“狐噲”の読み方と例文
読み方割合
こんかい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、自分はまたその時検校とその婦人がいていたのは生田流の「狐噲こんかい」と云う曲であったことを不思議に覚えているのである。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
その証拠しょうこにはあの狐噲こんかいの唄の文句なども、子が母を慕うようでもあるが、「来るは誰故だれゆえぞ、さま故」と云い、「君は帰るか恨めしやのうやれ」と云い
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
幼少の折、奥のひと間で品のよい婦人と検校けんぎょうとが「狐噲こんかい」を弾いていたあの場面が、一瞬間彼の眼交まなかいかすめた。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)