おそ)” の例文
「あなた、『びるぜん』て横文字でどう書くか知ってる? 知らないでしょ? ほほ、あたし、おそわったから知っているわ。」
まれつき、なんでもおときなのだ。だれからおそわらなくても、こうして、木琴もっきんらせば、いい音色ねいろるじゃないか。
しいたげられた天才 (新字新仮名) / 小川未明(著)
……まずボーイにおそわった通りに階段を昇って、ここに立ち止まって誰も居ない事をたしかめた。その足跡は他のよりもややハッキリしている。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
おじいさんはたいそうよろこんで、あたふた山へ出ていきました。そしておそわった木のうろの中へはいって、こわごわおにるのをっていました。
瘤とり (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
... 私にも是非そのお料理を覚えるようにと命令いいつけられましたから暇の時おそわりに参るつもりです」と聞くより客は膝進ませ
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
それをおそわるのは、通力つうりきをもったある女のひとが、ふしぎなきどくをもつおだまきの糸をくれたおかげでした。
その踊りは、人里はなれたぬまの上にただようきりからおそわってきたのではないかと思われます。そこには、この世のものではないふしぎな力が宿やどっています。
その先達に初歩ふみはじめおそわってこの道に入りましてから、今年でもう十六年になりますが、つえとも思うは実にこのほんで、一日もそばを放さないのでございますよ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
こうのとりはながあかあしあるきまわりながら、母親ははおやからおそわったみょう言葉ことばでおしゃべりをしていました。
だから、ここで出あった生徒たちは、いちどは小林先生におそわったことのあるものばかりだ。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
そして、やはり、甚兵衛じんべえ神様かみさまから人形使いのほうおそわったということになりました。
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
だんだんナショナルの一や二を持っておそわりに来るものが多くなって、のちには、こうひまをつぶされてはならないと思いながら、夜はたいてい宿直室に生徒が集まるようになった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
その唄はおさない時、この方の母さんから、口移しにおそわって、私は今も、覚えている。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その鳥の羽根は、ウイリイがせんにひろった羽根とおんなじ羽根でした。ウイリイは、犬からおそわっていたので、そっとその鳥のそばへ行って、しっぽについている、一ばん長い羽根を引きぬきました。
黄金鳥 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
と正三君はお父さんからおそわったとおり切り口上でいった。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「うむ、先生におそわったことを」
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
また、金持かねもちから時間じかん見方みかたおそわって、かれらは、はたけにいっても、やまにいっても、ると時計とけいはなしをしたのであります。
時計のない村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこでおそわったとおり川についてどこまでものぼって行きますと、十七八のきれいなむすめが、川のふちでのついた着物きものあらいながら、しくしくいていました。
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
それから宿に行ったら、君たちはわらび採りの御遊ぎょゆうだと聞いたから、みちおそわってやって来たんだ。なに、明日あすは帰らなけりゃならん。邪魔に来たようだな。はッはッ
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
ジンの中へダイナマイト……つまりニトログリセリンが割ってあるんだ。トテモいい心持ちに酔うからね。ケープタウンで作り方をおそわったんだが。……ウンウン。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そこでみんなは、マサちゃんにおそわって、まっすぐに歩く練習れんしゅうをしました。
風ばか (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
しかし、とりがそうする時分じぶんは、吉雄よしおは、学校がっこうへいってしまって、教室きょうしつにはいって、先生せんせいから、お修身しゅうしんや、算術さんじゅつおそわっているころなのでありました。
ある日の先生と子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
だけど、そのうちにヤングから、そんな遊びの仕方を、一番やさしいのから先にして一つ一つにおそわって行くうちに、妾はもう怖くも何ともなくなってしまったのよ。
