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種々
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さま/″\
ふりがな文庫
“
種々
(
さま/″\
)” の例文
蓮太郎も一つ受取つて、秋の
果実
(
このみ
)
のにほひを
嗅
(
か
)
いで
見乍
(
みなが
)
ら、さて
種々
(
さま/″\
)
な赤倉温泉の物語をした。越後の海岸まで旅したことを話した。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
聞て
狂氣
(
きやうき
)
の如く
悲
(
かなし
)
みしかども又
詮方
(
せんかた
)
も非ざれば無念ながらも
甲斐
(
かひ
)
なき日をぞ送りける其長庵は心の内の悦び大方ならず
猶
(
なほ
)
種々
(
さま/″\
)
と辯舌を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
夫れを
種々
(
さま/″\
)
に思ふて見ると父さんだとて私だとて孫なり子なりの顏の見たいは
當然
(
あたりまへ
)
なれど、餘りうるさく出入りをしてはと控へられて
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
俊男の頭の中には今、自分が病身の爲に家庭に於ける
種々
(
さま/″\
)
なる出來事を思出した。思出すと
其
(
それ
)
が
大概
(
たいがい
)
自分の病身といふに
基因
(
きゐん
)
してゐる。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
世のありさま、三四年このかた金融の
逼迫
(
ひつぱく
)
より、
種々
(
さま/″\
)
の転変を見しが、別して其日かせぎの
商人
(
あきびと
)
の上には軽からぬ不幸を生ぜしも多かり。
鬼心非鬼心:(実聞)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
▼ もっと見る
両側へずーっと
地口行灯
(
じぐちあんどう
)
を
掲
(
かゝ
)
げ、絹張に致して、良い
画工
(
えかき
)
に
種々
(
さま/″\
)
の絵を
描
(
か
)
かせ、上には花傘を附けまして両側へ数十本
立列
(
たちつら
)
ね、造り花や飾物が出来ます。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
御馳走
(
ごちそう
)
には
季春
(
しゆん
)
がまだ
早
(
はや
)
いが、たゞ
見
(
み
)
るだけなら
何時
(
いつ
)
でも
構
(
かま
)
はない。
食料
(
しよくれう
)
に
成
(
な
)
る
成
(
な
)
らないは
別
(
べつ
)
として、
今頃
(
いまごろ
)
の
梅雨
(
つゆ
)
には
種々
(
さま/″\
)
の
茸
(
きのこ
)
がによき/\と
野山
(
のやま
)
に
生
(
は
)
える。
くさびら
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
嘗
(
かつ
)
て汝に海の上を歩ましめし信仰に就き、輕き重き
種々
(
さま/″\
)
の事をもて、汝の好むごとく彼を試みよ 三七—三九
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
糸に作るにも座を定め
体
(
たい
)
を
囲位
(
かたむ
)
る事
績
(
うむ
)
におなじ。
縷綸
(
いとによる
)
その道具その
手術
(
てわざ
)
その
次第
(
しだい
)
の
順
(
じゆん
)
、その名に
呼物
(
よぶもの
)
許多
(
いろ/\
)
種々
(
さま/″\
)
あり、
繁細
(
はんさい
)
の事を
詳
(
つまびらか
)
にせんはくだ/\しければ
言
(
いは
)
ず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
さて、
此樣
(
このやう
)
な
行裝
(
ぎゃうさう
)
で、
彼奴
(
きゃつ
)
が
毎夜々々
(
まいよ/\
)
、
戀人共
(
こひびとども
)
の
頭腦
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
を
馳𢌞
(
かけまは
)
ると、それが
忽
(
たちま
)
ち
種々
(
さま/″\
)
の
夢
(
ゆめ
)
となる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
