けい)” の例文
皚々がい/\たる雪夜せつやけいかはりはなけれど大通おほどほりは流石さすが人足ひとあしえずゆき瓦斯燈がすとうひか皎々かう/\として、はだへをさす寒氣かんきへがたければにや
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さうするどくもなく敢へて妙策めうさくろうせずしづかにおだやかにもみ合つてゐる光けいたるやたしかに「さくらかざして」のかんなくもない。
半日はんにち散策さんさく神祇しんぎあり、釋教しやくけうあり、こひあり、無常むじやうあり、けいあり、ひとあり、したがうてまたじやうあり、ぜにすくなきをいかにせむ。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
こゝにぬぐひ扶桑ふさう第一の富士をいだせり、そのさま雪の一握ひとにぎりをおくが如し。人々手をうち、奇なりとび妙なりと称讃しようさんす。千しようけい応接おうせふするにいとまあらず。
「そんなことを言わずに、お逃げなさい、あのけいのよい東海道を下って、公方様くぼうさまのお膝下ひざもとの賑かさをごらんなされば、わたしのことなどは思い出す暇はありやしませんよ」
なかちかけた額堂の欄間らんまには、琵琶びわを抱いた蝉丸の像や、関寺小町せきでらこまちの彩画や、八けい鳥瞰ちょうかん大額おおがくなどが、胡粉ごふん雨露うろの気をただよわせ、ほこり蜘蛛くもの巣のうちにかけられてあった。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
真青に澄切ってる、この湖に映じて、如何いかな風流気のない唐変木とうへんぼくも、思わずあっと叫ばずにはおられない、よく談話はなしにきく、瑞西すいつるのゲネパ湖のけいも、くやと思われたのであった、何様なにさま
雪の透く袖 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
然れども山水としてその最も上乗じょうじょうなるものは伊勢いせ二見ふたみうら日出ひのでけい、または Gillotジョオ 蒐集板画目録中に載せられたる三枚続にして、樹木茂りし丘陵の彼方かなたはるかに雪の富士巍然ぎぜんとしてそび
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
甲板かんぱんると、弦月丸げんげつまる昨夜ゆふべあひだにカプリとうおきぎ、いまはリコシアのみさきなゝめ進航しんかうしてる、季節せつは五ぐわつ中旬なかばあつからずさむからぬ時※じこうくはふるに此邊このへんたい風光ふうくわう宛然えんぜんたる畫中ぐわちゆうけい
くるまは遠いはらなかちいさく見えた。はらくるまちいさくえる程、ひろかつた。の様に毒々しくつた。代助は此光けいなゝめにながら、かぜつて電車に持つてかれた。おもあたまなかがふら/\した。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
なあ」二人はかわる/″\けいめた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
なにはなきけいはさながら
故郷の花 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
けいところうちぎて
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
読者どくしやよ、かくのごときはみづうみ宮殿きうでんいたきざはしの一だんぎない。片扉かたとびらにして、うつたる一けいさへこれである。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こゝにぬぐひ扶桑ふさう第一の富士をいだせり、そのさま雪の一握ひとにぎりをおくが如し。人々手をうち、奇なりとび妙なりと称讃しようさんす。千しようけい応接おうせふするにいとまあらず。
そこにはわたしおよわたし周圍しういをなした人たちや旅の風けいなどの過去くわこの一めん々々が、あざやかに記録きろくされてゐる。
いま孔明のいた陣には八つの門がある。名づけて、きゅうせいしょう、杜、けいきょうかいの八部とし、うち開と休と生の三門は吉。傷と杜と景と死と驚との五門は凶としてある。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
素人目しろうとめにも、こののぼり十五ちやう、五十六まがり十六けいまをして岩端いはばな山口やまぐち処々ところ/″\、いづれもかはる/″\、みづうみ景色けしきかはりますうちにも、こゝは一だんぞんじました。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
名づけてきゅうせいしょうけいきょうかいの八部をいい、生門、景門、開門から入るときは吉なれど、傷、休、驚の三門を知らずして入るときは、かならず傷害をこうむり、杜門、死門を侵すときは
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
洒落しやれに持つてつて御覧なせえ。」と、花政の爺さんがけいぶつに寄越したのだと言ふのである。
玉川の草 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
もつとも、ついごろ飛行機ひかうきで、八けいうち上高地かみかうちそらんだとふから、ふねつても、はねえて、ひら/\と、周囲しうゐ十五みづうみうへたかびさうでならなかつた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)