トップ
>
目前
>
もくぜん
ふりがな文庫
“
目前
(
もくぜん
)” の例文
こう
注意
(
ちゅうい
)
してやると、
後方
(
こうほう
)
から、
前線
(
ぜんせん
)
へ
送
(
おく
)
られたばかりの、
若
(
わか
)
い
兵士
(
へいし
)
の
一人
(
ひとり
)
が、
目前
(
もくぜん
)
で、
背嚢
(
はいのう
)
をおろして、その
内
(
うち
)
を
改
(
あらた
)
めていました。
少女と老兵士
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかれども一人一手にてせいするゆゑ、けふはうりきらしたりとてつかひの重箱
空
(
むな
)
しくかへる事度々なり、これ
余
(
よ
)
が
目前
(
もくぜん
)
したる所なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
私
(
わたくし
)
はハツト
思
(
おも
)
つて
一時
(
いちじ
)
は
遁出
(
にげだ
)
さうとしたが、
今更
(
いまさら
)
遁
(
に
)
げたとて
何
(
なん
)
の
甲斐
(
かひ
)
があらう、もう
絶體絶命
(
ぜつたいぜつめい
)
と
覺悟
(
かくご
)
した
時
(
とき
)
、
猛狒
(
ゴリラ
)
はすでに
目前
(
もくぜん
)
に
切迫
(
せつぱく
)
した。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼
(
かれ
)
は
行
(
ゆ
)
く/\
午前
(
ごぜん
)
に
見
(
み
)
て
暫
(
しばら
)
く
忘
(
わす
)
れて
居
(
ゐ
)
た
百姓
(
ひやくしやう
)
の
活動
(
くわつどう
)
を
再
(
ふたゝ
)
び
目前
(
もくぜん
)
に
見
(
み
)
せ
付
(
つけ
)
られて
隱
(
かく
)
れて
居
(
ゐ
)
た
憤懣
(
ふんまん
)
の
情
(
じやう
)
が
復
(
ま
)
た
勃々
(
むか/\
)
と
首
(
くび
)
を
擡
(
もた
)
げた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
得難いものの様に思つて居た子を見る喜びと云ふものと楽々
目前
(
もくぜん
)
に近づいて居るのを思ふと、それはもう何程の
価
(
あたひ
)
ある事とも鏡子には思へないのであらう。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
しかしその姿が消えるのを
目前
(
もくぜん
)
に見たのであるから、誰もそれを争う余地はなかった。百物語のおかげで、世には妖怪のあることが確かめられたのであった。
百物語
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ただその大きい
目前
(
もくぜん
)
の影は疑う余地のない
坊主頭
(
ぼうずあたま
)
だった。のみならずしばらく聞き澄ましていても、この
佗
(
わび
)
しい
堂守
(
どうもり
)
のほかに人のいるけはいは聞えなかった。
伝吉の敵打ち
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
或
(
あるい
)
は兵制は甲州流が
宜
(
い
)
いと云て
法螺
(
ほら
)
の貝を
吹
(
ふい
)
て藩中で調練をしたこともある。ソレも私は
只
(
ただ
)
目前
(
もくぜん
)
に見て居るばかりで、
善
(
よ
)
いとも悪いとも
一寸
(
ちい
)
とも云たことがない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
自殺の凶器が、
目前
(
もくぜん
)
に横たわった時は、もはや身を殺す恐怖のふるえも静まっているのでなかろうか。
水害雑録
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
今
目前
(
もくぜん
)
の腰掛にいぎたなく寢そべつて居る國民の顏をば暗澹たる車中の燈火に照して眺めながら、試に
Wagner
(
ワグナア
)
が大なる藝術を創作するものは一般の民衆であつて
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
なにしろ水の勢いが、とうとうと足の運びをはばめるので、さすがの伊那丸も二勇士も、
目前
(
もくぜん
)
に
仇
(
あだ
)
を見、目前に父の駕籠を
目撃
(
もくげき
)
しながら、どうしても追いつくことができない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
誰
(
