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嘆息
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たんそく
ふりがな文庫
“
嘆息
(
たんそく
)” の例文
『いや/\、
私
(
わたくし
)
は
却
(
かへつ
)
て、
天外
(
てんぐわい
)
※里
(
ばんり
)
の
此樣
(
こん
)
な
島
(
しま
)
から、
何時
(
いつ
)
までも、
君等
(
きみら
)
に
故郷
(
こきよう
)
の
空
(
そら
)
を
望
(
のぞ
)
ませる
事
(
こと
)
を
情
(
なさけ
)
なく
感
(
かん
)
ずるのです。』と
嘆息
(
たんそく
)
しつゝ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
その上あたりは墓の中のようにしんと静まり返って、たまに聞えるものと云っては、ただ罪人がつく
微
(
かすか
)
な
嘆息
(
たんそく
)
ばかりでございます。
蜘蛛の糸
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そして、言葉をつづけた。(妹は、わしより二倍は強い。男に生れたら、日本中に相手はないのだが……)と、
嘆息
(
たんそく
)
した。
大力物語
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「そうだったか——」私は深い
嘆息
(
たんそく
)
と共に、あの死んだ金が素晴らしくもてていた其の頃の情景をハッキリ思い出した。
ゴールデン・バット事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこらから小さな
嘆息
(
たんそく
)
やいのりの声が聞こえジョバンニもカムパネルラもいままで
忘
(
わす
)
れていたいろいろのことをぼんやり思い出して
眼
(
め
)
が
熱
(
あつ
)
くなりました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
看送
(
みおく
)
り
済
(
すま
)
し更に余が
方
(
かた
)
に打向いて「
最
(
も
)
う
何
(
ど
)
うしても藻西太郎の
仕業
(
しわざ
)
と認める外は無い」と
嘆息
(
たんそく
)
せり。
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
話といっても、ふつうのことばでなく、ただ
優
(
やさ
)
しい、しおらしい
嘆息
(
たんそく
)
の声のようなものであった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
文
(
ふみ
)
を
投出
(
なげだ
)
して
嘆息
(
たんそく
)
しけるが、
甚
(
じん
)
之
助
(
すけ
)
に
向
(
むか
)
ひては
猶
(
なほ
)
さら
悲
(
かな
)
しげに、
姉樣
(
ねえさま
)
はあくまで
吾助
(
ごすけ
)
を
憎
(
に
)
くみて、あれほど
御覽
(
ごらん
)
に
入
(
い
)
れし
歌
(
うた
)
に一
度
(
たび
)
のお
返歌
(
へんか
)
もなく、あまつさへ
貴君
(
あなた
)
にまで
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あまりに多くありすぎるのを考えて
愁然
(
しゅうぜん
)
とし、『人生は短かすぎる』と
幾度
(
いくど
)
も言って
嘆息
(
たんそく
)
した。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
牛のほうはぞうさないけれど、むすこは助かる
見込
(
みこ
)
みがない。おふくろが
前掛
(
まえか
)
けで
涙
(
なみだ
)
をふきながら茶をだしたが、どこにもよいことばかりはないと、しみじみ
糟谷
(
かすや
)
は
嘆息
(
たんそく
)
した。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
さすがの田川大作も、大河無門の気魄がぐいぐいと全体の空気を支配して行く力には勝てず、とうとう「そうかなあ」という
嘆息
(
たんそく
)
に似た言葉を最後にもらして、旗をまいたのである。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
取候事
嘆
(
なげ
)
きの中の喜びにして是
偏
(
ひとへ
)
に御上の
御威光
(
ごゐくわう
)
有難
(
ありがた
)
き仕合せに存じ奉ると申し述ける
體
(
てい
)
誠
(
まこと
)
しやかに見えしかば傳吉は
覺悟
(
かくご
)
のことゆゑ
只
(
たゞ
)
頭
(
くび
)
を下て
嘆息
(
たんそく
)
の外なかりけり今日は皆々白洲を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「ああああ、いつになったら、お金がたまることだろう」と
嘆息
(
たんそく
)
しながらも、ありったけのお金を酒の代にしてしまいました。雨が降って手品が出来ないと、水ばかり飲んでいました。
手品師
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
と堀口生は両手で頭をかかえて
嘆息
(
たんそく
)
した。ナカナカ
愛嬌
(
あいきょう
)
がある。皆はまた笑った。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
涙
(
なみだ
)
をはらはらと流しながら
嘆息
(
