トップ
>
妃
>
きさき
ふりがな文庫
“
妃
(
きさき
)” の例文
ですから、いつもお
妃
(
きさき
)
さまのそばにばかりくっついているすえっ子の、ベンジャミンという子が、お妃さまにむかってたずねました。
十二人兄弟
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
それで、ひすいを
見分
(
みわ
)
けるために、
御殿
(
ごてん
)
へ
召
(
め
)
された
老人
(
ろうじん
)
は、
妃
(
きさき
)
が
亡
(
な
)
くなられると、もはや、
仕事
(
しごと
)
がなくなったので
暇
(
ひま
)
を
出
(
だ
)
されました。
ひすいを愛された妃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
見ると、私はむかむかしてくる。
彼奴
(
あいつ
)
をこれから一日でも家に置いとくくらいなら、ルイ十八世のお
妃
(
きさき
)
にでもなった方がまだましだ。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
天皇は、この美しい
矢河枝媛
(
やかわえひめ
)
を、後にお
妃
(
きさき
)
にお
召
(
め
)
しになりました。このお妃から、
宇治若郎子
(
うじのわかいらつこ
)
とおっしゃる皇子がお生まれになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
家来がどんなにおすすめしてもお
妃
(
きさき
)
をお迎えにならず、お子様もない代りに一匹の犬を育てて毎晩可愛がって、「息子よ息子よ」とよんで
犬の王様
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
そのお城に住んでいる人魚の王さまは、もう何年も前にお
妃
(
きさき
)
さまがなくなってからは、ずっと、ひとりでくらしていました。
人魚の姫
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
と申しますのは、昭公は
呉
(
ご
)
から
妃
(
きさき
)
を迎えられ、その方がご自分と同性なために、ごまかして
呉孟子
(
ごもうし
)
と呼んでおられるのです。
現代訳論語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
寵愛
(
ちょうあい
)
いよいよ厚きを加えたが、その後
妃
(
きさき
)
の
寵
(
ちょう
)
衰
(
おとろ
)
えたとき、かつて食い残した品を捧げた無礼の
件
(
けん
)
によりて
罰
(
ばっ
)
せられたという。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
今月も生み月になっている
妃
(
きさき
)
が六人いるのですからね。
身重
(
みおも
)
になっているのを勘定したら何十人いるかわかりませんよ。
青年と死
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
目
(
め
)
がさめて
後
(
のち
)
お
妃
(
きさき
)
は、
喉
(
のど
)
の中に
何
(
なに
)
か
固
(
かた
)
くしこるような、
玉
(
たま
)
でもくくんでいるような、
妙
(
みょう
)
なお
気持
(
きも
)
ちでしたが、やがてお
身重
(
みおも
)
におなりになりました。
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
その
妃
(
きさき
)
を描き
女神
(
めがみ
)
を描き、
或
(
ある
)
は
紅
(
くれない
)
の島に
群
(
む
)
れなして
波間
(
なみま
)
に浮ぶナンフ或は妖艶の人魚の姫。或はまた四季の眺めを
形取
(
かたど
)
る肉付のよきポモンの女神。
浮世絵の鑑賞
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
城外には、魏軍の奏する楽の音や万歳の声が絶えまなく
沸
(
わ
)
き立っている。蜀宮の上には降旗が
掲
(
かか
)
げられ、帝は多くの
妃
(
きさき
)
や臣下を連れて城外へ出た。
三国志:12 篇外余録
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その剛壮な腹の頂点では、コルシカ産の
瑪瑙
(
めのう
)
の
釦
(
ボタン
)
が
巴里
(
パリー
)
の半景を
歪
(
ゆが
)
ませながら、
幽
(
かす
)
かに
妃
(
きさき
)
の指紋のために曇っていた。
ナポレオンと田虫
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
彦火火出見尊
(
ひこほほでみのみこと
)
のお
妃
(
きさき
)
の豊玉姫が、海岸の
産屋
(
うぶや
)
で御子
鵜草葺不合尊
(
うがやふきあえずのみこと
)
をお生みになった事は、誰も承知の有名なお話です。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
いたつてわがままな王様は、まだお
妃
(
きさき
)
がありませんでしたから、この
画
(
ゑ
)
の女を、是非探し出して連れて参れと、一同の兵士に厳重に命令いたしました。
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
女帝の信頼も厚く、文武天皇の
妃
(
きさき
)
を選ばれる折にも、必ずや絶大な発言権をもっていたであろうといわれている。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
ゆがみよろぼいたる式部官に
案内
(
あない
)
せられて
妃
(
きさき
)
出でたまい、式部官に名をいわせて、ひとりびとりことばをかけ、手袋はずしたる右の手の甲に
接吻
(
せっぷん
)
せしめたもう。
文づかい
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
申
(
もう
)
すもかしこけれど、お
婿様
(
むこさま
)
は百
代
(
だい
)
に
一人
(
ひとり
)
と
言
(
い
)
われる、すぐれた
御器量
(
ごきりょう
)
の
日
(
ひ
)
の
御子
(
みこ