あゝ、
大佐
(
たいさ
)
は
其後
(
そのご
)
何處
(
いづこ
)
に
如何
(
どう
)
して
居
(
を
)
るだらうと
考
(
かんが
)
へるとまた
種々
(
さま/″\
)
の
想像
(
さうざう
)
も
沸
(
わ
)
いて
來
(
く
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
晴れ渡つた空の下に、流れる水の輝き、
堤
(
つゝみ
)
の
青草
(
あをくさ
)
、その上につゞく
桜
(
さくら
)
の花、
種々
(
さま/″\
)
の旗が
閃
(
ひらめ
)
く大学の
艇庫
(
ていこ
)
、その
辺
(
へん
)
から
起
(
おこ
)
る人々の
叫
(
さけ
)
び声、鉄砲の
響
(
ひゞき
)
。
渡船
(
わたしぶね
)
から
上下
(
あがりお
)
りする花見の人の混雑。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
夫
(
そ
)
れを
種々
(
さま/″\
)
に
思
(
おも
)
ふて
見
(
み
)
ると
父
(
とゝ
)
さんだとて
私
(
わたし
)
だとて
孫
(
まご
)
なり
子
(
こ
)
なりの
顏
(
かほ
)
の
見
(
み
)
たいは
當然
(
あたりまへ
)
なれど、
餘
(
あんま
)
りうるさく
出入
(
でい
)
りをしてはと
控
(
ひか
)
へられて
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
明
(
あきらか
)
に見、明に考へることが出来るやうに成つた。
眼前
(
めのまへ
)
に
展
(
ひろが
)
る郊外の景色を眺めると、
種々
(
さま/″\
)
の
追憶
(
おもひで
)
は丑松の胸の中を往つたり来たりする。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
遣ひ居て下されよと出すを久八はおし返し
達
(
たつ
)
て
辭退
(
じたい
)
をなしけれども千太郎は
猶
(
な
)
ほ
種々
(
さま/″\
)
に言ひなし
漸々
(
やう/\
)
金子を
差置
(
さしおき
)
つゝ我が家へこそは歸りけれ
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と
種々
(
さま/″\
)
に意見を加えましたが、
一方
(
かた/\
)
が頑固な
老爺
(
じい
)
さんで肯きませんから、そんならば暇をやろうと万事
行届
(
ゆきとゞ
)
いた茂木佐平治さんだから多分の手当を
致
(
し
)
てくれ
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此事
近隣
(
きんりん
)
に
聞
(
きこ
)
えて人々
集
(
あつま
)
り
種々
(
さま/″\
)
に
評議
(
ひやうぎ
)
して
居
(
ゐ
)
たるをりしも
一老夫
(
いちらうふ
)
来
(
きた
)
りていふやう、あるじの見え給はぬとや、
我
(
われ
)
心
(
こゝろ
)
あたりの事あるゆゑしらせ申さんとて
来
(
きた
)
れりといふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
数歳
(
すさい
)
の星霜を経て、今松川の塾となれるまで、
種々
(
さま/″\
)
人の
住替
(
すみかは
)
りしが、
一月
(
ひとつき
)
居
(
ゐ
)
しは皆無にて、多きも半月を過ぐるは無し。
甚
(
はなは
)
だしきに到りては、
一夜
(
ひとよ
)
を超えて引越せしもあり。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
路地は其等の浮世絵に見る如く今も昔と変りなく細民の棲息する処、日の当つた表通からは見る事の出来ない
種々
(
さま/″\
)
なる生活が潜みかくれてゐる。
佗住居
(
わびずまひ
)
の
果敢
(
はかな
)
さもある。隠棲の平和もある。
路地
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
斯う丑松は
猜疑深
(
うたがひぶか
)
く推量して、何となく油断がならないやうに思ふのであつた。不安な丑松の
眼
(
まなこ
)
には
種々
(
さま/″\
)
な心配の種が映つて来たのである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
暫時
(
しばし
)
と止め
種々
(
