
が
)” の例文
旌旗
(
せいき
)
色なく、人馬声なく、蜀山の
羊腸
(
ようちょう
)
たる道を
哀々
(
あいあい
)
と行くものは、五丈原頭のうらみを霊車に
駕
(
が
)
して、
空
(
むな
)
しく成都へ帰る蜀軍の列だった。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
作者不明だが、「伊勢に
駕
(
が
)
に従へる作」という左注がある。代匠記に、「持統天皇朱鳥六年ノ御供ナリ」と云ったが、或はそうかも知れない。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
夫人がこのときの
風采
(
ふうさい
)
は、罪あるものを救うべく、
疾
(
や
)
めるものを
癒
(
いや
)
すべく、雲に
駕
(
が
)
して
往
(
ゆ
)
き
還
(
かえ
)
る神々しい姿であった。廊下を出ると、風が冷い。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
美和子が、毎晩のように、お店に現われると、結局美和子が、バー・
白鳥
(
スワン
)
に
駕
(
が
)
する王女になってしまうような気がした。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
駕
(
が
)
を
枉
(
ま
)
げ、辞を低うして仕官を求める諸国諸大名をことごとく袖にして、こうして、酒をくらってどこにでも寝てしまう巷の侠豪、蒲生泰軒です。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
衞國
(
ゑいこく
)
の
法
(
はふ
)
、
竊
(
ひそか
)
に
君
(
きみ
)
の
車
(
くるま
)
に
駕
(
が
)
する
者
(
もの
)
は
罪
(
つみ
)
、
(一〇七)
刖
(
げつ
)
に
至
(
いた
)
る、
既
(
すで
)
にして
彌子
(
びし
)
の
母
(
はは
)
病
(
や
)
む。
人
(
ひと
)
聞
(
き
)
き、
往
(
ゆ
)
いて
夜
(
よる
)
之
(
これ
)
を
告
(
つ
)
ぐ。
彌子
(
びし
)
矯
(
いつは
)
つて
君
(
きみ
)
の
車
(
くるま
)
に
駕
(
が
)
して
出
(
い
)
づ。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
この
医卜
(
いぼく
)
に隠れたる英雄(?)は、まず自分が何故に、わざわざこの金鯱城下に
駕
(
が
)
を
枉
(
ま
)
げたかという理由を説明して、それは郷国の先輩、弥次郎兵衛
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
東洋人の、幾多古人の芸術家が「身を
賭
(
か
)
けて白雲に
駕
(
が
)
し、」とか、「幻に住さん」などということを
希
(
ねが
)
っている。必ずしも自然を
需
(
もと
)
めるのではあるまい。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
予
再
(
ふたた
)
び家を東京に
移
(
うつ
)
すに及び、先生
直
(
ただ
)
ちに
駕
(
が
)
を
抂
(
まげ
)
られ、いわるるよう、
鄙意
(
ひい
)
、君が何事か
不慮
(
ふりょ
)
の
災
(
さい
)
あらん時には、
一臂
(
いっぴ
)
の力を出し
扶助
(
ふじょ
)
せんと思い
居
(
お
)
りしが
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
兎は後脚が長くてすこぶる
迅
(
はや
)
く走りその毛色が住所の土や草の色と至って紛らわしき上に至って
黠
(
ずる
)
く、細心して観察した人の説にその狡智狐に
駕
(
が
)
すという。
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
これを以てかの長風に
駕
(
が
)
し
巨濤
(
きょとう
)
を
凌
(
しの
)
ぎて、千万里を電走し五大州に隣交するを視ては、
豈
(
あ
)
にただに
跛躄
(
はへき
)
の行走と、行走の騎乗との
譬
(
たと
)
うべきがごとくならんや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
鉄鉢
(
てっぱつ
)
を両手で捧げた者、猛虎を足に踏まえた者、香炉に向かって坐っている者、合掌し
結跏
(
けっか
)
し
趺坐
(
ふざ
)
している者、そうして雲竜に
駕
(
が
)
している者……千態万状の羅漢の像が
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この傾向がどこまでも続いたら、おしまいには昔話の仙人のように雲に
駕
(
が
)
して山から山を飛び歩けそうな気がする。仙人の話は存外こんな想像からも生まれ得たのである。
軽井沢
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
その金髪は後ろになびいて、星を
鏤
(
ちりば
)
めた
暗澹
(
あんたん
)
たる馬車に
駕
(
が
)
せる天使の頭髪のようで、また後光の炎を発する怒った
獅子
(
しし
)
の
鬣
(
たてがみ
)
のようであった。そしてアンジョーラは声を張り上げた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
此の恵み深い青年の左大臣は、一門の年長者たるの故を以て