支那米の袋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
といって、おかあさんにおそわったとおり、二ひきうまあいだ青草あおくさげてやりますと、あんじょう、一ぴきががつがつしてくさべるあいだ、もう一ぴきしずかにすわったままながめていました。
姨捨山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ぼくたちは、教場きょうじょうなかで、おそわるよりも、そとて、広場ひろばあそんだり、うたったりするときのほうがおおかった。
だれにも話さなかったこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
そうしてヤングからおそわった色んな遊びをあんたに教えて見たくてしようがなくなって来たの。
支那米の袋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
がんのみだれてとき伏兵ふくへいがあるしるしだということは、匡房まさふさきょうからおそわった兵学へいがくほんにあることだ。おかげあぶないところをたすかった。だから学問がくもんはしなければならないものだ。
八幡太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
おれ、どうして、あんなに人間にんげんあたまちゅうものが、ぴかぴかひかるだかと、いろいろのひといたら、なかで、それは、鬢付びんつあぶらというものをるからだとおそわった。
てかてか頭の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
妾ヤングからおそわった通りに呑気のんきそうに流行歌はやりうたを唄いながら、その調子に合わせてっていたから、外から聞いたって何かほかのものをたたいているとしか思えなかった筈よ。
支那米の袋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「ちぇッ。山のかみおそわったか。」
鬼六 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
うちのおじょうさんは、毎日まいにちピアノをいてうたっています。先生せんせいのところへいって、おそわっているおもしろいうたをいいこえでうたいながら、ダンスのまねをします。
煙突と柳 (新字新仮名) / 小川未明(著)
又、ほかのものもみんな、無茶先生からおそわった通りにお酒で顔を洗って、もとの通りの白ん坊になりましたので大喜びで、無茶先生の不思議な術に誰もかれも驚いてしまいました。
豚吉とヒョロ子 (新字新仮名) / 夢野久作三鳥山人(著)
「おじいさん、ここはみずたまりですよ。このいたうえをトン、トンとおあるきなさいよ。」と、まごたちにおそわって、おじいさんは、そのみずたまりをあるいていました。
幾年もたった後 (新字新仮名) / 小川未明(著)
今のノスタレとオーム・シッコが二人でフロッキコートてえ活弁かつべんのお仕着せみてえなものを着込んで入口の処へ突立って、藤村さんからおそわった通りの英語を、毎日毎日大きな声で怒鳴るんです。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
あそびにゆく約束やくそくをしたのでゆうちゃんは、その木田きだからおそわったみちあるいてたずねてゆきました。するとさかしたのところに、ちいさなみすぼらしい床屋とこやがありました。
すいれんは咲いたが (新字新仮名) / 小川未明(著)
人生は京の夢、大阪の夢だ。電光朝露でんこうちょうろ応作おうさ如是観にょぜかんだ。まあ聞け……そんな経緯わけで吾輩は、その未亡人の手に付くと、お母さんだか妹だか訳のわからないステキな幸福に恵まれながら学問をおそわった。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
けれど、みんなは、それをらすことをおぼえないうちに、やめてしまったけれど、としちゃんだけは、べつにおそわりもせずに、いろいろのうたけるようになりました。
年ちゃんとハーモニカ (新字新仮名) / 小川未明(著)
あなたは、くさや、あかはなから、おどりをおそわったとおねえさまからきましたが、わたしは、またうた小鳥ことりから、あのみみずから……かぜから、いろいろなものからならいましたの。
初夏の空で笑う女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
青年せいねん最初さいしょ将棋しょうぎあゆかたりませんでした。けれど老人ろうじんについて、それをおそわりましてから、このごろはのどかなひるごろには、二人ふたり毎日まいにちかいって将棋しょうぎしていました。
野ばら (新字新仮名) / 小川未明(著)
松蔵まつぞうは、おじいさんから、バイオリンをおそわることをどんなにうれしくおもったでしょう。
海のかなた (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのおんなは、なんでも、魔術まじゅつをインドじんからおそわったということです。人間にんげんをはとにしたり、からすにしたり、また、はとをさらにしたり、りんごにしたりする不思議ふしぎじゅつっていました。
初夏の空で笑う女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしも、ぜひ、いっておそわってきますから。
紅すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)