)
、
又
(
また
)
お
妃
(
きさき
)
は、しとやかなお
姿
(
すがた
)
の
中
(
うち
)
に
凛々
(
りり
)
しい
御気性
(
ごきしょう
)
をつつまれた
絶世
(
ぜっせい
)
の
佳人
(
かじん
)
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
香橙色
(
くねんぼいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、物語に傳はつた
威尼知亞女
(
ヹネチヤをんな
)
、
姫御前
(
ひめごぜ
)
よ、
妃
(
きさき
)
よ、
香橙色
(
くねんぼいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、おまへの葉陰の
綾絹
(
あやぎぬ
)
に、虎の
顎
(
あぎと
)
が
眠
(
ね
)
てゐるやうだ、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ、
無言
(
むごん
)
の花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
この壮大な
霊廟
(
れいびょう
)
の中央に、その創建者の墓があり、その彫像が
妃
(
きさき
)
の像とならんで、華麗な墓石の上に横たわり、全体は目もあやな細工をした真鍮の
手摺
(
てす
)
りでかこんである。
ウェストミンスター寺院
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
例
(
たと
)
へば
河内
(
かはち
)
にある
聖徳太子
(
しようとくたいし
)
の
御墓
(
おはか
)
には、
太子
(
たいし
)
の
母后
(
ぼこう
)
と、
太子
(
たいし
)
の
妃
(
きさき
)
と
三人
(
さんにん
)
の
御棺
(
おかん
)
を
容
(
い
)
れてあるとのことです。また
中
(
なか
)
には
死者
(
ししや
)
を
石棺
(
せきかん
)
でなく
木棺
(
もくかん
)
にいれて
葬
(
はうむ
)
つた
石室
(
せきしつ
)
も
多
(
おほ
)
くあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
この向うに座しておられるやんごとなき淑女は、わが
妃
(
きさき
)
、ペスト女王であらせられる。
ペスト王:寓意を含める物語
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
かのヤガミ
姫
(
ひめ
)
は前の約束通りに婚姻なさいました。そのヤガミ姫を
連
(
つ
)
れておいでになりましたけれども、お
妃
(
きさき
)
のスセリ姫を恐れて生んだ子を木の
俣
(
また
)
にさし挾んでお歸りになりました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
お父さまの奥さんに当る人が、王さまや、お
妃
(
きさき
)
さまや、宮廷や、僧侶に、何か夫の消息を聞かしてくれるようにと歎願なすったが、みんな全く何の
甲斐
(
かい
)
もなかったとしますと、ですね。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
むろん、花嫁の両親、魔法島の王とその真珠貝の
妃
(
きさき
)
とはそこに出席しました。
虹猫の話
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
総じて貴人というものは、
上淫
(
じょういん
)
を
嗜
(
たしな
)
むのです。そなた二人は、
虹
(
にじ
)
とだに雲の上にかける思いと——いう、恋歌を御存じか。そのとおり、王侯の
妃
(
きさき
)
さえも、犯したいと思うのが
性情
(
ならい
)
なのじゃ。
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
妃
(
きさき
)
との離婚問題もあったが、その前から精神に異状があったそうである。
柿の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
大王はお
妃
(
きさき
)
と王子王女とただ四人で山へ行かれた。大きな林にはいったとき王子たちは林の中の高い
樹
(
き
)
の
実
(
み
)
を見てああほしいなあと
云
(
い
)
われたのだ。そのとき大王の
徳
(
とく
)
には林の樹もまた
感
(
かん
)
じていた。
学者アラムハラドの見た着物
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
王も
妃
(
きさき
)
も
群衆
(
ぐんじゆう
)
も はた
八衢
(
やちまた
)
も 高殿も
一点鐘
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
妃
(
きさき
)
よ汝曰ふところ、我今敢て背くまじ
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
妃
(
きさき
)
と元の夫婦になるのだ。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
辛夷
(
こぶし
)
こそ
深山
(
みやま
)
の
妃
(
きさき
)
海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
このわるものの女は、お
妃
(
きさき
)
さまの頭をつかみ、むすめには足をつかませて、ふたりがかりでお妃さまを
寝台
(
しんだい
)
からひきずりだしました。
森のなかの三人の小人
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
この
話
(
はなし
)
は、やがて、
妃
(
きさき
)
のお
耳
(
みみ
)
にまで
達
(
たっ
)
すると、
妃
(
きさき
)
は
明
(
あ
)
けても、
暮
(
く
)
れても、その
珠
(
たま
)
が
空想
(
くうそう
)
の
目
(
め
)
に
浮
(
う
)
かんで、
物思
(
ものおも
)
いに
沈
(
しず
)
まれたのであります。
ひすいを愛された妃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「ああ、あんなに多くの家が燃えている。わが