たんそく
)
をして、なんのことばの出しようもありません。
燕と王子
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
姉のエルネスチイヌは腕に
撚
(
よ
)
りをかける。ルピック氏は、両手を背中に組んで、物好きな他人みたいに、仕事の運びを見物している。ルピック夫人は、
情
(
なさけ
)
ない声で
嘆息
(
たんそく
)
の叫びを発する——
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
「お
針
(
はり
)
出來
(
でき
)
なくつちや
仕樣
(
しやう
)
ねえなあ」おつぎは
何時
(
いつ
)
でも
嘆息
(
たんそく
)
するのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
で
同人
(
どうにん
)
が
嘆息
(
たんそく
)
した。——
今
(
いま
)
でも
金魚麩
(
きんぎよぶ
)
の
方
(
はう
)
は
辟易
(
へきえき
)
する……が、
地震
(
ぢしん
)
の
四日
(
よつか
)
五日
(
いつか
)
めぐらゐ
迄
(
まで
)
は、
此
(
こ
)
の
金魚麩
(
きんぎよぶ
)
さへ
乾物屋
(
かんぶつや
)
で
賣切
(
うりき
)
れた。また「
泉
(
いづみ
)
の
干瓢鍋
(
かんぺうなべ
)
か。
車麩
(
くるまぶ
)
か。」と
言
(
い
)
つて
友
(
とも
)
だちは
嘲笑
(
てうせう
)
する。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
康頼
明日
(
あした
)
はいよいよ雨だな。(空を仰ぎ
嘆息
(
たんそく
)
す)あのしつこい。退屈な。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
嘆息
(
たんそく
)
は彼の癖であった。何事にまれ胸中を打ち割って他に語るとか、憂いを
磊落
(
らいらく
)
に
霧散
(
むさん
)
してしまうとかいうことのできない彼は、それを独り——ああという一語によってせめてもの
自慰
(
じい
)
としていた。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼
(
かれ
)
は、
彼自身
(
かれじしん
)
の
足跡
(
あしあと
)
をふりかへつて
靜
(
しづ
)
かに
嘆息
(
たんそく
)
するやうに
云
(
い
)
つた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
と、ミハイル、アウエリヤヌヰチは
嘆息
(
たんそく
)
して
云
(
い
)
ふた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「いかにもそうだ」とゴルドンも
嘆息
(
たんそく
)
して
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
と、おじいさんは、
嘆息
(
たんそく
)
しました。
かたい大きな手
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
『あゝ、
皆
(
みな
)
私
(
わたくし
)
が
惡
(
わる
)
いのだ、
私
(
わたくし
)
の
失策
(
しくじ
)
つたばかりに、
一同
(
みんな
)
に
此樣
(
こん
)
な
憂目
(
うきめ
)
を
見
(
み
)
せる
事
(
こと
)
か。』と
深
(
ふか
)
く
嘆息
(
たんそく
)
したが、
忽
(
たちま
)
ち
心
(
こゝろ
)
を
取直
(
とりなほ
)
した
樣子
(
やうす
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「われわれ人間は、
古今
(
ここん
)
を問はず、東西を問はず、
架空
(
かくう
)
の幸福を得るために、
自
(
みづか
)
ら肉体を苦しめることを好むものである」と
嘆息
(
たんそく
)
してゐる。
日本の女
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
えい、竹見は
嘆息
(
たんそく
)
した。たしかにこの映画をみると、一同が日本人であることは、明白であった。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ゆくさきざきの乳屋で
虐待
(
ぎゃくたい
)
されて、ますます
本物
(
ほんもの
)
になったらしい。じつにきのどくというて、このくらい
悲惨
(
ひさん
)
なことはすくなかろうと、安藤は長ながと話しおわって
嘆息
(
たんそく
)
した。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
最初の
幻惑
(
げんわく
)
した印象のごとく、理想の桃源郷やフェアリイランドではなかった——後年彼は友人に手紙を送り、ここもまた我が住むべき里に
非
(
あら
)
ずと言って
嘆息
(
たんそく
)
した——けれども
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
「ああ、無念——これまでか」と龍太郎は天をあおいで
嘆息
(
たんそく
)
した。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
翻
(
こぼ
)
しゐればお金は不審と
眉
(
まゆ
)
に
皺
(
しわ
)
平常
(
へいぜい
)
からして親子中の
能
(
よい
)
と云のは音羽中へ
響
(
ひゞい
)
て親に孝行な其お光さんが何した譯でと問ど親子は
