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架
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かゝ
ふりがな文庫
“
架
(
かゝ
)” の例文
此
(
こ
)
の
樹
(
き
)
の
蔭
(
かげ
)
から、すらりと
向
(
むか
)
うへ、
隈
(
くま
)
なき
白銀
(
しろがね
)
の
夜
(
よ
)
に、
雪
(
ゆき
)
のやうな
橋
(
はし
)
が、
瑠璃色
(
るりいろ
)
の
流
(
ながれ
)
の
上
(
うへ
)
を、
恰
(
あたか
)
も
月
(
つき
)
を
投掛
(
なげか
)
けた
長
(
なが
)
き
玉章
(
たまづさ
)
の
風情
(
ふぜい
)
に
架
(
かゝ
)
る。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
白い洲の上流は、河になつてゐると見えて、高い堤の上に、珍しい程メカニックな大きい
吊橋
(
つりばし
)
がアーチのやうに
架
(
かゝ
)
つてゐた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
下水と
溝川
(
みぞかは
)
はその上に
架
(
かゝ
)
つた
汚
(
きたな
)
い
木橋
(
きばし
)
や、崩れた寺の塀、枯れかゝつた
生垣
(
いけがき
)
、または貧しい人家の
様
(
さま
)
と相対して、
屡
(
しば/\
)
憂鬱なる裏町の光景を組織する。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
田中町から塔の段へ
往
(
ゆ
)
くのには、学者の生活のやうな寂しい一筋道を真つ直に
往
(
ゆ
)
けばいゝのだが、途中に鴨河が流れてゐて、それに橋が一つ
架
(
かゝ
)
つてゐる。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
此の昌平橋は只今は
御成道
(
おなりみち
)
の通りに
架
(
かゝ
)
って居りますが、其の頃は
万世橋
(
よろずよばし
)
の西に
在
(
あ
)
りましたので、多助は山出しでございますから、
頓
(
とん
)
と勝手が知れません。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
その頃はまだ後の吾妻橋の大川橋は
架
(
かゝ
)
つて居らず、兩國橋を渡つて、川岸つぷちを上手へ駒形から上流は殺生禁斷で、水戸の下屋敷あたりから上流は、全くの別天地でした。
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小
(
ちひ
)
さな
土橋
(
どばし
)
が
一
(
ひと
)
つ、
小川
(
をがは
)
が
山川
(
やまがは
)
へ
注
(
そゝ
)
ぐところに
架
(
かゝ
)
つてゐた。
山川
(
やまがは
)
には
橋
(
はし
)
がなくて、
香魚
(
あゆ
)
の
棲
(
す
)
みさうな
水
(
みづ
)
が、
京
(
きやう
)
の
鴨川
(
かもがは
)
のやうに、あれと
同
(
おな
)
じくらゐの
幅
(
はゞ
)
で、
淺
(
あさ
)
くちよろ/\と
流
(
なが
)
れてゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
それは石壁の岸高きが下に碧潭深く湛へてゐる一大河に
架
(
かゝ
)
つてゐる橋が、しかも
直
(
たゞち
)
に對岸にかゝつてゐるのでは無く、河中の一大巨巖が中流に
蟠峙
(
ばんぢ
)
して河を二分してゐる其巨巖に架つてゐるので
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
虚空
(
こくう
)
に躍りて
架
(
かゝ
)
るあり
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
この
祠
(
ほこら
)
を
頂
(
いたゞ
)
く、
鬱樹
(
うつじゆ
)
の
梢
(
こずゑ
)
さがりに、
瀧窟
(
たきむろ
)
に
似
(
に
)
た
径
(
こみち
)
が
通
(
とほ
)
つて、
断崖
(
きりぎし
)
の
中腹
(
ちうふく
)
に
石溜
(
いしだま
)
りの
巌
(
いはほ
)
僅
(
わづか
)
に
拓
(
ひら
)
け、
直
(
たゞ
)
ちに、
鉄
(
くろがね
)
の
階子
(
はしご
)
が
架
(
かゝ
)
る
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
こゝからビエンホアの町へ這入る間、
甘蔗畑
(
かんしよばたけ
)
や、果樹園や、
椰子
(
やし
)
、
檳榔
(
びんらう
)
の
生
(
お
)
ひ茂る、いくつかの小さい部落を抜けて、ドンナイ河に
架
(
かゝ
)
つた、長い鉄橋を二つも渡つた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
飾り付けも立派でございまして、庭からずうと見渡すと、
潮入
(
しおい
)
りの
泉水
(
せんすい
)
になって、模様を取って
土橋
(
どばし
)
が
架
(
かゝ
)
り、紅白の萩其の
他
(
た
)
の秋草が盛りで、何とも云えん
好
(
よ
)
い景色でございます。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
水の汚い小川に
架
(
かゝ
)
つた
土橋
(
どばし
)
の上に立つて、小池が來た方を振り返へると、お光の姿が見えなくなつてゐたので、
後戻
(
あともど
)
りして探さうとすると、お光は町はづれの
小間物屋
(
こまものや
)
に荒物屋を兼ねたやうな店から
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
やがて
町
(
まち
)
に
近
(
ちか
)
い、
鈴
(
すゞ
)
の
緒
(
を
)
と
云
(
い
)
ふ
橋
(
はし
)
が、
河原
(
かはら
)
の
晃々
(
きら/\
)
と
白
(
しろ
)
い、
水
(
みづ
)
の
蒼
(
あを
)
い、
對岸
(
むかうぎし
)
の
暗
(
くら
)
い、
川幅
(
かははゞ
)
を
横
(
よこ
)
に
切
(
き
)
つて、
艷々
(
つや/\
)
と
一條
(
ひとすぢ
)
架
(
かゝ
)
る。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
成程
(
なるほど
)
、
三途川
(
さんづのかは
)
は
鉄橋
(
てつけう
)
が
架
(
かゝ
)
るなどゝ
云
(
い
)
ふのはえらいもので。民「えらいなんて、
地獄
(
ぢごく
)
の
開
(
ひら
)
けた事を
貴方
(
あなた
)
にお目にかけたい
位
(
くらゐ
)
のものです、
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
彼処
(
あすこ
)
に
茶屋
(
ちやゝ
)
が
有
(
あ
)
りますから
入
(
い
)
らツしやい。 ...