妃
(
きさき
)
のいるお宮も、あの中に焼けているのか」という意味をお歌いになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
でも、いくら小さいとはいっても、お
妃
(
きさき
)
をむかえるのに、ふそくなほどではありませんでした。さて、この王子はお妃をむかえたいと思いました。
ブタ飼い
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
それからアアとサアのお
妃
(
きさき
)
の父親の王様も死んでしまって、アアもサアも立派な鬚を
生
(
は
)
やした王様になっておりました。
奇妙な遠眼鏡
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
香倶土三鳥
(著)
と
言
(
い
)
うが
早
(
はや
)
いか
踊
(
おど
)
り
上
(
あ
)
がって、お
妃
(
きさき
)
の
思
(
おも
)
わず
開
(
あ
)
けた口の中へぽんと
跳
(
と
)
び
込
(
こ
)
んでしまったと
思
(
おも
)
うとお
夢
(
ゆめ
)
はさめました。
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「そうじゃ、
聖徳太子
(
しょうとくたいし
)
と、そのおん母君、お
妃
(
きさき
)
、三尊の
御墳
(
みつか
)
がある太子
廟
(
びょう
)
へ
詣
(
もう
)
でて、七日ほど、
参籠
(
さんろう
)
いたしたい」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また
昔時
(
せきじ
)
シナの
妃
(
きさき
)
が庭園を散歩し、
桃
(
もも
)
の
熟
(
じゅく
)
したのを食い、味の余りに
美
(
び
)
なりしに感じ、独りこれを
食
(
くろ
)
うに忍びず、
食
(
く
)
い残しの半分を皇帝に
捧
(
ささ
)
げ、その愛情の深きを賞せられ
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ソロモンはきょうも宮殿の奥にたった一人
坐
(
すわ
)
っていた。ソロモンの心は寂しかった。モアブ人、アンモニ人、エドミ人、シドン人、ヘテ人
等
(
とう
)
の
妃
(
きさき
)
たちも彼の心を慰めなかった。
三つのなぜ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その
妃
(
きさき
)
を描き
女神
(
めがみ
)
を描き、
或
(
ある
)
は
紅
(
くれない
)
の島に群れなして
波間
(
なみま
)
に浮ぶナンフ或は
妖艶
(
ようえん
)
の人魚の姫。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
奥のおん
目見
(
まみ
)
えをゆるされ、正服着て宮に参り、人々と輪なりに
一間
(
ひとま
)
に立ちて
臨御
(
りんぎょ
)
を待つほどに、ゆがみよろぼひたる式部官に案内せられて
妃
(
きさき
)
出でたまひ、式部官に名をいはせて
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
そこで、そのお
妃
(
きさき
)
が、
酒盃
(
さかずき
)
をお取りになり、立ち寄り捧げて、お歌いになつた歌
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
長羅の父の君長は、
妃
(
きさき
)
を失って以来、饗宴を催すことが最大の
慰藉
(
いしゃ
)
であった。
何
(
な
)
ぜなら、それは彼の面前で踊る婦女たちの間から、彼は彼の欲する
淫蕩
(
いんとう
)
な一夜の肉体を選択するに自由であったから。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
外
(
ほか
)
でもない、それは
大和武尊様
(
やまとたけるのみことさま
)
のお
妃
(
きさき
)
の
弟橘姫様
(
おとたちばなひめさま
)
でございます……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
この夏、城の
妃
(
きさき
)
は皆わが心の塔の
内
(
うち
)
に
餓死
(
がし
)
したり。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
やがて、お
妃
(
きさき
)
さまがこちらへくるのを見ますと、王さまは
忠義者
(
ちゅうぎもの
)
のヨハネスとふたりの子どもを大きな戸だなのなかにかくしました。
忠義者のヨハネス
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
ふじの
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
く
国
(
くに
)
の
王
(
おう
)
さまは、どちらかといえば、そんなに
欲深
(
よくぶか
)
い
人
(
ひと
)
ではなかったのでした。けれど、
妃
(
きさき
)
は、たいそうひすいを
愛
(
あい
)
されました。
ひすいを愛された妃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これは、王さまとお
妃
(
きさき
)
さまです。おつぎは、見るもかわいらしいアラセイトウとカーネーションです。あちらへもこちらへも、おじぎをしました。
イーダちゃんのお花
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
“妃”の解説
妃(ひ)は、後宮における后妃の身分の一つ。妃子、嬪妃ともいう。
日本の律令制では皇后に次ぐ第2位に位置づけられている。現代日本では転じて天皇以外の男性皇族の配偶者に対して用いられている(皇太子妃・皇太孫妃・親王妃・王妃 )が、本項目では本来の意味である后妃身分について解説する。
(出典:Wikipedia)
妃
常用漢字
中学
部首:⼥
6画
“妃”を含む語句
寵妃
王妃
楊貴妃
妲妃
妃嬪
御妃
皇妃
貴妃
妃車
愛妃
呉越王妃
嬪妃
楊妃
明妃去時涙
湘妃
明妃初出漢宮時
明妃
慕蓉貴妃
郭貴妃
阿蘇津妃命
...