トップ
>
往來
>
ゆきき
ふりがな文庫
“
往來
(
ゆきき
)” の例文
新字:
往来
こたびの道づれは
婢
(
はしため
)
一人のみ。例の男仲間は一人だになし。かく膽太く羅馬拿破里の間を
往來
(
ゆきき
)
する女はあらぬならん、
奈何
(
いかに
)
などいへり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
往來
(
ゆきき
)
に
馴
(
な
)
れて、
幾度
(
いくたび
)
も
蔦屋
(
つたや
)
の
客
(
きやく
)
と
成
(
な
)
つて、
心得顏
(
こゝろえがほ
)
をしたものは、お
米
(
よね
)
さんの
事
(
こと
)
を
渾名
(
あだな
)
して、むつの
花
(
はな
)
、むつの
花
(
はな
)
、と
言
(
い
)
ひました。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
二階座敷の欄干に
凭
(
もた
)
れて、川の中を
往來
(
ゆきき
)
する小舟を見たり、小旗の立つた
蠣舟
(
かきぶね
)
に出入りする人を數へたりして、竹丸は物珍らしい半日を送つた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「お前だつてそんな氣になるだらう。——ところで
路傍
(
みちばた
)
に立つて話をして居ると、
往來
(
ゆきき
)
の人が變な顏をするよ。薄暗くなつたやうだ。歸るとしようか」
銭形平次捕物控:219 鐘の音
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
定宿
(
ぢやうやど
)
となし年中
互
(
たが
)
ひに
往來
(
ゆきき
)
爲度者
(
したきもの
)
なりと道々話しながら川崎宿なる萬屋へ
到
(
いた
)
り同所にて
酒飯
(
しゆはん
)
も
濟
(
すま
)
せ
頓
(
やが
)
て別れを
告
(
つげ
)
夫より長兵衞夫婦は大師へ
參詣
(
さんけい
)
してぞもどりける
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
しかして火花焔のうちに見え、聲々のうちに
判
(
わか
)
たるゝ(一動かず一
往來
(
ゆきき
)
するときは)ごとく 一六—一八
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
本郷の高臺にすさまじく燃え立つ
夕陽
(
ゆふひ
)
の輝き、其れが靜り返つた池の水に反映する強烈な色彩、散歩する人々の
歩調
(
あしなみ
)
、話聲、車の
往來
(
ゆきき
)
、鳥の啼く聲、蓮の葉の
戰
(
そよ
)
ぎ
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
あたしはまた
往來
(
ゆきき
)
の人どほりを眺めるのが好きで、窓の外をじつと見てゐると、そこへひよつこり從僕が入つて來て、⦅チェプロフ樣のお越しでございます!⦆つて言ふの。
狂人日記
(旧字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
お峰は車より下りて
开處
(
そこ
)
此處
(
こゝ
)
と尋ぬるうち、凧紙風船などを軒につるして、子供を集めたる駄菓子やの門に、もし三之助の交じりてかと覗けど、影も見えぬに
落膽
(
がつかり
)
して思はず
往來
(
ゆきき
)
を見れば
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
十數町を隔てた小學校へ
往來
(
ゆきき
)
する外には、春にも秋にも殆んど一歩も門を出たことがないのみか、家の周圍にどんな騷ぎがしてゐようとも、滅多に窓の外へ顏を出したことがなかつたので
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
幾度も/\甲板を
往來
(
ゆきき
)
して足も心も踊るやうに思はれた。
貝殻追放:002 新聞記者を憎むの記
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
絶頂
(
ぜつちやう
)
の
階
(
かい
)
までも、
天
(
てん
)
