トップ
>
日中
>
ひなか
ふりがな文庫
“
日中
(
ひなか
)” の例文
一
方
(
ぱう
)
が
小高
(
こだか
)
い
土手
(
どて
)
に
成
(
な
)
ると、いまゝで
吹
(
ふ
)
いて
居
(
ゐ
)
た
風
(
かぜ
)
が
留
(
や
)
むだ。
靄
(
もや
)
も
霞
(
かすみ
)
もないのに、
田畑
(
たはた
)
は一
面
(
めん
)
にぼうとして、
日中
(
ひなか
)
も
春
(
はる
)
の
夜
(
よ
)
の
朧
(
おぼろ
)
である。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
昼の
日中
(
ひなか
)
も
誰
(
たれ
)
憚
(
はばか
)
るおそれもなく
茶屋小屋
(
ちゃやこや
)
に出入りして女に戯れ遊ぶこと、これのみにても
堅気
(
かたぎ
)
の若きものの目には
羨
(
うらやま
)
しきかぎりなるべきに
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「
於兎吉
(
おときち
)
どん! お前の言うなあ! そりゃ日野様の坊っちゃんのことだあ!」と叫んで「昼
日中
(
ひなか
)
から人を呼び止めて莫迦べえ
吐
(
ぬか
)
しやがって!」
逗子物語
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
我国の雪
里地
(
さとち
)
は三月のころにいたれば
次第
(
しだい
)
々々に
消
(
きえ
)
、
朝
(
あさ
)
々は
凍
(
こほる
)
こと鉄石の如くなれども、
日中
(
ひなか
)
は上よりも下よりもきゆる。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
十五日の
日中
(
ひなか
)
を満願とし、大念仏を行ない、重盛自らもその列に加わって、極楽往生を願うのであった。重盛を灯籠大臣というのもここからきている。
現代語訳 平家物語:03 第三巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
その
日中
(
ひなか
)
一日走り通したことを兵馬は覚えている。無論この間には
立場立場
(
たてばたてば
)
で多少の息は入れるが、彼等は一生懸命で通しをやっているものに相違ない。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
こうして、おじいさんは
日
(
ひ
)
の
照
(
て
)
る
日中
(
ひなか
)
は
村
(
むら
)
から、
村
(
むら
)
へ
歩
(
ある
)
きましたけれど、
晩方
(
ばんがた
)
にはいつも、この
城跡
(
しろあと
)
にやってきて、そこにあった、
昔
(
むかし
)
の
門
(
もん
)
の
大
(
おお
)
きな
礎石
(
だいいし
)
に、
腰
(
こし
)
をかけました。
海のかなた
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
今日昼の
日中
(
ひなか
)
に、トニオ・クレエゲルのそばを通りすぎて行ったあの二人は。彼は二人を再び見た。しかもほとんど同時に二人を認めた時、喜びのあまり愕然としたのだった。
トニオ・クレエゲル
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
やはり「キの字」の
片割
(
かたわれ
)
らしいぞ。眼付き
風付
(
ふうつ
)
き何やらおかしい。非人乞食に劣らぬ姿で。道のほとりに
鞄
(
かばん
)
を投げ出し。
駄声
(
だごえ
)
はり上げ木魚をチャカポコ。昼の
日中
(
ひなか
)
に外聞
晒
(
さら
)
す。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「それがなあ、晝
日中
(
ひなか
)
でも、ちやあんと
寢床
(
ねま
)
とらせて、やすんで行かはりまんがな。」
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
ベッドはむしろ
部屋
(
へや
)
の飾りの一つとなっている場合が西洋では多い、日本では昼の
日中
(
ひなか
)
に寝床を見ては如何にも
嫌
(
いや
)
らしい、そこで西洋室に住む画家はいいとして、日本の長屋の二階
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
朝といつても
日中
(
ひなか
)
の事ではあり、多分
當身
(
あてみ
)
か何か食はされて、一度目を廻したのを鈴の緒で縛り上げられ、後で氣が付いて口を利かうとしたので、
匕首
(
あひくち
)
で
盲目
(
めくら
)
突きにされたものでせう。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
昼
日中
(
ひなか
)
また
夜
(
よ
)
を
徹
(
てつ
)
して
暁
(
あかつき
)
まで僕の下宿の附近には音楽と歌が
聞
(
きこ
)
えると云ふ風である。初めて越して来た日に重いトランクを女中のマリイと二人で三階へ引上げる時は泣き出したくなつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
山越
(
やまごえ
)
よ五浦少女、
日中
(
ひなか
)
より影をつづりて、もてなしと我にまゐると、
魚
(
とと
)
持
(
も
)
て
来
(
く
)
、瓶子かかへ
来
(
く
)
、五器そろへ、お膳持て来る。一閑張・筆・墨・硯、さて紙帳、くくり枕や、夜のものと
衾
(
ふすま
)
持て
来
(
く
)
る。
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
蒸
(
む
)
しぐるし
衢
(
ちまた
)
日中
(
ひなか
)
を
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
暑い
日中
(
ひなか
)
をしくしくと
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
