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証拠
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しょうこ
ふりがな文庫
“
証拠
(
しょうこ
)” の例文
旧字:
證據
そのかわり、
家来
(
けらい
)
たちは子ジカの
舌
(
した
)
と目を切りとって、それをむすこを殺した
証拠
(
しょうこ
)
の
品
(
しな
)
として、
伯爵
(
はくしゃく
)
のところへもってかえりました。
三つのことば
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
ただ、その
証拠
(
しょうこ
)
に、もはや、このオルガンの
音色
(
ねいろ
)
が
海
(
うみ
)
の
上
(
うえ
)
をころがっても、
魚
(
さかな
)
が、
波間
(
なみま
)
に
跳
(
は
)
ねるようなことはなかったのであります。
楽器の生命
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「そうだ。きっとそうにちがいない。なによりの
証拠
(
しょうこ
)
に、ベッドにいままで人が
腰
(
こし
)
かけていたらしいくぼみができているじゃないか」
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
王子
兵卒
(
へいそつ
)
や
腰元
(
こしもと
)
に
遇
(
あ
)
った時は、確かに姿が隠れたのですがね。その
証拠
(
しょうこ
)
には誰に遇っても、
咎
(
とが
)
められた事がなかったのですから。
三つの宝
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
もしあの
童子
(
どうじ
)
が
負
(
ま
)
けましたらば、それこそ
詐欺師
(
さぎし
)
の
証拠
(
しょうこ
)
でございますから、さっそく
位
(
くらい
)
を
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げて、
追
(
お
)
い
返
(
かえ
)
して
頂
(
いただ
)
きとうございます。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
▼ もっと見る
続いている
証拠
(
しょうこ
)
には、眼を開いて、身の
周囲
(
まわり
)
を見た時に、「死ぬぞ……」と云う声が、まだ耳に残っていた。たしかに残っていた。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
僕
(
ぼく
)
の
証拠
(
しょうこ
)
というのはね、ゆうべお月さまの出るころ、署長さんが黒い衣だけ着て、
頭巾
(
ずきん
)
をかぶってね、変な人と話してたんだよ。
毒もみのすきな署長さん
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
うそをつくつもりで言い出した話でない
証拠
(
しょうこ
)
には、椰子の果実の中が白く、皮を破って吸い出したという点だけを保存している。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その
証拠
(
しょうこ
)
には、入口の扉を注意して見ていたまえ。ひとりでに、開いたり閉まったりしている。風もないのに、へんじゃないか。
怪星ガン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
自分こそ、その磯五の女房である——こう一こといいさえすれば、何よりの生きた
証拠
(
しょうこ
)
として、それが、万事を解決するに相違ないのだ。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「あの夢のお告げのとおり、出雲の大神を
拝
(
おが
)
んでおしるしがあるならば、その
証拠
(
しょうこ
)
にこの池のさぎどもを死なせて見せてくださるように」
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
子供
(
こども
)
の
頭
(
あたま
)
には、善良と馬鹿とは、だいたい同じ
意味
(
いみ
)
の言葉と
思
(
おも
)
われるものである。
小父
(
おじ
)
のゴットフリートは、その
生
(
い
)
きた
証拠
(
しょうこ
)
のようだった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
そうでない
証拠
(
しょうこ
)
があるのだ。さいぜん明智は、「黒い糸」のことを言った。「黒い糸」が恩田にからみついて離れぬと言った。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それに、自己完成への努力をあれほどまでに続け得ることそれ自体が、既に先天的な非凡さの何よりの
証拠
(
しょうこ
)
ではないかと。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「
嘘
(
うそ
)
だといいなさるのかい。
証拠
(
しょうこ
)
はちゃんと
上
(
あが
)
ってるんだぜ。おせんの
爪
(
つめ
)
を
煮
(
に
)
る
匂
(
におい
)
は、さぞ
香
(
こう
)
ばしくッて、いいだろうの」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
その
証拠
(
しょうこ
)
として
今日
(
こんにち
)
あるミカンの
苗
(
なえ
)
にははじめ三出葉が
出
(
い
)
で、
次
(
つ
)
いで一枚の
常葉
(
じょうよう
)
(単葉)が出ていることがたまに見られ
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
が、しかし——その
勝頼公
(
かつよりこう
)
が世に生きているということは、はたして真実でござりますか? あなたはその
証拠
(
しょうこ
)
をにぎっておいでなさりますか?