までも
上
(
のぼ
)
る
往來
(
ゆきき
)
の道となりて
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
丁度
(
ちやうど
)
私
(
わたし
)
の
居
(
ゐ
)
た
汀
(
みぎは
)
に、
朽木
(
くちき
)
のやうに
成
(
な
)
つて、
沼
(
ぬま
)
に
沈
(
しづ
)
んで、
裂目
(
さけめ
)
に
燕子花
(
かきつばた
)
の
影
(
かげ
)
が
映
(
さ
)
し、
破
(
やぶ
)
れた
底
(
そこ
)
を
中空
(
なかぞら
)
の
雲
(
くも
)
の
往來
(
ゆきき
)
する
小舟
(
こぶね
)
の
形
(
かたち
)
が
見
(
み
)
えました。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
北方の故郷に在りし間、常に我
懷
(
おもひ
)
に
往來
(
ゆきき
)
せしものはこの景なり、この情なり。嘗て夢裡に呑みつる霞は、今うつゝに吸ふ霞なり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
過
(
すぐ
)
るが如く
漸
(
やうや
)
く東の
方
(
かた
)
白
(
しら
)
み人も通る故やれ
嬉
(
うれ
)
しやと
立出
(
たちいで
)
往來
(
ゆきき
)
の人に茲は何と申所なるやと
尋
(
たづ
)
ねければ淺草御門なりと答る
故
(
ゆゑ
)
夫
(
それ
)
より東の
方
(
かた
)
廣
(
ひろ
)
き
往來
(
わうらい
)
へ出て又町の名を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
これは
能登
(
のと
)
、
越中
(
ゑつちう
)
、
加賀
(
かが
)
よりして、
本願寺
(
ほんぐわんじ
)
まゐりの
夥多
(
あまた
)
の
信徒
(
しんと
)
たちが、
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
殆
(
ほとん
)
ど
色絲
(
いろいと
)
を
織
(
お
)
るが
如
(
ごと
)
く、
越前
(
ゑちぜん
)
——
上街道
(
かみかいだう
)
を
往來
(
ゆきき
)
した
趣
(
おもむき
)
である。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さきにはタツソオの詩を
誦
(
ず
)
して聞せ給ひしが、その句は今も我
懷
(
おもひ
)
に
往來
(
ゆきき
)
して、時ありては獨り涙を
墮
(
おと
)
すことあり。そはわが泣蟲なるためにはあらず。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
たどり
過
(
すぎ
)
人の心に
尖
(
とげ
)
ぞ有る
殼枳寺
(
からたちでら
)
や
切道
(
きりどほ
)
し切るゝ身とは知らずとも
頓
(
やが
)
て命は仲町と三次は
四邊
(
あたり
)
見廻すに
忍
(
しの
)
ばずと云ふ名は有りと
池
(
いけ
)
の
端
(
はた
)
こそ
窟竟
(
くつきやう
)
の所と思へどまだ夜も
淺
(
あさ
)
ければ人の
往來
(
ゆきき
)
も
絶
(
たえ
)
ざる故山下通り打過て
漸々
(
やう/\
)
思ひ金杉と心の
坂本
(
さかもと
)
通
(
どほ
)
り
越
(
こし
)
大恩寺
(
だいおんじ
)
前
(
まへ
)
へ曲り込ば此處は名に
負
(
おふ
)
中田圃
(
なかたんぼ
)
右も左りも
畔道
(
あぜみち
)
にて
人跡
(
じんせき
)
さへも
途絶
(
とだえ
)
たる向ふは
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
幾度
(
いくたび
)
か
越前街道
(
ゑちぜんかいだう
)
の
往來
(
ゆきき
)
に
馴
(
な
)
れて、
賃
(
ちん
)
さへあれば、
俥
(
くるま
)
はひとりで
驅出
(
かけだ
)
すものと
心得
(
こゝろえ
)
て
居
(
ゐ
)
たからである。しかし、
此
(
こ
)
の
上下
(
じやうげ
)
には、また
隨分
(
ずゐぶん
)
難儀
(
なんぎ
)
