トップ
>
縦
>
たて
ふりがな文庫
“
縦
(
たて
)” の例文
旧字:
縱
リンゴの果実は、これを
縦
(
たて
)
に割ったり横に切ったりして見れば、よくその内部の様子がわかるから、そうして
検
(
けん
)
して見るがよい。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
ローゼ弦楽四重奏団 昔のパテー
縦
(
たて
)
震動盤に五、六枚ある時は、ローゼの名前で騒がれたものだ(音はその頃でも悪かった)。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
たとへば
月
(
つき
)
の
其
(
そ
)
の
本尊
(
ほんぞん
)
が
霞
(
かす
)
んで
了
(
しま
)
つて、
田毎
(
たごと
)
に
宿
(
やど
)
る
影
(
かげ
)
ばかり、
縦
(
たて
)
に
雨
(
あめ
)
の
中
(
なか
)
へふつと
映
(
うつ
)
る、
宵
(
よひ
)
に
見
(
み
)
た
土器色
(
かはらけいろ
)
の
月
(
つき
)
が
幾
(
いく
)
つにも
成
(
な
)
つて
出
(
で
)
たらしい。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そんなはずはないといぶかりながら、あかるい日光のもとで横からも
縦
(
たて
)
からも覗いたが、彼はどうしても赤座ではなかった。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
腿の骨を肉の上からトントンと叩いて砕いておいて膝の下即ち脛の裏を庖丁で
縦
(
たて
)
に裂くと八本の筋が
其処
(
そこ
)
へ
聚
(
あつ
)
まっています。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
我々人間は
縦
(
たて
)
、横、高さの三つしか知らないが、今ここに、もう一つなにか人間の感じないものを備えている
超立体世界
(
ちょうりったいせかい
)
があったとしましょう。
新学期行進曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
黒い毛むくじゃらの皮をかぶっていて、白くももも色でもなかった。にぎりこぶしぐらいの大きさの黒い頭をして、
縦
(
たて
)
につまった顔をしていた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
横なる東西の関係を理解するものは、
縦
(
たて
)
なる上下
乾坤
(
けんこん
)
のそれを会得してしかして後に初めてなし
能
(
あた
)
うものであるまいか。
東西相触れて
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
そのくせ、首を強く
縦
(
たて
)
に動かした。そして、お延がまだ疑わしそうな眼をして、自分の顔をのぞいているのを見ると
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
二条城の
普請
(
ふしん
)
の当初、光秀も奉行の一員として加わっていたので、彼は独特な築城技能をもって石垣の
縦
(
たて
)
の線に、弓なりの
反
(
そ
)
りをもたせて築いてあった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
隆ちゃんの天性は
縦
(
たて
)
の方です。生活が体をつかって、かえれば食べて眠くなる生活だから素朴な表現をもっているが。隆ちゃんはどこか貴方に似て来ている。
獄中への手紙:04 一九三七年(昭和十二年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
門を出るときにはもう横の列が
縦
(
たて
)
の列にかわっていました。しんがりはふたりです。次郎君と森川君です。
決闘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
飛びながらその女房がいうには、いつ迄も私と離れたくないならば、天とうへ行って親たちが
縦
(
たて
)
に切れというものを、必ず横に切りなさいと、固い約束を夫にさせた。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その下流の右岸には秀麗な
角錘形
(
かくすいけい
)
の山(それは
夕暮
(
ゆうぐれ
)
富士だと
後
(
あと
)
で聞いたが)山の
頂辺
(
てっぺん
)
に細い
縦
(
たて
)
の裂目のある小松色の山が、白い
河洲
(
かわす
)
の
緩
(
ゆる
)
い
彎曲線
(
わんきょくせん
)
と
程
(
ほど
)
よい近景を
成
(
な
)
して
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
寝台の
縦
(
たて
)
の鉄枠に
触
(
さわ
)
れるように、彼は全身をねじまげた。そして狭窄衣の長い袖の下に隠れている手頸がそれに触ると、勢いよくごしごしと袖を鉄に
擦
(
こす
)
りつけはじめた。
紅い花
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
帳合にも日本の
縦
(
たて
)
の文字を用い、法を西洋にして体裁を日本にせんこと、一大緊要の事なり。
小学教育の事
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
所が其反対で、人の感触を害する為めに、わざ/\偽善をやる。横から見ても
縦
(
たて
)
から見ても、相手には偽善としか思はれない様に仕向けて行く。相手は無論
厭
(
いや
)
な心持がする。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ソクラテスに至ってはアテナイ市民のみが相手であり、イエスの活動範囲のごときは
縦
(
たて
)