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
証拠
(
しょうこ
)
にはあの
狐噲
(
こんかい
)
の唄の文句なども、子が母を慕うようでもあるが、「来るは
誰故
(
だれゆえ
)
ぞ、
様
(
さま
)
故」と云い、「君は帰るか恨めしやのうやれ」と云い
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
わたしの
弁護士
(
べんごし
)
は、犬がその日のうちに寺に
迷
(
まよ
)
いこんで、寺男が戸を
閉
(
し
)
めたとき、中へ閉めこまれたものであるということを
証拠
(
しょうこ
)
立
(
だ
)
てようと
努
(
つと
)
めた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
乱箱
(
みだればこ
)
に
畳
(
たた
)
んであった着物を無造作に
引摺出
(
ひきずりだ
)
して、上着だけ
引剥
(
ひっぱ
)
いで
着込
(
きこ
)
んだ
証拠
(
しょうこ
)
に、
襦袢
(
じゅばん
)
も羽織も
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
を
辷
(
すべ
)
って、
坐蒲団
(
すわりぶとん
)
の
傍
(
わき
)
まで
散々
(
ちりぢり
)
のしだらなさ。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
混乱と
無秩序
(
むちつじょ
)
の中で、不十分ながらも、何か自主的創造的な活動が始まっている
証拠
(
しょうこ
)
にはちがいなかったのである。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
そしてこの実験では念写は成功したのであるが、同時に乾板を入れた箱を
誰
(
だれ
)
かが開いたという
証拠
(
しょうこ
)
も両先生だけには分るように歴然と残っていたのである。
千里眼その他
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
こりゃ六兵衛、
汝
(
なんじ
)
が
盗人
(
ぬすっと
)
でない
証拠
(
しょうこ
)
を見せるために、
余
(
よ
)
の手のひらに書いた文字を当ててみよ。うまく
判
(
はん
)
じ当てたならば、のぞみ通りの
褒美
(
ほうび
)
をとらせよう。
とんまの六兵衛
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
つまりあの
方
(
かた
)
を
見失
(
みうし
)
わない
様
(
よう
)
にしてみんなが
気
(
き
)
を
配
(
くば
)
ってる
証拠
(
しょうこ
)
なの。さあさ、そんなに
趾
(
あしゆび
)
を
内側
(
うちがわ
)
に
曲
(
ま
)
げないで。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
矢筈草は俗に
現
(
げん
)
の
証拠
(
しょうこ
)
といふ薬草なること、江戸の人
山崎美成
(
やまざきよししげ
)
が『
海録
(
かいろく
)
』といふ随筆第五巻目に見えたり。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
そんななかで大石先生は三人の子の母となっていた。長男の
大吉
(
だいきち
)
、二男の
並木
(
なみき
)
、末っ子の
八津
(
やつ
)
。すっかり世の常の母親になっている
証拠
(
しょうこ
)
に、ねえさんとよばれた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
「杉山が寝ている中に探して持ってきてしまうんだ。
証拠
(
しょうこ
)
がなければ、なんといわれても大丈夫だろう」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
彼
(
あの
)
オトナしい角谷、
今年
(
ことし
)
十九の彼
律義
(
りちぎ
)
な若者が——然し此驚きは、我
迂濶
(
うかつ
)
と
浅薄
(
せんぱく
)
を
証拠
(
しょうこ
)
立
(
だ
)
てるに過ぎぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
けれどもその家庭にはいつも多少の
山気
(
やまぎ
)
が浮動していたという
証拠
(
しょうこ
)
には、正作がある日僕に向かって、
宅
(
うち
)
には
田中鶴吉
(
たなかつるきち
)
の手紙があると得意らしく
語
(
い
)
ったことがある。
非凡なる凡人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
葦はなんと言ったか覚えていますか——冬の来た
証拠
(
しょうこ
)
だ、まあ自分とした事が自分の事にばかり取りまぎれていておまえの事を思わなかったのはじつに
不埒
(
ふらち
)
であった。
燕と王子
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
やあ公が
腹
(
はら
)
いっぱいたべた
証拠
(
しょうこ
)
にげっぷをしながら帰ってくると、加平はお客さんがおいていった十銭玉をわたして
簡単
(
かんたん
)
にわけを話したきり、何もいわないのであった。
空気ポンプ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
こんなにいい子なのに悪いことをするのは、知らぬ間にあんなあながお前達に
取憑
(
とりつ
)
いてしまうからよ。さあ、もう泣くのはお止め!……お前のその涙が立派な
証拠
(
しょうこ
)
だわ。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
兵馬の心を
貫
(
つらぬ
)
く暗示。なんらの
証拠
(
しょうこ
)
があるわけではないが、こう思い
来
(
きた
)
ると、今すれ違ったのがどうも竜之助らしい。兵馬は
踵
(
きびす
)
を廻して黒門の方へ取って返そうとすると
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
人間
(
にんげん
)
らしい
姿
(
すがた
)
が
残
(