嘆息
(
たんそく
)
の外に
回答
(
いらへ
)
もあらざれば一所に置ては
面倒
(
めんだう
)
というてお金は無理やりにお光を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と、ミハイル、アウエリヤヌイチは
嘆息
(
たんそく
)
して
云
(
い
)
うた。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
(風と
嘆息
(
たんそく
)
との
中
(
なか
)
にあらゆる世界の
因子
(
いんし
)
がある)
『春と修羅』
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
一同は走りでて、うらめしそうに
嘆息
(
たんそく
)
した。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
と
思
(
おも
)
はず
嘆息
(
たんそく
)
をして
呟
(
つぶや
)
いた。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
こうなればあらゆる商売のように、
所詮
(
しょせん
)
持たぬものは持ったものの意志に服従するばかりである。犬もとうとう
嘆息
(
たんそく
)
しながら、黍団子を半分貰う代りに、桃太郎の
伴
(
とも
)
をすることになった。
桃太郎
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そして、芸術(表現)は、かかるイデヤに対するあこがれであり、勇躍への意志であり、もしくは
嘆息
(
たんそく
)
であり、
祈祷
(
きとう
)
であり、
或
(
あるい
)
は絶望の
果敢
(
はか
)
なき慰め——悲しき
玩具
(
がんぐ
)
——であるにすぎない。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
嘆息
(
たんそく
)
と
共
(
とも
)
に
眺
(
なが
)
めて
居
(
を
)
ると、
更
(
さら
)
に
奇怪
(
きくわい
)
なるは、
其
(
その
)
端艇
(
たんてい
)
に
身
(
み
)
を
投
(
とう
)
じたる
一群
(
いちぐん
)
の
人
(
ひと
)
、それは
一等船客
(
いつとうせんきやく
)
でもなく、
二等船客
(
にとうせんきやく
)
でもなく、
實
(
じつ
)
に
此
(
この
)
船
(
ふね
)
の
最後
(
さいご
)
まで
踏止
(
ふみとゞま
)
る
可
(
べ
)
き
筈
(
はづ
)
の
水夫
(
すいふ
)
、
火夫
(
くわふ
)
、
舵手
(
かぢとり
)
、
機關手
(
きくわんしゆ
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「この人間戦車は、性能が悪いなあ」一郎は、
嘆息
(
たんそく
)
した。
未来の地下戦車長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
宮内は
双方
(
そうほう
)
の顔を見くらべて、つくづくとこう
嘆息
(
たんそく
)
した。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
組
(
くみ
)
しは身の
過失
(
あやまり
)
この娘にして其病ありとは
嗚呼
(
あゝ
)
人は見掛に
依
(
よら
)
ざる物かと
嘆息
(
たんそく
)
なしてゐたりしが
漸々
(
やう/\
)
にして
此方
(
こなた
)
に向ひ
然
(
さる
)
惡病のあると知らば
假令
(
たとへ
)
若旦那
(
わかだんな
)
がどの樣に
戀慕
(
こひした
)
ひて居給ふとも決してお世話は致すまじきに全く知ずに
爲
(
なせ
)
し事故
不行屆
(
ふゆきとゞき
)
の其
廉
(
かど
)
は平に御
勘辨
(
かんべん
)
下さる可し
然
(
さう
)
して此上の御
思案
(
しあん
)
は何の思案に及ぶ可き
直
(
すぐ
)
婚姻を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
桃太郎はこういう
重
(
かさ
)
ね
重
(
がさ
)
ねの不幸に
嘆息
(
たんそく
)
を
洩
(
も
)
らさずにはいられなかった。
桃太郎
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
時々、牢天井へ、彼は弱々しい
嘆息
(
たんそく
)
をあげて
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
嘆息
(
たんそく
)
と
畏敬
(
いけい
)
の声が同時に起る。
不沈軍艦の見本:――金博士シリーズ・10――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
足をやすめるたびに
嘆息
(
たんそく
)
した。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
辻永は大きく
嘆息
(
たんそく
)
をした。
地獄街道
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“嘆息”の意味
《名詞》
嘆息(たんそく :「歎息」の「同音の漢字による書きかえ」、但し、元来「嘆」と「歎」は可換の異体字)
嘆いて溜め息をつくこと。
(出典:Wiktionary)
嘆
常用漢字
中学
部首:⼝
13画
息
常用漢字
小3
部首:⼼
10画
“嘆”で始まる語句
嘆
嘆声
嘆願
嘆賞
嘆美
嘆服
嘆きの河
嘆涙
嘆称
嘆聲