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素性
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すじやう
ふりがな文庫
“
素性
(
すじやう
)” の例文
雜談
(
ざつだん
)
の間に周三は、何かひツかゝりを作へては、お房の
素性
(
すじやう
)
と
經歴
(
けいれき
)
とを探つた。そして
約
(
ほぼ
)
想像
(
そう/\
)
して見ることが出來るまでに
手
(
た
)
ぐり出した。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
同じくば名ある武士の末にてもあらばいざしらず、
素性
(
すじやう
)
もなき土民郷家の娘に、茂頼斯くて在らん内は、齋藤の門をくゞらせん事思ひも寄らず
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
添
(
そへ
)
て差上申べしと云ければ後藤始め大いに悦び夫は何よりの幸ひ何分頼むと有りけるに八五郎は
後藤
(
ごとう
)
并
(
ならび
)
に夫婦の者の
素性
(
すじやう
)
を
委
(
くは
)
しく書状に
認
(
したゝ
)
め是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
言ふ迄もなく
鑑識
(
めがね
)
自慢で、値段よりも自分の眼で買つたものだけに、
素性
(
すじやう
)
の立派なのに比べて、金は余り掛けてゐない。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
無下
(
むげ
)
に
賤
(
いや
)
しき
種
(
たね
)
には
有
(
あ
)
るまじ、
妻
(
つま
)
か
娘
(
むすめ
)
か
夫
(
それ
)
すらも
聞
(
き
)
き
知
(
し
)
らざりし
口惜
(
くちを
)
しさよ、
宿
(
やど
)
の
主
(
あるじ
)
は
隣家
(
となり
)
のことなり、
問
(
と
)
はば
素性
(
すじやう
)
も
知
(
し
)
るべきものと、
空
(
むな
)
しくはなど
過
(
すご
)
しけん
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
「大旦那樣が亡くなつてしまへば、お内儀さんとしては、何處の子か
素性
(
すじやう
)
もわからぬお君さんに、伊勢屋の身上を半分やるのが、惜しくもなるぢやありませんか」
銭形平次捕物控:287 血塗られた祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
坂井
(
さかゐ
)
は
道具屋
(
だうぐや
)
の
素性
(
すじやう
)
を
能
(
よ
)
く
知
(
し
)
つてゐた。
出入
(
でいり
)
の
八百屋
(
やほや
)
の
阿爺
(
おやぢ
)
の
話
(
はなし
)
によると、
坂井
(
さかゐ
)
の
家
(
いへ
)
は
舊幕
(
きうばく
)
の
頃
(
ころ
)
何
(
なん
)
とかの
守
(
かみ
)
と
名乘
(
なの
)
つたもので、
此
(
この
)
界隈
(
かいわい
)
では
一番
(
いちばん
)
古
(
ふる
)
い
門閥家
(
もんばつか
)
なのださうである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
へん、こけが六十六部に
立山
(
たてやま
)
の話でも聞きやしめえし、頭からおどかしを食つてたまるものかえ。これやい、眠む気ざましにや勿体無えが、おれの
素性
(
すじやう
)
を洗つてやるから、耳の穴を
鼠小僧次郎吉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
飛
(
と
)
んだ
事
(
こと
)
ぢや、こんな
怪
(
あや
)
しげな
処
(
ところ
)
へござつて、
素性
(
すじやう
)
の
知
(
し
)
れぬ
船
(
ふね
)
に
乗
(
の
)
ると
云
(
い
)
ふ
法
(
はふ
)
があるかい。お
剰
(
まけ
)
にお
前様
(
めえさま
)
、
五位鷺
(
ごゐさぎ
)
の
船頭
(
せんどう
)
ぢや……
狸
(
たぬき
)
の
拵
(
こさ
)
へた
泥船
(
どろぶね
)
より、まだ/\
危
(
あぶな
)
いのは
知
(
し
)
れた
事
(
こと
)
を。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さつきまでは、
昏々
(
こんこん
)
と一人で眠りたいと考へてゐたのだけれど、いまはまた、気持ちが変つた。お互ひの
素性
(
すじやう
)