さま/″\
)
に
請勸
(
ときすゝ
)
めし
故
(
ゆゑ
)
澁々
(
しぶ/\
)
に
文
(
ふみ
)
取上て
封
(
ふう
)
押切
(
おしきり
)
讀
(
よむ
)
に
隨
(
したが
)
ひ小夜衣は少しも知らぬ
眞心
(
まごころ
)
見
(
み
)
え伯父長庵が惡事を
歎
(
なげ
)
き我身を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
汝ほどの
學識
(
ものしり
)
は廣き
東京
(
みやこ
)
に
掃
(
は
)
くほどにて、塵塚の隅にもごろごろと有るべし、いづれも立身出世の望みを持たぬはなく、
各自
(
めい/\
)
ことは
易
(
かは
)
りて、出世の向きも
種々
(
さま/″\
)
なるべけれど
花ごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
剣難の相があると云うたに
依
(
よ
)
って九歳の
折
(
おり
)
に出家を
遂
(
と
)
げ、谷中
南泉寺
(
なんせんじ
)
の弟子になって玄道、
剃髪
(
ていはつ
)
をしてから、もう長い間の事じゃ、其の
後
(
ご
)
嘉永の
始
(
はじめ
)
に
各藩
(
かくばん
)
にて
種々
(
さま/″\
)
の議論が起り
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
濃き闇は此処をも
立罩
(
たてこ
)
め候ふが、女の点ずる瓦斯の
灯
(
ひ
)
に、秘密の雲破れて、余の目の前には忽如として破れたる長椅子、古びし
寝台
(
ねだい
)
、曇りし姿見、水
溜
(
たま
)
れる
手洗鉢
(
てあらひばち
)
なぞ、
種々
(
さま/″\
)
の家具雑然たる一室の様
夜あるき
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
種々
(
さま/″\
)
曰くのつきし難物のよしなれども、持ねばならぬ義理ありて引うけしにや、それとも父が好みて申受しか、その邊たしかならねど勢力おさ/\女房天下と申やうな景色なれば
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
種々
(
さま/″\
)
曰
(
いは
)
くのつきし
難物
(
なんぶつ
)
のよしなれども、
持
(
もた
)
ねばならぬ
義理
(
ぎり
)
ありて
引
(
ひき
)
うけしにや、それとも
父
(
ちゝ
)
が
好
(
この
)
みて申
受
(
うけ
)
しか、その
邊
(
へん
)
たしかならねど
勢力
(
せいりよく
)
おさ/\
女房天下
(
にようぼうてんか
)
と申やうな
景色
(
けしき
)
なれば
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
世話
(
せわ
)
にこそなれ
恩
(
おん
)
もなにもなき
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
が、
常
(
つね
)
日
(
ひ
)
ごろ
種々
(
さま/″\
)
の
苦勞
(
くろう
)
をかける
上
(
うへ
)
にこの
間中
(
あひだぢう
)
よりの
病氣
(
びやうき
)
、それ
程
(
ほど
)
のことでも
無
(
な
)
かりしを、
何故
(
なにゆゑ
)
か
氣
(
き
)
が
欝
(
うさ
)
ぎて、
心
(
こゝろ
)
にも
無
(
な
)
き
所置
(
しよち
)
ありしかもしれず
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
雨
(
あめ
)
はふれど
雪
(
ゆき
)
は
降
(
ふ
)
れど
其處
(
そこ
)
に
轅棒
(
かぢぼう
)
おろさぬ
事
(
こと
)
なしと
口
(
くち
)
さがなき
車夫
(
しやふ
)
の
誰
(
た
)
れに申せしやら、
某
(
それ
)
から
某
(
それ
)
と
傳
(
つた
)
はりて
想像
(
さうぞう
)
のかたまりは
影
(
かげ
)
となり
形
(
かたち
)
となり
種々
(
さま/″\
)
の
噂
(
うわさ
)
となり、
人
(
ひと
)
知
(
し
)
れず
氣
(
き
)
をもみ
給
(
たま
)
ふ
御方
(
おんかた
)
もありし
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
種
常用漢字
小4
部首:⽲
14画
々
3画
“種々”で始まる語句
種々相
種々樣々
種々雜多
種々作
種々力
種々報
種々多様
種々雑多