たれ
)
しも
想像
(
そう/″\
)
し
得
(
え
)
られる
通
(
とほ
)
り、
校舍
(
こうしや
)
は
新築
(
しんちく
)
でありながら
全部
(
ぜんぶ
)
潰
(
つぶ
)
れてしまつた。わづかに
身
(
み
)
を
持
(
もつ
)
て
免
(
のが
)
れた
校長以下
(
こうちよういか
)
の
職員
(
しよくいん
)
は
這
(
は
)
ふようにして
中庭
(
なかには
)
にまで
出
(
で
)
ると、
目前
(
もくぜん
)
に
非常
(
ひじよう
)
な
現象
(
げんしよう
)
が
起
(
おこ
)
り
始
(
はじ
)
めた。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
目前
(
もくぜん
)
には広々と海が横はつてゐる。
妄想
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
仰せらるゝ時は是渠等が一ツの申
開
(
ひら
)
きに困り候事
目前
(
もくぜん
)
にて候若又
對決
(
たいけつ
)
になり候とも藤五郎殿の
不行跡
(
ふぎやうせき
)
は一
度
(
たび
)
町奉行
(
まちぶぎやう
)
の手にも
係
(
かゝ
)
りたる程の
仕合
(
しあは
)
せなれば疑ひは先へ掛る道理に候藤五郎殿も
何
(
どう
)
で
命
(
いのち
)
はなき男又藤三郎殿は有りても
幼少
(
えうせう
)
なり
兎角
(
とかく
)
邪魔
(
じやま
)
になるは惣右衞門郷右衞門
佐
(
すけ
)
十郎の三人にて
其
(
そ
)
の
中
(
うち
)
にも先郷右衞門
佐
(
すけ
)
十郎の兩人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しかれども一人一手にてせいするゆゑ、けふはうりきらしたりとてつかひの重箱
空
(
むな
)
しくかへる事度々なり、これ
余
(
よ
)
が
目前
(
もくぜん
)
したる所なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
二十
年
(
ねん
)
生存
(
ながらへ
)
るか
知
(
し
)
れぬが、
朝夕
(
あさゆふ
)
、
世界無比
(
せかいむひ
)
の
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
を
目前
(
もくぜん
)
に
眺
(
なが
)
めつゝも、
終
(
つひ
)
には、
此
(
この
)
絶島
(
ぜつたう
)
の
鬼
(
おに
)
とならねばならぬのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼
(
かれ
)
の
心
(
こゝろ
)
を
滿足
(
まんぞく
)
せしめる
程度
(
ていど
)
は、
譬
(
たと
)
へば
目前
(
もくぜん
)
に
在
(
あ
)
る
低
(
ひく
)
い
竹
(
たけ
)
の
垣根
(
かきね
)
を
破壤
(
はくわい
)
して一
歩
(
ぽ
)
足
(
あし
)
を
其
(
その
)
域内
(
ゐきない
)
に
趾
(
あと
)
つけるだけのことに
過
(
す
)
ぎないのである。
然
(
しか
)
も
竹
(
たけ
)
の
垣根
(
かきね
)
は
朽
(
く
)
ちて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
故に女は男に比るに
愚
(
おろか
)
にて、
目前
(
もくぜん
)
なる
然
(
しかる
)
べきことをも知らず、又人の誹るべき事をも弁えず、我夫我子の災と成るべきことをも知らず、
科
(
とが
)
もなき人を
怨
(
うらみ
)
怒
(
いか
)
り
呪詛
(
のろ
)
ひ
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
寸秒
(
すんびょう
)
の
危機
(
きき
)
は
目前
(
もくぜん
)
、おもわず、
額
(
ひたい
)
や
腋
(
わき
)
の下から、つめたい
脂汗
(
あぶらあせ
)
をしぼって、ハッと、ときめきの息を一つ
吐
(
は
)
いたが——その
絶体絶命
(
ぜったいぜつめい
)
のとっさ、ふと、指さきに
触
(
ふ
)
れたのは、さっき
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
万法
(
ばんぽふ
)
の
流転
(
るてん
)
を信ずる僕と
雖
(
いへど
)
も、
目前
(
もくぜん
)
に
世態
(
せたい
)
の
変遷
(
へんせん
)
を見ては多少の感慨なきを得ない。
変遷その他
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
