“人我”の読み方と例文
読み方割合
にんが100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
以前は言事がさらさらとしていて厭味気いやみけが無かッたが、この頃は言葉に針を含めば聞て耳が痛くなる。以前は人我にんがの隔歴が無かッたが、この頃は全く他人にする。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
人我にんが差別しゃべつも分り憎くなると孫共まごどもに毎度笑われまするが御聞おききづらくも癖ならば癖ぞと御免おゆるしなされ。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その心悠々ゆうゆうとして常に春がすみのたなびけるごとく、胸中に一点の物無うして人我にんがの別定かならぬのみか、往々にして個人の輪郭消えて直ちに動植物と同化せんとし、春の夕べに庭などに立ちたらば
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)