四十里横二十里の小地方である。が、それにもかかわらず我々は彼らを人類の教師と呼ぶ。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
おじいさんはもうすましたもので、
一生懸命
(
いっしょうけんめい
)
、のびたり、ちぢんだり、
縦
(
たて
)
になり、
横
(
よこ
)
になり、
左
(
ひだり
)
へ行き、
右
(
みぎ
)
へ行き、くるりくるりと
木
(
き
)
ねずみのように、
元気
(
げんき
)
よくはね
回
(
まわ
)
りながら
瘤とり
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
この品野の窯で最も誇ってよいのは、土地で「
赤楽
(
あからく
)
」と呼んでいる土で、これでよく
縦
(
たて
)
に
縞
(
しま
)
を入れます。いわゆる「
麦藁手
(
むぎわらで
)
」といわれるものの一つで、品野の特産でありました。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
水の中をごらんなさい。岩がたくさん
縦
(
たて
)
の
棒
(
ぼう
)
のようになっています。みんなこれです。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
宇津木が刀を受け取るやうに、
俯向加減
(
うつむきかげん
)
になつたので、
百会
(
ひやくゑ
)
の
背後
(
うしろ
)
が
縦
(
たて
)
に六寸程骨まで切れた。宇津木は
其儘
(
そのまゝ
)
立つてゐる。大井は少し
慌
(
あわ
)
てながら、二の
太刀
(
たち
)
で宇津木の腹を刺した。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
おめえさえ
首
(
くび
)
を
縦
(
たて
)
に
振
(
ふ
)
ってくれりゃァ、からきし
訳
(
わけ
)
はねえことなんだ。のうおせん。
赤
(
あか
)
の
他人
(
たにん
)
でさえ、
事
(
こと
)
を
分
(
わ
)
けて、かくかくの
次第
(
しだい
)
と
頼
(
たの
)
まれりゃ、いやとばかりゃァいえなかろう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
幾本となく
縦
(
たて
)
に組み合わされた、というよりも大磐石にヒビが入って、幾本にも亀裂したように集合して、その継ぎ目は、固い
乾漆
(
かんしつ
)
の間に、
布目
(
ぬのめ
)
を敷いたように
劃然
(
かっきり
)
としているのが
槍ヶ岳第三回登山
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
封筒の寸法は
縦
(
たて
)
四寸、横二寸三分、
鴇
(
とき
)
色地に桜ン坊とハート型の模様がある。桜ン坊はすべてで五
顆
(
か
)
、黒い茎に
真紅
(
まっか
)
な実が附いているもの。ハート型は十箇で、二箇ずつ重なっている。
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
南の裏庭広く、物置きや板倉が
縦
(
たて
)
に
母屋
(
おもや
)
に続いて、
短冊形
(
たんざくがた
)
に長めな
地
(
じ
)
なりだ。
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
縦
(
たて
)
に見た往来。少年はこちらへ
後
(
うし
)
ろを見せたまま、この往来を歩いて
行
(
ゆ
)
く。往来は余り人通りはない。少年の後ろから歩いて行く男。この男はちょっと振り返り、マスクをかけた顔を見せる。
浅草公園:或シナリオ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
鉄塔の壁が、まっ
縦
(
たて
)
にはるか下のほうまでつづいていて、まるで、高い高いだんがいのはじに、立っているような気持です。おしりのへんがくすぐったくなって、足がブルブルふるえてきました。
鉄塔の怪人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「されば、
縦
(
たて
)
になって」
江戸前の釣り
(新字新仮名)
/
三遊亭金馬
(著)
人の世の
縦
(
たて
)
となりけり。
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その仔細は、私のからだが
縦
(
たて
)
に倒れたからで、もし横に倒れたならば、首か胸か足かを車輪に轢かれたに相違なかった。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
木
(
き
)
を
削
(
けづ
)
る
時
(
とき
)
の
釣合
(
つりあひ
)
一
(
ひと
)
つで、
水
(
みづ
)
に
入
(
い
)
れた
時
(
とき
)
浮
(
う
)
き
方
(
かた
)
が
違
(
ちが
)
ふでねえかの、
縦
(
たて
)
に
留
(
と
)
まれば
生
(
しやう
)
がある、
横
(
よこ
)
に
寝
(
ね
)
れば、
死
(
し
)
んだりよ。……
煩
(
むづ
)
ヶ
敷
(
し
)
い
事
(
こと
)
ではねえだ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その次は肉の厚いカステラを横から三つに切って一つ一つの間へ何のジャムでも塗ってピタリと合せて
縦
(
たて
)
に
截
(
き
)
って出すのが手軽なジャムケーキです。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
いやもっと気をつけて見るなれば、その空樽を
支
(
ささ
)
えた
壁体
(
へきたい
)
の隅が
縦
(
たて
)
に
裂
(
さ
)
けて、その割れ目に一つの黒影が
滑
(
すべ
)
りこんだのを認めることができたであろう。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
九鬼右馬允の乗っている大船には、
熊野権現
(
くまのごんげん