武蔵野
(
むさしの
)
の原に大江戸の町が開かれたことを思えば、このくらいの変遷は何でも無いことかも知れないが、
目前
(
もくぜん
)
にその変遷をよく知っている私たちに取っては、一種の感慨がないでもない。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ちゞみのみにはかぎらず
織物
(
おりもの
)
はすべて
然
(
しか
)
ならんが、
目前
(
もくぜん
)
に
我
(
わ
)
が
視
(
みる
)
ところなればいふ也。かゝる縮を
僅
(
わづか
)
の
価
(
あたひ
)
にて
自在
(
じざい
)
に
着用
(
ちやくよう
)
するは
俗
(
ぞく
)
にいふ安いもの也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
迅速
(
じんそく
)
で
且
(
かつ
)
壯快
(
さうくわい
)
な
變化
(
へんくわ
)
を
目前
(
もくぜん
)
に
見
(
み
)
せる
火
(
ひ
)
が
彼等
(
かれら
)
の
惡戲好
(
いたづらずき
)
な
心
(
こゝろ
)
をどれ
程
(
ほど
)
誘導
(
そゝ
)
つたか
知
(
し
)
れない。
彼
(
かれ
)
は
落葉
(
おちば
)
を
攫
(
つか
)
んでは
竈
(
かまど
)
の
口
(
くち
)
に
投
(
とう
)
じてぼうぼうと
燃
(
も
)
えあがる
焔
(
ほのほ
)
に
手
(
て
)
を
翳
(
かざ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
實
(
じつ
)
に
非常
(
ひじやう
)
の
手段
(
しゆだん
)
ではあるが、
今
(
いま
)
の
塲合
(
ばあひ
)
に
於
(
おい
)
て、
目的
(
もくてき
)
もなく、
希望
(
きぼう
)
もなく
漸
(
やうや
)
く
竣成
(
しゆんせい
)
せし
海底戰鬪艇
(
かいていせんたうてい
)
を
目前
(
もくぜん
)
に
瞻
(
なが
)
めつゝ、
空
(
むな
)
しく
此
(
この
)
孤島
(
はなれじま
)
に
朽果
(
くちは
)
てんよりは、
寧
(
むし
)
ろ
吾等
(
われら
)
の
採
(
と
)
る
可
(
べ
)
き
道
(
みち
)
は
是
(
これ
)
であらう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
急は
目前
(
もくぜん
)
、味方の一大事、すでに十数町の近くまでせまってきていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ちつとは
目前
(
もくぜん
)
の利害の
外
(
ほか
)
にも、高等な物のある事を考へろ。
売文問答
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
およそ越後の雪をよみたる
哥
(
うた
)
あまたあれども、
越雪
(
こしのゆき
)
を
目前
(
もくぜん
)
してよみたるはまれなり。
西行
(
さいぎやう
)
が
山家集
(
さんかしふ
)
、
頓阿
(
とんあ
)
が
草菴集
(
さうあんしふ
)
にも越後の雪の哥なし、此
韻僧
(
ゐんそう
)
たちも越地の雪はしらざるべし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
およそ越後の雪をよみたる
哥
(
うた
)
あまたあれども、
越雪
(
こしのゆき
)
を
目前
(
もくぜん
)
してよみたるはまれなり。
西行
(
さいぎやう
)
が
山家集
(
さんかしふ
)
、
頓阿
(
とんあ
)
が
草菴集
(
さうあんしふ
)
にも越後の雪の哥なし、此
韻僧
(
ゐんそう
)
たちも越地の雪はしらざるべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
これらも又輴哥をうたうてかへるなど、
質朴
(
しつぼく
)
の
古風
(
こふう
)
今
目前
(
もくぜん
)
に
存
(
そん
)
せり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
“目前”の意味
《名詞》
目 前(もくぜん、めさき)
(めさき)参照。
(もくぜん)位置的に近接する前。目の方向。前方。
(もくぜん)時間的に近接する前。近い時期。すぐ近く。
(出典:Wiktionary)
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
“目”で始まる語句
目
目的
目出度
目標
目貫
目覚
目論見
目下
目論
目付