もした。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
口々
(
くち/″\
)
に
言
(
い
)
ひ
交
(
かは
)
して、
寂然
(
しん
)
とした
道
(
みち
)
ながら、
往來
(
ゆきき
)
の
慌
(
あわたゞ
)
しい
町
(
まち
)
を、
白井
(
しらゐ
)
さんの
家族
(
かぞく
)
ともろともに
立退
(
たちの
)
いた。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
知
(
し
)
つてゐるのは、
秋
(
あき
)
また
冬
(
ふゆ
)
のはじめだが、
二度
(
にど
)
三度
(
さんど
)
、
私
(
わたし
)
の
通
(
とほ
)
つた
數
(
かず
)
よりも、さつとむら
雨
(
さめ
)
の
數多
(
かずおほ
)
く、
雲
(
くも
)
は
人
(
ひと
)
よりも
繁
(
しげ
)
く
往來
(
ゆきき
)
した。
尾花
(
をばな
)
は
斜
(
なゝめ
)
に
戰
(
そよ
)
ぎ、
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
はかさなつて
落
(
お
)
ちた。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
淺草
(
あさくさ
)
でも、
銀座
(
ぎんざ
)
でも、
上野
(
うへの
)
でも——
人
(
ひと
)
の
往來
(
ゆきき
)
、
店
(
みせ
)
の
構
(
かま
)
へ、
千状萬態
(
せんじやうばんたい
)
、
一卷
(
ひとまき
)
に
道中
(
だうちう
)
の
繪
(
ゑ
)
に
織込
(
おりこ
)
んで——また
内證
(
ないしよう
)
だが——
大福
(
だいふく
)
か、
金鍔
(
きんつば
)
を、
豫
(
かね
)
て
袂
(
たもと
)
に
忍
(
しの
)
ばせたのを、ひよいと
食
(
や
)
る、
其
(
そ
)
の
早業
(
はやわざ
)
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
旅費
(
りよひ
)
が
少
(
すくな
)
いから、
旦那
(
だんな
)
は
脇息
(
けふそく
)
とある
處
(
ところ
)
を、
兄哥
(
あにい
)
に
成
(
な
)
つて、
猫板
(
ねこいた
)
に
頬杖
(
ほゝづゑ
)
つくと、
又
(
また
)
嬉
(
うれ
)
しいのは、
摺上川
(
すりかみがは
)
を
隔
(
へだ
)
てた
向
(
むか
)
う
土手
(
どて
)
湯
(
ゆ
)
の
原
(
はら
)
街道
(
かいだう
)
を、
山
(
やま
)
の
根
(
ね
)
について
往來
(
ゆきき
)
する
人通
(
ひとどほ
)
りが、
衣
(
き
)
ものの
色
(
いろ
)
、
姿容
(
なりかたち
)
は
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
熟
(
じつ
)
と
瞳
(
ひとみ
)
を
定
(
さだ
)
めると、
其處
(
そこ
)
に
此處
(
こゝ
)
に、それ
彼處
(
あすこ
)
に、
其
(
そ
)
の
數
(
かず
)
の
夥
(
おびたゞ
)
しさ、
下
(
した
)
に
立
(
た
)
つたものは、
赤蜻蛉
(
あかとんぼ
)
の
隧道
(
トンネル
)
を
潛
(
くゞ
)
るのである。
往來
(
ゆきき
)
はあるが、
誰
(
だれ
)
も
氣
(
き
)
がつかないらしい。
一
(
ひと
)
つ
二
(
ふた
)
つは
却
(
かへ
)
つてこぼれて
目
(
め
)
に
着
(
つ
)
かう。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
人
(
ひと
)
の
往來
(
ゆきき
)
も
躍
(
をど
)
るが
如
(
ごと
)
し。
酒
(
さけ
)
はさざんざ
松
(
まつ
)
の
風
(
かぜ
)
。
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
往
常用漢字
小5
部首:⼻
8画
來
部首:⼈
8画
“往來”で始まる語句
往來傍
往來物
往來皆此路