)
の
大幟
(
おおのぼり
)
と日の丸がひるがえっていた。名づけて日本丸とよぶそれは、
胴
(
どう
)
の
間
(
ま
)
七間
縦
(
たて
)
十数間という熊野船だった。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのあと、就寝前の行事として、最初の
静坐
(
せいざ
)
がはじまった。塾生たちは、各室ごとに、きちんと
縦
(
たて
)
にならび、朝倉先生の指導にしたがってその姿勢をとった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
だから横に買っているのではなく、いつも
縦
(
たて
)
に買っているのだとでもいおうか。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
左岸の
城山
(
しろやま
)
に洞門を
穿
(
うが
)
つのである。奇岩
突兀
(
とっこつ
)
として
聳
(
そび
)
え立つその頂上に近代のホテルを建て更に岩石層の
縦
(
たて
)
の
隧道
(
トンネル
)
をくりぬき、しんしんとエレヴェーターで旅客を迎える計画だそうである。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
鶯に次いで愛したものは
雲雀
(
ひばり
)
であったこの鳥は天に向って
飛揚
(
ひよう
)
せんとする習性があり籠の
裡
(
うち
)
にあっても常に高く
舞
(
ま
)
い上るので籠の形も
縦
(
たて
)
に細長く造り三尺四尺五尺と云うような
丈
(
たけ
)
に達する。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それは長さが二
寸
(
すん
)
ぐらい、
幅
(
はば
)
が一寸ぐらい、
非常
(
ひじょう
)
に細長く
尖
(
とが
)
った形でしたので、はじめは私どもは上の
重
(
おも
)
い
地層
(
ちそう
)
に
押
(
お
)
し潰されたのだろうとも思いましたが、
縦
(
たて
)
に埋まっているのもありましたし
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
人生
(
ひとのよ
)
の
縦
(
たて
)
となりけり。
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その七つの
洞穴
(
ほらあな
)
から洞穴は、
縦
(
たて
)
に横に、上に下に、自由自在の
間道
(
かんどう
)
がついているが、それは小角ひとりがもっている
鍵
(
かぎ
)
でなければ
開
(
あ
)
かないようになっていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
若い次郎左衛門の耳は横に付いているのか
縦
(
たて
)
に付いているのか、ちっともその意見が響かないらしかった。
籠釣瓶
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
骨を截るのでありません、両方から合せてある骨を離すのです。骨が離れると肉も一緒に離れます。そこで料理人は胸の肉へ
縦
(
たて
)
に庖丁を入れて肩の処を
抽
(
ひ
)
きました。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
それは大きな飛行船を
縦
(
たて
)
にしたようなものであった。それは恐ろしい速力で飛び去った。その速力は光の速力に近いもので人間には
迚
(
とて
)
も出せそうもないものであった。
科学時潮
(新字新仮名)
/
海野十三
、
佐野昌一
(著)
と、
画工
(
ゑかき
)
さん、三
浦
(
うら
)
さんがばた/\と
出
(
で
)
た、その
自動車
(
じどうしや
)
が、
柴小屋
(
しばごや
)
を
小
(
ちい
)
さく
背景
(
はいけい
)
にして
真直
(
まつすぐ
)
に
着
(
つ
)
くと、
吹降
(
ふきぶり
)
を
厭
(
いと
)
つた
私
(
わたし
)
たちの
自動車
(
じどうしや
)
も、じり/\と
把手
(
ハンドル
)
を
縦
(
たて
)
に
寄
(
よ
)
つた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それよりか、一年から五年までの正しい生徒が、
縦
(
たて
)
に手を握りあうことが大切じゃないか。本田の弟も、その正しい生徒の一人だ。だから僕らはそれをバックしようと言うんだ。
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
向うの崖に黒い岩が
縦
(
たて
)
に
突
(
つ
)
き出ているでしょう。
台川
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
縦
(
たて
)
にのみ
湧
(
わ
)
くなる雲の火のはしら
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
鶏の脚部の膝の上の骨だけ筋の切れないように
庖丁
(
ほうちょう
)
の背中で叩いて取っておいて膝の下即ち
脛
(
すね
)
の裏の処を庖丁で
縦
(
たて
)
に裂くと肉は少しもなくって八本の筋が綜合しいる。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
“縦”の意味
《名詞》
(たて)平面では上下に、立体では前後に貫く方向。
《形容動詞》
(ほしいまま)自分の思い通りに行動するさま。
(出典:Wiktionary)
“縦(縦と横)”の解説
縦(たて)は主に垂直や前後の方向を、横(よこ)は主に水平や左右の方向を指す語である。
縦と横は対義語である。
(出典:Wikipedia)
縦
常用漢字
小6
部首:⽷
16画
“縦”を含む語句
縦令
放縦
縦横
操縦
放縦不羈
淫縦
操縦席
放縦無頼
縦覧
一擒一縦
縦様
放縦不覊
縦横十文字
縦縞
縦横無尽
横縦
擒縦
縦皺
先縦
縦横無碍
...