を知りあつたもの同士が、一つところに寄りあつてゐる事は慰めだつた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
何とも知れない変な、それは泥棒などといふ
素性
(
すじやう
)
の知れたものではない別種の侵入者、それは結局正体のない侵入者、それを自由自在に出入するに任せて居るやうな気がするのであつた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
島
(
しま
)
の
一周
(
いつしう
)
といつて、
此
(
この
)
島
(
しま
)
はどの
位
(
くら
)
い
廣
(
ひろ
)
いものやら、また
道中
(
だうちう
)
に
如何
(
いか
)
なる
危險
(
きけん
)
があるかも
分
(
わか
)
らぬが、
此處
(
こゝ
)
に
漠然
(
ぼんやり
)
として
居
(
を
)
つて、
島
(
しま
)
の
素性
(
すじやう
)
も
分
(
わか
)
らず
氣味惡
(
きみわる
)
く
一夜
(
いちや
)
を
明
(
あか
)
すよりは
勝
(
まし
)
だと
考
(
かんが
)
へたので
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼れは
素性
(
すじやう
)
も
生国
(
しやうこく
)
も
妄動
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
持崩
(
もちくづ
)
し十七歳の時
浪人
(
らうにん
)
仕つり其後京都に出て日野家に奉公致し候と茲に至つて實の
素性
(
すじやう
)
を
白状
(
はくじやう
)
に及びけり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
敏
(
さとし
)
おさなきより
植木
(
うゑき
)
のあつかひを
好
(
す
)
きて、
小器用
(
こぎよう
)
に
鋏
(
はさみ
)
も
使
(
つか
)
へば、
竹箒
(
たけばヽき
)
にぎつて
庭男
(
にはをとこ
)
ぐらゐ
何
(
なん
)
でもなきこと、
但
(
たゞ
)
し
身
(
み
)
の
素性
(
すじやう
)
を
知
(
し
)
られじと
計
(
ばか
)
り、
誠
(
まこと
)
に
只今
(
たヾいま
)
の
山出
(
やまだ
)
しにて
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
されどつれなき人心、今更靡かん樣もなく、且や
素性
(
すじやう
)
賤
(
いや
)
しき女子なれば、物堅き父上の
御容
(
おんゆる
)
しなき事
元
(
もと
)
より覺悟候ひしが、只〻最後の
思出
(
おもひで
)
にお耳を汚したるまでなりき。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
「お琴お糸姉妹の
素性
(
すじやう
)
を調べるのだ、それから、大野田の家を怨むものは無いか?」
銭形平次捕物控:294 井戸端の逢引
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
是
(
これ
)
は
素性
(
すじやう
)
の
慥
(
たしか
)
なものです。
出
(
で
)
が
出
(
で
)
ですからね」と
云
(
い
)
つた。
宗助
(
そうすけ
)
は、たゞ
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
参詣の
奉教人衆
(
ほうけうにんしゆう
)
が介抱し、それより
伴天連
(
ばてれん
)
の憐みにて、寺中に養はれる事となつたげでござるが、何故かその身の
素性
(
すじやう
)
を問へば、
故郷
(
ふるさと
)
は「はらいそ」(天国)父の名は「でうす」(天主)などと
奉教人の死
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
撰
(
え
)
りに
撰
(
え
)
りて
取
(
と
)
る
虫喰栗
(
むしくひぐり
)
も
世
(
よ
)
には
多
(
おほ
)
かり、
藻
(
も
)
くずに
埋
(
うづ
)
もるゝ
美玉
(
びぎよく
)
又
(
また
)
なからずや、
哀
(
あわれ
)
この
願
(
ねが
)
ひ
許容
(
きよよう
)
ありて、
彼女
(
かれ
)
が
素性
(
すじやう
)
問
(
と
)
ひ
定
(
さだ
)
め
給
(
たま
)
はりたし、
曲
(
まが
)
りし
刀尺
(
さし
)
に
直
(
すぐ
)
なる
物
(
もの
)
はかり
難
(
がた
)
く
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
上お早が身の
素性
(