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
濱
(
はま
)
の
方
(
はう
)
へ五六
間
(
けん
)
進
(
すゝ
)
むと、
土橋
(
どばし
)
が
一架
(
ひとつ
)
、
並
(
なみ
)
の
小
(
ちひ
)
さなのだけれども、
滑川
(
なめりがは
)
に
架
(
かゝ
)
つたのだの、
長谷
(
はせ
)
の
行合橋
(
ゆきあひばし
)
だのと、おなじ
名
(
な
)
に
聞
(
きこ
)
えた
亂橋
(
みだればし
)
といふのである。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
宿
(
やど
)
の
入口
(
いりくち
)
に
井戸川
(
ゐどがは
)
と
云
(
い
)
つて
江戸川
(
えどがは
)
をなまつたやうな、
些
(
いさゝ
)
かもの
欲
(
ほ
)
しさうな
稱
(
な
)
の
流
(
ながれ
)
があつた。
古
(
ふる
)
い
木
(
き
)
の
橋
(
はし
)
が
架
(
かゝ
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
間
(
あひだ
)
に
中之橋
(
なかのはし
)
があつて、
一
(
ひと
)
つ
上
(
うへ
)
に、
上之橋
(
かみのはし
)
を
流
(
なが
)
れるのが
仙臺堀川
(
せんだいぼりがは
)
ぢやあありませんか。……
斷
(
ことわ
)
つて
置
(
お
)
きますが、その
川筋
(
かはすぢ
)
に
松永橋
(
まつながばし
)
、
相生橋
(
あひおひばし
)
、
海邊橋
(
うみべばし
)
と
段々
(
だん/\
)
に
架
(
かゝ
)
つてゐます。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
馬
(
うま
)
の
胴中
(
どうなか
)
ほどの
石
(
いし
)
の、
大樫
(
おほかし
)
、
古槻
(
ふるつき
)
の
間
(
あひだ
)
に
挟
(
はさま
)
つて、
空
(
そら
)
に
架
(
かゝ
)
つて、
下
(
した
)
が
空洞
(
うつろ
)
に、
黒鱗
(
こくりん
)
の
淵
(
ふち
)
に
向
(
むか
)
つて、五七
人
(
にん
)
を
容
(
い
)
るべきは、
応接間
(
おうせつま
)
の
飾棚
(
かざりだな
)
である。
石
(
いし
)
げどはこの
巌
(
いは
)
の
名
(
な
)
なのである。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
白
(
しろ
)
い、
靜
(
しづか
)
な、
曇
(
くも
)
つた
日
(
ひ
)
に、
山吹
(
やまぶき
)
も
色
(
いろ
)
が
淺
(
あさ
)
い、
小流
(
こながれ
)
に、
苔蒸
(
こけむ
)
した
石
(
いし
)
の
橋
(
はし
)
が
架
(
かゝ
)
つて、
其
(
そ
)
の
奧
(
おく
)
に
大
(
おほ
)
きくはありませんが
深
(
ふか
)
く
神寂
(
かんさ
)
びた
社
(
やしろ
)
があつて、
大木
(
たいぼく
)
の
杉
(
すぎ
)
がすら/\と
杉
(
すぎ
)
なりに
並
(
なら
)
んで
居
(
ゐ
)
ます。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
藤
(
ふぢ
)
の
花
(
はな
)
の
紫
(
むらさき
)
は、
眞晝
(
まひる
)
の
色香
(
いろか
)
朧
(
おぼろ
)
にして、
白日
(
はくじつ
)
、
夢
(
ゆめ
)
に
見
(
まみ
)
ゆる
麗人
(
れいじん
)
の
面影
(
おもかげ
)
あり。
憧憬
(
あこが
)
れつゝも
仰
(
あふ
)
ぐものに、
其
(
そ
)
の
君
(
きみ
)
の
通
(
かよ
)
ふらむ、
高樓
(
たかどの
)
を
渡
(
わた
)
す
廻廊
(
くわいらう
)
は、
燃立
(
もえた
)
つ
躑躅
(
つゝじ
)
の
空
(
そら
)
に
架
(
かゝ
)
りて、
宛然
(
さながら
)
虹
(
にじ
)
の
醉
(
ゑ
)
へるが
如
(
ごと
)
し。
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“架”の意味
《名詞》
(たるき)屋根を支えるために棟から軒先に掛け渡す長い木材。
(出典:Wiktionary)
架
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
“架”を含む語句
十字架
稲架
書架
架空線
後架
画架
橋架
架上
一架
担架
刀架
架空
架台
廊架
総後架
筆架
薪架
黒十字架
架橋工事
畫架
...