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器用
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きよう
ふりがな文庫
“
器用
(
きよう
)” の例文
仕
(
し
)
方なくそれは
諦
(
あきら
)
めたが、その
頃
(
ころ
)
から
割合
(
わりあひ
)
に手先の
器用
(
きよう
)
な
私
(
わたし
)
だつたので、「
少
(
せう
)
年
寫眞術
(
しやしんじゆつ
)
」の
説明
(
せつめい
)
に
從
(
したが
)
つて、
私
(
わたし
)
はとう/\寫
眞器
(
しんき
)
自作
(
じさく
)
を
志
(
こゝろざし
)
た。
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
晝
(
ひる
)
は
午睡
(
ひるね
)
が
許
(
ゆる
)
されてあるので
其
(
そ
)
の
時間
(
じかん
)
を
割
(
さ
)
いて
器用
(
きよう
)
な
彼
(
かれ
)
には
内職
(
ないしよく
)
の
小遣取
(
こづかひどり
)
も
少
(
すこ
)
しは
出來
(
でき
)
た。
好
(
す
)
きな
煙草
(
たばこ
)
とコツプ
酒
(
ざけ
)
に
渇
(
かつ
)
することはなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「なかなか
器用
(
きよう
)
には作者の
狙
(
ねら
)
ったところは一貫しています」と、天神さまみたような顔つきの人が熱心な
口調
(
くちょう
)
で口を出した。
猫八
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
ないしょで
料理
(
りょうり
)
をして、いつも同じようなじゃがいもにあきあきしているおっかあに食べさせて、『まあルミ、おまえはなんて
器用
(
きよう
)
な子だろう』
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
花むこも、こんな
器用
(
きよう
)
なはたらきもののおよめさんをもらうのをよろこんで、女の子のことをそれはそれはほめました。
三人の糸くり女
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
▼ もっと見る
「あなたの遣り方に賛成したのですね、ジエィン? それは
器用
(
きよう
)
なものだつたと思ふ、あなたは才能のある人だから。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
日本人種
(
にほんじんしゆ
)
といふものは
却々
(
なか/\
)
器用
(
きよう
)
でござりますから、
忽
(
たちま
)
ち一つの
発明
(
はつめい
)
をいたし、
器械
(
きかい
)
が
出来
(
でき
)
て見ると、
之
(
これ
)
に
就
(
つ
)
いて一つの
新商法
(
しんしやうはふ
)
の
目論見
(
もくろみ
)
を
起
(
おこ
)
しました。
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いま
直
(
す
)
ぐにも
描
(
か
)
ける
器用
(
きよう
)
な
腕
(
うで
)
が
却
(
かえ
)
って
邪間
(
じゃま
)
になって、
着物
(
きもの
)
なんぞ
着
(
き
)
た
女
(
おんな
)
を
描
(
か
)
いても、
始
(
はじ
)
まらないとの
心
(
こころ
)
からであろう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
角谷は手が
器用
(
きよう
)
で、書籍の箱造り
荷拵
(
にごしら
)
えなどがうまかった。職人になればよかった、と自身もしばしばこぼして居た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
おれだって、十手をさばかせては、腕に覚えのねえこともねえが、若しヒョッとして
器用
(
きよう
)
に逃げられでもしようもんなら、この黒門町の名折れになる。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
これをあやすなどという、世の常の親のように
器用
(
きよう
)
なまねは出来ぬが、とにかく腕の上にのせて散歩した。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
彼
(
かれ
)
は、ろくろく
学校
(
がっこう
)
へもいかず、
早
(
はや
)
くから、
町
(
まち
)
の
縫
(
ぬ
)
い
箔屋
(
はくや
)
へ
弟子入
(
でしい
)
りして、
手仕事
(
てしごと
)
をおぼえさせられたのでした。
生
(
う
)
まれつき
器用
(
きよう
)
の
正吉
(
しょうきち
)
は、よく
針
(
はり
)
をはこびました。
心の芽
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
態
(
わざ
)
とらしく
俯伏
(
うつぶ
)
いてゐたが、
其處
(
そこ
)
へ女房が
梨
(
なし
)
を五つばかり盆に載せ、ナイフを
添
(
そ
)
へて持つて來たので、顏を上げてそれを受け取ると、
器用
(
きよう
)
な手付きで梨の皮を
剥
(
む
)
いて
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
そして
重
(
おも
)
い
体
(
からだ
)
を
器用
(
きよう
)
に
調子
(
ちょうし
)
をとりながら、
綱渡
(
つなわた
)
りの一
曲
(
きょく
)
を
首尾
(
しゅび
)
よくやってのけましたから、
見物
(
けんぶつ
)
はいよいよ
感心
(
かんしん
)
して、
小屋
(
こや
)
もわれるほどのかっさいをあびせかけました。
文福茶がま
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
みんなは、リスのすばしこい動きかたや、
器用
(
きよう
)
にクルミのからをかじるところや、たのしそうに
遊
(
あそ
)
ぶのを見ていれば、夏じゅうおもしろくすごせるだろうと思いました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
けれど、そんなに
器用
(
きよう
)
にうごく手でさえも、うっかりして、あやまちをおかしたことがあったのでしょうか。なぜなら、おじいさんの左手には、名なし指がありませんでした。
名なし指物語