一介
(
いっかい
)
の
老骨
(
ろうこつ
)
に結構な財宝をあまたゝび贈ってくれた上に、今度は自身その邸宅に
駕
(
が
)
を
枉
(
ま
)
げると云う光栄を授けてくれるのである。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
流転の途は厭はせられたりしも
人我
(
にんが
)
の空をば
肯
(
うけが
)
ひは為玉はざりしや、何とて
幺微
(
いさゝか
)
の御事に忌はしくも自ら躓かせたまひて、
法
(
のり
)
の便りの牛車を棄て、罪の齎らす火輪にも
駕
(
が
)
さんとは思したまふ
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
雲の峰一道二道と山の
腋
(
わき
)
より立ち昇りて、神女白銀の
御衣
(
みけし
)
を
曳
(
ひ
)
いて長し、我にいま少し仙骨を有するの自信あらば、
駕
(
が
)
して天際に達する
易行道
(
いぎやうだう
)
となしたりしならむ、下は
即
(
すなは
)
ち
荒邈
(
くわうばく
)
として、裾野も
霧の不二、月の不二
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
わざわざ
駕
(
が
)
をまげるのが、長い間の
慣
(
なら
)
わしになっていた。
乳を刺す:黒門町伝七捕物帳
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
雖
レ
佳慵
レ
命
レ
駕
佳
(
よ
)
しと
雖
(
いえど
)
も
駕
(
が
)
を
命
(
めい
)
ずるに
慵
(
ものう
)
し
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
遺骸と共に
駕
(
が
)
に乘りて手綱を双の手に繰れば
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
律師
(
りし
)
駕
(
が
)
に
命
(
めい
)
じて
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
「実は、今日は、此方の誕生日なのじゃが、どうでしょう、
竹裏館
(
ちくりかん
)
の
別業
(
べつぎょう
)
のほうへ、諸卿お揃いで
駕
(
が
)
を
枉
(
ま
)
げてくれませんか」
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
子
(
し
)
の
言
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
の
者
(
もの
)
は
其人
(
そのひと
)
と
骨
(
ほね
)
と
皆
(
みな
)
已
(
すで
)
に
朽
(
く
)
ちたり、
獨
(
ひと
)
り
其言
(
そのげん
)
在
(
あ
)
る
耳
(
のみ
)
。
且
(
か
)
つ
君子
(
くんし
)
は、
其時
(
そのとき
)
を
得
(
う
)
れば
則
(
すなは
)
ち
(二)
駕
(
が
)
し、
其時
(
そのとき
)
を
得
(
え
)
ざれば
則
(
すなは
)
ち
(三)
蓬累
(
ほうるゐ
)
して
行
(
さ
)
る。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
やがて、水道橋の
袂
(
たもと
)
に着く——酒井はその雲に
駕
(
が
)
して、悠々として、早瀬は霧に包まれて、ふらふらして。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
平民主義は生産機関の境遇に生出し、その勢力はほとんど
駕
(
が
)
してこれに上らんとす。しからばすなわち今日において政治上において平民主義の流行するあにまたうべならずや。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
予
腸窒扶斯
(
ちょうチフス
)
に
罹
(
かか
)
りたるとき、先生、
特
(
とく
)
に
駕
(
が
)
を
抂
(
まげ
)
られ、
枕辺
(
まくらべ
)
にて厚く家人に
看護
(
かんご
)
の
心得
(
こころえ
)
を
諭
(
さと
)
され、その上、予が
自
(
みず
)
から
搗
(
つ
)
きたる
精米
(
せいまい
)
あり、これは
極古米
(
ごくこまい
)
にして味軽く
滋養
(
じよう
)
も多ければ
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
ずっと伝通院まで乗込むはずであったのを、吉原遊廓の
懇望
(
こんもう
)
もだし難く、大山大聖が、しばらくそこへ
駕
(
が
)
を
枉
(
ま
)
げることになりました。吉原では、大樽の鏡を抜いてこの一行をもてなします。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ことに今夜、
駕
(
が
)
を
抂
(
ま
)
げたぞと言わんばかりに、こうしてやって来たのが、今いった政府の文書課長。自分は浪人言わば失業者の大将みたいなものだから、はじめッから少々
頭
(
つむじ
)
が
曲
(
まが
)
っている。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
また
仁明
(
にんみょう
)
天皇の御代に僧
真済
(
しんさい
)
が唐に渡る航海中に船が難破し、やっと
筏
(
いかだ
)
に
駕
(
が
)