のこ
)
って
居
(
お
)
るようでは、まだ
修行
(
しゅぎょう
)
が
積
(
つ
)
んでいない
何
(
なに
)
よりの
証拠
(
しょうこ
)
なのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
その
証拠
(
しょうこ
)
には、われ知らず、男の心を試すような
我儘
(
わがまま
)
を言い出すようにもなりました。
鯉魚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
併しこれだけの民謡を生んだのは、まさに世界第一流の民謡国だという
証拠
(
しょうこ
)
である。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「これは同志会すなわち役場派の者が
証拠
(
しょうこ
)
を
堙滅
(
いんめつ
)
させるために放火したのである」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
それに、そうした噂がまんざら
虚偽
(
うそ
)
でないという
証拠
(
しょうこ
)
も時には眼にもうつった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
橄欖
(
かんらん
)
の
翠
(
みど
)
りしたたるオリムピアがすでに
昔
(
むかし
)
に過ぎ去ってしまった
証拠
(
しょうこ
)
には、みんなの面に、身体に、帰ってからの
遊蕩
(
ゆうとう
)
、不節制のあとが歴々と刻まれ、
曇
(
くも
)
り空、どんより
濁
(
にご
)
った
隅田川
(
すみだがわ
)
を
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
その
証拠
(
しょうこ
)
に僕はいまだに独身だからね、
西鶴
(
さいかく
)
の五人女に「乗り掛ったる馬」という言葉があるが、僕はこんなスリルを捨てて女に乗り掛ろうとは思わんよ……という話を聴きながら
競走
(
レース
)
を見ている間
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
その
証拠
(
しょうこ
)
には、
射的大会
(
しゃてきたいかい
)
へ
招待
(
しょうたい
)
されたのでもわかります。
国際射的大競技
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
安心
(
あんしん
)
なさい。
妃
(
きさき
)
はまだ生きています。じつは、わたしはメジカをこっそり
殺
(
ころ
)
させて、ここにある
証拠
(
しょうこ
)
の
品
(
しな
)
をとっておいたのですよ。
手なしむすめ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
遁
(
に
)
げるならいまのうちだと私たちは二人
一緒
(
いっしょ
)
に思ったのです。その
証拠
(
しょうこ
)
には私たちは
一寸
(
ちょっと
)
眼
(
め
)
を見合せましたらもう立ちあがっていました。
二人の役人
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「あんな奸物の遣る事は、何でも
証拠
(
しょうこ
)
の挙がらないように、挙がらないようにと工夫するんだから、
反駁
(
はんばく
)
するのはむずかしいね」
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そのわけは、ちょっと簡単にいえない。が、要するに、ちょっとやれば、すぐ
壊
(
こわ
)
れてしまうようなものは、不完全の
証拠
(
しょうこ
)
だ。わしは……」
人造人間の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
私が東海岸と言い出したのは、別に明白な
証拠
(
しょうこ
)
とてないが、
沖永良部島
(
おきのえらぶじま
)
や、
与論島
(
よろんとう
)
の沿海なども、東西二つの道があったことを島の人は記憶している。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その
証拠
(
しょうこ
)
にポート・ストウ村では、一日じゅう、ほうぼうの物かげやへいのそばを、
金貨
(
きんか
)
がふわふわと飛んでいた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
さしも
強情
(
ごうじょう
)
な
穴山梅雪
(
あなやまばいせつ
)
も、
論
(
ろん
)
より
証拠
(
しょうこ
)
、
民部
(
みんぶ
)
のことばのとおり、味方がさんざん
敗北
(
はいぼく
)
となってきたのを見て、もうゆうよもならなくなったのであろう。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
弘子に違いない何よりの
証拠
(
しょうこ
)
はこの指環だ。これはいつかの晩、恩田が弘子の指にはめて帰った指環ではないか。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
おいおい
松
(
まっ
)
つぁん、はっきりしなよ。おいらが
変
(
かわ
)
り
者
(
もの
)
じゃァねえ。
世間
(
せけん
)
の
奴
(
やつ
)
らが
変
(
かわ
)
ってるんだ。それが
証拠
(
しょうこ
)
にゃ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
“証拠”の意味
《名詞》
証 拠(しょうこ)
事実を明らかにする根拠となるもの。
(法律)裁判所が事実の認定を行うにおいて判断の根拠として採用したもの、又は、その判断にいたるまでに、裁判所が調査ないし認知した物や人の言動。
(出典:Wiktionary)
“証拠”の解説
証拠(しょうこ、en: Evidence)とは、ある命題の真偽や存否を判断するための事物である。
(出典:Wikipedia)
証
常用漢字
小5
部首:⾔
12画
拠
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
“証拠”で始まる語句
証拠人
証拠湮滅
証拠物
証拠立
証拠品
証拠固
証拠法
証拠者
証拠堙滅
証拠物件