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
此
(
こ
)
の
写本
(
しやほん
)
の
挿絵
(
さしゑ
)
を
担当
(
たんたう
)
した
画家
(
ぐわか
)
は
二人
(
ふたり
)
で、
一人
(
ひとり
)
は
積翠
(
せきすゐ
)
(
工学士
(
こうがくし
)
大沢三之介
(
おほさはさんのすけ
)
君
(
くん
)
)
一人
(
ひとり
)
は
緑芽
(
りよくが
)
(
法学士
(
はうがくし
)
松岡鉦吉
(
まつをかしやうきち
)
君
(
くん
)
)
積翠
(
せきすゐ
)
は
鉛筆画
(
えんぴつぐわ
)
が
得意
(
とくい
)
で、
水彩風
(
すゐさいふう
)
のも
画
(
か
)
き、
器用
(
きよう
)
で
日本画
(
にほんぐわ
)
も
遣
(
や
)
つた
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
少しわきの
方
(
ほう
)
には、
讃美歌
(
さんびか
)
を
器用
(
きよう
)
にこなす子供たちが
並
(
なら
)
んでいて、その
中
(
なか
)
の一人はいつも
歌
(
うた
)
い
出
(
だ
)
す前に、そっといろいろな声で
唸
(
うな
)
るような
真似
(
まね
)
をする——これを
称
(
しょう
)
して、
調子
(
ちょうし
)
を
決
(
き
)
めるというのだ。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
得
(
え
)
ず右の女と
夫婦
(
ふうふ
)
になり
小細工
(
こざいく
)
などして
暮
(
くら
)
せしに
生質
(
せいしつ
)
器用
(
きよう
)
にて學問も出來其上
醫道
(
いだう
)
の
心懸
(
こゝろがけ
)
も有りし
故
(
ゆゑ
)
森通仙
(
もりつうせん
)
と改名し
外科
(
げくわ
)
を
專
(
もつぱ
)
らとして
傍
(
かたは
)
ら賣藥を
鬻
(
ひさ
)
ぎ不自由もなく世を送りし中女子一人を
儲
(
まう
)
け名を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と
器用
(
きよう
)
な
手
(
て
)
つきで、
腹
(
はら
)
から
拔出
(
ぬけだ
)
したやうに
横衣兜
(
よこがくし
)
の
時計
(
とけい
)
を
見
(
み
)
たが
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
器用
(
きよう
)
にあけたり またふさいだり
魔法の笛
(新字新仮名)
/
ロバート・ブラウニング
(著)
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
は
暫
(
しば
)
しの
間
(
あいだ
)
、
唖
(
おし
)
が
筍
(
たけのこ
)
を
掘
(
ほ
)
るような
恰好
(
かっこう
)
をしていたが、やがて
握
(
にぎ
)
り
拳
(
こぶし
)
の
中
(
なか
)
に、五六
枚
(
まい
)
の
小粒
(
こつぶ
)
を
器用
(
きよう
)
に
握
(
にぎ
)
りしめて、ぱっと
春重
(
はるしげ
)
の
鼻
(
はな
)
の
先
(
さき
)
で
展
(
ひろ
)
げてみせた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
卯平
(
うへい
)
は
見
(
み
)
るから
不器用
(
ぶきよう
)
な
容子
(
ようす
)
をして
居
(
ゐ
)
て、
恐
(
おそ
)
ろしく
手先
(
てさき
)
の
業
(
わざ
)
の
器用
(
きよう
)
な
性來
(
たち
)
であつた。それで
彼
(
かれ
)
は
仕事
(
しごと
)
に
出
(
で
)
ると
成
(
な
)
つてからは
方々
(
はう/″\
)
へ
傭
(
やと
)
はれて
能
(
よ
)
く
俵
(
たわら
)
を
編
(
あ
)
んだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
きょうから仮りの
父子
(
おやこ
)
となった左膳と、チョビ安——左膳にとっては、まるで世話女房が来たようなもので、このチョビ安、子供のくせにはなはだ
器用
(
きよう
)
で、御飯もたけば茶碗も洗う。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
けれどいよいよ食事がすんで、かれが小ようじを言いつけて、
器用
(
きよう
)
に歯をせせって(つついて)見せたとき、
割
(
わ
)
れるほど大かっさいがほうぼうに起こって、
芝居
(
しばい
)
はめでたくまい
納
(
おさ
)
めた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
そういいながら、
指先
(
ゆびさき
)
を
器用
(
きよう
)
に
動
(
うご
)
かした
春重
(
はるしげ
)
は、
糠袋
(
ぬかぶくろ
)
の
口
(
くち
)
を
解
(
と
)
くと、まるで
金
(
きん
)
の
粉
(
こな
)
でもあけるように、
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
の
掌
(
てのひら
)
へ、三つばかりを、
勿体
(
もったい
)
らしく
盛
(
も
)
り
上
(
あ
)
げた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
此
(
こ
)
の二つの
外
(
ほか
)
には
別段
(
べつだん
)
此
(
こ
)
れというて
數
(
かぞ
)
へる
程
(
ほど
)
他人
(
たにん
)
の
記憶
(
きおく
)
にも
残
(
のこ
)
つて
居
(
ゐ
)
なかつた。それでも
彼
(
かれ
)
の
大
(
おほ
)
きな
躰躯
(
からだ
)
と
性來
(
せいらい
)
の
器用
(
きよう
)
とは
主人
(
しゆじん
)
をして
比較的
(
ひかくてき
)
餘計
(
よけい
)
な
給料
(
きふれう
)
を
惜
(
をし
)
ませなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
かの女はまだことばをほんとうに出すだけに
器用
(
きよう
)
に
舌
(
した
)
が
働
(
はたら
)
かなかった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
器
常用漢字
小4
部首:⼝
15画
用
常用漢字
小2
部首:⽤
5画
“器”で始まる語句
器
器量
器物
器械
器具
器什
器量人
器械的
器量好
器械觀測