して漂流二十三日、同乗者三十余人ことごとく餓死し真済と弟子の
真然
(
しんねん
)
とたった二人だけ助かったという記事がある。
颱風雑俎
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
是
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て清の独り緋を
衣
(
き
)
るを見て之を疑う。
朝
(
ちょう
)
畢
(
おわ
)
る。
清
(
せい
)
奮躍して
駕
(
が
)
を犯さんとす。帝左右に命じて之を収めしむ。剣を得たり。
清
(
せい
)
志の
遂
(
と
)
ぐべからざるを知り、
植立
(
しょくりつ
)
して大に
罵
(
ののし
)
る。衆
其
(
その
)
歯を
抉
(
けっ
)
す。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
駕
(
が
)
は
山
(
やま
)
の
上
(
うへ
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
そんなつもりで実は、小館にいささか酒宴の支度を設けました。もし
駕
(
が
)
を
枉
(
ま
)
げていただければ、一家のよろこびこれにすぎたるものはありませんが
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのおれば
嬋娟
(
せんけん
)
たる美姫を擁して
巍々
(
ぎぎ
)
たる楼閣に住し、出ずれば肥馬に
跨
(
またが
)
り、軽車に
駕
(
が
)
し、隷従雲のごときは全国人民をして風に
櫛
(
くしけず
)
り、雨に浴し、父子兄弟妻子をしてあいともに離散し
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
この
辺
(
あたり
)
に類はないから、人々は総六が自讃する、怪しき鳥の
挙動
(
ふるまい
)
にはさもなくて、湯河原の雲を
攀
(
よ
)
じ、吉浜の
朝霽
(
あさばれ
)
や、真鶴の霜毛に
駕
(
が
)
して、名だたる函嶺の裏関越え、小田原の神に使した
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
君
(
きみ
)
曰
(
いは
)
く、「
我
(
われ
)
を
愛
(
あい
)
するかな、
其口
(
そのくち
)
を
忘
(
わす
)
れて
我
(
われ
)
を
念
(
おも
)
ふ」と。
彌子
(
びし
)
色
(
いろ
)
衰
(
おとろ
)
へて
愛
(
あい
)
弛
(
ゆる
)
び、
罪
(
つみ
)
を
君
(
きみ
)
に
得
(
う
)
るや、
君
(
きみ
)
曰
(
いは
)
く、「
是
(
こ
)
れ
嘗
(
かつ
)
て
矯
(
いつは
)
つて
吾
(
わ
)
が
車
(
くるま
)
に
駕
(
が
)
し、
又
(
また
)
嘗
(
かつ
)
て
我
(
われ
)
に
食
(
くら
)
はすに
其
(
その
)
(一〇八)
餘桃
(
よたう
)
を
以
(
もつ
)
てせり」
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
「いえ、いえ。たびたび
駕
(
が
)
を
枉
(
ま
)
げ給うては、恐縮の至りです。そのうち気が向けば、兄のほうからお伺いするでしょう」
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あたかも雲に
駕
(
が
)
して行くように見えたのである。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すでに両度まで、
駕
(
が
)
を
枉
(
ま
)
げたまい、このうえまた、君よりお訪ねあるなどは、あまりに礼の過ぎたるもの。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
恰
(
あたか
)
も
雲
(
くも
)
に
駕
(
が
)
して
行
(
ゆ
)
くやうに
見
(
み
)
えたのである。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
加古川を朝出た帝の
駕
(
が
)
が、その夕べ、着いたところは
日女道
(
ひめじ
)
(姫路市)の姫山の丘かと見られる。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その迅きこと、霧に
駕
(
が
)
し、雲を
排
(
はら
)
い、飛鳥にことならず、といわれていた通りである。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
汝ら、生をうけて、何ぞこの
狭隘
(
きょうあい
)
の
山谷
(
さんこく
)
に、雲と児戯するや。雲すでに起つ、雲に
駕
(
が
)
せよ。行くこと西方三千里、
廬山
(
ろざん
)
に臥し
峨眉峰
(
がびほう
)
を指さし、足を長江に
濯
(
すす
)
ぎ、気を大世界に吸う。生命真に伸ぶべし。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まだ帝の
駕
(
が
)
がお立ちになっていない証拠だ。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
駕
漢検準1級
部首:⾺
15画
“駕”を含む語句
車駕
凌駕
早駕
宿駕籠
御駕
従駕
駕籠
駕籠舁
早駕籠
山駕
駕舁
龍駕
空駕
御来駕
駕御
駕丁
駕籠夫
聖駕
女駕籠
早打駕
...