すじやう
)
より
實家
(
じつか
)
森田屋銀五郎の方にて
不實
(
ふじつ
)
を
働
(
はたら
)
きし事まで殘りなく申立るに越前守殿
點頭
(
うなづか
)
れコレ早
然
(
さ
)
すれば汝が不儀の樣子森田屋銀五郎に
大恩
(
だいおん
)
を
請
(
うけ
)
ながら其主人宅を
取逃
(
とりにげ
)
欠落
(
かけおち
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その上、昔の十二支組の者が、自分の
素性
(
すじやう
)
を知つて居るのが恐ろしさに、お前は、仲間の者を片ツ端から殺して歩くつて言ふぢやないか。誰がそんな鬼のやうな奴の言ふことを聞くものか。
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
わたしの
素性
(
すじやう
)
の為と——百姓育ちの為と解釈するであらう
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
幾度
(
いくた
)
びか
顧
(
かへ
)
りみて
思
(
おも
)
へば、さてもはした
無
(
な
)
きことなり、
氏
(
うぢ
)
も
知
(
し
)
らず
素性
(
すじやう
)
も
知
(
し
)
らず、
心情
(
こゝろだて
)
も
何
(
なに
)
も
知
(
し
)
れぬ
人
(
ひと
)
に
戀
(
こ
)
ふとは、
我
(
わ
)
れながら
淺
(
あさ
)
ましきことなり、
定
(
さだめ
)
なき
世
(
よ
)
に
定
(
さだ
)
めなき
人
(
ひと
)
を
頼
(
たの
)
む
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
相手の
素性
(
すじやう
)
も判りませんが、貫兵衞は
威壓
(
ゐあつ
)
されて、思はず大地に
崩
(
くづ
)
れました。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
我
(
わ
)
れには
有
(
あ
)
らぬ
親
(
おや
)
の
昔
(
むか
)
し、
語
(
かた
)
るまじき
事
(
こと
)
と
我
(
わ
)
れも
秘
(
ひ
)
め、
父君
(
ちヽぎみ
)
は
更
(
さら
)
なり
母君
(
はヽぎみ
)
にも
家
(
いへ
)
の
耻
(
はぢ
)
とて
世
(
よ
)
に
包
(
つヽ
)
むを、
聞
(
き
)
かせ
參
(
まゐ
)
らするではなけれど、一
生
(
しやう
)
に一
度
(
ど
)
の
打明
(
うちあ
)
け
物
(
もの
)
がたり、
聞
(
きい
)
て
給
(
たま
)
はれ
憂
(
う
)
き
身
(
み
)
の
素性
(
すじやう
)
と
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「自分のなら、
素性
(
すじやう
)
がわかつてゐるから、怖くも
可笑
(
をか
)
しくも何んともないが、不思議なことに、彦太郎といふ若い男の眼には、何處の誰とも知れぬ、怪しい影法師が附き
纒
(
まと
)
つてゐるといふのですよ」
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
不幸
(
ふかう
)
の
由來
(
もと
)
に
悟
(
さと
)
り
初
(
そ
)
めて、
父
(
ちヽ
)
戀
(
こひ
)
し
母
(
はヽ
)
戀
(
こひ
)
しの
夜半
(
よは
)
の
夢
(
ゆめ
)
にも、
咲
(
さ
)
かぬ
櫻
(
さくら
)
に
風
(
かぜ
)
は
恨
(
うら
)
まぬ
獨
(
ひと
)
りずみの
願
(
ねが
)
ひ
固
(
かた
)
くなり、
包
(
つヽ
)
むに
洩
(
もれ
)
ぬ
身
(
み
)
の
素性
(
すじやう
)
、
人
(
ひと
)
しらねばこそ
樣々
(
さま/″\
)
の
傳手
(
つて
)
を
求
(
もと
)
めて、
香山
(
かやま
)
の
令孃
(
ひめ
)
と
立
(
た
)
つ
名
(
な
)
くるしく
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“素性”の意味
《名詞》
血筋。家柄。
伝来。由緒。
育ち。育ってきた境遇。
(出典:Wiktionary)
“素性”の解説
素性(そせい、生没年不詳)は、平安時代前期から中期にかけての歌人・僧侶。桓武天皇の曾孫。遍昭(良岑宗貞)の子。俗名は諸説あるが、一説に良岑玄利(よしみねのはるとし)。
三十六歌仙の一人。
(出典:Wikipedia)
素
常用漢字
小5
部首:⽷
10画
性
常用漢字
小5
部首:⼼
8画
“素”で始まる語句
素人
素
素直
素振
素気
素朴
素足
素姓
素破
素裸