記録きろく)” の例文
就中なかんずく、木村摂津守の名は今なお米国において記録きろくに存し、また古老ころう記憶きおくするところにして、我海軍の歴史に堙没いんぼつすべからざるものなり。
これ勝伯の当時においてもっとも憂慮ゆうりょしたる点にして、吾人はこれを当時の記録きろくちょうしてじつにその憂慮のしかるべき道理どうりを見るなり云々うんぬん
記録きろくつゝしまなければらない。——のあたりで、白刃しらは往來わうらいするをたは事實じじつである。……けれども、かたきたゞ宵闇よひやみくらさであつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
統計とうけいによれば、餘震よしんのときの震動しんどうおほいさは、最初さいしよ大地震だいぢしんのものに比較ひかくして、その三分さんぶんいちといふほどのものが、最大さいだい記録きろくである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
もうして、このはなしはぶいてしまえばわたくし幽界生活ゆうかいせいかつ記録きろくおおきなあなくことになって筋道すじみちたなくなるおそれがございます。
ようするに、寫眞しやしんの本れうは、興味けうみはさういふ意味いみ記録きろくを、いひかへれば、過去くわこ再現さいげんして、おもひ出のたのしさや回想くわいそうの懷かしさをあたへるところにある。
記録きろくあらはれたものもほとんく、弘仁年間こうにんねんかん藥師寺やくしじそう景戒けいかいあらはした「日本靈異記にほんれいいき」がもつとふるいものであらう。今昔物語こんじやくものがたりにも往々わう/\化物談ばけものだんる。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
なほ古きものにも見ゆべけれど、さのみはもとめず。のちのものには室町殿むろまちどの営中えいちゆうの事どもを記録きろくせられたる伊勢家のしよには越後ぬのといふ事あまた見えたり。
それからのちのことです。学者がくしゃはなにかの記録きろくから、偶然ぐうぜんつぎのような事柄ことがらいだしたのであります。
三つのかぎ (新字新仮名) / 小川未明(著)
その年月ねんげつがどうしてわかるかといへば、ゑつけた記録きろくによるほかには、よこつて、生地きじてゐるまるいくつもかさなつてゐるそのきめすうかぞへてみるとわかるのです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
工芸こうげい学校の先生は、まずむかしの古い記録きろくをつけたのでした。そして図書館としょかんの二かいで、毎日黄いろに古びた写本しゃほんをしらべているうちに、ついにこういういいことを見附みつけました。
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
考えようによっては小説でもあれば記録きろくでもあるような文章は、お前が成長して一人前の男になり、もし、そのとき彼女(妻と娘)たちが生きていたとしたら、お前と母と姉を
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
それをきみきながら一瞬間しゆんかんきみぼくのことをおもつてくれた記録きろくがあるやうで、ぼくにはそれがへんにうれしい。ハガキだからけふはこれだけ。そのうちきみててもつとながかうよ。
「三つの宝」序に代へて (旧字旧仮名) / 佐藤春夫(著)
またさういふ種類しゆるい地震ぢしん爆發ばくはつともな地震ぢしんとの區別くべつも、地震計ぢしんけい記録きろくによつてあきらかにされるから、地震計ぢしんけい噴火ふんか診斷器しんだんきとなるわけである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
天地てんちの二しん誓約うけいくだりしめされた、古典こてん記録きろく御覧ごらんになれば大体だいたい要領ようりょうはつかめるとのことでございます。
そこにはわたしおよわたし周圍しういをなした人たちや旅の風けいなどの過去くわこの一めん々々が、あざやかに記録きろくされてゐる。
神主かんぬし宮氏の家に貞和ぢやうわ文明ぶんめいの頃の記録きろく今にそんせり。当主たうしゆ文雅ぶんがこのみ吟詠ぎんえいにもとめり、雅名がめい正樹まさきといふ。同好どうこうを以てまじはりおさむ。幣下へいしたとなふ社家しやけ諸方しよはうにあまたある大社也。
あんな旱魃かんばつの二年つづいた記録きろくいと測候所そっこうじょったのにこれで三年続くわけでないか。大堰おおぜきの水もまるで四すんぐらいしかない。夕方になってやっといままでの分へ一わたり水がかかった。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
しかし、古墳こふんのくわしい記録きろくなどは、もはや、どこにものこっていませんでした。ただとお祖先そせんのものにちがいないが、いまの村人むらびとには、そのつくられた時代じだいすら、よくわからなかったのです。
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このやま阿蘇あそ同樣どうよう噴火ふんか記録きろくふるく、回數かいすうすこぶおほいが、阿蘇あそ噴火ふんかのだら/\として女性的じよせいてきなるにたいし、これは男性的だんせいてきであるといつてもしかるべきである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
吾がすむ塩沢しほざは下組したぐみ六十八ヶ村の郷元がうもとなれば、郷元をあづかり知る家には古来こらい記録きろくのこれり。
「千キロの記録きろくがあるのだけど、もうとしをとっているから心配しんぱいなんだよ。」
二百十日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
吾がすむ塩沢しほざは下組したぐみ六十八ヶ村の郷元がうもとなれば、郷元をあづかり知る家には古来こらい記録きろくのこれり。
かういふ地震計ぢしんけい遠方えんぽう大地震だいぢしん觀測かんそくすると、その記録きろくした模樣もようきはめて規則正きそくたゞしいものとなつてあらはれてて、今日こんにちでは模樣もようひとつ/\について其經路そのけいろすであきらかにせられてゐる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
この記録きろくは、たかやまうえにあった、廃寺はいじなかから発見はっけんされたのでした。
三つのかぎ (新字新仮名) / 小川未明(著)
これはけつしてさう安々やす/\かんがせるはずのものではないのであるが、さら其精巧そのせいこうなものにいたつては、ひと身體しんたいには勿論もちろん普通ふつう地震計ぢしんけいにもかんじないほど地震波ぢしんぱまで記録きろくすることが出來できるのである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)