夏の
日中
(
ひなか
)
の
羽
(
はね
)
の音……
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
はるる
日中
(
ひなか
)
の
芽
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
日中
(
ひなか
)
でも
旧聞日本橋:14 西洋の唐茄子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
参詣群集
(
さんけいぐんじゅ
)
、隙間のない、宮、
社
(
やしろ
)
の、フトした空地は、こうした水ある処に、思いかけぬ寂しさを、
日中
(
ひなか
)
は分けて見る事がおりおりある。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
我国の雪
里地
(
さとち
)
は三月のころにいたれば
次第
(
しだい
)
々々に
消
(
きえ
)
、
朝
(
あさ
)
々は
凍
(
こほる
)
こと鉄石の如くなれども、
日中
(
ひなか
)
は上よりも下よりもきゆる。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
朝といっても
日中
(
ひなか
)
の事ではあり、たぶん当身か何か食わされて、一度目を廻したのを鈴の緒で縛り上げられ、後で気が付いて口を利こうとしたので、匕首で滅多突きにされたものでしょう。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ベンチに
凭掛
(
よりかゝ
)
つて昼
日中
(
ひなか
)
居眠をして居る立派な服装の細君もある。
伴
(
つ
)
れて来た五六匹の犬が裾の所で戯れて居るなどは
呑気
(
のんき
)
だ。犬を婦人が
可愛
(
かあい
)
がることは子供を
可愛
(
かあい
)
がる以上とも云ひたい位だ。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
わせ竹の若葉に
霧
(
き
)
らふ夏がすみ何か
日中
(
ひなか
)
の音
闌
(
た
)
くるなり
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
通道
(
とおりみち
)
というでもなし、花はこの
近処
(
きんじょ
)
に名所さえあるから、わざとこんな裏小路を
捜
(
さぐ
)
るものはない。
日中
(
ひなか
)
もほとんど人通りはない。
絵本の春
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
わせ竹の若葉に
霧
(
き
)
らふ夏がすみ何か
日中
(
ひなか
)
の音
闌
(
た
)
くるなり
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
針
(
はり
)
の
稱
(
な
)
に、
青柳
(
あをやぎ
)
、
女郎花
(
をみなへし
)
、
松風
(
まつかぜ
)
、
羽衣
(
はごろも
)
、
夕顏
(
ゆふがほ
)
、
日中
(
ひなか
)
、
日暮
(
ひぐれ
)
、
螢
(
ほたる
)
は
光
(
ひか
)
る。(
太公望
(
たいこうばう
)
)は
諷
(
ふう
)
する
如
(
ごと
)
くで、
殺生道具
(
せつしやうだうぐ
)
に
阿彌陀
(
あみだ
)
は
奇
(
き
)
なり。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そよろと風過ぎしとき
日中
(
ひなか
)
の晝貌の花ぞ内ら見せたる
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
本人にも一向
掴
(
つかま
)
え処はない。いつも見る景色だけれども、朝だか、晩方だか、薄曇った
日中
(
ひなか
)
だか、それさえ
曖昧
(
あいまい
)
で、ただ見える。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そよろと風過ぎしとき
日中
(
ひなか
)
の昼貌の花ぞ内ら見せたる
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
日中
(
ひなか
)
は梅の香も女の
袖
(
そで
)
も、ほんのりと暖かく、襟巻ではちと
逆上
(
のぼ
)
せるくらいだけれど、晩になると、柳の風に、黒髪がひやひやと身に染む頃。
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雨
(
あま
)
がへる
日中
(
ひなか
)
啼き
継
(
つ
)
ぎ声
速
(
はや
)
し
矢筈檀
(
やはずまゆみ
)
の根にひびかひぬ
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
輕便鐵道
(
けいべんてつだう
)
の
線路
(
せんろ
)
を
蜿々
(
うね/\
)
と
通
(
とほ
)
した
左右
(
さいう
)
の
田畑
(
たはた
)
には、ほの
白
(
じろ
)
い
日中
(
ひなか
)
の
蛙
(
かへる
)
が、こと/\、くつ/\、と
忍笑
(
しのびわら
)
ひをするやうに
鳴
(
な
)
いた。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
穀倉は
外
(
そと
)
板壁のか
黝
(
ぐろ
)
きが
日中
(
ひなか
)
の堀に影映すのみ
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「何が、叔母さん。この
日中
(
ひなか
)
に何が恐いんです。大方また毛虫でしょう、大丈夫、毛虫は
追駈
(
おっか
)
けては来ませんから。」
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
まだ
日中
(
ひなか
)
ゆゑ遊べよと。
第二海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
かつて
夜
(
よ
)
に
入
(
い
)
りて、姉上と部屋にて人形並べて遊びしに、油こそ惜しけれ、しかることは
日中
(
ひなか
)
にするものぞと叫びぬ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ふと
紅
(
もみ
)
の
袴
(
はかま
)
のように見えたのも
稀有
(
けう
)
であった、が、その下ななめに、
草堤
(
くさどて
)
を、
田螺
(
たにし
)
が二つ並んで、
日中
(
ひなか
)
の
畝
(
あぜ
)
うつりをしているような人影を見おろすと
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
どうせ、絵に描いた相馬の
化城
(
ばけじろ
)
古御所から、ばけ牛が
曳
(
ひ
)
いて出ようというぼろ車、
日中
(
ひなか
)
は
躄
(
いざり
)
だって乗りやしません。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この春の日の
日中
(
ひなか
)
の心持を申しますのは、夢をお話しするようで、何んとも口へ出しては言えませんのね。どうでしょう、このしんとして
寂
(
さび
)
しいことは。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何不足のない、
申分
(
もうしぶん
)
のない、目を
瞑
(
ねむ
)
れば直ぐにうとうとと夢を見ますような、この春の
日中
(
ひなか
)
なんでございますがね、
貴下
(
あなた
)
、これをどうお考えなさいますえ。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
母様
(
おつかさん
)
はうそをおつしやらない、
博士
(
はかせ
)
が
橋銭
(
はしせん
)
をおいてにげて
行
(
ゆ
)
くと、しばらくして
雨
(
あめ
)
が
晴
(
は
)
れた。
橋
(
はし
)
も
蛇籠
(
じやかご
)
も
皆
(
みんな
)
雨
(
あめ
)
にぬれて、
黒
(
くろ
)
くなつて、あかるい
日中
(
ひなか
)
へ
出
(
で
)
た。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
片側は空も曇って、今にも
一村雨
(
ひとむらさめ
)
来そうに見える、
日中
(
ひなか
)
も薄暗い森続きに、
畝
(
うね
)
り畝り
遥々
(
はるばる
)
と黒い柵を
繞
(
めぐ
)
らした火薬庫の
裏通
(
うらどおり
)
、寂しい
処
(
ところ
)
をとぼとぼと一人通る。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
泉
(
いづみ
)
が、
又
(
また
)
はじめたぜ。」その
唯
(
たゞ
)
一
(
ひと
)
つの
怪談
(
くわいだん
)
は、
先生
(
せんせい
)
が十四五の
時
(
とき
)
、うらゝかな
春
(
はる
)
の
日中
(
ひなか
)
に、
一人
(
ひとり
)
で
留守
(
るす
)
をして、
茶
(
ちや
)
の
室
(
ま
)
にゐらるゝと、
臺所
(
だいどころ
)
のお
竈
(
へツつひ
)
が
見
(
み
)
える。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
鳴かずんば鳴かして見しょう、
日中
(
ひなか
)
に
時鳥
(
ほととぎす
)
を聞くんだ、という
触込
(
ふれこ
)
みで、天王寺へ練込みましたさ、貴方。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
日中
(
ひなか
)
のこのこ出られますか。何、志はそれで済むからこの石の上へ置いたなり帰ろうと、降参に及ぶとね、犬猫が踏んでも、きれいなお
精霊
(
しょうりょう
)
が身震いをするだろう。
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蝶
(
ちょう
)
の目からも、余りふわふわして見えたでござろう。小松の中をふらつく自分も、何んだかその、肩から上ばかりに、
裾
(
すそ
)
も足もなくなった心地、
日中
(
ひなか
)
の
妙
(
みょう
)
な
蝙蝠
(
こうもり
)
じゃて。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「熱はお前さんを見て帰ったって
同一
(
おんなじ
)
だ、何暗いたッて
日中
(
ひなか
)
よ、構やしない。きっとそこらにうろついているに違いない、ちょっと僕は。おい、姉さん帰りに寄ろう。」
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
高い屋根は、
森閑
(
しんかん
)
として
日中
(
ひなか
)
薄暗い中に、ほのぼのと見える材木から又ぱらぱらと、ぱらぱらと、
其処
(
そこ
)
ともなく、
鋸
(
のこぎり
)
の
屑
(
くず
)
が
溢
(
こぼ
)
れて落ちるのを、思わず耳を澄まして聞いた。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
高
(
たか
)
い
屋根
(
やね
)
は、
森閑
(
しんかん
)
として
日中
(
ひなか
)
薄暗
(
うすぐら
)
い
中
(
なか
)
に、ほの/″\と
見
(
み
)
える
材木
(
ざいもく
)
から
又
(
また
)
ぱら/\と、ぱら/\と、
其處
(
そこ
)
ともなく、
鋸
(
のこぎり
)
の
屑
(
くづ
)
が
溢
(
こぼ
)
れて
落
(
お
)
ちるのを、
思
(
おも
)
はず
耳
(
みゝ
)
を
澄
(
す
)
まして
聞
(
き
)
いた。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“日中”の意味
《名詞》
日 中(にっちゅう)
ひなかとも。昼間。太陽の出ている間。
正午あたりの時間帯。
日本と中国。中国では中日と表記。
(出典:Wiktionary)
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
“日中”で始まる語句
日中機